大津市議会議員 佐藤弘

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ただの太りすぎではない?医療としての「肥満症」とメタボの知られざる境界線

保健 医療 生活 / 2026年8月5日

医療の観点から見ると、単なる「太りすぎ(肥満)」と、治療が必要な「肥満症」はまったくの別物です。ここを誤解していると、適切な対策が取れなかったり、無理なダイエットで健康を害してしまうことがあるようです。

単なる「肥満」と「肥満症」の違いとは?

健康診断などでよく耳にする「BMI(体格指数)」ですが、日本肥満学会の基準では BMI 25以上 が「肥満」と判定されます。ただし、これはあくまで「状態」を示しているに過ぎません。

一方で「肥満症」とは、以下のような条件を満たす医学的に治療が必要な疾患(病気)を指します。

  • 健康障害の併発: 高血糖、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、関節痛などの健康問題が実際に起きている。

  • 内臓脂肪型肥満: 内臓脂肪が蓄積しており、将来的に健康障害を起こすリスクが極めて高い。

つまり、「体重が多いだけ」の状態が肥満であり、「体重増加によって身体に不具合が生じている、あるいはその危険が迫っている状態」が肥満症です。

メタボ(メタボリックシンドローム)との違いは?

よく混同される「メタボ」ですが、こちらは「内臓脂肪型肥満」をベースに、高血糖・脂質異常・高血圧のうち2つ以上を併せ持った状態を指します。動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中を防ぐための「早期警戒シグナル」としての役割が大きい概念です。

肥満症はさらに幅広く、整形外科的な膝・腰の痛みや、精神的なストレス、睡眠障害なども含めて「生活の質(QOL)を脅かす病気」として総合的にアプローチします。

なぜ「自己責任」で終わらせてはいけないのか?

日本医療政策機構(HGPI)の論点整理でも指摘されていますが、肥満症の背景には個人の意志だけでなく、遺伝的要因、社会経済的な環境、生活リズムの乱れなど、複雑な要素が絡み合っています。

「痩せればいいだけ」という周囲の偏見(スティグマ)や社会的誤解が、必要な受診や適切な医療アプローチを遠ざけてしまう原因になっています。

自由診療による過度な「痩せ薬」の常用や無計画な食事制限に頼るのではなく、医学的なエビデンスに基づいた食事・運動指導や適切な薬物治療を受けることが何より大切です。

身体に不調を感じている方は、「自分がだらしないから」と抱え込まず、一度医療機関や専門家に相談してみましょう。

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