大津市議会議員 佐藤弘

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きこえない人ときこえる人を“電話”でつなぐ 電話リレーサービスとは?

福祉 / 2026年4月2日

はじめての方向け電話リレーサービス制度のまとめ

はじめに

「電話リレーサービス」という言葉を初めて聞く人は多いと思います。 実はこのサービス、聴覚障害者・難聴者・発話困難のある方が、電話で社会とつながるための“公共インフラ” です。

しかし、仕組みが少し複雑で、私も、制度を理解するのに時間がかかりました。

  • どう使うのか
  • 料金はどうなるのか
  • どんな場面で必要なのか
  • 公的機関から電話が来るのか など、初めての方には分かりづらい点が多くあります。

そこでこの記事では、総務省の「電話リレーサービスの在り方に関する検討会 報告書」 をもとに、 制度の全体像をやさしく要約し、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。

【制度の要約】

■ 電話リレーサービスとは

聴覚障害者・難聴者・発話困難のある人と、きこえる人の間に 通訳オペレータが入り、「手話・文字」と「音声」を双方向に通訳するサービスです。

  • 24時間365日利用可能
  • 緊急通報(110・119・118)にも対応
  • 公共インフラとして国が制度化
  • 運営は「日本財団電話リレーサービス」

2025年からは

  • ヨメテル(相手の声を文字化)
  • 手話リンク(HPから手話で問い合わせ) も開始され、対象が広がっています。

【Q&A:初めての人がつまずきやすいポイント】

Q1. どんな目的で電話リレーサービスは使われるの?

A. 普通の電話と同じです。相手に用事があるから電話します。

特に多いのは:

  • 病院・介護施設の予約
  • 行政手続きの問い合わせ
  • 金融機関の本人確認
  • 宅配・タクシー・飲食店の予約
  • 家族への連絡
  • 緊急通報

FAXやメールでは代替できない“リアルタイムの会話”が必要な場面で使われます。

Q2. 聴覚障害者はどうやって話すの?

A. スマホで「手話」または「文字」を使います。

  • 利用者 →(手話/文字)→ オペレータ
  • オペレータ →(音声)→ 相手
  • 相手 →(音声)→ オペレータ
  • オペレータ →(手話/文字)→ 利用者

発話できなくても、会話は完全に成立します。

Q3. 相手が文字で返せるなら、サービスは不要?

A. いいえ。社会の多くは“電話前提”で動いています。

  • 病院予約
  • 行政手続き
  • 金融機関の本人確認
  • 緊急通報

これらは 文字チャットでは対応不可。 だからこそ電話リレーサービスが必要です。

Q4. 公的機関から電話リレーサービス経由で連絡が来ることはある?

A. あります。

本人が連絡先として電話リレー番号を登録していれば、 市役所・病院・学校などから電話リレー経由で連絡が来ます。

ただし、 相手側がサービスを知らずに“迷惑電話”と誤解して切られる問題が依然としてあります。

Q5. 利用料は誰が負担するの?

A. 利用者本人が、日本財団電話リレーサービスに支払います。

携帯会社から請求されるわけではありません。

料金(全国共通):

  • 固定電話:16.5円/分
  • 携帯電話:44円/分
  • 月額178.2円の割引プランもあり

Q6. 滋賀県は利用料を負担している?

A. いいえ。滋賀県は利用料を負担していません。

利用者が全額負担です。

※鳥取県のみ「地域登録制度」で県が全額負担(利用者無料)。

Q7. 困りごとがあって「どこに電話すればいいか分からない」場合、探してくれる?

A. いいえ。電話リレーサービスは“電話をつなぐ”サービスであり、相談先を探すサービスではありません。

相談先の案内は

  • 行政窓口
  • 聴覚障害者情報センター などが担当します。

Q8. 初めての人や高齢者には難しくない?

A. 難しいという声は多く、報告書でも課題として明記されています。

  • スマホ操作が難しい
  • マイナンバー登録が大変
  • 料金が高い
  • 050番号で切られやすい
  • ヨメテルの機械音声が迷惑電話に聞こえる

制度の周知不足と、利用者支援の不足が大きな課題です。

【制度の課題(報告書の整理)】

総務省の検討会報告書では、次の課題が明確に示されています。

■ 利用者側の課題

  • スマホ操作の難しさ
  • 料金負担の重さ
  • 高齢者への普及不足
  • 050番号で切られる問題
  • 登録手続きのハードル

■ 相手側(きこえる側)の課題

  • サービスの認知不足
  • 公的機関・医療機関での理解不足
  • 冒頭アナウンスで誤解される
  • 迷惑電話と誤認される

■ 制度側の課題

  • オペレータ不足
  • 技術仕様(番号の問題)
  • 利用できない番号がある
  • 料金体系の見直し
  • 法人利用の少なさ

制度は大きな価値がある一方、改善すべき点も多いことが報告書で整理されています。

【参考:総務省「電話リレーサービスの在り方に関する検討会 報告書」】

(PDF) https://www.soumu.go.jp/main_content/001062982.pdf

※この記事の内容はすべてこの報告書をもとに作成しています。