6月通常会議の一般質問(4日目)に登壇しました。
今回の質問(初問)の内容は次のとおりです。
◆1.本市のDX推進の取り組みについて(分割方式)
1.EBPM推進の取り組みについて
①令和4年度のEBPMの取り組みとして、具体的にどのような政策テーマを検討し分析が行われたのか伺います。
EBPMは基本的にはすべての部局における政策とその評価のシステムが求められるものと考えます。これまで本市はEBPMの取り組みとして職員を対象とした研修や意識改革などを進めてこられました。
今後、さらにステップアップの取り組みとして、分野ごとに個別具体的な事例をもって、EBPMの活用によりどのような効果があるのか職員が実感できることが重要と考えます。
②そこで、現在導入しているDX推進支援事業者を活用して、業務に係る必要なデータの収集方法から分析、活用までの基本的な流れについて職員への研修および指導に取り組むべきと考えますが見解を伺います。
③また、本市は今後EBPMをどのような計画をもって進められるのか見解を伺います。
2.データ利活用のあり方について
①オープンデータ活用の取り組みについて、本市ではオープンデータのポータルサイトを設けることや、使いやすいデータ形式に取り組むなど、オープンデータの推進に取り組むとしています。また、令和4年度は滋賀大学データサイエンス学部と連携して、オープンデータの活用による分析の取組を実施することとしていましたが、その取り組み内容と評価について伺います。
合理的配慮としてのデータ利活用については、例えば、車椅子を必要とする障害者の方が外出する際には多目的トイレがどこにあるか分かっていると外出の計画も立てやすいでしょう。そこでオープンデータポータルサイトからトイレ情報を探しますと、公衆トイレ一覧としては観光振興課所管の観光便所と廃棄物減量推進課所管の駅公衆便所の2件だけです。さらにトイレ情報は名称と位置情報であり、多目的トイレがあるかは分かりません。そのため、他の所管課のトイレも公表していただきたいと思います。さらに民間の多目的トイレの情報も提供いただければ、市内全域の多目的トイレのアプリも作成可能となります。
②そこで、障害者への合理的配慮の取り組みの一環として必要な情報について、提供するデータ要素の統一化を図り、全庁的な公的データの提供と民間事業者等への提供を働きかける取り組みを進めていただきたいと考えますが、見解を伺います。
庁内データの利活用のあり方については、先に質問したEBPMの取り組みやオープンデータ活用にも関連しますが、行政課題や市民サービスの向上に向けて分析を行おうとすると、データが必要となります。データは短期間で活用できるものもあれば、長期間の収集が必要なものもあります。特に長期間のデータ分析が必要となったときに、これからデータを収集するのでは後手になってしまいます。こうした問題は庁内におけるデータ利活用の認識不足、政策形成のプロセスにおいて活用が求められていないことなどにあると考えます。
③そこで、庁内におけるデータ利活用のあり方、ルールについて検討すべきと考えますが、見解を伺います。
官民の連携したデータの活用についてですが、官民データ活用推進基本法では、市町村に対して「市町村官民データ活用推進計画」の策定を努力義務としております。本市では、これまで進めてきたデジタルイノベーション戦略に大津市官民データ活用推進計画として位置づけております。
文字通り、この官民データ活用推進計画は、公共部門と民間部門が共同で計画的かつ効率的にデータ利用を促進することを目的としています。
この官民データ活用の取り組みについては、当推進計画からは読み取りにくいので、一例として本市のオープンデータポータルサイトの基本的考え方から読み取ると、公的データの公表により、民間データと組み合わせることで利便性の高いサービス提供の実現に繋がることが期待されること。また逆に行政としては、住民や企業等からのアイデアが得られることや、地域課題の解決、地域コミュニティの活性化、行政への関心・参加に繋がることが期待される等のことが示されています。
官民データ活用推進計画には以上のように期待されることを具現化するために計画を立てるものではないかと考えます。
④そこで、本市がデジタルイノベーション戦略に位置づけた官民データ活用推進計画における官民連携のデータ活用に関する計画について評価を伺います。
⑤また、官民データ活用推進には民間事業者とのパートナーシップの形成やデータ利用のルールなどの計画を策定する必要があると考えますが、見解を伺います。
3.大津市DX戦略(仮称)の策定について
①本市が今年度策定を目指す(仮称)大津市DX戦略の策定について、基本的理念と今回の質問を踏まえた取り組みについて見解を伺います。
◆2.医療的ケア児及びその家族の支援について(分割方式)
未熟児で生まれ、心臓や肺、目、耳、口などに11の病気をもつという乳児を在宅で医療的ケアをする家族から支援についての相談がありました。訪問をした際、もうじき1歳になる乳児は人工呼吸器を装着し、口には細いチューブを挿入していました。医療的ケアについて尋ねると、痰の吸引は頻繁に行い、ミルクは4時間おきに6回に分けており、その度に聴診器で胃の状態を確認後、チューブで口から胃に注入しているとのこと。排便は浣腸して行い、カニューレは週に1回、医師が訪問して交換しています。訪問看護は週に2回から3回、リハビリは週に1回受けているなど話してくれました。
このような状態ですので、常時ベッドの横で様子をみている必要がありますので、ケアをする家族も大変です。父親は仕事に出かけるため、乳児のケアは24時間母親と祖母の二人が交代で行っています。母親は介護のため仕事を辞め、祖母は京都から高齢のご主人を一人残して支援に来ているという状況でした。
このままでは身体が続かないとのことで、何か支援を受けられないかという相談でした。
そこで、以下質問いたします。
1.現制度における医療的ケアのサービスと支援について
①このような常時医療的ケアの必要な乳児及び家族への支援について現状の制度でどのような医療サービスや支援が受けられるのかお聞かせください。
②また、レスパイト入院も考えられますが、入院しても病院によっては、常時監視する必要があるためか付き添いを求められることもあるようです。そこで常時医療的ケアの必要な乳児のレスパイト入院について見解を伺います。
次に、医療的ケア児は医療の進歩により増加しており、こうした実態から医療的ケア児とその家族が状況に応じた適切な支援を受けられるように、令和3年9月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行されました。この第5条には、地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に係る施策を実施する責務を有するとしています。
これらのことから、以下質問いたします。
2.医療的ケア児の把握について
①医療的ケア児の支援や計画を策定するためには、医療的ケア児数などの実態把握が必要ですが、現状と今後の取り組みについて見解を伺います。
3.医療的ケア児等に関するコーディネーターの配置について
①本市の障害児福祉計画(第2期計画)の目標設定にはコーディネーターの配置はすでにされており、増加するニーズに対応するよう努めるとしています。
そこで、本市のコーディネーターのニーズの現状と配置人数について伺います。
②また、活動状況や課題、今後の取り組みについて伺います。
4.医療的ケア児の相談体制と医療的ケア児等支援センターについて
①本市の医療的ケア児の支援等について相談があった場合、医療と福祉の両面の視点が必要になると考えます。本市はどのような体制で対応しているのか伺います。
②滋賀県は、令和5年4月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律に基づき、滋賀県重症心身障害児者・医療的ケア児等支援センターを設置しました。
そこで、同支援センターとの連携により期待される効果について、見解を伺います。
5.医療的ケアの必要な方の災害時の電源確保について
災害時には、医療的ケア児は避難行動要支援者であり、医療機器を装着している場合には停電時に非常用電源の確保が必要となります。医療機器を使用している相談者からの要望では、災害発生時に停電になった場合、人工呼吸器が停止することが心配で、電源確保の支援を望んでいます。
①そこで、医療機器を使用している在宅避難の家庭に対しては災害時の停電に備え、蓄電池を配備する必要があると考えますが、見解を伺います。
6.大津市障害児福祉計画(第3期計画)の策定について
①今年度は大津市障害児福祉計画(第3期計画)の策定に取り組まれますが、特に重要視している計画についてお聞かせください。
◆3.空家対策の取り組みについて(分割方式)
令和5年3月、内閣は「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を国会に提出しました。法律案提出の理由は、空家等の適切な管理及びその活用を一層促進するため、空家等活用促進区域に関する制度の創設、適切な管理が行われていない空家等に対する措置の拡充、空家等管理活用支援法人の指定制度の創設等を行う必要があるとしています。
今年度の本市における空き家対策の取り組みについては、平成30年3月に策定した「大津市空家等対策計画」に基づき、空き家発生の予防、適正管理に向けた意識啓発、定住促進リフォーム補助事業や空家バンクを活用し、空き家の利活用・流通を図る施策を進めていく、としています。
そこで、本市の空き家対策に加え、国の法改正の方向性を受け入れての取り組みが必要と考え以下質問いたします。
1.本市が取り組む定住促進リフォーム補助事業と空き家バンクについて
①昨年度拡充した定住促進リフォーム補助事業の評価と今後の取り組みについて伺います。
②空き家バンクの登録件数の推移と、施策の目的としている利活用・流通についての評価と課題、課題を踏まえての今後の取り組みについて見解を伺います。
2.空き家の発生予防と活用に向けたワンストップ相談窓口の設置について
空き家発生の要因は、高齢者が死亡することや介護施設に移り住むため自宅を離れてしまうこと、また相続人が離れて暮らしていることや、家の老朽化や手狭な場合は移り住むことが難しいことが考えられます。
空き家の放置状態が続くと家屋の傷みも進みますので、空き家の活用方針を早く決めることが重要です。
本市が、平成28年度から平成29年度に行なった市内の空き家実態調査によると「空き家の管理・活用に必要な情報提供や経済面でのアドバイスを希望する意見が多い」との報告がされています。しかし、一般市民にとっては空き家になった後どうしたらよいかわからないし、民間の不動産屋に相談するには不安もあるといった方は多いのではないでしょうか。
例えば世田谷区では民間の空き家専門アドバイザーが相談業務を担い、売買や賃貸に限らず、相続関係や解体など、様々な内容についての相談にも対応しています。
こうした相談窓口を設けている自治体は多数あります。国土交通省の調査によれば、組織・体制の観点から、マンパワー不足や専門知識不足を補うために空き家対策業務をアウトソーシングしている市区町村は3分の1を超えているとのことです。
こうしたことを踏まえ、改正案では市区町村長が、NPOや民間企業等を空家等管理活用支援法人として指定することができる制度を創設することとしています。 支援法人は、空家等の所有者等・活用希望者に対する情報提供、委託に基づいた空家等の管理や空家等の所有者等の探索等の業務を行うほか、市区町村に対して空家等対策計画の作成等や財産管理制度の利用の提案等を行うことができることとしています。
①そこで、空き家の売却、賃貸、解体、相続、維持管理などに関するワンストップ相談窓口業務について、専門家団体等と連携または業務委託することについて見解を伺います。
3.空き家の解体除却対策について
本市でも、空き家が老朽化し、周辺住民に不安を抱かせる状態の住宅が見受けられます。こうした活用が難しい状態にある住宅や不要な住宅の解体除却を早期かつ適切に行うことが求められていることから対応策を講じる必要があると考えます。
①そこで、不要な住宅の解体除却を進めるための本市の施策について見解を伺います。
こうした問題解決の一つとして、令和4年10月滋賀県知事は、株式会社クラッソーネと空家等の除却促進に関する連携協定を締結しました。株式会社クラッソーネは、解体工事領域で、全国の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積りWebサービス「クラッソーネ」を運営しており、施主と工事会社に対し着手金保証、完工保証、第三者賠償責任保険の保証を無料提供し、空き家解体に伴う不安解消の取り組みを行っています。
この支援はインターネットを通じて行われるため、解体費用の見積もりを依頼する際には比較的安心感を持つことができるでしょう。また、複数の業者から見積もりが提供されるため、業者の選定も容易になると考えられます。
②そこで、空き家の利活用・流通を滋賀県が協定している、空き家解体除却の見積Webサービスを本市ホームページでも紹介していただきたいと考えますが、見解を伺います。
◆4.あらゆる主体に「わかる・伝わる」情報のユニバーサル化について(分割方式)
2月の通常会議では、Uni-Voice音声コードを紹介させていただきました。これはNPO法人日本視覚障がい情報普及支援協会が普及活動を行っているものですが、今回はUni-Voice for UDや新たに開発されたUni-Voice地図誘導サービスについて質問します。
Uni-Voice for UDは、視覚障害者向けの音声読み上げに対応したWebアクセシビリティ対応サイトを作成するためのサービスです。
また、Uni-Voice地図誘導サービスは、紙面にあるUni-Voiceナビコードをスマホアプリで読み込むと、ルート位置情報がスマホ地図上に表示され、自分のいるところから目的地まで方向、距離で案内するもので、Uni-Voice for UDを使うことでWeb上でも使用できます。そこで、これらのサービス活用について質問いたします。
1. Uni-Voice地図誘導サービスの観光ガイドへの活用
Uni-Voice地図誘導サービスの活用法の一つとして、観光ガイドマップがあります。
観光ガイドマップにUni-Voiceナビコードと音声コードを埋め込むことで、観光施設の案内から目的地までの誘導を行うことができます。さらに、文字コードは多言語にも対応できるため、インバウンドの効果も期待できます。
①そこで、情報のユニバーサル化に向けて、Uni-Voice地図誘導サービスを大津市の観光ガイドマップに活用することについて、見解を伺います。
②また、観光庁では、訪日外国人旅行者が地域を訪れた際、観光地としての魅力が伝わらないとの声があり、それに対応するために「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」に取り組んでいます。
そこで、外国人旅行者向けの多言語観光案内標識にUni-Voice音声コードを使用することについて、見解を伺います。
2.Uni-Voice地図誘導サービスの防災電子ブックへの活用
Uni-Voice地図誘導サービスの活用法の二つ目は、防災マップ、防災ハンドブックへの活用です。この防災マップについては近日中に全国のハザード情報や避難所施設情報一覧を登録した「耳で聞くハザードマップ」のベータ版の公開を予定しています。アプリを起動すると半径5 km以内の避難所情報が表示され選択した避難所までの誘導をしてくれます。
正式版は防災電子ブックをWebポータルサイトに登録した自治体には無償提供されます。
この防災電子ブックも多言語化の対応も可能です。
現在国土交通省においては、ハザードマップのユニバーサルデザインに関する検討会を開催し、まとめた「『わかる・伝わる』ハザードマップのあり方について(案)」を公表しています。この中でWeb サイトの構造については、ハザードマップに「地図面」と「情報・学習編」の 2 つがあることがわかるように構成することを推奨しています。
地図面の防災マップでは、住民の所在地を超えた対応が可能であり、情報検索機能を活用することで現在地の災害リスクを把握できる環境整備が期待されています。また、読み上げ機能により、誰でも災害リスクを把握できるようにすることが重要です。
また、「情報・学習編」となる防災ハンドブックについては、あらゆる主体が基礎的な知識として理解できるように、全ての洪水ハザードマップに洪水時の危険性と避難に関する項目を最低限掲載することが推奨されています。
①そこで、Uni-Voice for UDやUni-Voice地図誘導サービスを使用して、スマートフォンやウェブサイトを通じて、視覚障害者を含むすべての人々が「わかる・伝わる」防災電子ブックを作成することについて、ご見解を伺います。
②また、これら防災電子ブック作成には社会資本整備総合交付金を活用できるのか、できるのであれば活用について見解を伺います。