骨粗鬆症を防ぐ:検診と生活習慣のポイント
骨粗鬆症の気になる記事が目に入ったので、まとめてみました。
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骨粗鬆症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる状態です。自覚症状が乏しく、骨折して初めて気づくこともあります。骨折(背骨・手首・太ももの付け根等)は、その後の生活の自立に大きく影響するため、「早めに気づく」「骨折を防ぐ」ことが重要です。
■ 日本の現状:患者は多いが、受診・治療につながっていない可能性
有病者は約1,300〜1,600万人規模と推計される一方、医療機関で治療を受けている総患者数は約140万人にとどまるとされ、未診断・未治療の人が一定数いる可能性が示されています(出典:資料1)。また、骨粗鬆症患者数を1,590万人と推定する資料もあります(出典:資料2)。
■ 検診の現状:目標15%に対して、直近は5.7%
「健康日本21(第三次)」では、骨粗鬆症検診の受診率を2032年度までに15%にする目標があります。しかし2023年度の受診率は5.7%にとどまっています(出典:資料1)。
さらに、自治体検診では「要精密検査」と判定された人のうち、精密検査の未受診や受診状況の未把握が見られ、「受けた後に医療につなぐ仕組み」が重要とされています(出典:資料1)。
■ 予防の基本は「骨を強くする」+「転ばない」
1)食事:カルシウム+ビタミンDを意識
カルシウムとビタミンDは骨の健康に重要で、両方を適切にとることが推奨されています(出典:資料2)。
・カルシウム推奨量の例:男性750mg/日(50歳以上)、女性650mg/日(50〜74歳)、女性600mg/日(75歳以上)
・ビタミンD目安量:成人は男女とも9.0μg/日
・可能な範囲で適度な日光浴も、ビタミンD確保の一助になります(出典:資料2)
2)運動:歩く・筋力・バランス
運動は骨への刺激になり、筋力やバランスを保つことで転倒予防にも役立ちます。体活動や日常生活動作(ADL)が高いことは、骨折リスクを20〜40%(最大50%)抑える効果が認められたとされています(出典:資料2)。
・まずは歩行量を少し増やす
・安全に配慮して片脚立ち(机や壁のそばで)
・可能なら軽い筋トレ(例:椅子スクワット)
3)転倒予防:家の中の危険を減らす
転倒は「身体の要因(筋力低下、ふらつき等)」と「環境の要因(段差、暗い廊下、滑る床、合わない履物等)」の両面から対策します(出典:資料2)。
・段差やコード、滑りやすいマットを減らす
・廊下、トイレ、階段の照明を明るくする
・浴室や階段の手すりを検討する
4)生活習慣:禁煙、飲酒量の見直し
喫煙は大腿骨近位部骨折のリスクを高めるとされ、飲酒も多量になると骨折リスクが上がると報告されています(出典:資料2)。できる範囲で禁煙・節酒を進めることが予防になります。
■ メリット・デメリット(中立的に)
・メリット:骨折予防は、本人の自立した生活を守り、介護予防や医療・介護負担の抑制にもつながる可能性があります(出典:資料1)。
・デメリット:検診の機会や測定環境には地域差があり、受診しても精密検査・治療につながらなければ効果が薄くなります(出典:資料1)。
■ まとめ
骨粗鬆症は「静かに進む」一方で、対策は「食事・運動・転倒予防・生活習慣の見直し」と、今日から始められます。自治体検診や医療機関での相談を上手に使い、「受ける」だけでなく「次の行動につなげる」ことが骨折予防のカギです。

参照URL(資料)
資料1(ニッセイ基礎研究所)
https://www.nli-research.co.jp/files/topics/84801_ext_18_0.pdf?site=nli
資料2(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版)
http://www.josteo.com/data/publications/guideline/2025_01.pdf