大津市議会議員 佐藤弘

一人のひとを どこまでも大切に 心豊かな まちづくりを目指します

自治会は本当に必要?「防犯・防災の要」を次世代へつなぐ3つの具体的アイデア

まちづくり 地域活動 防災防犯 / 2026年4月25日

「自治会の役員は大変そうだから、できれば断りたい」
「正直、自治会に入るメリットはあるの?」

最近、そんな声を耳にすることが増えました。

実際、全国的に自治会の加入率は低下傾向にあり、役員の高齢化や担い手不足も深刻な課題になっています。

私自身も自治会長を務めていますが、今年も引き継いでくださる方が見つからず、4年目に入りました。
私たちの自治会でも、会員数は98世帯となり、以前の半分以下になりました。だからこそ、「加入してほしい」とお願いするだけでなく、「参加しやすい自治会に変える」努力が必要だと感じています。

しかし、自治会は本当に不要なのでしょうか。

大地震などの災害時、日々の防犯、高齢者や子どもの見守り。いざという時に一番頼りになるのは、遠くの誰かではなく、隣近所に住む人たちです。

岐阜県各務原市の「持続可能な自治会運営に向けた調査研究」を見ると、これからの時代に合った自治会のあり方について、多くのヒントが見えてきます。

地域のつながりを守りながら、役員や会員の負担を減らすために、特に大切だと感じた3つの視点を紹介します。


1. 活動をスリム化し、無理をしない自治会へ

まず必要なのは、これまでの「当たり前」を見直すことです。

自治会の行事や会議の中には、昔から続いているからという理由で続けているものも少なくありません。しかし、共働き世帯が増え、高齢者も長く働く時代になった今、以前と同じやり方を続けることは難しくなっています。

たとえば、すべての行事に全員参加を求めるのではなく、必要な人が、必要な時に、できる範囲で関わる形に変えていくことが考えられます。

また、報告だけの会議は、メールやチャット、文書共有で済ませる。行事も、毎年同じ内容で続けるのではなく、本当に地域に必要なものかを見直す。
(※私も、連絡には公式LINEアプリで連絡網を作っています。)

自治会を続けるためには、「頑張り続ける」のではなく、「無理なく続けられる形に変える」ことが大切です。


2. デジタルを活用し、スキマ時間でつながる

仕事や育児、介護などで忙しい世代にとって、決まった時間に集まることは大きな負担です。

そこで役立つのが、デジタルの活用です。

たとえば、回覧板をスマートフォンでも確認できるようにすれば、情報を受け取るために家で回覧を待つ必要がなくなります。防災情報や地域のお知らせも、必要な時にすぐ確認できます。

また、「掃除なら手伝える」「SNSの更新ならできる」「防災訓練の日だけ参加できる」といった一人ひとりの得意分野や空き時間を、地域活動につなげる仕組みも考えられます。

ただし、デジタル化を進める際には、高齢者やスマートフォンに不慣れな方への配慮も欠かせません。紙の回覧をすぐになくすのではなく、紙とデジタルを併用しながら、少しずつ移行していくことが現実的です。

デジタルは、人とのつながりをなくすためのものではありません。むしろ、忙しい人や参加しづらかった人が、地域とつながるための新しい入口になります。
(※大津市でも、CHIKUWA(ちくわ)回覧アプリの導入支援を進めています。CHIKUWAは、自治会・町内会の“紙の回覧板”をデジタル化し、スマホで回覧・既読確認・資料共有ができる地域コミュニティ向けアプリです。)


3. 行政とのパートナーシップを見直す

自治会が、地域のことを何でも引き受ける必要はありません。

これまで自治会は、行政からの配布物、調査、各種依頼、行事への協力など、多くの役割を担ってきました。しかし、その積み重ねが役員の負担となり、「自治会長は大変そう」「役員になりたくない」という印象につながっている面もあります。

これからは、自治会でなければできないことに力を集中する必要があります。

たとえば、災害時の安否確認、近所同士の声かけ、地域の困りごとの把握などは、自治会だからこそできる役割です。

一方で、事務作業、専門的な作業、広報やデータ管理などは、行政や外部サービス、民間事業者、NPOなどと役割分担することも考えられます。

自治会、行政、民間、地域団体が、それぞれの得意分野を活かしながら支え合う。そうしたパートナーシップが、これからの自治会運営には必要です。


自治会は「義務」ではなく、地域の安心をつくる仕組み

自治会活動は、誰かに押しつけられて行うものではありません。

「義務だからやる」のではなく、「自分たちのまちを少しでも住みやすくするために、できる範囲で関わる」。そんな考え方に変えていくことが大切です。

役員を一部の人に任せきりにするのではなく、少しだけ手伝える人、得意なことだけ関われる人、情報を受け取るだけでも地域とつながる人。いろいろな関わり方があってよいと思います。

自治会離れを止めるために必要なのは、昔の形に戻すことではありません。

今の暮らしに合った、無理のない自治会へ変えていくことです。

地域の絆を守りながら、負担は減らす。
その両立こそが、これからの自治会に求められる「新しいカタチ」ではないでしょうか。



参照:
持続可能な自治会運営(自治会役員等の負担軽減・加入促進)に向けた調査研究