【政策要望懇談会・2日目】 8団体から受け取った切実な要望
2026年8月20日、公明党滋賀県本部にて、一昨日に引き続き2日目となる「政策要望懇談会」を開催いたしました。
この日は、滋賀県の観光、経済、福祉、インフラ、環境、そして地域の安心・安全を支える「8団体」の皆さまと、要望書をもとに極めて重要で熱い意見交換(懇談)を行いました。 アユの不漁に直面する琵琶湖の再生、深刻化する中小企業や建築業界の人手不足、最低賃金引き上げに伴う労務費の適正な価格転嫁、そして災害時に避難所を守る衛生対策まで――現場が直面する課題は、どれも滋賀県の未来に直結する切実なものばかりです。
本記事では、この政策要望懇談会で提示された各団体の「生の声」と「主要な要望要旨」を簡潔にまとめました。要望の詳細は添付資料をご覧下さい。

1. 公益社団法人びわこビジターズビューロー
JRデスティネーションキャンペーン(DC)や、彦根城の世界遺産登録推進など、滋賀観光が大きな好機を迎える一方、コロナ前(約5,400万人)を上回る観光客6,000万人を目指す上でのインフラ不足や、MICE・インバウンド誘致のコスト高騰が課題となっています。
- 滋賀DCキャンペーンのさらなる展開: 令和9年の全国本番に向けて、商品造成、東海・北陸エリア等も含めた誘致営業活動の拡大に対する継続的な支援。
- 教育旅行(修学旅行等)の誘致促進: 新幹線米原駅を起点とした広域観光への助成金増額や、安全性の高い貸切バス(グリーンナンバー)利用に対する助成の導入。
- MICE誘致の推進: 国内会議の助成基準を現行の「300人以上」から、実態に即した「100名程度」に緩和することによる誘致促進。
- インバウンド欧米豪マーケット開拓: 文化観光を中心とした商品造成支援。歴史と文化を守りつつ、円安や物価高・移動費高騰を考慮した財政支援。
- 社会基盤の整備: 観光・防災双方の観点から、大津・草津・京都を結ぶ「国道1号線バイパス化」の早期推進や、災害時に逃げ道となる2次交通ルートの確保。
2. 滋賀県中小企業団体中央会
県内約12,000社の中小企業・小規模事業者を網羅する経済団体として、深刻な人手不足、最低賃金引き上げ(賃上げ圧力)、エネルギー・原材料価格の高止まりに直面する事業者の切実な状況を訴えました。
- 連携組織への支援・伴走型支援: 組合などの連携組織化支援補助金(約1億円規模)や、今年度から開始された課題解決型の「伴走型支援制度」の来年度以降の継続・拡充。
- 自馬(地場)産業の支援: 伝統工芸(彦根仏壇、長浜縮緬など)の需要激減に合わせた振興条例指針の改定、およびエネルギー(電気・ガス等)価格高騰への助成措置。
- 適正な価格転嫁と賃上げ環境の整備: 物価や労務費の高騰を速やかに契約価格へ転嫁できるよう、大企業や行政自らが「適正価格」を明示し、模範を示すこと。
- 人材確保と定着支援: ハローワークのデジタルマッチング機能の強化や、「育成就労制度」への円滑な移行に伴う外国人材支援(日本語教育の充実など)。
- 税制・金融措置: ゼロゼロ融資の返済負担軽減、中小企業税制の延長、インボイス「3割特例」の柔軟な運用、および外形標準課税の中小企業適用拡大に対する断固反対。
3. 司法書士滋賀会 / 日本司法書士政治連盟滋賀県支部
相続登記の申請義務化、および令和10年までに施行される「成年後見制度の大改正」を見据え、専門職後見人の就任率1位(34.7%)を誇る強みを活かした超高齢社会への備えを提案されました。
- 家事事件(別表第一)における代理権の付与: 争訟性の少ない家事審判手続き(相続放棄の申述、遺言書の検認、成年後見開始など)において、司法書士に手続代理権を付与することによる、高齢者・おひとり様世帯への迅速な法的サポート体制の構築。
- 職務上請求システム等の手数料オンライン化: 戸籍謄本等の交付請求時におけるクレジットカード等による電子納付を導入(高額な定額小為替の購入負担や手間を削減し、国民・事業者の負担を大幅軽減)。
- 空き家・所有者不明土地対策の推進: 各市町と司法書士会との間で、相続人調査や所有者確定に関する「連携協定」の締結を推進(兵庫県尼崎市の先行・熱心な事例を参考に展開)。
- 成年後見制度改正に伴う支援体制: 利用終了後(必要性がなくなった際)の生活支援や受け皿の整備、地域連携ネットワークを担う「中核機関」の予算・人材確保、および市町による報酬助成制度の格差解消。
4. 滋賀県土地家屋調査士会 / 滋賀県土地家屋調査士政治連盟
土地の境界や物理的状況を示す表示の登記の専門家として、災害時の「狭あい道路」「未登記建物(所有者特定不能)」「境界未確定(境界標の亡失)」が復旧の遅れに直結するとして、平時からの対策を強く呼びかけました。
- 公共用地における過年度未登記土地の早期処理: 過去の道路買収などで登記が未完了(私有地名義のまま)になっている事案の解消。令和8年度に計上された予算550万円の実効性ある検証と、相談窓口の活用。
- 官民境界確定マニュアル及び取扱要領の見直し: 明らかな県道等の境界確定において、わざわざ地元の「自治会長」の立ち会い・署名捺印を求める滋賀県特有の不合理な慣例(特に若手サラリーマン自治会長への大きな負担)の撤廃。
- 消失した公共基準点の保存・管理徹底: 道路工事やアスファルト再施工等に際し、基準点が安易に撤去・埋没(アスファルトで巻き込み消失)されるケースを防ぐため、工事検査での確認や、再設置・復元義務の徹底。
5. 公益社団法人滋賀県建築士会
資材高騰や人材不足が続く中、一級建築士をはじめとする資格者の超高齢化(50歳以下が全体のわずか35%)という構造的危機を背景に、若手の育成と、地域の歴史的価値を活かした持続可能な街づくりを要望されました。
- 若手建築士の支援・「びわ湖建築賞」の継続支援: 若手建築士の登竜門であり、景観に調和した優れた建築を表彰する「びわ湖建築賞」への継続的な支援(現地審査等への協力、名義後援、移動手段の協力など)。
- 歴史的建造物の利活用・保存条例の制定: 文化財指定に至らない町家や大商人屋敷等の建築基準法上の制限を解除し、リユース・再生を促すための各市町における「保存条例」制定の働きかけ(近江八幡市の先行例をモデルに、他地域へ展開)。
- 「防災委員会」設置への支援: 災害に備えた「被災住宅対応マニュアル」の普及、平時からの被災者支援活動に関する県や社協との各種協定締結への協力、および「応急危険度判定士(現在1,340名登録)」の育成委託予算の継続。
- 空き家無料相談窓口の強化: 建築士や司法書士など専門家が連携した秋屋相談体制の強化および補助制度の構築。
6. 滋賀県漁業協同組合連合会
琵琶湖で最も重要な主要漁獲物である「アユ」が、地球温暖化(秋の高水温)や貧栄養化等の原因により深刻な不漁(特に昨年は過去最低)に陥っており、地域の漁業・食文化の存続が危機的な状況にあります。
- アユ資源の確保と不漁原因の究明: 琵琶湖の生産力低下・アユの不漁原因の早期解明と、単に綺麗な水ではなく、アユや魚介類が育つ「豊かな水(栄養塩管理基準等)」への水質管理基準の転換。
- アユ人工河川運用の強化: 放流親アユを確保し、急な不漁時にも臨機応変に対策を実施できる機動的な予算措置。
- 組織再編・合併組合への支援: 合併して誕生した「滋賀びわ湖漁業協同組合」の円滑な運営や、県一漁協への組織再編に向けた継続的な人的・財政的支援(県OBの派遣継続等含む)。
- 鳥獣害・外来植物対策: 再び増加に転じたカワウ(約18,000羽超)による食害(アユ、ホンモロコ等)の徹底的な駆除、外来魚・オオバナミズキンバイ等の駆除予算の維持。
- 流水占用料の見直し: 漁獲低迷が続く小型定置網(エリ)漁業者等を守るため、県条例に基づく土地(流水)占用料の低減・減免。
- 炭水漁網の確保支援: 琵琶湖独特の「極細の糸」を使用した炭水用漁網を作る国内メーカーが廃業。新規調達先(東南アジア等の情報を含む)の調査や製造への財政支援。
- 醒井(さめがい)養鱒場解説150周年に向けた支援: 令和10年度に迎える150周年に合わせた、観光・教育の充実、魚病対策等の施設リニューアルおよび記念イベントへの支援。
7. 滋賀県環境整備事業協同組合
し尿の収集運搬や一般廃棄物の適切な処理など、生活インフラと公衆衛生の根幹を支えるエッセンシャルワーカーとして、適正な労務単価・委託料の確保と、災害時の緊急避難体制について訴えられました。
- 一般廃棄物処理業務における労務費の適正な価格転嫁: 国が発出した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針(930通知)」に基づく、市町への周知・指導。特に「最低賃金改定(10月)」に合わせた委託金額の年度途中改定や、複数年契約での価格改定を認める仕組みづくり、事業者との協議の場の設置。
- 官公需・委託料における格差是正: 行政の臨時職員や一般職員の給与引き上げ(補正予算対応等)はされるものの、委託業者の委託料が据え置かれる実態の是正。
- 防災トイレ備蓄協定の実効性確保: 滋賀県と本日調印した「防災トイレ等無償支援協定(県内60万個、うち3日間の初動を守る携帯トイレ26万個を各組合員事務所に配備)」の実効性を高めるため、災害時における仮設トイレし尿の回収、通常のゴミ処理施設での短期間焼却等のし尿処理・廃棄マニュアルの整備。
- 広域災害対応: 関西広域連合での広域相互支援ネットワークを視野に入れた、近畿二府四県などの協定体制の構築。
8. 滋賀県行政書士会 / 日本行政書士政治連盟滋賀県支部
なりすまし申請の防止、資格者代理権の明確化、そして違反者を雇用する使用者にも罰則を科す「両罰規定」が新設された改正行政書士法(令和6年1月施行)が、行政の現場に十分に周知されていない課題を提起しました。
- 非行政書士排除の徹底と本人確認の強化: 県庁や市町の窓口における不真正な代理申請を防ぐため、申請人・代理人双方の厳格な本人確認、行政書士証票や補助者証の提示、職印・代理権等の確認の徹底。
- 窓口チェックシートの早期完成・周知: 県の総務課等と協議中の「窓口確認チェックシート」の早期完成、およびチェックシートを用いた現場窓口職員への指導の徹底。
- 特定行政書士の行政不服審査会への登用: 処分の不服申立て手続きの「実務の専門家」である「特定行政書士」の知見を活かすため、県や各市町に設置される「行政不服審査会」の第三者有識者委員への登用機会の大幅な拡大(全国で登用されている島根県などの先例を踏まえた働きかけ)。