大津市議会議員 佐藤弘

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年金は増えたのに、手取りが減る ― 年金版「年収の壁」の解消を求める意見書を提出します

党活動 税制 議会 / 2026年9月2日

物価高に対応するため、公的年金の支給額はこのところ毎年引き上げられています。ところが、「年金額が増えたことで住民税の非課税世帯から外れ、かえって手取りが減ってしまった」というご相談が、全国の議員のもとに寄せられています。

いわゆる 年金版「年収の壁」 の問題です。

本市議会の9月通常会議において、私はこの問題の解消を国に求める意見書を提出いたします。
あわせて、同じ本日(2026年9月2日付)の公明新聞にも、公明党の竹谷とし子代表が国会でこの問題を取り上げたことが分かりやすい図解とともに紹介されていましたので、そちらもご紹介します。

公明新聞2026年9月2日付「額面増えても手取り減る 年金版『年収の壁』」 ※画像出典:公明新聞2026年9月2日付


■ なぜ「年金が増えたのに手取りが減る」のか

仕組みは、次の3つの段階で起こります。

  1. 物価高に対応して年金額が引き上げられる
  2. 年金収入から控除(経費にあたる部分)を引いた「所得」が、住民税の非課税基準をわずかに超える
  3. 翌年度、住民税の非課税世帯から外れ、これに連動する各種の負担軽減措置が受けられなくなる

公明新聞の図解では、東京23区に住む65歳以上の単身の年金生活者を例に、次のように説明されています。

項目 金額
年金収入(改定前) 155万円
年金収入(改定後) 157万円
差し引かれる控除(公的年金等控除など) 110万円
合計所得金額(改定後) 47万円
住民税非課税世帯となる基準 45万円

出典:公明新聞2026年9月2日付 紙面図解(※東京23区に住む65歳以上の単身年金生活者のケース)

年金収入がわずか2万円増えただけで、所得が基準を2万円超えてしまう。たったこれだけで、非課税世帯ではなくなってしまうのです。

なお、住民税が非課税となる所得の基準額は、地方税法第295条および各市町村の条例に基づき、市町村の級地区分によって異なります。上記はあくまで東京23区(1級地)の単身世帯の例です。


■ 年金額は4年連続で引き上げられています

厚生労働省の発表によると、2026年度の年金額は、基礎年金(1階部分)が+1.9%、厚生年金(2階部分)が+2.0%の増額改定となり、増額改定は4年連続です(厚生労働省2026年1月23日発表)。

一方で、2025年(暦年)の物価変動率は3.2%。マクロ経済スライドによる調整もあり、年金額の伸びは物価の伸びに追いついていません。つまり、実質的には目減りしているにもかかわらず、額面が増えたことによって課税世帯に移行してしまうという事態が起きています。

出典:厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」(2026年1月23日発表)/ニッセイ基礎研究所レポート(2026年)


■ 影響は住民税だけにとどまりません

非課税世帯から外れることの影響は、住民税の負担だけではありません。

  • 住民税が新たに課税される
  • 介護保険料の段階が引き上がり、大幅な増額となる
  • 介護保険施設等における補足給付(食費・居住費の軽減)が受けられなくなる
  • 高額介護サービス費の負担上限が引き上がる

このように、住民税の課税・非課税の判定は、多くの社会保障制度の負担軽減措置と連動しています。そのため、境界線をわずかに超えただけで、負担が一気に跳ね上がる「崖」が生じてしまいます。

国会でも、年金額が1.9%増えたことで非課税世帯から外れ、介護保険などの社会保険料が1.5倍に増加して手取りが減ったケースが具体的に指摘されました。

出典:公明党「竹谷代表の参院代表質問(要旨)」および「“深掘り国会質問” 住民税の非課税限度額」(公明党ホームページ、2026年)


■ 国会での動き ―― 竹谷とし子代表の指摘

公明党の竹谷とし子代表は、2026年2月26日の参議院本会議・代表質問において、この問題を取り上げました。

代表質問および公明新聞紙面で示された論点は、大きく次の3点です。

① 現役世代の「年収の壁」とは性質が違う 働く世代の「年収の壁」は、働く時間を調整すれば回避することができます。しかし、年金の受給額は自分で調整することができません。

② 物価高対策が、かえって生活を圧迫している 物価高から暮らしを守るための年金額の引き上げが、結果として生活を苦しくしてしまう現状はおかしい、という指摘です。

③ 住民税の非課税限度額にも物価スライド制を 所得税については、2025年に課税最低限が160万円へ引き上げられ、さらに令和8年度税制改正では物価上昇に応じて控除額を引き上げる「物価スライド制」が導入され、課税最低限が178万円まで引き上げられることとなりました。一方で、住民税の非課税限度額には物価スライド制が導入されておらず、基礎控除が定額のまま据え置かれていることが、この問題の根本にあります。

竹谷代表は「理不尽な事態は速やかに是正すべきだ」と、制度の早期見直しを政府に強く求めました。

出典:公明党ホームページ「竹谷代表の参院代表質問(要旨)」、同「“深掘り国会質問” 住民税の非課税限度額」/公明新聞2026年9月2日付


■ 意見書提出の経緯 ―― ネットワーク政党の強み

今回の意見書は、公明党のホームページ内にある議員向けの「情報交換ひろば」への投稿がきっかけです。

大阪府のある町議会議員から、「市民の皆さまからいただいた声をもとに、この問題について意見書を提出したい」という趣旨の書き込みがありました。それを拝見し、私の地域でも同様のご相談を受けていたことから、本市議会でも意見書として取り上げることとしたものです。

一人の住民の方の困りごとが、地方議員から国会議員へ、また地方議員同士で共有され、全国の議会での動きにつながっていく。地方議員から国会議員までのネットワークが機能していることこそ、公明党の最大の強みであると、あらためて実感しています。


■ 提出する意見書の内容

以下が、9月通常会議に提出する意見書(案)の全文です。(PDFファイルも添付しております)


年金受給額の物価スライドに伴う課税化と社会保障負担の逆転現象の解消を求める意見書(案)

物価高騰が続く中、公的年金の給付額については「物価スライド制」に基づき増額改定が行われている。しかしながら、住民税の非課税限度額は物価スライド制が導入されておらず、年金収入が僅かに増加した結果、非課税限度額を超えてしまい、これまで「非課税世帯」であった高齢者層が「課税世帯」へ移行する事態が全国で相次いでいる。

これにより、住民税の課税が発生するのみならず、介護保険料の段階が引き上がって大幅な増額(1.5倍以上等)となったり、介護保険施設等における補足給付(食費・居住費の軽減)や高額介護サービス費の優遇措置が受けられなくなったりするなど、連動する社会保障制度上の負担が一気に跳ね上がる現象が生じている。

結果として、年金の支給額がわずかに増えたにもかかわらず、手取り額や実質的な生活費が大幅に減少するという「制度の狭間による逆転現象」が引き起こされており、物価高に苦しむ生活現場において極めて理不尽で過重な負担を強いる結果となっている。

年金額の改定が物価高騰への対応を目的としているにもかかわらず、税制や社会保障制度の境界線(壁)が据え置かれていることによって生じるこの問題は、制度設計上の重大な不備であり、一刻も早い是正が必要である。

よって、国におかれては、国民の安心と安定した生活を守るため、下記事項について早急に是正措置を講じるよう強く要望する。

記

1. 非課税限度額等の見直しと物価連動 年金額の物価スライド改定に合わせ、住民税の基礎控除額および非課税限度額を柔軟に引き上げるなど、年金微増のみを理由として不利益が生じない制度構造へと是正すること。

2. 急激な負担増を防ぐ「経過措置」の早期導入 非課税世帯から課税世帯へ移行した直後の層に対し、介護保険料や介護サービス自己負担額の急増(崖)を緩和する漸減的な調整措置や経過措置を直ちに講じること。

3. 早期の制度見直しと実行 制度改善の検討にあたっては、先送りすることなく、次期制度改正・予算編成において前倒しで迅速に対応すること。

以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。


■ まとめ

ポイント 内容
何が起きているか 年金額の増額により住民税非課税世帯から外れ、手取りが減る
なぜ起きるか 年金額には物価スライド制があるが、住民税の非課税限度額にはない
影響 住民税の課税に加え、介護保険料の段階上昇、補足給付や高額介護サービス費の優遇喪失
求めること ①非課税限度額の物価連動 ②急激な負担増を防ぐ経過措置 ③先送りしない早期の制度見直し

制度の狭間で、置き去りになる方を出してはなりません。9月通常会議での議決を経て、市議会として国に対してしっかりと声を届けてまいります。

「年金が増えたはずなのに、負担が増えて生活が苦しくなった」——もしそのようなお困りごとがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。現場の声こそが、制度を動かす力になります。


【参考資料・出典】

  • 公明新聞2026年9月2日付「額面増えても手取り減る 年金版『年収の壁』」(図解・数値例)
  • 公明党ホームページ「竹谷代表の参院代表質問(要旨)」(2026年2月26日 参議院本会議 代表質問) https://www.komei.or.jp/komeinews/p506278/
  • 公明党ホームページ「“深掘り国会質問” 住民税の非課税限度額」(2026年3月18日付) https://www.komei.or.jp/komeinews/p507011/
  • 厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」(2026年1月23日発表)
  • ニッセイ基礎研究所「2026年度の年金額(確定値)は4年連続の増額だが実質目減りで将来に貢献」(2026年)
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(所得税の課税最低限178万円への引き上げ・物価スライド制の導入)
  • 地方税法第295条(個人の市町村民税の非課税の範囲)

※本記事中の数値例は、公明新聞2026年9月2日付紙面に掲載された「東京23区に住む65歳以上の単身年金生活者のケース」に基づくものです。
住民税の非課税基準は市町村の級地区分等により異なりますので、ご自身のケースについては市の担当窓口にご確認ください。

「運動×脳トレ」で認知症予防!話題の「コグニサイズ」ってご存知ですか?

保健 高齢者 / 2026年9月2日

私も今年で70歳を迎え、いつまでも元気に地域活動を続けていくために、日々の健康づくりの大切さをますます実感するようになりました。

そこで今回は、国立長寿医療研究センターが開発した、楽しくできる認知症予防の取り組み「コグニサイズ」についてご紹介したいと思います。

コグニサイズとは?

コグニサイズは、英語の「Cognition(認知)」と「Exercise(運動)」を組み合わせた造語です。名前の通り、「運動」と「脳トレ」を同時に行うのが最大の特徴です。

たとえば、「足踏みをしながら、3の倍数で手を叩く」「ウォーキングをしながらしりとりをする」といったように、体を動かしながら頭を使うことで、脳の活動を活発にします。

ここがポイント!間違えても大丈夫

この体操で一番驚いたのは、「完璧にできなくてもいい」という点です。公式サイトでも、以下のように説明されています。

“コグニサイズの目的は、運動で体の健康を促すと同時に、脳の活動を活発にする機会を増やし、認知症の発症を遅延させることです。(中略)課題がうまくできるということは、脳への負担が少ないことを意味します。”

つまり、スムーズにできてしまうより、「あれ?次は何だっけ?」と少し混乱して間違えてしまうくらいが、脳にしっかり負荷がかかって良いということです。

うまくできなくて笑ってしまう、その試行錯誤こそが認知症予防につながります。

今日から少しずつ始めてみませんか?

特別な道具は必要ありません。毎日の散歩中にしりとりをしてみたり、テレビを見ながら足踏みをして数を数えてみたりと、いつもの運動にひと工夫加えるだけで始められます。

地域の皆さまと集まった時に、みんなで笑いながら挑戦してみるのも素晴らしいコミュニケーションになりそうですね。ぜひ、ご自身のペースで日々の生活に取り入れてみてください。

引用・参考元