きこえない人ときこえる人を“電話”でつなぐ 電話リレーサービスとは?
はじめての方向け電話リレーサービス制度のまとめ
はじめに
「電話リレーサービス」という言葉を初めて聞く人は多いと思います。 実はこのサービス、聴覚障害者・難聴者・発話困難のある方が、電話で社会とつながるための“公共インフラ” です。
しかし、仕組みが少し複雑で、私も、制度を理解するのに時間がかかりました。
- どう使うのか
- 料金はどうなるのか
- どんな場面で必要なのか
- 公的機関から電話が来るのか など、初めての方には分かりづらい点が多くあります。
そこでこの記事では、総務省の「電話リレーサービスの在り方に関する検討会 報告書」 をもとに、 制度の全体像をやさしく要約し、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。

【制度の要約】
■ 電話リレーサービスとは
聴覚障害者・難聴者・発話困難のある人と、きこえる人の間に 通訳オペレータが入り、「手話・文字」と「音声」を双方向に通訳するサービスです。
- 24時間365日利用可能
- 緊急通報(110・119・118)にも対応
- 公共インフラとして国が制度化
- 運営は「日本財団電話リレーサービス」
2025年からは
- ヨメテル(相手の声を文字化)
- 手話リンク(HPから手話で問い合わせ) も開始され、対象が広がっています。
【Q&A:初めての人がつまずきやすいポイント】
Q1. どんな目的で電話リレーサービスは使われるの?
A. 普通の電話と同じです。相手に用事があるから電話します。
特に多いのは:
- 病院・介護施設の予約
- 行政手続きの問い合わせ
- 金融機関の本人確認
- 宅配・タクシー・飲食店の予約
- 家族への連絡
- 緊急通報
➡ FAXやメールでは代替できない“リアルタイムの会話”が必要な場面で使われます。
Q2. 聴覚障害者はどうやって話すの?
A. スマホで「手話」または「文字」を使います。
- 利用者 →(手話/文字)→ オペレータ
- オペレータ →(音声)→ 相手
- 相手 →(音声)→ オペレータ
- オペレータ →(手話/文字)→ 利用者
➡ 発話できなくても、会話は完全に成立します。
Q3. 相手が文字で返せるなら、サービスは不要?
A. いいえ。社会の多くは“電話前提”で動いています。
- 病院予約
- 行政手続き
- 金融機関の本人確認
- 緊急通報
これらは 文字チャットでは対応不可。 だからこそ電話リレーサービスが必要です。
Q4. 公的機関から電話リレーサービス経由で連絡が来ることはある?
A. あります。
本人が連絡先として電話リレー番号を登録していれば、 市役所・病院・学校などから電話リレー経由で連絡が来ます。
ただし、 相手側がサービスを知らずに“迷惑電話”と誤解して切られる問題が依然としてあります。
Q5. 利用料は誰が負担するの?
A. 利用者本人が、日本財団電話リレーサービスに支払います。
携帯会社から請求されるわけではありません。
料金(全国共通):
- 固定電話:16.5円/分
- 携帯電話:44円/分
- 月額178.2円の割引プランもあり
Q6. 滋賀県は利用料を負担している?
A. いいえ。滋賀県は利用料を負担していません。
利用者が全額負担です。
※鳥取県のみ「地域登録制度」で県が全額負担(利用者無料)。
Q7. 困りごとがあって「どこに電話すればいいか分からない」場合、探してくれる?
A. いいえ。電話リレーサービスは“電話をつなぐ”サービスであり、相談先を探すサービスではありません。
相談先の案内は
- 行政窓口
- 聴覚障害者情報センター などが担当します。
Q8. 初めての人や高齢者には難しくない?
A. 難しいという声は多く、報告書でも課題として明記されています。
- スマホ操作が難しい
- マイナンバー登録が大変
- 料金が高い
- 050番号で切られやすい
- ヨメテルの機械音声が迷惑電話に聞こえる
➡ 制度の周知不足と、利用者支援の不足が大きな課題です。
【制度の課題(報告書の整理)】
総務省の検討会報告書では、次の課題が明確に示されています。
■ 利用者側の課題
- スマホ操作の難しさ
- 料金負担の重さ
- 高齢者への普及不足
- 050番号で切られる問題
- 登録手続きのハードル
■ 相手側(きこえる側)の課題
- サービスの認知不足
- 公的機関・医療機関での理解不足
- 冒頭アナウンスで誤解される
- 迷惑電話と誤認される
■ 制度側の課題
- オペレータ不足
- 技術仕様(番号の問題)
- 利用できない番号がある
- 料金体系の見直し
- 法人利用の少なさ
➡ 制度は大きな価値がある一方、改善すべき点も多いことが報告書で整理されています。
【参考:総務省「電話リレーサービスの在り方に関する検討会 報告書」】
(PDF) https://www.soumu.go.jp/main_content/001062982.pdf
※この記事の内容はすべてこの報告書をもとに作成しています。