6月通常会議の一般質問で登壇
本日(16日)6月通常会議の一般質問で登壇しました。
今回の質問は、「大津市DX戦略の推進について」「高齢者の介護予防・健康づくりについて」の2項目です。
質問原稿をここに掲載します。
◆大津市DX戦略の推進について(分割方式)
近年の急速な社会経済情勢の変化や少子高齢化・人口減少などの構造的課題に対応し、持続可能な行政運営と市民サービスの維持・向上を図るため、デジタル技術とデータを活用したDX推進は不可欠な取り組みです。大津市においても、「大津市総合計画第3期実行計画」や「行政改革プラン2025」において、DX推進が「スマート自治体」の構築に向けた重要な柱として位置づけられています。
また、「大津市DX戦略」では、デジタル化そのものではなく、市民サービスの向上や業務の効率化などの「効果」を目的とし、「利用者の視点に立ったDX」や「現場職員の提案による全庁協力の推進」などを基本姿勢に掲げています。
しかし、令和7年3月に公表された包括外部監査報告書では、DX戦略の目標設定や指標の不備、推進体制の不明確さといった課題が指摘されています。これらは、戦略の実効性や市の計画に掲げる目標達成に大きく関わるものです。
そこで、DX推進の基本姿勢を踏まえ、市民サービス向上と業務効率化の実現、そして上位計画との整合を図る観点から、以下の点について市の見解と今後の対応について伺います。
1. 利用者の視点に立ったDX推進(サービスデザイン思考)について
DX戦略の基本姿勢として掲げられている「利用者の視点に立って進めるDX」は、サービスを提供する行政の視点ではなく、サービスを享受する利用者の視点でサービスを設計する「サービスデザイン思考」を意識してDXを進めることを掲げています。
そこで1点目、本市において、「利用者の視点に立ったサービスデザイン思考のDX」を実現するために、現在どのようなプロセスや手法を用いているのかお聞かせください。
2点目、とくに、DX戦略事業の企画・立案段階において、市民や職員といった「サービスを享受する利用者」のニーズや課題を、行政視点ではなく利用者視点から把握し、サービス設計に反映している具体的な取り組み内容をお聞かせください。
また、その取り組みを通じて得られた成果や課題があれば、あわせてお聞かせください。
2.DX戦略事業における指標設定と効果測定、マネジメントについて
包括外部監査報告書では、DX戦略事業における指標設定の不備や、デジタル化の「活動」を示す指標に留まり、デジタル化によってもたらされる「市民サービスの向上」や「業務の効率化」といった「効果」を直接測定できていない可能性が指摘されており、成果指標に基づく計画推進 が求められています。また、不十分な指標に対するDX推進室のレビュー結果が担当部局へ十分に伝えられていない現状 や、意思決定・マネジメント機能の不明確さも指摘されています。
そこで、 1点目、DX戦略事業の効果を測る指標設定の現状と改善策についてですが、包括外部監査報告書が指摘する、DX戦略事業における指標設定の不備を踏まえ、市は、指標設定に関してどのような改善を行ったのか伺います。
2点目、今後、市民にとっての快適性、利便性などの市民サービスの向上や、職員の業務効率化といった「効果」や「成果」が、利用者の視点から客観的に測定できる指標をどのように設定していくのか、お聞かせください。
3点目、指標に基づくDX戦略事業のマネジメントの仕組みと責任体制についてですが、市は今後、これからの指標設定の徹底、及び指標に基づくDX戦略事業のマネジメントを具体的にどのような仕組みで、だれが責任をもって行っていくのか、考えをお聞かせください。
4点目、外部監査指摘のなかで触れられている「年度末を待たずに適宜修正を行う仕組み」の導入についてどのように進めて行くのかお聞かせください。
3.現場主導のDX推進とアイデアの実現について
DX戦略の基本姿勢では、「市民ニーズや業務内容に最も精通する各事業の担当職員が、課題やアイデアを積極的に出し、その実現に向けて全庁で協力してDXを進めます」と、現場職員の知見をDX推進の起点とすることが明記されています。しかし、外部監査報告書では、意思決定・マネジメントの仕組みの不明確さや指標設定の不備が指摘されており、現場主導のDX推進の実効性確保が課題と考えます。
そこで 、現場職員からのアイデア吸い上げ・共有・検討の仕組みについてですが、 DX戦略の基本姿勢として掲げられている、現場の担当職員からの課題やアイデアの積極的な提案について、市は現在、どのような仕組みで、職員が日々の業務から得た市民ニーズや非効率な業務プロセスに関する知見を、DX推進に繋がるアイデアとして吸い上げ、組織として共有・検討しているのでしょうか。具体的なプロセスと推進状況について伺います。
◆高齢者の介護予防・健康づくりについて(分割方式)
日本は世界でも類を見ない速さで高齢化が進み、「超高齢社会」を迎えています。国は「高齢社会対策大綱」で、年齢に関わらず活躍できる「生涯現役社会」、多世代が共に暮らせる「地域共生社会」、そして加齢による変化に対応する「認知症フレンドリー社会」の実現を目指すべき方向性として掲げ、エビデンスに基づく政策形成(EBPM)を推進しています。
大津市でも「大津市総合計画第3期実行計画」において、「誰もが安心して年を重ね、活躍できるまち」を総合戦略のテーマに掲げ、高齢者が健康で生きがいを持ち、活躍できる仕組みづくりを進めています。この計画の推進には、施策ごとの指標設定と目標達成が明記されています。
高齢者の健康と活躍は、個人の幸福度向上だけでなく、地域社会全体の活力維持に不可欠です。大津市が「高齢者の福祉・介護の充実と活躍推進」や「就労支援と労働環境の充実」を効果的に進めるためには、現状把握と客観的な指標による成果評価が極めて重要です。以上の認識のもと、本市の高齢者の予防・健康づくりについて質問します。
1.本市の高齢者の健康づくりと介護予防の取り組みについて
1点目 、介護予防・日常生活支援総合事業の評価と効果についてですが、
大津市の「介護予防・日常生活支援総合事業」において、訪問型・通所型サービス、一般介護予防事業(介護予防活動支援事業、介護予防フィットネス事業、地域リハビリテーション活動支援事業など)、そして配食サービスといった多岐にわたる事業が、高齢者の健康維持や介護予防にどの程度効果を発揮しているかを測るため、どのような客観的な評価指標を用い、その成果をどのように検証しているのかを伺います。
2点目 、高齢者の健康リテラシーと食育の推進についてですが、国の「高齢社会対策大綱」で重要施策として挙げられている「健康リテラシー」向上や「生涯を通じた食育」の推進について、大津市として高齢者の健康知識や食生活の質の向上を目的とした取り組みをどのように進め、その効果を測るための指標をどのように設定し、目標達成を目指しているのかを伺います。
2.生活支援コーディネーターの取り組みについて
国の高齢社会対策では、地域社会の担い手確保や多世代が共に支え合う「地域共生社会」の実現が重要とされています。この実現に向けた具体的な施策として、生活支援・介護予防サービスの提供体制を構築する「生活支援コーディネーター」の役割が注目されています。本市における生活支援コーディネーターの取り組み状況についてお尋ねします。
1点目、生活支援コーディネーターの配置状況についてですが、大津市における生活支援コーディネーターの現在の配置状況(人数、所属先、業務内容)についてお聞かせください。
また今後、配置人員の増員や業務範囲の拡大を検討しているのか、その方針があればお聞かせください。
2点目、生活支援コーディネーターの機能発揮と成功事例についてですが、
生活支援コーディネーターには、地域のニーズや資源、課題の「見える化」、多様な主体への働きかけによる「地域関係者を動かす」機能、そして関係者の「ネットワーク化」が期待されています。本市では、これらの機能がどの程度発揮されていると評価しているのか、具体的な指標や事例を含めてお聞かせください。
もし、特に成功したと評価できる事例があれば、その取り組み内容と成果を測る指標をお聞かせください。
3点目、地域課題解決に向けた連携体制と政策反映についてですが、生活支援コーディネーターの活動が、高齢者の「個別課題」の解決に留まらず、そこから「地域課題」を抽出し、地域全体の高齢者支援の政策形成に繋げるためには、本市担当者との密接な連携が不可欠であると考えます。
そこで、本市では、生活支援コーディネーターが地域課題を把握し、その情報を政策に反映させるための連携体制や会議の場をどのように構築しているのかお聞かせください。
また、その連携体制の有効性をどのように評価しているのか、指標や評価方法を含めてお聞かせください。
3.シルバー人材センターについて
高齢者が「生涯現役社会」の中で希望に応じて活躍し続けるための環境整備は、国の高齢社会対策の大きな柱の一つです。本市においても、「誰もが安心して年を重ね、活躍できるまち」を目指す中で、高齢者の活躍の場づくりは重要な施策と考えます。
この点について、特にシルバー人材センターは、退職後の高齢者に対し、臨時的・短期的または軽易な就業機会を提供する役割を担っています。本市も運営費補助金を通じてこの事業を支援していますが、その支援のあり方について、さらなる効果的な運用を図るためにお尋ねします。
1点目、シルバー人材センターへの支援と成果指標についてですが、本市がシルバー人材センターに交付している運営費等補助金について、どのような成果指標(例えば、就業機会の創出数、会員の就労満足度、地域貢献度など)を設定し、その達成状況をどのように評価しているのか伺います。
現在、具体的な成果指標を設定していない場合は、今後どのような指標を設定していく考えなのかお聞かせください。
2点目、 シルバー人材センターの活動と「生涯現役社会」への貢献度についてですが、シルバー人材センターの活動が、高齢者の知識や経験を活用し、「生涯現役社会」の実現にどの程度貢献していると評価しているのか伺います。
また、その貢献度を測るための具体的な指標や評価方法があれば、お聞かせください。
3点目、シルバー人材センターの新たな就業機会創出と市の支援についてですが、高齢者の多様なニーズや希望に応じた就業機会を提供するために、シルバー人材センターが新たな分野の仕事を開拓する上での市の支援策や連携体制について伺います。