その空き家、どうする? ~地域と大津市で考えるこれからの空き家対策~
7日、大津市自治連合会で空き家問題をテーマに研修会が大津市市役所で開かれ参加しました。
説明内容は資料をいただき、その内容に沿って説明が行われ、その後数人の方から質問がありました。
その概要を掲載します。(本記事は研修会の概要をメモから書き起こしたものです。記述に誤りがある可能性がございますので、予めご了承ください。)
1. 大津市からの説明内容(要点)
空き家の現状: 大津市の住宅総数は増加傾向にあるが、空き家件数は平成20年以降ほぼ横ばい(約1.8万〜1.9万戸、空き家率は約10〜11%で、10軒に1軒が空き家)。
市への通報は年間100〜200件あり、その約6割が「草木の繁茂」、約2割が「建物の損傷・崩落」。
何が問題か(放置によるリスク):
①草木繁茂や老朽化による景観・衛生の悪化。
②住みたい人が減ることによる地域の活力低下(負の連鎖)。
③不法侵入や放火、特殊詐欺の拠点化など安心・安全の低下。
本質は所有者の「無関心・放置」であり、エリアに関係なく発生する。
法律・制度の変更:
空家特措法: 管理不全や特定空家に認定され「勧告」を受けると、固定資産税の優遇(住宅用地特例)から外れ、税額が最大約6倍になる。
民法改正(R5.4施行): 隣地から越境してきた竹木の枝について、催告しても応じない場合や所有者不明の場合など、一定の条件下で自ら切り取り可能となった。
不動産登記法改正: 相続登記の申請義務化(R6.4施行、違反は10万円以下の過料対象)、住所等変更登記の申請義務化(R8.4施行、違反は5万円以下の過料対象)。
自治会へのお願い:
空き家は悪化(特定空家化)すると行政代執行の手続き等で解決に数年かかり、地域や自治会の負担が最も重くなる。
無理のない範囲での「早期発見・把握」「連絡先の共有」「予防の呼びかけ(生前整理・相続登記等)」「早めの市への相談・通報」という4つの取り組みを要望。
2. 質疑応答(質問と答弁)

Q1. 外国人への転売・マナー問題、および空き地(更地)化された後の対応は?
質問者: 空き家が外国人に転売され、周辺へのゴミ放置や無断の敷地改変(トラック進入用)など住民が困惑している事例がある。また、建物が解体されて空き地になった後、木が生い茂る問題はどうなるのか?
大津市・専門家 答弁:
外国人に売却するかどうかは所有者の自由であり、流通そのものを行政がコントロールすることは正直難しい。
建物がなくなり「空き地(更地)」になった場合は住宅政策課の所管(空き家対策)からは外れるが、その場合は「環境政策課」が窓口となり、同様に所有者を特定して行政対応をバトンタッチしていく。
Q2. 地域の先進事例(空き家調査・見守り)と、活動で発生する「ゴミ」処理の壁について
質問者(他学区の連合会長など): 過去にモデル地区として全数調査を行い、所有者に手紙を送って約40件の見守り契約を結んだ実績がある。しかし、ボランティアで空き家の草刈りや樹木伐採をしても、市から「産業廃棄物扱い」と言われ、家庭ゴミとして回収してもらえず処分に非常に苦労した。今後の大きな課題である。また、活動メンバーの高齢化や、ハチの巣駆除・草刈り機の保険料負担も重い。
大津市・専門家 答弁:
(東近江市や他都市の自治会への補助事例などを紹介しつつ)地域独自の先進的な見守り取り組みは非常に貴重。
ゴミ処分に関する課題(環境部との調整)については、こうした地域ぐるみの取り組みにおける障壁として重く受け止め、空き家対策として何ができるか、しっかりと市役所内で連携・検討を深めていきたい。
Q3. 相続登記の義務化における「取得を知った日」や「相続放棄」の期限について
質問者: 改正不動産登記法の「取得を知った日から3年以内」の定義や、相続放棄をする場合の期間はどうなるのか。何年も経ってから自分が相続人だと知るケースもあるが?
専門家(司法書士) 答弁:
「取得を知った日」は、遺産分割協議が整った日や遺言書で自分が所有者だと分かった日などケースによるが、通常は「自分が相続人であることを認識した日」からカウントする。遺産分割協議が長引いているからといって義務を免れるわけではない。
「相続放棄」に関しては、自分が相続に法律上関わることを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ手続きする必要がある。3年ではなく3ヶ月なので非常に短く、放置して過ぎてしまうと基本的にはプラスもマイナスも含めて相続したものとして扱われるため注意が必要。
Q4. 市役所の対応範囲と、民間大型ビルなどの扱いについて
質問者: 市の窓口に自治会で相談に行っても、最終的に「法務局で自分で調べて手紙を書いて」と言われるなど、対応が事務的に感じられることがある。また、小学校近くにある大きな法人所有のホール(ビル)が放置されており、以前から要望しているが「法人が所有・管理している」という理由で空き家対策の対象にならないのはなぜか?
大津市 答弁:
個別の窓口対応で不十分な点があったのなら申し訳ないが、実態として1年間使われていないような「空き家」であると確認できれば、市が責任を持って税情報や住民票等から所有者を突き止め、周囲に悪影響が出ている場合は是正を促す通知文を必ず送っている。
建物が民家でなくビル等であっても、法律上の「建築物」であれば空き家の対象にはなり得るが、法人が現在も何らかの形で「使用・管理」している状態(常態的な放置ではない)と認められる場合は、一概に空き家特措法の厳しい指導対象に指定できないという法的なハードルがある。
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◆配付資料