知っていますか?「男性の妊活適齢期」
「妊活」と聞くと、つい女性側のことばかりがクローズアップされがちです。特に「卵子の老化」という言葉は、メディアでもよく耳にするようになりました。しかし、実は男性にも「妊活適齢期」があり、その認識が十分に進んでいないことが、日本の大きな課題となっています。

「いつでも子どもを持てる」は誤解?
一般的に、男性の生殖能力は女性ほど急激に低下しないと考えられがちです 。そのため、男性自身が「いつでも子どもを持てる」という誤った認識を持っているケースも少なくありません 。しかし、実際には加齢とともに精子の質や運動性は低下し、DNA損傷のリスクも上昇することが明らかになっています 。特に40歳を過ぎると、精子の質の低下が顕著になり、パートナーの妊娠率の低下や流産率の上昇につながるだけでなく、子どもの健康リスク(特定の先天性疾患や精神神経発達障害など)との関連も指摘されているのです 。
父親の年齢が子どもの健康に影響?
このことは、国内外の最新の研究でも裏付けられています。例えば、ニッセイ基礎研究所の2014年のレポートでは、父親の加齢が子どもの疾病リスクに大きく影響していることは世界の最先端の研究で明らかになっているにもかかわらず、日本ではまだ十分に知られていないことが示唆されています 。特に、子どもの障害や性格などを「母親が高齢で生んだから」と結論づけたがる「母性信仰」が強い日本人には、父親の年齢の重要性を特に知ってほしいと提言されていました 。
高齢の父親による影響
- 父親の年齢が1歳上がるごとに、子どもの新規遺伝子変異が平均2件増加。
- アイスランドの研究では、自閉症や統合失調症の発症と父親の年齢の相関が遺伝子レベルで確認。
- スウェーデンの大規模研究では、同じ父親が高齢で授かった子の精神障害リスクが若い時よりも著しく高い。
- 自閉症スペクトラム:3倍
- ADHD:13倍
- 双極性障害:24倍
社会的メッセージ
- 日本では母親の加齢だけが注目されがちだが、父親の年齢も重要という認識が必要。
- 長時間労働が男性の妊活適齢期(20代〜40代)を阻害している。
- 日本男性の労働時間はOECD加盟国で最長水準(フランスの2.2倍)
提言
- 男性の妊活にも「適齢期」があるという知識を広く周知するべき。
- 社会全体で働き方の見直しを行い、男女ともに適齢期に妊活できる環境整備が急務。
- 将来の子どもたちの健康のためには、政策的・文化的変革が必要。