「誰かの役に立つ」が最高の長寿薬?幸福感がアップする「貢献寿命」のすすめ

「人生100年時代」と言われて久しくなりましたが、「ただ長生きするだけで本当に良いのだろうか?」と感じることがあります。
近年注目されているのは「健康寿命」、すなわち健康で自立して生活できる期間を延ばそうという考え方です。
けれども、さらに豊かで幸せな人生を送るためのカギは、そこに隠されているのです。
そこで今回ご紹介したいのが、新しい視点である「貢献寿命」です。
「貢献寿命」とは?
「貢献寿命」とは、**「社会とつながり、役割を持ち、誰かの役に立ち、感謝されるといった関わりを持ち続けられる期間」**のことを指します。
この考え方を提唱したのは、東京大学の秋山弘子名誉教授です。単に長生きする、健康でいるだけではなく、社会との関わりの中でイキイキと過ごす時間こそが大切であることを示しています。
実際に研究では、「社会とのつながりが豊かな人ほど長生きする」「誰かのために行動する人は幸福度が高い」といった結果も報告されています。つまり「誰かの役に立つ」という体験そのものが、心身の健康や幸せにつながる“最高の長寿薬”と言えるでしょう。
「貢献寿命」を延ばす5つのヒント
「貢献」と聞くと、ボランティアや自己犠牲のような大きな取り組みを想像してしまうかもしれません。しかし「貢献寿命」の対象はもっと広く、日常のささやかなことまで含まれます。
具体的には、次の5つの関わり方が考えられます。
1. 仕事を通じた貢献
年齢に関わらず、仕事を通じて役割を果たすこと。パートタイムや短時間の勤務であっても、社会とのつながりを生む大切な貢献です。
2. 助け合いによる貢献
ボランティア活動はもちろん、家族や孫の世話、近所の人との助け合いも含まれます。日常のちょっとしたおすそ分けや挨拶も、立派な「貢献」の一つです。
3. 経済面での貢献
地域のお店で買い物をすることや、税金を納めることも社会経済を支える重要な貢献といえます。
4. 知識や経験の継承による貢献
長年培ってきた仕事のスキルや趣味の知識、人生経験などを次の世代に伝えること。これも非常に価値ある貢献です。
5. 存在そのものによる貢献
特別な行動をしなくても、自分の存在そのものが家族や友人の心の支えになることがあります。「生きているだけで誰かの力になっている」——そんな形の貢献も確かにあるのです。
日常の中で「貢献」を意識する
日々の暮らしの中で、ほんの少しだけ社会や周囲との関わりを意識してみる。
それだけで人生はより豊かに、そして張りのあるものへと変わっていきます。
たとえば、近年は自治会離れが進んでいますが、自分のためだけに時間を消費するのではなく、地域活動を通じて「誰かの役に立っている」という実感を得ることで、自分自身の幸福感を高めることができます。
その積み重ねが、心身ともに健康で、充実した毎日へとつながっていくのです。
参照元記事
- 出典: 新たな長寿価値“貢献寿命”とは?











