大津市議会議員 佐藤弘

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子どもの医療費無償化は「親の安心」を生んでいた ― EBPMの視点から見た最新研究の評価

保健 子育て 社会保障 行政 / 2026年7月15日

■ はじめに ― なぜこの研究に注目するのか

子どもの医療費無償化は、いまや全国のほぼすべての自治体で実施されている子育て支援策です。大津市でも、子育て世帯にとって身近な制度となっています。

しかしEBPM(エビデンスに基づく政策立案)の観点から見ると、この政策には長年、厳しい指摘がありました。「医療費を無償化しても、子どもの健康は必ずしも改善していないのではないか」「近隣自治体との横並び競争(ヤードスティック競争)で対象年齢が拡大しているだけではないか」という疑問です。

こうした中、2026年7月、経済産業研究所(RIETI)から注目すべき研究成果が公表されました。佐藤大晃氏(慶應義塾大学)と中室牧子氏(経済産業研究所・慶應義塾大学)による「子どもの医療費無償化のスピルアップ効果」(RIETI Discussion Paper Series 26-J-031)です。

この研究のポイントは、政策効果を測る「ものさし」を変えたことにあります。本稿では、その内容を市民の皆さまにわかりやすくご紹介します。

■ 「スピルアップ効果」とは何か

これまで子どもの医療費無償化の評価は、受益者である「子ども本人」への効果、つまり子どもの健康や受診行動を見るのが中心でした。

これに対し本研究が着目したのは「スピルアップ効果」です。これは、子どもへの支援が、直接の受益者ではない「親」にまで好影響を及ぼす波及効果のことです。子どもの通院費の自己負担がゼロになることで、「急な出費への不安」や「費用を心配して受診をためらう心理的負担」が軽減され、親の精神的な安心感(peace of mind=心の平穏)につながる、というメカニズムが想定されています。

米国では、低所得者向け公的医療保険(メディケイド)への子どもの加入が母親の心理的負担を改善することが確認されていました(Grossman et al., 2022)。本研究は、国民皆保険制度をもつ日本でも同じ効果が成り立つのかを検証した、国内でも先駆的な研究です。

■ 研究の方法 ― 青森県のデータで「差の差」を検証

研究では、青森県の「青森県子どもの生活実態調査」(2018年・2023年の2時点、小学5年生・中学2年生とその保護者が対象)が用いられました。

青森県では、県内40市町村のうち36市町村が2018年4月時点で通院に係る子どもの医療費無償化を導入済みだった一方、八戸市・五所川原市・黒石市・むつ市の4市は未就学児までにとどまっていました(2023年4月には全40市町村が15歳年度末まで拡大)。この「導入時期の差」を利用し、差分の差分法(DID)という統計手法で政策効果を推定しています。親の心理的負担は、うつ病等のスクリーニング指標であるK6スコア(0〜24点、高いほど負担が重い)で測定されています。

■ 主な結果① ― 子どもの健康には効果なし、しかし親の心理的負担は改善

結果は示唆に富むものでした。

子ども本人への効果:医療費無償化は、子どもの受診控えや健康状態には統計的に有意な影響を与えていませんでした。これは「子どもの健康改善効果は限定的」とする従来の研究(Takaku, 2016等)と整合的です。

親への効果:一方で、親の心理的負担(K6)は統計的に有意に低下しました。DID推定で0.60ポイント、共変量の偏りを調整した二重に頑健な推定(DRDID)でも0.50ポイントの低下で、K6の平均値3.87に対して約13〜16%の改善に相当します。

つまり、「子どもの健康のため」という当初の政策目的では効果が確認できない一方、「親の安心」という別の便益が実証されたのです。

■ 主な結果② ― 効果が出たのは「高所得層」と「小学生の親」

さらに興味深いのは効果の偏りです。

  • 所得層別:効果は等価世帯可処分所得の上位50%の世帯でのみ確認され(DIDで-0.97ポイント)、下位50%では有意な効果はありませんでした。低所得層には生活保護やひとり親世帯向けの医療費助成が既にあり、無償化による追加的な便益が小さかった可能性が指摘されています。
  • 学年別:小学生の子を持つ親には有意な効果(DIDで-1.42ポイント)があった一方、中学生の親には効果が見られませんでした。低年齢ほど外来受診の機会が多く、恩恵を受けやすいことが背景と考えられます。

「医療費の負担軽減策の効果が高所得層に表れる」というのは意外に感じられるかもしれませんが、全国規模のレセプトデータを用いた先行研究(Fukuma et al., 2023)とも整合する結果です。

なお、全サンプルでの効果は、より厳格な統計検定(ワイルドクラスターブートストラップ法)では有意性が確認されず、著者らも慎重な解釈を求めています。ただし高所得層への効果はこの検定でも頑健でした。

■ 主な結果③ ― 給食費無償化との比較:効果の大きさと費用対効果は別物

本研究のもう一つの柱が、同じく青森県内で順次導入された小学校給食費無償化との比較です。

比較項目 子どもの医療費無償化 学校給食費無償化
親の心理的負担(K6)への効果(DRDID) -0.50ポイント -0.63ポイント
一人当たり年間費用 27,843円(0〜14歳平均医療費) 55,140円(青森県小学校平均給食費)
費用対効果比(費用÷効果、小さいほど効率的) 55,686円 87,524円

(出典:本論文第7章。医療費は厚生労働省「子どもの医療の費用負担の状況(平成27年)」、給食費は文部科学省「学校給食実施状況等調査」に基づく著者らの算出)

スピルアップ効果の「大きさ」自体は給食費無償化の方が上回りますが、政策にかかる費用を考慮した「費用対効果」では、医療費無償化の方が優れているという結果です。著者らはこの違いを、給食費無償化が「毎月確実に発生する負担の軽減=所得再分配」であるのに対し、医療費無償化は「将来の不確実な出費への備え=保険」として機能しているためと解釈しています。

ただしこの比較は「親の心理的負担」というアウトカムに限ったもので、子どもの学力や長期的な健康への影響は含まれていない点に留意が必要です。

■ 主な結果④ ― 親の行動も変わる:家庭内か、学校・地域か

媒介分析(政策効果がどの経路を通じて生じたかを分解する手法)の結果、両政策は親の「子どもへの関わり方」を異なる方向に変えていました。

  • 医療費無償化:勉強を見る、学校の話をするなど「家庭内での子どもへの関与」を増加(総合効果0.195、うち約7.7%が心理的負担軽減を通じた効果)
  • 給食費無償化:学校行事・PTA・地域活動など「学校や地域への関与」を増加(総合効果0.141、うち約11.3%が心理的負担軽減を通じた効果)

同じ「子ども向けの現物給付」でも、波及する経路が異なるという発見です。

■ EBPMの観点から ― この研究が示す政策評価の教訓

本研究がEBPMの実践に示す教訓は、次の3点に整理できると考えます(論文第9章の政策的インプリケーションに基づく)。

第一に、政策評価の「ものさし」を広げる必要性。子ども本人への直接効果だけを見ると、政策の便益を過小評価する恐れがあります。親へのスピルアップ効果まで含めた総合的な評価が求められます。

第二に、「どちらが優れた政策か」ではなく「何を目標とするか」。家庭内の養育環境の改善を重視するなら医療費負担の軽減、学校・地域との連携強化を重視するなら給食費負担の軽減と、政策目標に応じた使い分けの視点が示されました。

第三に、便益は必ずしも低所得層に集中しない。子ども関連政策は所得再分配の観点から低所得層への重点化が議論されがちですが、波及効果まで含めれば異なる設計もあり得ることを示しています。

なお本研究の対象である青森県は、所得水準が全国平均より低く人口減少が進む地方自治体であり、著者らは同様の課題を抱える他の地方自治体への応用可能性に言及しています。一方、都市部では医療機関の混雑など異なる影響もあり得るため、検証は今後の課題とされています。

■ まとめ

ポイント 内容
子どもの健康・医療アクセス 有意な効果なし
親の心理的負担(K6) 約13〜16%改善(主に高所得層・小学生の親)
給食費無償化との比較 効果の大きさは給食費が上、費用対効果は医療費が上
親の行動変化 医療費→家庭内の関与増、給食費→学校・地域活動の関与増
EBPM上の示唆 直接効果+スピルアップ効果+財政コストの統合評価が必要

子どもの医療費無償化は「子どもの健康を改善する政策」としては効果が確認されない一方、「親の安心を生み、家庭での子どもとの関わりを増やす政策」としての価値が実証されました。政策の効果を先入観ではなくデータで検証し、その結果に基づいて制度を設計する――本研究は、地方自治体におけるEBPMのあり方を考える上で、大変示唆に富むものです。


 


【参考資料・出典】

  • 佐藤大晃・中室牧子「子どもの医療費無償化のスピルアップ効果」RIETI Discussion Paper Series 26-J-031(独立行政法人経済産業研究所、2026年7月)
  • 本文中の数値はすべて上記論文に基づく。データは青森県「青森県子どもの生活実態調査」(2018年・2023年)、制度導入状況は厚生労働省「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」およびこども家庭庁「こどもに係る医療費の助成についての調査」による
  • 一人当たり医療費:厚生労働省「子どもの医療の費用負担の状況(平成27年)」(論文内引用)
  • 一人当たり学校給食費:文部科学省「学校給食実施状況等調査」(論文内引用)
  • 論文内引用の主な先行研究:Grossman, Tello-Trillo and Willage (2022, NBER Working Paper No. w29661)、Fukuma et al. (2023, BMJ Open)、Takaku (2016, Social Science & Medicine)

※本記事は上記ディスカッション・ペーパーの内容を紹介するものであり、論文に述べられている見解は執筆者個人の責任で発表されたもので、経済産業研究所の見解を示すものではありません(論文冒頭の注記による)。

「座りすぎ」は命に関わる—年間2,825億円の経済損失と、自身の健康を守るために

保健 医療 / 2026年5月20日

「運動はしていないけれど、特に病気もないから大丈夫」—そう思っている方は多いのではないでしょうか。
実は、運動習慣の有無に関わらず、長時間座り続けること自体が、死亡や重大疾患のリスクを高めることが、国内外の複数の科学的研究によって明らかになっています。

2026年5月、東京都健康長寿医療センター研究所と早稲田大学の研究グループが発表した最新の研究では、日本人の「座りすぎ」が慢性疾患を通じて年間約2,825億円という膨大な経済的負担をもたらしていることが推計されました。

そう言えば、私の身につけているスマートウォッチもパソコンで作業しているときに「起立」を求めるメッセージが出てきます。

「運動しましょう」ではなく「起立しましょう」ぐらいのことでは、大して健康に影響はないだろうと思っていたのですが、「起立」の重要性が理解できました。(-_-;)

これは個人の健康の問題にとどまらず、社会全体で取り組むべき公衆衛生上の重要課題と考えます。
本記事では、複数の根拠を示しながら、座りすぎの危険性をわかりやすくお伝えします

■ 「座りすぎ」とは?—1日8時間が一つの目安

研究における「座りすぎ(過剰な座位行動)」の定義は、1日8時間以上、座った状態や横になった状態で過ごすことを指します。
テレワークの普及やスマートフォンの長時間使用など、現代の生活スタイルでは、この水準を超えてしまっている方も少なくないでしょう。


■ 根拠①:死亡リスクが最大1.89倍に——複数研究のメタ解析

最も強力な根拠の一つが、**客観的に測定した座位行動に関するメタ解析(複数の研究を統合した分析)**です。

厚生労働省のe-ヘルスネットが整理しているメタ解析の結果によれば、

  • 座位時間が最も長い群は、最も短い群と比較して、
    • 心血管疾患による死亡リスク:1.89倍
    • 総死亡リスク:1.58倍

という差が確認されています。

さらに、1日の総座位時間が6〜8時間、またはテレビ視聴に伴う座位時間が3〜4時間を超えると、総死亡および心血管疾患死亡のリスクが高まる傾向が示されています。

この結果は一つの研究ではなく、複数の研究を束ねたメタ解析によるものであり、科学的根拠として高い信頼性を持ちます。

出典: 厚生労働省「e-ヘルスネット」座位行動(身体活動・座位行動)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/


■ 根拠②:運動していても、座りすぎは危険——厚生労働省の指摘

「ジムに通っているから大丈夫」とは言い切れません。

厚生労働省の資料では、座りすぎている人は、たとえ運動習慣があっても、以下のリスクが高いことが報告されています

  • 肥満
  • 2型糖尿病
  • 心臓病
  • 死亡リスクの上昇

さらに、世界保健機関(WHO)は、「長時間の座りすぎの悪影響を軽減するには、中〜高強度の身体活動を推奨レベル以上に行う必要がある」と勧告しており、座りすぎの悪影響は、かなり高い身体活動量でしか十分に相殺されない可能性を指摘しています。

出典: 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
WHO「身体活動および座位行動に関するガイドライン(2020年)」


■ 根拠③:日本人のデータでも確認——国立がん研究センターの大規模研究

「欧米のデータが中心では?」という疑問もあるかもしれませんが、日本人のデータでも同様の傾向が示されています。

国立がん研究センターの多目的コホート研究(日本の大規模追跡調査)では、職業上の座位時間が長いことと、全死亡リスクの上昇との関連が報告されています。

大規模な日本人集団でも、複数の欧米研究と一致した結果が得られていることは、この知見の普遍性を裏付けるものです。

出典: 国立がん研究センター「多目的コホート研究(JPHC Study)」
https://epi.ncc.go.jp/jphc/


■ 根拠④:年間2,825億円の経済的損失——最新の国内研究(2026年)

2026年4月、国際学術誌『Journal of Public Health』(Oxford University Press発行)に、日本における座りすぎの経済的コストを推計した研究が掲載されました。

東京都健康長寿医療センター研究所の光武誠吾研究員、早稲田大学スポーツ科学学術院の岡浩一朗教授らの研究グループが公的な全国統計情報等をもとに推計した結果、

項目 金額(95%信頼区間)
経済的負担(合計) 約2,825億円(2,589億〜3,060億円)
うち直接医療費 約2,384億円(2,153億〜2,615億円)
うち間接費(生産性損失等) 約441億円(243億〜610億円)

疾患別では、外来医療費では糖尿病、入院医療費では認知症による経済的負担が最も大きいことが示されました。

また、研究グループはこの推計が控えめな試算であるとも指摘しています。処方薬費・介護サービス費・家族の介護負担・欠勤などの損失が含まれておらず、実際の負担はさらに大きい可能性があります。

出典:
光武誠吾ほか「The Economic Costs of Excessive Sedentary Behaviour in Japan」
Journal of Public Health(Oxford University Press)、2026年4月24日掲載
DOI: 10.1093/pubmed/fdag029
プレスリリース:東京都健康長寿医療センター・早稲田大学(2026年5月12日)
https://www.tmghig.jp/research/release/2026/0512.html


■ まとめ:座りすぎが危険な4つの根拠

根拠 内容 出典
① メタ解析(複数研究統合) 座位時間が長い群は心血管疾患死亡リスク1.89倍、総死亡1.58倍 厚生労働省 e-ヘルスネット
② WHO・厚労省の指摘 運動習慣があっても座りすぎは肥満・糖尿病・心臓病・死亡リスクを高める 厚労省「身体活動・運動ガイド2023」・WHO指針
③ 日本人大規模コホート 職業性座位時間の長さと全死亡リスク上昇の関連を確認 国立がん研究センター JPHC研究
④ 経済損失推計(最新) 座りすぎによる慢性疾患の経済的負担は年間約2,825億円 光武ほか(2026)Journal of Public Health

■ 私たちにできること——今日から始める「座りすぎ対策」

研究者たちは、個人の努力だけでなく、社会・職場・地域の環境整備が重要だと指摘しています。

個人でできること

  • 30〜60分に1回、立ち上がる習慣をつける
  • テレビを見ながらでもストレッチや軽い体操を取り入れる
  • 職場でスタンディングデスクや昇降デスクを活用する

社会・行政として求められること

  • 健診・保健指導の場に座位行動チェックを取り入れる
  • 職場環境整備の促進(座りすぎを防ぐレイアウト・休憩ルール)
  • 地域の健康づくり施策に「座らない時間をつくる」視点を組み込む

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、座位行動の悪影響への注目が明記されており、国の施策としての重要度は今後さらに高まると考えられます。


■ おわりに

「座っているだけで病気になるはずがない」——そう思いがちですが、科学的な証拠は、長時間の座位が死亡リスクや医療費を着実に押し上げることを示しています。

健康寿命の延伸は、すべての人にとっての願いです。身近なところから「座りすぎない」生活を意識し、地域・職場全体でその環境をつくっていくことが、私たちの健康と社会の持続可能性を守ることにつながります。


【参考資料・出典一覧】

  1. 東京都健康長寿医療センター研究所・早稲田大学「日本の成人における座りすぎに伴う慢性疾患による経済的負担は年間約2,825億円と推計」プレスリリース(2026年5月12日)
    https://www.tmghig.jp/research/release/2026/0512.html
  2. 光武誠吾・柴田愛・石井香織・Neville Owen・岡浩一朗「The Economic Costs of Excessive Sedentary Behaviour in Japan」Journal of Public Health(Oxford University Press)、DOI: 10.1093/pubmed/fdag029、2026年4月24日掲載
  3. 厚生労働省「e-ヘルスネット:座位行動」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  4. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  5. 世界保健機関(WHO)「身体活動および座位行動に関するガイドライン(2020年)」
  6. 国立がん研究センター「多目的コホート研究(JPHC Study)」
    https://epi.ncc.go.jp/jphc/

本記事は上記公式資料・学術論文に基づき作成しています。

「家族がいるのに寂しい」の正体。健康を蝕む『家庭内孤立』のリスク

保健 家族 / 2026年5月15日

「家族と一緒に暮らしているから、自分は孤独とは無縁だ」 そう思っている方は多いかもしれません。しかし、現実は必ずしもそうではないようです。

東京都健康長寿医療センター研究所が発表した調査結果によると、同居家族がいても心理的に孤立している「家庭内孤立」の状態にある人は、実は一人暮らしの人よりも精神的な健康状態が悪化しやすいという衝撃的な実態が明らかになりました。

今回の研究で注目すべきポイントをまとめました。

  • 「同居=安心」ではない:家族と同居していても、会話や頼り合える関係がない「家庭内孤立」の状態は、精神的健康に深刻な悪影響を及ぼします。

  • 一人暮らし以上のリスク:客観的に一人で暮らしている人よりも、家族の中にいながら孤独を感じている人の方が、心理的な苦痛が強い傾向にあります。

  • 「つながりの質」が重要:単に一緒に住んでいることよりも、困った時に相談できたり、日常的な交流があったりといった「関係性の質」こそが、私たちの心を守る鍵となります。

「同じ屋根の下に誰かがいればいい」というわけではなく、大切なのはその中身です。 もし、家族と一緒にいても強い孤独感や疎外感を感じているのなら、それは個人の性格の問題ではなく、健康を脅かす一つの「リスク」として捉える必要があるかもしれません。

今の時代、物理的な距離よりも「心の距離」に目を向けることが、健やかに生きるための第一歩と言えそうです。

出典:「同居家族がいるから安心」とは限らない 家庭内孤立と精神的健康の関連を解明|研究成果|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 の資料より


【参照元記事】 <プレスリリース>「同居家族がいるから安心」とは限らない 家庭内孤立と精神的健康の関連を解明|研究成果|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所

予防と早期介入が、社会全体の健康と活力を支える

保健 医療 生活 / 2026年4月23日

「非感染性疾患への予防・早期介入に向けた政策提言」から

日本では、がん、循環器疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患などの非感染性疾患(NCDs)が、私たちの暮らしに深く関わる大きな課題になっています。
こうした病気は命に関わるだけでなく、体の不調や生活のしづらさ、仕事や地域活動への参加の難しさにもつながります。
だからこそ今、病気になってから支えるだけでなく、できるだけ防ぎ、早く気づき、早く支える社会へと考え方を広げていくことが大切です。

治療だけでなく、未来を支える「予防」と「早めの支援」を

日本は長寿国として知られていますが、本当に大切なのは、ただ長く生きることではなく、元気に自分らしく暮らせる時間をどう伸ばしていくかということです。
そのために重要なのが、非感染性疾患への予防と早期介入です。これらの病気の多くは、ある日突然始まるのではなく、長い時間をかけて少しずつ進んでいきます。
だからこそ、生活習慣の見直しや健診の活用、早めの受診によって、発症や重症化を防げる可能性があります。
また、予防と早期介入は、本人の健康を守るだけでなく、医療費の増加を抑え、社会保障を持続可能なものにしていくうえでも重要です。
重症化してから支える仕組みだけでは限界があるからです。健診や検診を受けやすくすること、要精密検査となった人をしっかり支えること、高血圧や高血糖などの段階で早めに対応することが、これからますます大切になります。
さらに見逃せないのが、健康格差の問題です。住んでいる地域や収入、生活環境、人とのつながりの有無によって、健康を守る機会に差が生まれることがあります。
だからこそ、個人の努力だけに任せるのではなく、学校、職場、地域、自治体が連携し、誰もが健康になりやすい環境を整えていく必要があります。
予防とは、病気を防ぐためだけでなく、その人らしい暮らしや地域の元気を守るための大切な取り組みでもあるのです。


 


本稿の参照資料

非感染性疾患への予防・早期介入に向けた政策提言(PHSSR Japan 2026年3月)

▶ 提言書の詳細・全文はこちら(HGPI公式サイト)

「東はぴすこ」プレオープンセレモニー及び内覧会に出席しました!

まちづくり 保健 / 2026年3月27日

本日3月27日、玉野浦にある「東はぴすこ(老人福祉センター)」のリニューアルに伴うプレオープンセレモニー及び内覧会に出席してまいりました
本日は、出席した4名の市議会議員を代表して、地元議員の私から祝辞を述べさせていただきました。
■ 地域のふれあいと健康づくりの新たな拠点へ
「東はぴすこ」は、平成3年の開設以来、長きにわたり東部地域の高齢者の皆様の憩いの場として親しまれてきました
大津市では現在、「健康寿命の更なる延伸に向けた高齢者の健康づくりの拠点施設」として、市内5か所の老人福祉センターの機能充実を毎年度1施設ずつ進めています
祝辞の中では、先行してリニューアルされた「中はぴすこ」や「南はぴすこ」が大変好評を得ており、リニューアル前の浴場利用者数と比べて約2倍に増え、現在も増加傾向で推移しているという素晴らしい成果に触れました
このような素晴らしいアイデアをもって本施設の機能充実にご尽力いただいた、大津市をはじめとする関係者の皆様に深く感謝を申し上げました。
■ 内覧会で最新設備を体験!
セレモニー終了後の内覧会では、実際に真新しい施設を見学させていただきました
今回のリニューアルにより、60歳以上の市民の皆様であれば1回110円という手軽さで、本格的なトレーニングルームやシャワー室をご利用いただける素晴らしい環境が整いました
私自身も実際にトレーニングマシンの使用体験をさせていただきましたが、フレイル予防や運動機能向上に大いに役立つと実感いたしました
さらに、施設内には体組成計や骨健康測定計、血管年齢計などが設置されており、私も健康セルフチェックを体験させていただきました
また、施設内の和式トイレが洋式に改修されるなど、誰もが快適にご利用いただけるよう細やかな配慮がなされています
■ 「心の健康」と地域連携による周知に向けて
当施設での身体の健康づくりはもちろん素晴らしいことですが、地域の皆様がこの場所に足を運ばれることで自然と地域交流が図られる点も非常に重要です。
その人と人との温かいふれあいが、皆様の「心の健康」にも繋がっていくものと確信しております。
今後は、この充実した施設をより多くの方にご活用いただけるよう、地元の「公民館だより」など広報活動が重要になってまいります
本日の式典には各学区の自治連合会長の皆様もご臨席されておりましたので、ぜひ自治連合会を通じてもそれぞれの地域の皆様へ周知を図っていただきますよう、お力添えをお願いいたしました
いよいよ4月1日からリニューアルオープンとなります
「東はぴすこ」が皆様の健康寿命をさらに延伸する拠点としてますます発展していくよう、
私たち地元議員としても、地域の皆様とともに積極的な周知に努め、心身両面からの健康づくりを後押ししてまいる所存です。

医療情報はなぜ「つながる」必要があるのか

ICT活用 保健 医療 / 2026年3月17日

― 医療情報の現状と課題、これからの医療DX ―

「病院ごとにカルテがバラバラで、前の病院の情報が伝わっていない」

「薬が重複して処方されそうになった」

「災害時に自分の薬の情報が分からず困った」

こうした声は、実は日本の医療の“構造的な課題”から生まれています。

今回の国立国会図書館の資料を読むと、医療情報の共有がなぜ重要なのか、そして日本の医療DXがどこに向かっているのかがよく見えてきます。

この記事では、市民の皆さんにも分かりやすく、今の状況と未来像をまとめます。

(出典:国立国会図書館「医療情報共有の現状と課題」

1. 今の医療情報は「バラバラ」

患者
 ├─ A病院:検査結果
 ├─ B診療所:薬の情報
 └─ C薬局:調剤情報

→ それぞれがつながっていないのが現状。

そのため…

  • 同じ検査を繰り返す
  • 薬の重複リスク
  • 救急・災害時に情報が分からない

2. 国が進める「医療情報をつなぐ仕組み」

オンライン資格確認(マイナ保険証)

  • 過去の薬・健診・受診歴を確認
  • 患者の同意があれば医師・薬剤師が閲覧

電子処方箋

  • 過去100日分の処方・調剤をリアルタイム共有
  • 重複投薬を防ぐ

電子カルテ情報共有(2026年度冬ごろ開始)

  • 傷病名、検査結果、アレルギーなど
  • “本当に必要な情報”が全国で共有可能に

3. でも、導入はまだ進んでいない

マイナ保険証利用率:47%
電子処方箋導入:医療機関 18.7%
電子カルテ普及:診療所 55%

主な理由:

  • システム導入費が高い
  • 小規模医療機関ほど負担が大きい
  • 市民の不安(トラブル報道・制度の複雑さ)
  • セキュリティや同意の扱いへの懸念

4. 医療DXが実現するとどう変わる?

どの病院でも
必要な情報にアクセス
  • 検査の重複が減る
  • 薬の飲み合わせを自動チェック
  • 救急・災害時に命を守る情報がすぐ分かる
  • 自分の医療情報をスマホで確認できる

→ 医療DXは「便利」よりも“命を守るインフラ”へ。

5. これから必要なのは「信頼」と「使いやすさ」

✔ 市民が安心できる説明

  • 情報は誰が見られる?
  • どう守られる?
  • 同意はどう扱われる?

✔ 医療機関が導入しやすい環境

  • 費用負担の軽減
  • 小規模医療機関への支援
  • 標準型電子カルテの普及

✨ まとめ

医療情報の共有は、 “医療を便利にする”ためではなく、“命を守るため”に必要な仕組み。

国の取り組みは進んでいるものの、 導入率の低さ、費用負担、セキュリティ、同意の扱いなど課題は多く、 これからは「市民の信頼」と「現場の使いやすさ」が鍵になります。

 

 

特定健診と特定保健指導の「いま」と「これから」

保健 / 2026年3月10日

― 特定健診と特定保健指導の課題を調べる中で、私自身がつまずいたポイントから ―

特定健診や特定保健指導について調べていくと、制度の仕組みが複雑で、自治体の現場でも混乱が起きやすい部分が多いことに気づきました。
実は私自身も、最初は 「国保の人なのに、なぜ事業者健診(会社の健康診断)のデータが必要なのか?」 がよく理解できていませんでした。

しかし厚生労働省の手引きを読み進める中で、次のことが分かりました。

  • 国保加入者でも、パート・アルバイト・社保未加入の正社員 など、会社の定期健診を受ける人が多い
  • そのため自治体(国保)は、会社の健診データを受け取って 特定健診の代わりにする必要がある
  • ところが、会社の健診データは 腹囲・服薬歴・喫煙歴などが欠けやすく、紙で届くことも多い
  • 結果として、対象者を正しく抽出できず、保健指導につながらない という問題が起きている

この“構造的な課題”を理解して初めて、
特定健診・特定保健指導の現場で何が起きているのかが見えてきました。

この記事で、2026 年3月に公表された「厚生労働省の最新手引き(第4.3版)」をもとに、 一般の方にもわかりやすい Q&A方式 でポイントを整理してみました。


❓Q1. 特定健診・特定保健指導って何のためにあるの?

✔ 目的は「生活習慣病の予防」と「健康寿命の延伸」

  • メタボリックシンドロームの早期発見
  • 生活習慣の改善支援
  • 将来の糖尿病・心疾患などの予防
  • 医療費の増加を抑える

特に40〜50代の働き盛り世代で効果が大きいとされています。

❓Q2. 現状の課題は何ですか?

① 健診データが揃わない

  • 事業者健診(会社の健康診断)のデータが紙で届く
  • 腹囲・服薬歴・喫煙歴など、特定健診に必須の項目が欠けている → 保健指導の対象者を正しく抽出できない

② 受診率が伸びない

  • 健診が複数日に分かれている
  • 案内がバラバラでわかりにくい → 住民が受診しにくい

③ 保健指導の効果が見えにくい

  • 以前は「回数・時間」で評価されていた
  • 成果(体重・腹囲の変化)が見えづらかった

④ 会計・契約が複雑

  • 特定健診(国保特会)
  • がん検診(一般会計)
  • 後期高齢者健診(後期特会) → 重複項目の費用整理が難しい

❓Q3. 国保の人なのに「事業者健診データ」が必要なのはなぜ?

実は、国保加入者でも パート・アルバイト・社保未加入の正社員 など、 会社の定期健診(事業者健診)を受ける人が多くいます。

✔ 国保加入者でも事業者健診を受けるケース

  • パート勤務(社保未加入)
  • 自営業+副業パート
  • 小規模事業所で働く人 → 保険は国保、健診は会社 という構造が発生

厚労省の手引きでも明記されています。

❓Q4. データを集めても、本当に保健指導の効果はあるの?

✔ 効果は「ある」と国の研究で確認済み

  • 腹囲:平均2〜3cm減
  • 体重:平均1.5〜2.5kg減
  • 血糖・血圧・脂質の改善
  • 医療費の抑制効果も確認

ただし、

  • 高齢・非正規・自営業が多い国保
  • 健康意識が高く企業支援が手厚い健保組合 では、効果の出やすさに差があるのも事実です。

❓Q5. では、課題を解決するための対応策は?

✔ ① 事業者健診データの「電子化・標準化」

  • 企業と協定を結び、XML形式でデータ提供
  • 必須項目(腹囲・服薬歴・喫煙歴)を確実に取得 → 階層化が正確になり、保健指導につながる

✔ ② 健診の「同一会場・同一日」実施

  • 特定健診+がん検診などを同時に
  • 案内・受付・会計を一本化 → 住民の負担が減り、受診率が上がる

✔ ③ 追加健診(不足項目の補完)の効率化

  • 年数回の「追加健診日」を設定 → 判定不能者を減らし、実施率を安定化

✔ ④ 企業との連携強化

  • 健康経営のメリットを提示
  • 協力企業リストの作成 → データ提供がスムーズに

✔ ⑤ 保健指導の評価を「成果重視」に転換

(第4期の大きな変更点)

  • 腹囲2cm減・体重2kg減を主要目標に → 効果が見えやすくなる

❓Q6. 事業者データが改善されると、自治体にはどんなメリット?

✔ 1. 階層化が正確になり、実施率が向上

✔ 2. 追加健診が減り、事務負担が軽減

✔ 3. 紙データの手入力が減り、ミスも減る

✔ 4. 実施率の分母が安定し、評価が安定

✔ 5. 住民の健康改善につながる

✔ 6. 企業との連携が強まり、地域全体の健康づくりが進む

まとめ

特定健診・特定保健指導は、 「データが揃う → 対象者を正しく抽出 → 保健指導につながる → 健康改善が起きる」 という流れが成立して初めて効果を発揮します。

そのために、

  • 事業者健診データの改善
  • 健診の同時実施
  • 成果重視の保健指導 が、これからの自治体にとって重要なポイントになります。

骨粗鬆症を防ぐ:検診と生活習慣のポイント

保健 医療 / 2026年3月5日

骨粗鬆症の気になる記事が目に入ったので、まとめてみました。

骨粗鬆症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる状態です。自覚症状が乏しく、骨折して初めて気づくこともあります。骨折(背骨・手首・太ももの付け根等)は、その後の生活の自立に大きく影響するため、「早めに気づく」「骨折を防ぐ」ことが重要です。

■ 日本の現状:患者は多いが、受診・治療につながっていない可能性
有病者は約1,300〜1,600万人規模と推計される一方、医療機関で治療を受けている総患者数は約140万人にとどまるとされ、未診断・未治療の人が一定数いる可能性が示されています(出典:資料1)。また、骨粗鬆症患者数を1,590万人と推定する資料もあります(出典:資料2)。

■ 検診の現状:目標15%に対して、直近は5.7%
「健康日本21(第三次)」では、骨粗鬆症検診の受診率を2032年度までに15%にする目標があります。しかし2023年度の受診率は5.7%にとどまっています(出典:資料1)。
さらに、自治体検診では「要精密検査」と判定された人のうち、精密検査の未受診や受診状況の未把握が見られ、「受けた後に医療につなぐ仕組み」が重要とされています(出典:資料1)。

■ 予防の基本は「骨を強くする」+「転ばない」
1)食事:カルシウム+ビタミンDを意識
カルシウムとビタミンDは骨の健康に重要で、両方を適切にとることが推奨されています(出典:資料2)。
・カルシウム推奨量の例:男性750mg/日(50歳以上)、女性650mg/日(50〜74歳)、女性600mg/日(75歳以上)
・ビタミンD目安量:成人は男女とも9.0μg/日
・可能な範囲で適度な日光浴も、ビタミンD確保の一助になります(出典:資料2)

2)運動:歩く・筋力・バランス
運動は骨への刺激になり、筋力やバランスを保つことで転倒予防にも役立ちます。体活動や日常生活動作(ADL)が高いことは、骨折リスクを20〜40%(最大50%)抑える効果が認められたとされています(出典:資料2)。
・まずは歩行量を少し増やす
・安全に配慮して片脚立ち(机や壁のそばで)
・可能なら軽い筋トレ(例:椅子スクワット)

3)転倒予防:家の中の危険を減らす
転倒は「身体の要因(筋力低下、ふらつき等)」と「環境の要因(段差、暗い廊下、滑る床、合わない履物等)」の両面から対策します(出典:資料2)。
・段差やコード、滑りやすいマットを減らす
・廊下、トイレ、階段の照明を明るくする
・浴室や階段の手すりを検討する

4)生活習慣:禁煙、飲酒量の見直し
喫煙は大腿骨近位部骨折のリスクを高めるとされ、飲酒も多量になると骨折リスクが上がると報告されています(出典:資料2)。できる範囲で禁煙・節酒を進めることが予防になります。

■ メリット・デメリット(中立的に)
・メリット:骨折予防は、本人の自立した生活を守り、介護予防や医療・介護負担の抑制にもつながる可能性があります(出典:資料1)。
・デメリット:検診の機会や測定環境には地域差があり、受診しても精密検査・治療につながらなければ効果が薄くなります(出典:資料1)。

■ まとめ
骨粗鬆症は「静かに進む」一方で、対策は「食事・運動・転倒予防・生活習慣の見直し」と、今日から始められます。自治体検診や医療機関での相談を上手に使い、「受ける」だけでなく「次の行動につなげる」ことが骨折予防のカギです。

参照URL(資料)
資料1(ニッセイ基礎研究所)
https://www.nli-research.co.jp/files/topics/84801_ext_18_0.pdf?site=nli
資料2(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版)
http://www.josteo.com/data/publications/guideline/2025_01.pdf

3月2日 代表質問を行いました

まちづくり 介護 保健 子育て 教育 行政 議会 高齢者 / 2026年3月2日

本日(2026年3月2日)、大津市議会において会派を代表して代表質問を行いました。
今回の質問は、令和8年度(2026年度)予算編成の考え方と、それを支える市政運営の軸(防災・子育て・高齢者福祉・観光・働き手確保・新庁舎整備など)大きく5項目について、方針と実行性を確認するものです。

1.市長の政治姿勢と令和8年度予算編成の方針について

(1)令和8年度予算の財政規律

(要旨)

  • 事業見直しを「不退転の決意」としたが、具体的に

    • どの分野で、どんな基準で見直したのか

    • 廃止・縮小・統合など、実際に踏み込んだ事例は何か

  • 義務的経費(人件費・扶助費・公債費など)が増える中で、将来投資とのバランスをどう取るのか


(2)「防災」を新たな柱とした市政運営

(要旨)

  • 「防災」を単なる施策ではなく、まちづくりの根幹として
    市政全体にどう浸透させ、災害に強いまちを牽引するのか(市長の決意と具体)


(3)新たな財源確保(宿泊税の検討)

(要旨)

  • このタイミングで宿泊税を検討する意図

  • 導入に向けた議論スケジュール感

  • 確保した財源を市民・観光客へどう還元するビジョン


2.重点施策「ひと」:子育て支援と高齢者福祉について

(1)学校給食費の無償化(国制度活用)と今後

(要旨)

  • 国の上限額を実際の給食費が上回った場合、超過分も市が負担し、完全無償化(自己負担ゼロ)を担保できるか

  • 当初は中学校が対象外。義務教育の公平性の観点から中学校へ拡大すべきではないか

  • 無償化後も、栄養・質・地産地消を後退させず継続できるか


(2)子どもの育ちと健康を守る新たな支援(4歳・5歳相談会等)

(要旨)

  • 相談後のフォローはどの部署が主体か

  • 就学・学校教育へどう円滑につなげるか

  • 教育委員会との連携を含む具体像


(3)高齢者の社会参画と認知症施策

(要旨)

  • 大学連携の啓発など、新たな展開を通じて
    地域コミュニティや若い世代をどう巻き込むのか(具体)


3.「まち」:歴史文化資源の活用とにぎわい創出について

(1)坂本城跡の保存と活用

(要旨)

  • 保存と活用のバランス

  • 住民の生活環境への配慮

  • アクセス整備をどう進めるか


(2)広域観光・インバウンド対策

(要旨)

  • 坂本地域を「明智光秀ゆかりの地」として、比叡山延暦寺・日吉大社等とどう回遊性を生むか

  • 誘客促進と受入環境整備(多言語、交通、案内等)をどう進めるか


4.就労機会の創出と社会参加(介護人材確保等)について

(1)短期就労マッチングシステム導入

(要旨)

  • システム導入だけで終わらせず、企業開拓・周知・登録支援を含め、利用促進をどう戦略化するか


(2)いきいきライフセミナー(高齢者の社会参加)

(要旨)

  • セミナーと就労マッチングをどう連動させ、実際の社会参加へつなげるか

  • 高齢者の生きがいと労働力確保を、どう一体で進めるか


(3)農業の担い手確保と「週末農業」

(要旨)

  • モデル地区の想定と都市部住民の呼び込み方

  • 体験で終わらせず、就農や耕作放棄地解消へつなげる道筋


(4)主任ケアマネ資格取得支援、現状分析と人材確保

(要旨)

  • 必要人数をどう把握して予算編成したか

  • 主任ケアマネ増による効果

  • ケアマネの現状をどう分析し、量と質の両面でどう確保するか


5.防災と行政経営の基盤:新庁舎整備について

(1)地域防災力の強化とハード整備(体育館空調等)

(要旨)

  • 小学校体育館空調などの整備を、地域防災力向上の中でどう位置付けるか

  • 単発整備で終わらせず、災害対応力全体の底上げにつなげる戦略か


(2)介護現場のBCP実効性、要配慮者の安否確認・避難支援

(要旨)

  • 介護事業所BCPが、安否確認手順・地域連携・訓練を通じて機能する体制か

  • 市としてどんな指導・支援をしているか


(3)文書管理の適正化とペーパーレス(新庁舎整備と一体で)

(要旨)

  • 文書管理制度の見直しと削減計画が、庁舎規模・保管スペース縮減にどう反映されるのか

  • 文書量削減目標の設定と、庁舎面積への具体的な影響

  • 一過性の整理で終わらせず、継続的なペーパーレスへつなげる仕組み

  • 文書管理適正化を、庁舎ダウンサイジングや働き方改革にどう結び付けるか(戦略)

70歳は通過点!「人生100年時代」を支える新しい医療のカタチとは?

保健 医療 / 2026年1月27日

今日、私は70歳の誕生日を迎えました。かつては「古希」と呼ばれ、めったにない長寿を祝う年でしたが、今や時代は「人生100年」。
あと30年近く、いかに健やかに、自分らしく過ごすかが問われる時代になりました。

そんな中、これからの日本の医療がどう変わっていくべきかについて、非常に重要な提言書(日本医療政策機構)が発表されました。
私たち一人ひとりが知っておきたい「医療の未来」について、3つのポイントをまとめてみました。

1. 「治す医療」から、地域で「支え合う医療」へ

これまでの医療は、病気になったら病院へ行き「治してもらう」ことが中心でした。しかし、高齢者が増えるこれからの時代は、高血圧や糖尿病などの「持病(慢性疾患)」とうまく付き合いながら、住み慣れた地域で生活を続けることが重要になります。

  • 具体的な数字: 日本の高齢化率は2025年には約30%に達し、多くの人が複数の病気を抱えながら生活するようになります。

  • 事例: 例えば、退院してすぐに自宅に戻るのではなく、地域のケアマネジャーや訪問看護師と連携し、リハビリや食事管理を自宅で受けられる体制がもっと身近になります。「病院完結型」から「地域完結型」へのシフトです。

2. デジタルの力で、いつでも・どこでも最適なケアを

「スマホやITは苦手…」と言っている場合ではありません。デジタルの活用は、私たちの健康を賢く守るための強力な味方になります。

  • 具体的な事例: 「PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)」という仕組みが普及します。これは、自分のスマホで過去の検査結果や処方薬の履歴をいつでも確認できるものです。

  • メリット: 初めて行く病院でも、医師があなたの過去のデータをすぐ把握できれば、検査の重複を防ぎ、より正確な診断が可能になります。オンライン診療の活用で、通院の負担を減らすことも期待されています。

3. 納得のいく人生を!「自分で選ぶ」終末期医療

人生の最期をどう迎えたいか。これは決して縁起の悪い話ではなく、自分らしく生き切るための大切な選択です。

  • 具体的な事例: 「アドバンス・ケア・プランニング(ACP:愛称『人生会議』)」が推奨されています。もしもの時に自分がどんな医療を受けたいか、あるいは受けたくないかを、家族や信頼できる医師とあらかじめ話し合っておくことです。

  • 考え方: 延命治療の有無だけでなく、「最期まで自宅で過ごしたい」「痛みだけは取ってほしい」といった具体的な希望を共有することで、いざという時に自分も家族も迷わずに済みます。


 70歳という節目に、私は「医療は受けるだけのものではなく、自分で考え、選んでいくもの」だと改めて感じました。
私たちが賢い「医療のユーザー」になることが、次世代に素晴らしい医療システムを引き継ぐ第一歩になります。

これからの30年をどう生きるのか、改めて考えたいと思います。


【引用元】 日本医療政策機構(HGPI) 政策提言「持続可能な医療システムの構築に向けた道筋 ―納得感のある医療の実現を目指して―」(2026年1月16日公表)

URL: https://hgpi.org/wp-content/uploads/HGPI_PolicyRecommendations_ThePathToASustainableHealthcareSystem_JPN_20260116.pdf