■「冬の集会」を開催しました
瀬田学区「人権・生涯」学習推進協議会主催による「冬の集会」が開催されました。
私は瀬田学区自治連合会副会長として、開会のあいさつを務めさせていただきました。
あいさつでは、「変わることを求められ続けた少年が、“変わらなくていい”と言われたことで前を向けた」という随筆を紹介しました。
人権とは、強くなることや、普通になることを求めることではなく、「そのままの存在が尊重されること」。その原点を、参加者の皆さんと共有したいという思いでした。
■ 当事者の語りが教えてくれたこと
今回の講師は、トランスジェンダー当事者である中尾勇守さん。
ご自身の幼少期から現在までの体験を、非常に具体的で、かつ温かい言葉で語ってくださいました。
印象的だったのは、「性は最初からはっきり決まるものではなく、流動的なもの」「生きづらさは“性そのもの”ではなく、“環境”によってつくられる」という一貫したメッセージです。
小学校時代、髪型や服装について「女の子なんだから」と否定されなかった環境。
一方で、中学校に進学し、制服や役割が性別で固定されたときに感じた強い違和感。
この対比は、「選べること」が人の生きやすさに直結することを、非常に分かりやすく示していました。
■ LGBTQは「特別な誰か」ではない
講演では、LGBTQの人は人口の約10%いると紹介されました。
これは、AB型の人や、日本でよく見かける苗字の人と同じくらいの割合です。
「身近にいない」のではなく、「気づいていない」「語られてこなかった」だけ。
この認識の転換は、私たちの言葉遣いや態度を大きく変えます。
「男だから」「女だから」という何気ない一言が、誰かを追い詰めてしまうことがある。
逆に、言葉を少し選ぶだけで、安心できる場をつくることもできる。
講演は、そのことを具体例を交えながら教えてくれました。
■ 「かわいそう」は誰がつくるのか
「LGBTQの人はかわいそう」
このイメージ自体が、実は問題なのだという指摘も心に残りました。
講演で語られた「うさぎ村とかえる」の例えは象徴的です。
同じ存在でも、受け止める側の態度によって、「かわいそうな存在」にも、「当たり前の仲間」にもなる。つまり、問題は当事者にあるのではなく、社会や地域の側にある。
これはLGBTQに限らず、あらゆる人権課題に共通する視点だと感じました。
■ カミングアウトを受け止めるときに大切なこと
終盤では、カミングアウトを受けたときの具体的な関わり方も示されました。
- 話してくれて「ありがとう」と伝える
- 何に困っているのかを丁寧に聞く
- 本人の許可なく、他人に広めない
- これからも一緒に考えていく姿勢を示す
特別な知識よりも、誠実な関心と対話が大切だということが、実体験を通して語られました。
■ 地域として、何ができるのか
講演を通して、強く感じたのは、
「正解を用意すること」よりも、「選択肢を増やすこと」の重要性です。
制服、トイレ、言葉遣い、行事の在り方。
それらを少し見直すだけで、救われる人がいます。
そしてそれは、LGBTQの人だけでなく、すべての人にとって暮らしやすい地域づくりにつながります。
■ おわりに
「みんな違って、みんないい」
この言葉を本当の意味で実現するには、違いがあっても安心していられる環境を、私たち自身がつくっていく必要があります。
今回の「冬の集会」は、“誰かの問題”としてではなく、“自分たちの地域のあり方”として人権を考える時間になりました。
この学びを、瀬田学区、そして大津市全体の取り組みに、少しずつでもつなげていきたいと思います。