大津市議会議員 佐藤弘

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介護保険の「住宅改修」を賢く使うために〜最新報告書から課題と対策〜

社会保障 福祉 行政 高齢者 / 2026年4月10日

「住み慣れた自宅で、いつまでも安心して暮らしたい」

そう願う多くの方にとって、手すりの設置や段差の解消といった「住宅改修」は非常に心強い味方です。

しかし、いざ利用しようとすると「何が対象になるの?」「自治体によって判断が違うって本当?」といった不安を感じることもあるかもしれません。先日、厚生労働省の事業として公表された最新の報告書「住宅改修の給付実態等の把握と指導監督のあり方に関する調査研究事業報告書 をもとに、利用者側の視点で役立つ情報を整理し、スムーズに制度を活用するためのヒントを考えてみました。

1. 「住宅改修」のイマ。みんなはどう使っている?

報告書によると、全国の住宅改修の使われ方には以下のような特徴があります。

・一番人気は「手すりの取付け」:改修全体の約8割を占めています 。転倒予防がいかに重視されているかがわかります。

・「要介護1」や「要支援2」での利用が多い:身体の変化を感じ始めた早い段階で、予防的に改修を行う方が多い傾向にあります

・改修費用は「6万円以下」が最多:20万円の支給限度額を一度に使い切るのではなく、必要な箇所を少しずつ直す賢い使い方が一般的です

2. 利用者が直面しやすい「3つの課題」

報告書では、自治体(保険者)によって給付の判断が分かれたり、迷ったりするケースが多数報告されています。利用者として特に注意したいポイントは以下の通りです。

① 「これって対象?」の境界線がわかりにくい

例えば、以下のようなケースは判断に迷いやすい事例として挙げられています。

  • 敷地内の玄関から「公道」に出るまでの手すり設置

  • 階段の踏み面を広げる工事(段差の高さが変わらない場合)

  • デザイン性や機能性が非常に高い(高価な)部材の使用

② マンションや賃貸住宅での制約

単身世帯や借家住まいの方が増える中、共同住宅の共有部(廊下など)への改修は、他の居住者の同意が必要になるなど、ハードルが高くなる場合があります

③ 事務手続きや専門性の壁

  • 自治体の窓口担当者の多くは一般事務職であり、リハビリテーションの専門職が直接審査に関わるケースは限られています 。そのため、提出する「理由書」の内容が不十分だと、本当に必要な工事でも認められないリスクがあります。


3. 【提案】納得のいく住宅改修にするための3ステップ

これらの課題を踏まえ、市民の皆様が後悔しない改修を行うための対策を提案します。

ステップ1:ケアマネジャー・専門職との「目的」の共有

「手すりが欲しい」という要望だけでなく、「一人でトイレに行けるようになりたい」「庭の手入れを続けたい」といった具体的な生活の目標を伝えましょう。自立支援につながる根拠が明確であれば、自治体への申請も通りやすくなります

ステップ2:自治体の「判断基準(事例集)」をチェック

多くの自治体では、過去の判断事例をまとめたマニュアルやQ&Aを公開しています 。工事を契約する前に、自分の希望する内容がその自治体で認められやすいものか、ケアマネジャーを通じて確認してもらうのが安心です。

ステップ3:「福祉用具」との組み合わせを検討する

工事が難しい場所や、将来的に身体状況が大きく変わる可能性がある場合は、住宅改修(固定式)にこだわらず、置き型の手すりやスロープなどの「福祉用具貸与」を検討するのも一つの手です 。どちらが自分にとって最適か、専門職のアドバイスを受けながら比較検討しましょう。


まとめ

住宅改修は、単なるリフォームではありません。あなたの「自立」を支え、ご家族の負担を減らすための大切な投資です。

もし判断に迷うような特殊なケースであれば、自治体の窓口には「専門職による助言」を求める仕組みもあります 遠慮なく相談し、納得のいく住まいづくりを進めてください。