消費税を下げても、実際の物価はあまり下がらない可能性大
政府が検討する「食料品の消費税を8%→1%へ引き下げる案」。 理論上は 食料品価格が7%下がる はずですが、実際には そこまで下がらない可能性が高い と指摘されています。
理由は明確で、2027年4月に多くの事業者が値上げを予定しているためです。
減税で一時的に価格が下がるタイミングは、事業者にとって「値上げしても買い控えが起きにくい」絶好の機会になります。 そのため、減税と同時に値上げが重なり、値下がり幅が小さくなるという逆転現象が起きかねません。
■ 減税の効果は「約1年3か月」で消えてしまう
食料品の値上げペースは、2022〜2026年の平均で 年5.8%。 このペースが続くと、減税による7%の値下げ効果は 約1年3か月で相殺されます。
つまり、 4.3兆円の財源を使っても、効果は1年ちょっとで消える ということになります。
■ 減税の裏で発生する“見えないコスト”
減税は「税収が減る」だけではありません。
- 社会保障財源の減少
- 地方税収の減少
- 政府全体で▲4.3兆円の減収
- レジ改修・システム対応など事業者側の負担
- → 結局、事業者支援のための追加予算が必要になる
つまり、減税は「財源が減る」だけでなく、 追加の支出も必要になる“コストの大きい政策” です。
■ そして2年後、税率を戻すときにはさらに大きな混乱が
仮に2027年に1%へ引き下げたとして、 その後も物価上昇が続けば、再び8%へ戻すときに大きな混乱が起きます。
- 価格表示の再変更
- レジ・システムの再改修
- 事業者の負担増
- 消費者の混乱
- 物価が高止まりする中での“増税ショック”
減税→再増税の往復は、 事業者にも消費者にも大きな負担を残すことになります。
■ 本当に必要なのは「物価の根本原因」への対策
DLRIの分析でも指摘されているように、 食料品の物価高の主因は 海外インフレと円安 です。
- 輸入原材料の高騰
- 海外の人件費上昇
- 日本の食料自給率は38%(62%を輸入に依存)
つまり、 円安が続く限り、食料品の値上げは止まらない のが現実です。
必要なのは、
- 円高を促す経済政策
- 持続的な賃上げ
- 物流・エネルギーコストの抑制
- 国内生産力の強化
といった 根本的な物価対策 です。
