大田区議会公明党の田村英樹です。私からは、「職員の就労環境」「大気汚染防止法改正に伴うアスベスト対策について」「障がい者福祉施策」について順次質問をさせていただきます。
長引く感染症対策の影響は様々な分野で負担の増加を招き、行政の財政面でも業務においても負担が増加していることは明らかであります。
業務負担の増については、昨年4月4日の大田区立特別養護老人ホームたまがわにおける陽性者の一報から今日に至るまで、500通を超える感染症罹患に関する議員一斉メールが届いている状況を鑑み、区の職員などの中にも様々な状況に置かれている方がいらっしゃるのではないかと推察いたします。
区では、業務の偏在や感染症拡大で生じる新たな業務に対して、機動的かつ柔軟な人員配置に対応していただいていることに感謝いたします。
問①
そこで伺います。コロナ禍の影響で大田区主催の様々な行事が中止となるケースが重なり、相対的に超過勤務・休日勤務が減少傾向にあると思われます。一方で、新型コロナウイルス感染症対策に集中的に負荷がかかる業務に対し、区としてどのように体制構築を図っているかお伺いいたします。
答弁:総務部長
新型コロナウイルス感染症対策における職員体制のご質問ですが、区は令和2年2月3日に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、これまでに49回の本部会議を行い、全庁を挙げて対策に取り組んでいるところです。
感染された方々へのケアをはじめ、医師会との調整のほか、ワクチン接種の円滑かつ迅速な接種等に向けて体制の強化を図っており、9月1日現在、感染症対策課に勤務する職員は、兼務職員、会計年度任用職員を含めて255人となっております。
特にワクチン接種に関しては、7月15日に担当部長を設置する等、さらなる体制強化を行ったところです。
また、令和3年度後半の事業等の休止・中止を含めた業務の実施の可否の判断を改めて行う全庁的な事務事業の見直しを進め、9月1日には職員の配分定数の見直しを行いました。それにより生み出された人員を、さらに、健康政策部の増員に充てることにより業務の負荷の軽減等を図ってまいります。
引き続き、区内の感染状況やワクチン接種状況の推移等に注視しながら、保健所機能の体制強化に努めてまいります。
本年4月、「2021-2025職員のワーク・ライフ・バランス推進プラン」が策定されました。この冒頭で、『誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事の責任を果たしつつ、家庭生活の充実や地域活動への参加等を通じて健康で豊かな生活が出来るよう、仕事と生活の調和を図る』との方向性を明らかにし、目的として、職員一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮し、意欲的に職務に取組む組織の構築を掲げています。
私は、職員のモチベーションの加減は即、区民サービス・区民満足度に影響を及ぼすため、組織と言う枠組みの中でのマネージメントは重要な取組みであると考えます。そこで、
問②
今後、ポストコロナを見据えた勤務体制の構築や、業務と生活の両立に関するワーク・ライフ・バランスがさらに問われていく中、組織における管理職としてのマネージメントがより重要になっていくと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
答弁:総務部長
組織における管理職のマネージメントに関するご質問ですが、次世代を担うこどもを安心して生み育てることが出来るよう、職員の仕事と生活の両面の支援や、女性職員が活躍する取り組みをさらに進めていくことを目的に、本年4月に、「職員のワーク・ライフ・バランス推進プラン」を策定しました。
この計画では時間外勤務の縮減等、数値目標を掲げながら、より実効性の高い計画としております。
さらにテレワークの推進や、来年4月に施行される予定の育児休業法により業務付けされる育児休業取得の積極的は働きかけを本年度から行うなど、計画目標の実現に向けて精力的に取り組んでいるところです。
こうした取り組みを着実に実施し、目標を達成するためには管理監督者の役割が非常に重要であります。
管理職のマネージメントは、仕事の進捗管理や効率的な事務執行はもとより、一部の係や特定の職員に負荷がかかりすぎていないかを把握し、事務分担の見直しや課内での協力体制による働きやすい職場づくりを行っていくことが必要です。
そのためには、所属長との個別職員面談を定期的に開催し、職員一人ひとりが掲げる職務の目標を共有するとともに、職員が持っている能力を最大限発揮できる方策や仕事で抱え込んでいる悩みや課題への適切な助言や支援のほか、係長会等を活用した管理職からの情報発信や係間の情報共有・意見交換等を行うことが大切であります。
引き続き、職場における連携・協力体制を講じる等、区組織の更なる強化に向けた取り組みを進めてまいります。
大田区が新たに掲げた「持続可能な自治体経営に向けた取組方針について」では、『限りある経営資源を効果的・効率的に配分しながら新たな価値と魅力を生み出し、地域として成長し続けることで持続可能な自治体経営を実現する』との方針が定められました。
この方針実現に向けて、研ぎ澄ます、進化する、生み出す、との3本柱が掲げられておりますが、職員も経営資源として見た時、この3本柱はいわゆる業務改革へ向けた攻めの方針であると言えます。一方で職員を守る取組みという観点から、是非とも職員の負担軽減や事務配分、適正配置なども十分検討していただきたいと考えます。
問③
今後の区政運営は人材が要と考えます。行政資源の中で最も重要な人材を活かすためには、業務の見直しや人員配置の適正化などは重要なファクターと言えますが、先ほど申し上げました通り、職員のモチベーションの維持・向上が何よりも重要と考えます。職員のモチベーション向上に資する区の取組みについてお伺いいたします。
答弁:総務部長
職員のモチベーション向上に関するご質問ですが、区は、平成31年1月に人材育成基本方針を改定し、「未来のおおたをめざし、チャレンジを続ける職員」を求められる職員像として掲げております。
これまでも、各職層に求められる役割や、近年の課題に対応できる職員を育てるため、様々な研修やOJTなどによる人材育成に取り組んでいます。
具体的には、各職場の新規採用職員を継続的に支援する先輩職員を「新人育成リーダー」に指定し、仕事の進め方や区職員としての基礎を指導するだけではなく、新規採用職員と先輩職員がともに助け合い、仕事を着実に進めていく取り組みを実施しています。
また、職員自身が仕事を通じて実現したい将来像を描くことを支援するための「キャリアデザインセミナー」を開催するなど、様々な側面から、職員のモチベーションの維持・向上に向けた取り組みを進めています。
こうした職場単位の取り組みに加え、新たな区政課題の解決に向けて、部局を越えてプロジェクトチームを編成し、職員自らが主体的に係る仕組みも日常的に行われております。
コロナ禍にあっても、若い世代からベテランの職員まで、職員一人ひとりがモチベーションを高く持ち、自らの知識と経験を生かして活躍できる取り組みを進めてまいります。
縷々お伺いいたしました。大田区の職員一人一人が「やりがいや充実感」を持って職務に取組める環境整備の促進を要望させていただき、次の質問に移ります。
次に、大気汚染防止法改正に伴う本区におけるアスベスト対策について伺います。
令和2年6月5日に公布された大気汚染防止法の一部を改正する法律が、本年4月から一部の規定を除き施行されました。
これに関連して私は、平成30年度決算特別委員会での総括質疑において、地域内で施行された工場解体に伴うアスベスト含有産廃の処理手順、及び行政における管理・指導体制の強化について質疑をさせていただきました。その際に、大田区としては、地域住民の安全・安心な暮らしを守る対応に努めてまいりますとの方向性をお示しいただきました。
今回の大気汚染防止法の改正に伴い、石綿含有建材の事前調査や作業基準の明確化が規定されましたが、実際の解体工事現場での状況はどのように変わっていくのでしょうか。
問④
そこで伺います。この改正を受け、しっかりと管理されず、ずさんとも言えるような解体工事等で、アスベスト飛散の恐れがあるなど、近隣住民からの苦情等に対する立入検査等の対応についてお示し願います。
答弁:環境清掃部長
区では、これまでも解体工事等でアスベストの飛散等の不安があるといった区民からの問い合わせに対し、届出書類や施行業者に確認するほか、必要に応じて職員が現地確認を行い、適切な措置を講じるよう指導してまいりました。
令和4年度からは、大気汚染防止法の改正で、これまで届出対象外であった解体工事や改修工事のうち一定規模の要件を満たす場合、事前調査結果の報告が義務化されることとなりました。
区ではその報告情報をもとに、地区年数や建物規模、構造等の条件によって立入検査対象となる工事を抽出し、法令等に則った飛散防止対策を確認するとともに、アスベストの調査方法や現場監理の状態を確認してまいります。
また、今後も区民からの苦情等につきましても、同様に飛散防止対策の確認を迅速に行ってまいります。
この度の法改正に伴い、事前調査や記録の作成、現場への立ち入り検査の厳格化、さらには令和4年度からは環境省及び厚生労働省共通の届出システムの運用が開始されるなど新たな業務負担に対して、本区としても関係部署における人材育成・人員確保に取り組んでいく必要があると考えます。
国は、建築物石綿含有建材調査者講習として、厚生労働省・国土交通省・環境省の3省共管の講習制度を推進しています。本講習では、関係法令や石綿の関連疾患とリスク、建築物の構造・建材等に関する知識、通常の使用状態における建築物の石綿含有建材に関する調査に加え、解体作業等においての事前調査にも対応した知識を学ぶことが出来るとのことです。
こうした講習制度の活用は非常に有効的だと考えます。
問⑤
法で定められた立入検査を着実に実施するため、職員の知識や経験の蓄積も重要であると考えます。この人材育成という観点について、区はどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
答弁:環境清掃部長
立入検査においては、工事元請事業者による適切なアスベストの事前調査の実施や大気汚染防止法に則った飛散対策を講じているのか確認する必要があります。
さらに、令和5年10月から、事前調査は有資格者による実施が義務化されることから、区の立入検査においても職員は有資格者と同等の知識を有する必要があると考えております。そのため区では、石綿作業主任技術者や建築物石綿含有建材調査者の講習を受講し、職員のアスベストに関する知識向上と人材育成を図っております。
なお、建築物石綿含有建材調査者については、令和2年度は3名、令和3年度は3名が受講し、石綿作業主任技術者については、令和3年度は3名が受講を予定しています。今後も人材育成に積極的に取り組んでまいります。
また、アスベスト含有のレベル1からレベル3建材の特定工事の施行に伴い、作業基準に則った作業計画が適正に遂行されているか、現場での集塵装置の措置は的確になされているかなどを調査する特定粉じん排出作業指導員の配置について、講習を受けた職員に加え、会計年度職員やOB等の登用も検討し、実質的に安全を担保できる態勢整備も必要かと考えます。
また、アスベストアナライザーと呼ばれる携帯型近赤外線分析装置は、特定アスベスト鉱物6品目について全てを1~2%検出することが出来る測定器で、23区でも導入、もしくは導入を検討している区があると伺います。
問⑥
法改正により、新たな業務が増加すると想定されますが、人員配置や調査の確実化かつ簡略化に資する測定器の導入等について、区の見解をお伺いいたします。
答弁:環境清掃部長
法改正に伴う新たな業務ですが、工事の立入検査の内容等については、東京都で都区市部に共通した基準を示す準備が進められております。業務の増加に対応する職員措置ですが、特定粉じん排出等作業の指導支援員として、正規職員に加え、現在会計年度任用職員の採用を検討しております。
また、適正な事前調査を迅速に実施するにあたり、アスベストアナライザーの活用は大変有効であると考えております。令和4年度の導入に向け、検討を進めてまいります。
大田区では、アスベスト含有についての調査や除去工事に対する補助制度を行っています。
平成24年から施行された「吹付けアスベスト分析調査費助成」事業の動向を、近年の決算資料から伺ってみると、平成30年度は相談件数が17件で助成申請が0件。令和元年度は相談件数が31件で助成申請が3件、助成合計額は\115,000。そして令和2年度は相談件数が34件で助成申請が1件、助成合計額は\32,000となっています。
また、住宅リフォーム助成事業で対象としている吹付けアスベスト除去工事は上限額を見直し、工事費の10%・上限50万円を助成する制度となりましたが、昨年度の利用実績は0件との事でした。
一方で、産業振興課の「環境対策資金」融資あっせん制度では、石綿対策に要する設備資金として融資限度額1,500万とする事業メニューが用意されていますが、平成18年度の制度開始時の1件のみの利用実績との報告をいただいております。
この事業については、果たして時世にあった制度とは言えないと考えますので、今後しかるべき時期に、所管部局が連携して制度の見直しを進めていくことを要望させていただきます。
問⑦
このような背景から、本区におけるアスベスト含有調査・除去工事に伴う補助事業についてや、そもそも、工事発注者・請負事業者の責務の周知について再考していく必要性があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
答弁:環境清掃部長
区ではアスベスト対策の一環として、「吹付けアスベスト分析調査費」や「吹付けアスベスト除去工事」への費用助成を実施しておりますが、今般の法改正の趣旨を鑑み、より一層効果的な取組みとなるよう、国や都の動向を注視するとともに、他自治体の事例を検証していくことに加え、様々な機会を捉えて各種助成制度の周知を行い、制度の活用を促してまいります。
また、改正大防法の施行に伴う請負業者等への周知については国・都が主にその役割を担っております。
区では、これまでもホームページで新たな制度の周知を図っておりますが、今後さらにパンフレットも作成するなど、請負事業者が遺漏なく手続きを行えるよう適切に周知を図ってまいります。
環境省では、災害時における石綿飛散防止対策の充実を図るため、令和2年度から「石綿含有建材の使用状況の把握に関するモデル事業」を実施していますが、こうした国の動向も具に捉えつつ、区民の安全・安心な暮らしを守る対応を積極的に推進していただくよう要望し次の質問に移ります。
次に、大田区の障碍者福祉施策について質問をさせて頂きます。
大田区は、令和3年3月に「おおた障がい施策推進プラン」を策定。その中で、生活介護施設の定員増を図るため、大田生活実習所、南六郷福祉園、新井宿福祉園の改築・改修に取組む計画があります。
この事業は、福祉部の資料にもありますように、各施設の老朽化対策と、今後増加し続けると予測されている障がい者の受入れという二つの課題を解消していくために大変重要な事業であります。一方で、障がい(児)者のご家族からは、大田生活実習所の中庭に地上4階建の新施設の建設が予定されていることから、これまで中庭を散策することで落ち着きを保っていた方や、土と光と風を感じることが出来た空間が無くなることへの懸念。また、生活習慣の変化により心身の乱れを起こす事を心配する声が寄せられています。
問⑧
そこで伺います。今後の基本設計・実施設計と進む検討の中で、施設利用者・家族、関係者の意見や要望を取り入れていくことや、利用者が日中活動の場として安心して過ごすことのできる環境の整備について、区の見解をお伺いいたします。
答弁:福祉部長
障がい者通所施設の整備に関するご質問ですが、区は、特別支援学校等の卒業生の受入れに必要な定員拡充、短期入所等ご要望の多い機能の充実と、施設の老朽化に対応するため、区立障害者通所施設4施設について、令和3年3月に「大田区立障害者福祉施設整備基本計画」を定めました。
計画策定段階から、施設の利用者・ご家族のご意見を反映できるよう、各施設の家族会や関係団体の方々にご説明し、ご意見、ご要望を取りまとめております。区では、いただいたご意見等を具体的にどのように実現できるか検討し、設計の各段階で取り入れているところです。整備後の日中活動の場については、現場の声を活かすため、直接支援にあたる施設職員の専門知識や経験に基づく意見も取り入れ、広く安全な活動室や、静かな環境で落ち着けるスペースなど、多様な障がい特性に応じた機能を設ける方向で検討しております。
また、改修・改築期間中は、いわゆる居ながら工事を避けるため、仮設施設などで過ごしていただけく予定です。利用者の障がい特性によっては、環境の変化に適応していくのに、様々な工夫が必要となります。環境変化に慣れるための期間を設けることや、近隣の公園等の地域資源の活用など、区と運営法人が連携し、きめ細かく対応してまいります。
今後も、様々な機会を捉えて、利用者ご家族のお声をお聞きし、自分らしく、いきいきと、安心して、日常生活を過ごせる施設づくりに活かしてまいります。
こうした整備事業は、施設自体の老朽化やニーズの増加に伴い整備計画の進捗が求められていますが、一方で、障がい者家族の身近な生活支援も大変重要です。その一つに紙おむつ支給事業があります。高齢者向けの紙おむつ支給事業では毎月450点(1点10円)まで区が負担で、それを超えた分は自己負担となっています。一方、障害福祉事業では日常生活用具の給付などの法内制度での支援や、社会福祉協議会運営で月2,500~2,800円程度に該当する補助を行っていると聞いています。
問⑨
そこで、この社会福祉協議会での支援の利用者数、実績をお示しいただくとともに、対象者により手厚くご利用いただくために事業内容の検討を求めますが、区の見解をお伺いいたします。
答弁:福祉部長
障がいのある方への紙おむつ支給事業に関するご質問ですが、重度の障がいのある3歳から64歳の紙おむつが必要な方を対象に、在宅での生活を支援するため大田区社会福祉協議会が紙おむつを支給しております。
令和3年度5月時点の利用者が129人、令和2年度の実績は延べ849件の支給となっております。
また、重複して受給は出来ませんが、障害者総合支援法に基づく日常生活用具での紙おむつの給付制度もございます。
一方、高齢者の紙おむつについては、法に基づく制度がないため、区の紙おむつ支給事業のみで対応しております。
障がいのある方と高齢者の紙おむつ支給事業において、紙おむつの支給量が異なること等を踏まえ、次年度以降の制度の進め方を含め、大田区社会福祉協議会等の関係機関と協議し、内容の充実が図れられるよう検討してまいります。
高齢者向けの紙おむつ支給事業と同等とまではいかないまでも、少しでも家計の支援となるよう、制度設計をお願いします。
令和3年度予算特別委員会の討論において我が会派の大橋武司議員が、「この度の予算編成に伴い事業が廃止、縮小となっても区民サービスが低下しないよう、引き続き区民満足度の上がる取組みとなることを願う」と求めましたが、改めて、大田区の責務として福祉施策の充実を図るよう要望させていただきます。
以上で、大田区議会公明党、田村英樹の質問を終了いたします。

