大津市議会議員 佐藤弘

一人のひとを どこまでも大切に 心豊かな まちづくりを目指します

訪問介護をめぐる現状と課題:人手不足と制度改革の両輪が必要

介護 / 2025年11月8日

高齢者が「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続ける」ために欠かせないのが訪問介護です。入浴や食事の介助、掃除や洗濯などの日常生活支援を担うこのサービスは、介護保険制度の中でも重要な役割を果たしています。しかし近年、事業所の倒産や人手不足が深刻化し、制度の持続可能性が問われています。 このことを、国立国会図書館調査及び立法考査局「訪問介護をめぐる現状と課題」を参考に整理してみました。 (令和6年、調査資料) https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info:ndljp/pid/14525042


現状

  • 利用者数:介護保険サービス利用者の約28%が訪問介護を利用。費用は全体の約10%を占める。
  • 経営状況:2024年度には訪問介護事業者の倒産件数が過去最多を記録。小規模事業者を中心に経営難が広がっている。
  • 人手不足:訪問介護職の有効求人倍率は14倍以上と極めて高く、特に地方では事業所ゼロの自治体も出ている。

課題

  1. 移動時間の評価不足 報酬は「サービス提供時間」に基づくため、移動や待機時間が十分に評価されません。拘束時間は長いのに収入は少ないという不満が生じ、離職につながっています。
  2. 「囲い込み」問題 サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに併設された事業者が、入居者に自社の介護サービスを過剰に提供するケースがあります。介護保険財源の無駄遣いにつながり、公平性や透明性が損なわれています。
  3. 制度の複雑化 加算や減算が増えすぎて制度が分かりにくくなり、現場の負担や利用者の理解を妨げています。

人手確保だけで解決できるのか?

  • 移動時間の評価不足は、人手が増えても解決しません。報酬体系の見直しが不可欠です。
  • 囲い込み問題は、事業者の経営モデルに起因するため、人手不足とは直接関係がありません。監督強化や報酬減算の仕組みが必要です。
  • 人材不足全般については、人手確保が直接的な解決策になりますが、処遇改善や職場環境の改善も同時に進めなければ定着は難しいでしょう。

️ 都市部と地方での優先すべき対策の違い

  • 都市部
    • 事業所数は多いが競争が激しく、賃金や待遇改善が人材定着のカギ。
    • 「囲い込み」問題が顕著であり、監督強化や報酬減算の徹底が優先課題。
    • ICTやAIを活用した効率的なシフト管理・訪問ルート最適化が有効。
  • 地方
    • 事業所ゼロの自治体もあり、サービス空白地域が深刻。
    • 移動距離が長く、燃料費や移動時間の報酬評価が特に重要。
    • 通所介護事業所を訪問介護に転換するなど、多機能化支援が優先課題。
    • 外国人労働者や地域住民の参入を促す仕組みが必要。

訪問介護の課題は「人手不足」と「制度設計」の両面にあります。

  • 人材確保:賃金改善、外国人労働者の受け入れ、ICT活用などで担い手を増やす。
  • 制度改革:移動時間の報酬評価、囲い込み防止、加算・減算の整理などで制度を持続可能にする。
  • 都市部と地方での優先課題の違いを踏まえ、地域ごとの実情に応じた対策を進めることが不可欠です。

訪問介護は高齢者の生活を支える不可欠なサービスです。財政や人材の制約がある中でも、現場を支える仕組みを整え、安心して暮らせる地域社会を維持することが求められています。

「高齢者×eスポーツ」で健康とつながりを! 地域を元気にする新しい取り組み

まちづくり 介護 福祉 / 2025年7月4日

高齢者の「健康寿命の延伸」と「社会参加の促進」は、地域行政にとって重要な課題です。

そこで注目されているのが、ゲームやeスポーツを活用した新しいアクティビティです。

■ なぜeスポーツ?

  • 身体的負担が少ない:従来の運動よりも無理なく楽しめる。
  • 誰でも参加できる:「年齢・性別・障がいを問わない」ユニバーサルな活動。
  • 健康への効果:心拍数上昇やストレス軽減、孤立防止などが研究で報告。
  • ICT活用の第一歩:タブレットや機器の操作を通じてデジタルリテラシーも向上。

■ 導入のポイント(自治体や団体向け)

  • ゲーム機やソフトの著作権に注意(商用利用や大会時は許諾が必要)。
  • 住民への説明会や合意形成がカギ(地域の理解と協力が不可欠)。
  • 人材育成が重要:専門の指導員(健康ゲーム指導士等)の配置を。
  • 安全対策と感染症対策も万全に。

■ 成功のカギは「地域密着」と「多世代交流」

  • 例)千葉市や美里町、西東京市では、地域の老人クラブや学生が一緒に運営。
  • 「孫と一緒にゲームができた」「楽しみが増えた」といった声が多数。
  • 高校生や大学生の協力により世代間交流が自然に促進。

■ 事業評価と今後の展望

  • 「eスポーツ事業に参加している高齢者は、そうでない人よりも健康指標が良好」などの効果測定が重要。
  • 継続のためには、参加者の声を反映させた改善と、定期イベントの開催が有効。

■ 市民への提言

  • 「ゲームは若者のもの」という先入観を捨ててみましょう。
  • 地域でのeスポーツ体験会に参加することで、新しい仲間や楽しみが生まれます。
  • 「支え合い・学び合う」地域づくりの一歩として、デジタルアクティビティの可能性は大。

認知症ケアをもっと身近に! ~簡易式生活・認知機能尺度

介護 保健 / 2025年6月5日

~「簡易式生活・認知機能尺度」の活用が始まっています~

2024年から「認知症基本法」が施行され、認知症の人もその人らしく暮らせる「共生社会」の実現が進められています。

これにあわせて、厚生労働省では介護現場で役立つ新しいツール「簡易式生活・認知機能尺度(かんいしきせいかつ・にんちきのうしゃくど)」の活用がスタートしました。

この資料は、厚生労働省が策定した「簡易式生活・認知機能尺度」の目的、概要、および介護現場での具体的な活用方法を解説するものです。

認知症を持つ人々の「できること」に焦点を当て、個別化された質の高いケアを実現することを目指しています。

具体的には、認知症の人の認知機能と生活機能を簡便かつ総合的に評価し、その結果を多職種間の連携や家族との情報共有に役立てることで、「その人らしい暮らし」の継続を支援するための指針が示されています。

また、実際の事例を通して、アセスメントからケア計画の立案、介入、効果測定までの一連の流れが詳細に説明されており、科学的介護の推進に寄与するツールとしての重要性が強調されています。

簡易式生活・認知機能尺度活用ガイド

簡易式生活・認知機能尺度活用ヒント集

地域の見守り高齢者つなぎ力プロジェクト

まちづくり ボランティア 交流 介護 保健 / 2025年6月5日

この資料は、高齢者の孤立を防ぎ、地域全体で高齢者を見守るための地域ネットワークを効果的に構築・更新する方法について解説しています。少子高齢化が進む日本において、単身高齢者世帯の増加に対応するため、地域包括支援センターや市町村が多様な主体と連携し、持続可能な見守り体制を築くことの重要性を強調しています。具体的には、地域住民や民間事業者、ICT機器などを「見守りセンサー」として活用し、地域包括支援センターを「見守りアンカー」として情報を集約、早期支援につなげる「高齢者見守り地域ネットワーク」の全体像を示し、その具体的な進め方や財源、関係機関との連携、個人情報保護といった多岐にわたる疑問点にQ&A形式で答えています。さらに、長崎県佐々町など9つの先進事例を通して、住民参加の促進やICT活用による負担軽減など、実践的なヒントを提供することで、各地域での見守り体制の強化を促すことを目的としています。

 

 

高齢者とペットの共生:在宅医療の課題と解決策

介護 医療 行政 / 2025年5月9日

高齢者がペットを飼育することは、多くの喜びと健康上の利点をもたらしますが、同時に様々な課題も生じます。

高齢者とペットの共生は、高齢者の生活の質(QOL)を向上させる一方で、様々な課題も伴います。

これらの課題を解決するためには、地域全体での協力と、高齢者とそのペット双方への支援が不可欠です。

在宅医療の現場で直面するペットに関連する問題と、それらを解決するための具体的な対策について

在宅療養者におけるペットに関する諸問題とその対応方法についての調査研究」を参考にまとめました。

高齢者におけるペット飼育の現状

一般社団法人ペットフード協会の調査によると、全国の犬の飼育頭数は約684万頭、猫の飼育頭数は約907万頭と推計されています 。

特に、単身高齢者(60~70代)のペット飼育率は高く、犬の飼育率は男性で約3.6%、女性で約5.2%、猫の飼育率は男性で約4.5%、女性で約8.7%に達しています 。  

ペット飼育がもたらす高齢者の健康への影響

ペットの飼育は、高齢者の心身に多くの良い影響を与えることが研究で示されています。

東京都健康長寿医療センター社会参加と地域保健研究チームの調査によると、ペットを飼育する高齢者は、フレイル(虚弱)や自立喪失のリスクが大幅に低いことが報告されています 。

また、ペットの飼育は高齢者の介護費用の削減にも繋がり、ペットを飼育している人の毎月の介護費用は、飼育していない人の約半分であるという研究結果もあります 。  

在宅医療におけるペット飼育の問題点

一方で、ペットの飼育は高齢者にとって様々な問題を引き起こす可能性もあります。

飼い主の健康状態が悪化すると、ペットの世話が困難になることがあります。

また、多頭飼育、糞尿処理、飼い主が亡くなった後のペットの処遇なども社会的な課題となっています 。  

小規模自治体では、これらの問題に対応するための資源が不足している場合が多く、対応が困難です 。

また、ペットの世話を理由に高齢者が施設への入院や入所をためらうケースも少なくありません 。  

問題解決のための具体的な対策

これらの課題に対処するために、以下の対策が考えられます。

  1. 地域全体での協力体制の構築
  • 地域包括支援センター、保健・医療・介護・福祉の専門職、行政機関、動物愛護ボランティアなどが連携し、ペットに関する問題に対処するための体制を整えます 。  
  1. ペット飼育者への支援
  • ペットホテル、ペットシッター、永年預かり、NPOなどの情報を高齢者やその家族に提供します 。  
  • 不妊・去勢手術やワクチン接種への助成制度がある自治体もありますので、情報を収集し提供します 。  
  1. 早期相談の推奨
  • 高齢者やその家族に対して、早めに相談できる支援者を見つけておくことの重要性を啓発します 。  
  1. 多職種連携による包括的な支援
  • ペットの問題だけでなく、高齢者の生活全般の問題に対応するために、多職種が連携して支援を行います 。  

先進的な取り組み事例

岐阜県郡上市や長野県佐久市など、行政が積極的に関与し、支援体制を構築している地域もあります 。

これらの地域では、動物愛護団体やボランティアと連携し、高齢者とペットが共に安心して暮らせる地域づくりに取り組んでいます。  

難病を抱える子どもたちのために:医療と支援の現状と課題

介護 医療 子育て / 2025年1月27日

2024年12月26日に開催された第74回「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」と第5回「社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会」の合同会議では、難病および小児慢性特定疾病に関する課題と対応策が議論されました。

主なポイントは以下のとおりです。

  1. 医療体制の整備: 難病や小児慢性特定疾病の患者数増加に伴い、専門医や医療施設の不足が指摘されています。特に地域間での医療資源の偏在が問題となっています。

課題:

  1. 診断の遅れ: 症状が多様であるため、診断までに時間がかかるケースが多く、早期発見・早期治療の体制強化が求められています。
  2. 経済的負担: 長期にわたる治療や高額な医療費により、患者や家族の経済的負担が大きいことが課題となっています。

対応策:

  1. 専門医の育成と配置: 専門医の育成プログラムを強化し、地域間の医療資源の偏在を解消するための配置計画を策定します。
  2. 診断支援システムの導入: AIやICTを活用した診断支援システムを導入し、早期発見・早期治療を促進します。
  3. 経済的支援の拡充: 医療費助成制度の拡充や、患者・家族への経済的支援策を強化し、負担軽減を図ります。

メリット:

  1. 医療アクセスの向上: 専門医の増加と適切な配置により、患者が必要な医療を受けやすくなります。
  2. 診断精度の向上: AIやICTの活用で診断の迅速化・精度向上が期待できます。
  3. 経済的負担の軽減: 支援策の拡充により、患者や家族の経済的負担が軽減されます。

デメリット:

  1. コスト増加: 専門医の育成やシステム導入には初期投資が必要です。
  2. 技術依存: AIやICTに過度に依存することで、技術的な問題が発生した際のリスクがあります。
  3. 制度運用の複雑化: 支援策の拡充に伴い、制度の運用が複雑化する可能性があります。

これらの対応策を効果的に実施するためには、政府、医療機関、患者団体、地域コミュニティが連携し、持続可能な医療体制の構築を目指すことが重要です。

犬との生活が死亡リスクを抑制

介護 保健 生活 生物 / 2024年8月23日

国立環境研究所の研究チームは、オーストラリアでの調査データを用いて、伴侶動物との生活と死亡リスクの関係を分析しました。

その結果、犬との生活は死亡リスクを23%抑制することが明らかになりました。

https://www.nies.go.jp/whatsnew/2024/20240822/20240822.html

一方で、猫、鳥、魚との生活では、死亡リスクとの有意な関連は見られませんでした。

この研究は、犬の世話を通じた運動習慣の維持が、心血管疾患による死亡リスクを抑制している可能性を示唆しています。

今後の研究では、伴侶動物との生活と健康アウトカムとの間のメカニズム解明や、人と動物が共生できる社会の仕組みづくりへの貢献が期待されます。

関心を引いたのは「ゲノム解析を用いた最新の研究により、1万1000年以上前の氷河期末期に人が伴侶動物(犬)と共生していたことが報告されています。我々の祖先が伴侶動物と共生してきた長い歴史は、人と伴侶動物の双方にメリットがあることを示唆しています。」のところです。

千葉市の地域生活支援拠点事業を視察しました

介護 社会保障 福祉 議員活動 / 2024年7月19日

16日から17日にかけての視察では、千葉市が最後となります。

千葉市では地域生活拠点支援事業及び基幹相談支援センターについて説明を受けました。

「地域生活支援拠点事業」とは、障害のある方が地域で安心して暮らせるよう、相談支援や緊急時の受け入れ、自立のための体験機会の提供などを行うための事業です。

千葉市では、平成29年からこの事業を開始し、令和4年4月には、それまで別々に整備していた「地域生活支援拠点」と「障害者基幹相談支援センター」を統合しました。

統合後の具体的な取り組みとしては、

  • 相談支援: 障害のある方やその家族からの相談にワンストップで対応し、必要なサービスにつなげています。医療的ケア児や重症心身障害児に関する実態調査の結果も活用し、支援が必要な方を早期に発見する取り組みは大変参考になるものと考えます。
  • 緊急時の受け入れ・対応: 短期入所事業所等と連携し、緊急時の受け入れ体制を確保しています。重度の障害のある方については、事前に複数の事業所で連携し、受け入れられるようチームを組んでいます。
  • 体験の機会・場の提供: 障害者支援施設や精神科病院からの地域移行や親元からの自立にあたり、グループホームでの共同生活体験や一人暮らしの体験の機会を提供しています。
  • 専門的人材の確保・養成: 医療的ケアが必要な方や強度行動障害のある方などへの専門的な対応ができる人材の育成にも取り組んでいます。

20240717_地域生活支援拠点等事業の整備状況について(千葉市

 

高齢者の健康づくり:サルコペニア・フレイル問題

介護 保健 医療 地域活動 / 2024年2月26日

高齢化社会における課題として、「サルコペニア」と「フレイル」が注目されています。

これらの問題は、高齢者の生活の質を低下させ、医療・介護サービスへの負担増加にもつながります。

サルコペニアは筋肉量の減少、フレイルは身体・心理・社会機能の低下を指します。

両者とも予防と適切な管理が重要であり、栄養摂取、運動、社会的交流などが有効です。

ヘルスリテラシー向上と多職種連携による包括的な対応が鍵となり、地域包括ケアシステムの推進も重要です。

一人ひとりの行動が、高齢者の健康と自立した生活を支える大きな力となります。

参考:高齢者の健康づくりに対する一考察

DALL·E 2024-02-26 22.07.21 - Imagine a serene, uplifting scene in a community park where elderly individuals are actively engaged in various health-promoting activities. In the fo (カスタム)

6月通常会議の一般質問に登壇しました

ICT活用 介護 医療 子育て 市民相談 福祉 行政 議会 防災 電子情報 / 2023年6月21日

6月通常会議の一般質問(4日目)に登壇しました。

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今回の質問(初問)の内容は次のとおりです。

◆1.本市のDX推進の取り組みについて(分割方式)

1.EBPM推進の取り組みについて

①令和4年度のEBPMの取り組みとして、具体的にどのような政策テーマを検討し分析が行われたのか伺います。

EBPMは基本的にはすべての部局における政策とその評価のシステムが求められるものと考えます。これまで本市はEBPMの取り組みとして職員を対象とした研修や意識改革などを進めてこられました。
今後、さらにステップアップの取り組みとして、分野ごとに個別具体的な事例をもって、EBPMの活用によりどのような効果があるのか職員が実感できることが重要と考えます。

②そこで、現在導入しているDX推進支援事業者を活用して、業務に係る必要なデータの収集方法から分析、活用までの基本的な流れについて職員への研修および指導に取り組むべきと考えますが見解を伺います。

③また、本市は今後EBPMをどのような計画をもって進められるのか見解を伺います。

2.データ利活用のあり方について

①オープンデータ活用の取り組みについて、本市ではオープンデータのポータルサイトを設けることや、使いやすいデータ形式に取り組むなど、オープンデータの推進に取り組むとしています。また、令和4年度は滋賀大学データサイエンス学部と連携して、オープンデータの活用による分析の取組を実施することとしていましたが、その取り組み内容と評価について伺います。

合理的配慮としてのデータ利活用については、例えば、車椅子を必要とする障害者の方が外出する際には多目的トイレがどこにあるか分かっていると外出の計画も立てやすいでしょう。そこでオープンデータポータルサイトからトイレ情報を探しますと、公衆トイレ一覧としては観光振興課所管の観光便所と廃棄物減量推進課所管の駅公衆便所の2件だけです。さらにトイレ情報は名称と位置情報であり、多目的トイレがあるかは分かりません。そのため、他の所管課のトイレも公表していただきたいと思います。さらに民間の多目的トイレの情報も提供いただければ、市内全域の多目的トイレのアプリも作成可能となります。

②そこで、障害者への合理的配慮の取り組みの一環として必要な情報について、提供するデータ要素の統一化を図り、全庁的な公的データの提供と民間事業者等への提供を働きかける取り組みを進めていただきたいと考えますが、見解を伺います。

庁内データの利活用のあり方については、先に質問したEBPMの取り組みやオープンデータ活用にも関連しますが、行政課題や市民サービスの向上に向けて分析を行おうとすると、データが必要となります。データは短期間で活用できるものもあれば、長期間の収集が必要なものもあります。特に長期間のデータ分析が必要となったときに、これからデータを収集するのでは後手になってしまいます。こうした問題は庁内におけるデータ利活用の認識不足、政策形成のプロセスにおいて活用が求められていないことなどにあると考えます。
③そこで、庁内におけるデータ利活用のあり方、ルールについて検討すべきと考えますが、見解を伺います。

官民の連携したデータの活用についてですが、官民データ活用推進基本法では、市町村に対して「市町村官民データ活用推進計画」の策定を努力義務としております。本市では、これまで進めてきたデジタルイノベーション戦略に大津市官民データ活用推進計画として位置づけております。
文字通り、この官民データ活用推進計画は、公共部門と民間部門が共同で計画的かつ効率的にデータ利用を促進することを目的としています。
この官民データ活用の取り組みについては、当推進計画からは読み取りにくいので、一例として本市のオープンデータポータルサイトの基本的考え方から読み取ると、公的データの公表により、民間データと組み合わせることで利便性の高いサービス提供の実現に繋がることが期待されること。また逆に行政としては、住民や企業等からのアイデアが得られることや、地域課題の解決、地域コミュニティの活性化、行政への関心・参加に繋がることが期待される等のことが示されています。
官民データ活用推進計画には以上のように期待されることを具現化するために計画を立てるものではないかと考えます。
④そこで、本市がデジタルイノベーション戦略に位置づけた官民データ活用推進計画における官民連携のデータ活用に関する計画について評価を伺います。

⑤また、官民データ活用推進には民間事業者とのパートナーシップの形成やデータ利用のルールなどの計画を策定する必要があると考えますが、見解を伺います。

3.大津市DX戦略(仮称)の策定について

①本市が今年度策定を目指す(仮称)大津市DX戦略の策定について、基本的理念と今回の質問を踏まえた取り組みについて見解を伺います。

◆2.医療的ケア児及びその家族の支援について(分割方式)

未熟児で生まれ、心臓や肺、目、耳、口などに11の病気をもつという乳児を在宅で医療的ケアをする家族から支援についての相談がありました。訪問をした際、もうじき1歳になる乳児は人工呼吸器を装着し、口には細いチューブを挿入していました。医療的ケアについて尋ねると、痰の吸引は頻繁に行い、ミルクは4時間おきに6回に分けており、その度に聴診器で胃の状態を確認後、チューブで口から胃に注入しているとのこと。排便は浣腸して行い、カニューレは週に1回、医師が訪問して交換しています。訪問看護は週に2回から3回、リハビリは週に1回受けているなど話してくれました。
このような状態ですので、常時ベッドの横で様子をみている必要がありますので、ケアをする家族も大変です。父親は仕事に出かけるため、乳児のケアは24時間母親と祖母の二人が交代で行っています。母親は介護のため仕事を辞め、祖母は京都から高齢のご主人を一人残して支援に来ているという状況でした。
このままでは身体が続かないとのことで、何か支援を受けられないかという相談でした。
そこで、以下質問いたします。

1.現制度における医療的ケアのサービスと支援について

①このような常時医療的ケアの必要な乳児及び家族への支援について現状の制度でどのような医療サービスや支援が受けられるのかお聞かせください。

②また、レスパイト入院も考えられますが、入院しても病院によっては、常時監視する必要があるためか付き添いを求められることもあるようです。そこで常時医療的ケアの必要な乳児のレスパイト入院について見解を伺います。

次に、医療的ケア児は医療の進歩により増加しており、こうした実態から医療的ケア児とその家族が状況に応じた適切な支援を受けられるように、令和3年9月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行されました。この第5条には、地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に係る施策を実施する責務を有するとしています。
これらのことから、以下質問いたします。

2.医療的ケア児の把握について

①医療的ケア児の支援や計画を策定するためには、医療的ケア児数などの実態把握が必要ですが、現状と今後の取り組みについて見解を伺います。

3.医療的ケア児等に関するコーディネーターの配置について

①本市の障害児福祉計画(第2期計画)の目標設定にはコーディネーターの配置はすでにされており、増加するニーズに対応するよう努めるとしています。
そこで、本市のコーディネーターのニーズの現状と配置人数について伺います。

②また、活動状況や課題、今後の取り組みについて伺います。

4.医療的ケア児の相談体制と医療的ケア児等支援センターについて

①本市の医療的ケア児の支援等について相談があった場合、医療と福祉の両面の視点が必要になると考えます。本市はどのような体制で対応しているのか伺います。

②滋賀県は、令和5年4月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律に基づき、滋賀県重症心身障害児者・医療的ケア児等支援センターを設置しました。
そこで、同支援センターとの連携により期待される効果について、見解を伺います。

5.医療的ケアの必要な方の災害時の電源確保について

災害時には、医療的ケア児は避難行動要支援者であり、医療機器を装着している場合には停電時に非常用電源の確保が必要となります。医療機器を使用している相談者からの要望では、災害発生時に停電になった場合、人工呼吸器が停止することが心配で、電源確保の支援を望んでいます。

①そこで、医療機器を使用している在宅避難の家庭に対しては災害時の停電に備え、蓄電池を配備する必要があると考えますが、見解を伺います。

6.大津市障害児福祉計画(第3期計画)の策定について

①今年度は大津市障害児福祉計画(第3期計画)の策定に取り組まれますが、特に重要視している計画についてお聞かせください。

 

◆3.空家対策の取り組みについて(分割方式)

令和5年3月、内閣は「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を国会に提出しました。法律案提出の理由は、空家等の適切な管理及びその活用を一層促進するため、空家等活用促進区域に関する制度の創設、適切な管理が行われていない空家等に対する措置の拡充、空家等管理活用支援法人の指定制度の創設等を行う必要があるとしています。

今年度の本市における空き家対策の取り組みについては、平成30年3月に策定した「大津市空家等対策計画」に基づき、空き家発生の予防、適正管理に向けた意識啓発、定住促進リフォーム補助事業や空家バンクを活用し、空き家の利活用・流通を図る施策を進めていく、としています。
そこで、本市の空き家対策に加え、国の法改正の方向性を受け入れての取り組みが必要と考え以下質問いたします。

1.本市が取り組む定住促進リフォーム補助事業と空き家バンクについて

①昨年度拡充した定住促進リフォーム補助事業の評価と今後の取り組みについて伺います。

②空き家バンクの登録件数の推移と、施策の目的としている利活用・流通についての評価と課題、課題を踏まえての今後の取り組みについて見解を伺います。

2.空き家の発生予防と活用に向けたワンストップ相談窓口の設置について

空き家発生の要因は、高齢者が死亡することや介護施設に移り住むため自宅を離れてしまうこと、また相続人が離れて暮らしていることや、家の老朽化や手狭な場合は移り住むことが難しいことが考えられます。
空き家の放置状態が続くと家屋の傷みも進みますので、空き家の活用方針を早く決めることが重要です。
本市が、平成28年度から平成29年度に行なった市内の空き家実態調査によると「空き家の管理・活用に必要な情報提供や経済面でのアドバイスを希望する意見が多い」との報告がされています。しかし、一般市民にとっては空き家になった後どうしたらよいかわからないし、民間の不動産屋に相談するには不安もあるといった方は多いのではないでしょうか。
例えば世田谷区では民間の空き家専門アドバイザーが相談業務を担い、売買や賃貸に限らず、相続関係や解体など、様々な内容についての相談にも対応しています。
こうした相談窓口を設けている自治体は多数あります。国土交通省の調査によれば、組織・体制の観点から、マンパワー不足や専門知識不足を補うために空き家対策業務をアウトソーシングしている市区町村は3分の1を超えているとのことです。
こうしたことを踏まえ、改正案では市区町村長が、NPOや民間企業等を空家等管理活用支援法人として指定することができる制度を創設することとしています。 支援法人は、空家等の所有者等・活用希望者に対する情報提供、委託に基づいた空家等の管理や空家等の所有者等の探索等の業務を行うほか、市区町村に対して空家等対策計画の作成等や財産管理制度の利用の提案等を行うことができることとしています。
①そこで、空き家の売却、賃貸、解体、相続、維持管理などに関するワンストップ相談窓口業務について、専門家団体等と連携または業務委託することについて見解を伺います。

3.空き家の解体除却対策について

本市でも、空き家が老朽化し、周辺住民に不安を抱かせる状態の住宅が見受けられます。こうした活用が難しい状態にある住宅や不要な住宅の解体除却を早期かつ適切に行うことが求められていることから対応策を講じる必要があると考えます。

①そこで、不要な住宅の解体除却を進めるための本市の施策について見解を伺います。

こうした問題解決の一つとして、令和4年10月滋賀県知事は、株式会社クラッソーネと空家等の除却促進に関する連携協定を締結しました。株式会社クラッソーネは、解体工事領域で、全国の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積りWebサービス「クラッソーネ」を運営しており、施主と工事会社に対し着手金保証、完工保証、第三者賠償責任保険の保証を無料提供し、空き家解体に伴う不安解消の取り組みを行っています。
この支援はインターネットを通じて行われるため、解体費用の見積もりを依頼する際には比較的安心感を持つことができるでしょう。また、複数の業者から見積もりが提供されるため、業者の選定も容易になると考えられます。

②そこで、空き家の利活用・流通を滋賀県が協定している、空き家解体除却の見積Webサービスを本市ホームページでも紹介していただきたいと考えますが、見解を伺います。

◆4.あらゆる主体に「わかる・伝わる」情報のユニバーサル化について(分割方式)

2月の通常会議では、Uni-Voice音声コードを紹介させていただきました。これはNPO法人日本視覚障がい情報普及支援協会が普及活動を行っているものですが、今回はUni-Voice for UDや新たに開発されたUni-Voice地図誘導サービスについて質問します。
Uni-Voice for UDは、視覚障害者向けの音声読み上げに対応したWebアクセシビリティ対応サイトを作成するためのサービスです。
また、Uni-Voice地図誘導サービスは、紙面にあるUni-Voiceナビコードをスマホアプリで読み込むと、ルート位置情報がスマホ地図上に表示され、自分のいるところから目的地まで方向、距離で案内するもので、Uni-Voice for UDを使うことでWeb上でも使用できます。そこで、これらのサービス活用について質問いたします。

1. Uni-Voice地図誘導サービスの観光ガイドへの活用

Uni-Voice地図誘導サービスの活用法の一つとして、観光ガイドマップがあります。
観光ガイドマップにUni-Voiceナビコードと音声コードを埋め込むことで、観光施設の案内から目的地までの誘導を行うことができます。さらに、文字コードは多言語にも対応できるため、インバウンドの効果も期待できます。

①そこで、情報のユニバーサル化に向けて、Uni-Voice地図誘導サービスを大津市の観光ガイドマップに活用することについて、見解を伺います。

②また、観光庁では、訪日外国人旅行者が地域を訪れた際、観光地としての魅力が伝わらないとの声があり、それに対応するために「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」に取り組んでいます。
そこで、外国人旅行者向けの多言語観光案内標識にUni-Voice音声コードを使用することについて、見解を伺います。

2.Uni-Voice地図誘導サービスの防災電子ブックへの活用

Uni-Voice地図誘導サービスの活用法の二つ目は、防災マップ、防災ハンドブックへの活用です。この防災マップについては近日中に全国のハザード情報や避難所施設情報一覧を登録した「耳で聞くハザードマップ」のベータ版の公開を予定しています。アプリを起動すると半径5 km以内の避難所情報が表示され選択した避難所までの誘導をしてくれます。
正式版は防災電子ブックをWebポータルサイトに登録した自治体には無償提供されます。
この防災電子ブックも多言語化の対応も可能です。
現在国土交通省においては、ハザードマップのユニバーサルデザインに関する検討会を開催し、まとめた「『わかる・伝わる』ハザードマップのあり方について(案)」を公表しています。この中でWeb サイトの構造については、ハザードマップに「地図面」と「情報・学習編」の 2 つがあることがわかるように構成することを推奨しています。
地図面の防災マップでは、住民の所在地を超えた対応が可能であり、情報検索機能を活用することで現在地の災害リスクを把握できる環境整備が期待されています。また、読み上げ機能により、誰でも災害リスクを把握できるようにすることが重要です。
また、「情報・学習編」となる防災ハンドブックについては、あらゆる主体が基礎的な知識として理解できるように、全ての洪水ハザードマップに洪水時の危険性と避難に関する項目を最低限掲載することが推奨されています。

①そこで、Uni-Voice for UDやUni-Voice地図誘導サービスを使用して、スマートフォンやウェブサイトを通じて、視覚障害者を含むすべての人々が「わかる・伝わる」防災電子ブックを作成することについて、ご見解を伺います。

②また、これら防災電子ブック作成には社会資本整備総合交付金を活用できるのか、できるのであれば活用について見解を伺います。