6月通常会議一般質問の答弁
以下は、質問の概要と執行部の答弁です。
1 大津市DX戦略の推進について
(1) 利用者の視点に立ったDX推進(サービスデザイン思考)について
①本市において、「利用者の視点に立ったサービスデザイン思考のDX」を実現するために、現在どのようなプロセスや手法を用いているのかお聞かせください。
②とくに、DX戦略事業の企画・立案段階において、市民や職員といった「サービスを享受する利用者」のニーズや課題を、行政視点ではなく利用者視点から把握し、サービス設計に反映している具体的な取り組み内容をお聞かせください。
また、その取り組みを通じて得られた成果や課題があれば、あわせてお聞かせください。
(2) DX戦略事業における指標設定と効果測定、マネジメントについて
①包括外部監査報告書が指摘する、DX戦略事業における指標設定の不備を踏まえ、市は、指標設定に関してどのような改善を行ったのか伺います。
②今後、市民にとっての快適性、利便性などの市民サービスの向上や、職員の業務効率化といった「効果」や「成果」が、利用者の視点から客観的に測定できる指標をどのように設定していくのか、お聞かせください。
③市は今後、これからの指標設定の徹底、及び指標に基づくDX戦略事業のマネジメントを具体的にどのような仕組みで、だれが責任をもって行っていくのか、考えをお聞かせください。
④外部監査指摘のなかで触れられている「年度末を待たずに適宜修正を行う仕組み」の導入についてどのように進めて行くのかお聞かせください。
(3) 現場主導のDX推進とアイデアの実現について
①DX戦略の基本姿勢として掲げられている、現場の担当職員からの課題やアイデアの積極的な提案について、市は現在、どのような仕組みで、職員が日々の業務から得た市民ニーズや非効率な業務プロセスに関する知見を、DX推進に繋がるアイデアとして吸い上げ、組織として共有・検討しているのでしょうか。具体的なプロセスと推進状況について伺います。
ご質問についてお答えいたします。
1点目の利用者の視点に立ったDX推進についてのうち、1つ目のサービスデザイン思考のDXを実現するためのプロセスや手法についてでありますが、本市では、利用者目線で、課題やニーズを見出し、解決に導くデザインシンキングを取り入れております。
次に、2つ目の利用者視点でのサービス設計の具体的な取り組みについてでありますが、例えば昨年5月に「書かない窓口」として、職員が実際に市民の立場に立って体験した調査においては、待ち時間の問題などの気づきを得られたことから、今後のサービス設計の参考にしてまいります。
2点目のDX戦略事業における指標設定と効果測定、マネジメントについてのうち、1つ目のDX戦略事業における指標設定の改善についてでありますが、令和7年4月に、適正な指標の設定に向けて指標設定基準を定めたところです。
2つ目のDX戦略事業において「効果」や「成果」が客観的に測定できる指標の設定についてでありますが、交付金活用の事例集やDX推進支援事業者のアドバイス等を踏まえ、より良い指標の設定を目指してまいります。
3つ目のDX戦略事業をマネジメントする上での具体的な仕組みと責任についてでありますが、各事業の進捗管理は、所管所属が主体的に行うものとしておりますが、より正確なマネジメントに向け、各部局長を本部員とするDX戦略本部において適宜、確認や調整を行うことといたします。
4つ目の期中における指標の修正を行う仕組みの導入についてでありますが、各事業の進捗状況や取り巻く環境の変化を踏まえ、DX推進室と所管所属が連携し、適宜、指標の修正を図ってまいります。
3点目の現場職員からのアイデアの吸い上げ・共有・検討の仕組みについてでありますが、現場職員のアイデアは、所管所属や部局内での合意形成を経た上で事業化され、DX戦略本部会議等を通じて共有される仕組みとなっております。
なお、DX推進に係る好事例につきましては、研修会や情報誌の発行により、広く情報発信に努めてまいります。
以上、私からの答弁といたします。
2 高齢者の介護予防・健康づくりについて
(1)本市の高齢者の健康づくりと介護予防の取り組みについて
①大津市の「介護予防・日常生活支援総合事業」において、訪問型・通所型サービス、一般介護予防事業(介護予防活動支援事業、介護予防フィットネス事業、地域リハビリテーション活動支援事業など)、そして配食サービスといった多岐にわたる事業が、高齢者の健康維持や介護予防にどの程度効果を発揮しているかを測るため、どのような客観的な評価指標を用い、その成果をどのように検証しているのかを伺います。
②高齢者の健康リテラシーと食育の推進についてですが、国の「高齢社会対策大綱」で重要施策として挙げられている「健康リテラシー」向上や「生涯を通じた食育」の推進について、大津市として高齢者の健康知識や食生活の質の向上を目的とした取り組みをどのように進め、その効果を測るための指標をどのように設定し、目標達成を目指しているのかを伺います。
(2)生活支援コーディネーターの取り組みについて
①生活支援コーディネーターの配置状況についてですが、大津市における生活支援コーディネーターの現在の配置状況(人数、所属先、業務内容)についてお聞かせください。
また今後、配置人員の増員や業務範囲の拡大を検討しているのか、その方針があればお聞かせください。
②生活支援コーディネーターには、地域のニーズや資源、課題の「見える化」、多様な主体への働きかけによる「地域関係者を動かす」機能、そして関係者の「ネットワーク化」が期待されています。本市では、これらの機能がどの程度発揮されていると評価しているのか、具体的な指標や事例を含めてお聞かせください。
もし、特に成功したと評価できる事例があれば、その取り組み内容と成果を測る指標をお聞かせください。
③本市では、生活支援コーディネーターが地域課題を把握し、その情報を政策に反映させるための連携体制や会議の場をどのように構築しているのかお聞かせください。
また、その連携体制の有効性をどのように評価しているのか、指標や評価方法を含めてお聞かせください。
(3)シルバー人材センターについて
①本市がシルバー人材センターに交付している運営費等補助金について、どのような成果指標(例えば、就業機会の創出数、会員の就労満足度、地域貢献度など)を設定し、その達成状況をどのように評価しているのか伺います。
現在、具体的な成果指標を設定していない場合は、今後どのような指標を設定していく考えなのかお聞かせください。
②シルバー人材センターの活動が、高齢者の知識や経験を活用し、「生涯現役社会」の実現にどの程度貢献していると評価しているのか伺います。
また、その貢献度を測るための具体的な指標や評価方法があれば、お聞かせください。
③高齢者の多様なニーズや希望に応じた就業機会を提供するために、シルバー人材センターが新たな分野の仕事を開拓する上での市の支援策や連携体制について伺います。
ご質問にお答えいたします。
1点目の本市の高齢者の健康づくりと介護予防の取り組みについてのうち、1つ目の介護予防・日常生活支援総合事業の評価指標と検証についてでありますが、要介護等の認定率や介護予防・生活支援サービスの利用率を評価指標として定め、各種事業の実施がこれらの指標にどのような影響を与えているか検証を行っております。
2つ目の、高齢者の健康リテラシーと食育の推進についてでありますが、健康リテラシーの向上については、健康知識を理解し実践できていることの評価として、運動習慣の定着率を指標として定めており、高齢者が正しい健康情報を得て、理解を深める場として、介護予防や認知症に関する各種教室等を実施しているほか、市ホームページ等で啓発を行っております。
食育については、第4次大津市食育推進計画において、低栄養傾向高齢者の肥満度を示すBMI(ビーエムアイ)20以下の高齢者の割合を評価指標として定め、介護予防教室等での普及啓発や、やせで体重減少がある方への栄養指導・栄養改善プログラムの実施等に取り組んでおります。
次に、2点目の生活支援コーディネーターの取り組みについてのうち、1つ目の配置状況についてでありますが、大津市社会福祉協議会への委託により、市全域を担当する1名、7つの保健福祉ブロックごとに7名の計8名を配置しております。
配置人員や業務範囲については、保健福祉ブロックごとの取り組みを相互に共有しながら、生活支援・介護予防サービスの提供体制の構築に取り組むことができていると評価しております。
2つ目の生活支援コーディネーターの機能発揮と成功事例についてでありますが、生活支援サービスを提供している団体数や地域関係者との会議回数を指標としており、生活支援コーディネーターにより、地域資源の見える化や関係者のネットワーク化につながっていると評価しております。昨年度は行方不明認知症高齢者等の早期発見を目的に、市域を超えた地域同士の協定締結を支援したほか、買い物支援が必要な地域と、移動販売を行う事業者とのマッチングなどに取り組んでいるところです。
3つ目の地域課題解決に向けた連携体制と政策反映についてでありますが、高齢者の暮らしを支える事業者や団体のほか生活支援コーディネーターとあんしん長寿相談所や担当課職員が参画して連携会議を開催しております。
また、連携会議の開催回数を指標とし、地域課題を共有し政策形成に活かせる仕組みとしており、高齢者が安心して暮らし続けることができる地域づくりにつながっていると評価しております。
次に、3点目のシルバー人材センターについてのうち、1つ目のシルバー人材センターに交付している補助金の成果指標についてでありますが、事務事業評価において、助成額、会員数、就業率、就業延人員の4つの指標を設け、評価検証を行っております。
2つ目のシルバー人材センターの活動と「生涯現役社会」への貢献度についてでありますが、貢献度を測る具体的な指標や評価方法はございませんが、令和6年に実施された会員アンケートでは75%を超える方が現在の就労に満足・ほぼ満足と回答されていることなどからも、シルバー人材センターは、高齢者の生きがいづくりに一定の役割を担っているものと考えております。
3つ目のシルバー人材センターが新たな分野の仕事を開拓する上での市の支援についてでありますが、まずは、シルバー人材センターが主体的に取り組むべきものと考えておりますが、本市としてもこれまでから「広報おおつ」の活用によるセンター事業の周知、庁内に向けた役務の提供等におけるシルバー人材センターの活用依頼を行うなどの支援を行ってきております。
以上、私からの答弁といたします。