大津市議会議員 佐藤弘

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認知症や孤立のリスク ー いま知っておきたい「難聴」の早期発見と最新対策

医療 生活 福祉 高齢者 / 2026年7月31日

日本医療政策機構(HGPI)がまとめた最新の政策提言をもとに、私たちの生活に密接に関わる「難聴」の現状と、これから期待される対策についてお伝えします。

【参照元記事】 ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言

難聴は「認知症」の最大のリスク因子?

現在、世界の人口の約5%にあたる4.3億人が難聴への介入を必要としています。 世界的医学誌「Lancet」の2017年の報告では、難聴は認知症の最大のリスク因子であると指摘されています。また、社会的孤立やうつ病などのリスクとの関連も示唆されており、ただ「耳が聞こえにくい」という枠に留まらない重大な課題です

日本でも2030年には難聴者が約2,275万人に増加すると見込まれています。しかし、補聴器による介入が必要な人が多いにもかかわらず、日本の補聴器所有率は15.6%にとどまっており、先進国の中で最低水準にあるのが現状です

切れ目のない支援へ向けた「4つの重要ポイント」

誰もが適切な聴覚ケアを受けられる社会にするため、今回の政策提言では大きく分けて以下のポイントが示されています。

  • ネガティブなイメージを変え、早期介入を推進 「難聴=恥ずかしい」という社会的スティグマ(偏見)を払拭することが重要です。実際、補聴器所有者の95%が「補聴器の使用によってQOL(生活の質)が向上した」と回答しており、前向きな理解を広める必要があります

  • 日常生活の中で気づける「スクリーニング」体制 テレビなどの機器使用時に聴力低下に気づける仕掛けづくりや、高齢者向けの聴力検査を健診に組み込むなど、より広い世代が早期発見できる体制の整備が求められています

  • 専門家へのアクセスと連携の強化 難聴を自覚しても受診へのハードルが高いのが現状です。耳鼻咽喉科医や言語聴覚士など、専門人材の育成と適切な医療にスムーズにつながる仕組み作りが提言されています

  • 軽度・中等度難聴者への公的支援の拡大 現在、補聴器購入の公的補助は主に身体障害者が対象ですが、補装具費支給の対象外となっている軽度・中等度の難聴の成人にも、介護保険などを活用した段階的な公的支援の導入が検討されるべきとされています

まとめ

難聴は、若者からお年寄りまであらゆる世代で起こりうる身近な問題です。「聞こえ」に不安を感じたら、放置せずに早めに専門家に相談することが、豊かな人生を送るための第一歩になります。

今後、誰もが安心して聴覚ケアにアクセスできる社会に向けて、日本の制度がどのように変わっていくのか、引き続き注目していきたい。

<政策提言>ライフコースを通じた切れ目のない難聴対策の実現に向けた政策提言ーすべての人が適切な聴覚ケアにアクセスできる社会の構築を目指してー