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大田区議会公明党の田村英樹です。公明党を代表し、質問通告に従い順次質問をさせていただきます。

 

新型コロナウイルス感染症の収束の鍵を握るワクチンについて、厚生労働省は米国ファイザー社製を正式に承認し、先ずは医療従事者向けの先行接種が始まりました。

大田区では現在、保健所が中心となって感染症対策を行っておりますが、令和3年度からの組織編成で、新たに保健予防調整担当課長を設置し、このワクチン接種実施に係る事務・調整を専門的に行うようになります。接種対象や順位、スケジュール、会場などの情報を、区民に分かりやすいよう周知・啓発に努めていただきたいと思います。また、新しいワクチン故に安全性や副反応への懸念が報じられておりますので、区民の一人一人が納得し判断できるよう情報提供の強化も進めていただきたいと思います。

 

令和3年度予算(案)について伺います。

新年度予算は、『新型コロナウイルス感染症や自然災害などの危機から区民の暮らしと経済活動を守り、「新たな日常」の実現に向けた変革を進める予算』とのテーマで編成されました。一般会計予算総額は2,937億7,761万円余、前年度比2.2%増、金額で63億9,000万円余の増となっております。

 

 

問①:この令和3年度予算編成に込められた松原区長の思いをお聞かせ願います。

 

答弁:新型コロナウイルス感染症は、感染の広がりも見られ、未だ収束の見通しが立っていない状況において、令和3年度予算の編成では、感染症対策など喫緊の課題への対応を最優先に、将来に渡って安全・安心に暮らし、活躍できる地域づくりを確実に進め、区民生活を全力守りぬくと決意をこの予算に込めました。

これらを具体的な施策として「新おおた重点プログラム」にとりまとめ、着実に推進するための予算を編成しました。

具体的には、感染症対策では、ワクチンの早期接種に向けた体制を整えるほか、入院患者を受け入れる医療機関への支援やPCR検査体制を確保いたします。

子育て・教育では、産後家事・育児援助や小中学校の児童・生徒へのオンライン学習環境の整備、給付型奨学金の拡充による高校や大学等への進学支援など、産み育てやすい切れ目のない施策を展開いたします。

高齢者支援では、人生100年時代における生きがい・健康づくりの推進や老い支度の相談体制の拡充など、いきいきと活躍できる環境整備や、暮らしを支える取り組みを進めます。

区内産業活性化支援では、地域経済の担い手である商店街の支援や受発注相談事業による区内中小企業の支援などに取り組みます。

行政サービスにおける利便性の向上を図る施策では、キャッシュレス決済やWeb会議の拡充など、デジタル化を推進いたします。

災害対策では、仲六郷・田園調布地区に水防活動拠点を整備するほか、マイ・タイムライン普及の強化を図ります。さらに、公共施設や都市基盤施設の維持・更新の他、新空港線整備を契機としたまちづくりなど、区の発展に向けた取り組みも進めてまいります。

これらの施策を積極的に展開し、区長としての責務を確実に果たしてまいります。

 

 

区が新型コロナウイルス感染症対策として、これまで8次にわたる補正予算と予備費の活用により、PCR検査所の設置や各種資金の貸し付け、地域の医療機関への支援、区立小学校へのタブレット端末の追加配備など数多くの施策を積極的に実施してきたことを高く評価いたします。

感染症の収束が見通せない中、区民生活に対する継続的な支援はもちろん、予測できない事態に対しても迅速な対応が求められる一方、令和3年度予算(案)の編成に先立って公表した「今後の財政見通し」は大変厳しい局面を迎えることが記されています。

 

 

問②:新型コロナウイルス感染症により、特別区税などの機関財源の減少が見込まれる中でも、区に求められる施策に的確に応えていくためしっかりとした財源の確保が求められますが、この点について区の見解を伺います。

 

答弁:新型コロナウイルス感染症による地域経済活動の停滞などの影響から、特別区税や法人住民税などを原資とした特別区交付金の減収に加え、社会保険料等の徴収猶予などを見込んでおります。

一方、少子高齢化への対応や生活保護費などの義務的経費、更新時期を迎えている施設の改築費や自然災害への備え、区の発展の礎となる社会資本の整備など、今後も財政需要が増加することも想定しており、必要な財源の確保は大変重要です。

 令和3年度は、歳入確保に向け、各種税や国民健康保険料などの納付手続きにおけるキャッシュレス決済を導入するほか、クラウドファンディング等を活用し、大学進学予定者への給付型奨学金を創設する取り組みなどを進めてまいります。

また、予算執行段階におけるコスト意識の徹底など一層工夫を凝らすとともに、財政基金や特定目的基金、特別区債など、これまで培った財政対応力を戦略的に発揮し、財政規律を遵守しながら、安定した行政サービスの提供に努めてまいります。

 

 

現時において、令和2年度からの3カ年で概ね580億円の財源不足が見込まれている中、全部局で1,478件に及ぶ事務事業の見直し・再構築を行ったことは評価いたしますが、区民満足度の後退、特に福祉サービスの見直しについては必要最小限に留めることが重要と考えます。予算編成の重点課題に掲げる誰ひとり取り残さないとの社会的包摂の理念やSDG’sの理念をしっかりと行政運営に活かしていただくよう要望させていただきます。

 

 

次に、本区における産業振興について伺います。

昨年来続いているコロナ禍により、区民生活はかつてないほどの甚大な影響を受けており、その難局を乗り越えるべく、区は様々な支援策を講じてきました。産業分野では「新型コロナウイルス対策特別資金」の新設から拡充を図り、中小企業への資金繰りを強力にサポート。また、新製品・新技術開発補助金の増額やコロナ禍において新たな取り組みを進める中小企業への支援、感染防止に繋がる操業環境づくり支援など、多様なメニューから区内産業を支える取組みを展開していることを評価するとともに、引き続き経済状況をしっかりと捉え、時を逃さず必要な支援の提供を求めるところでございます。

 

一方で、こうした状況を打開する、いわば『ゲームチェンジャー』としての効果が期待されているのが、いよいよ大田区でも開始となるワクチン接種であります。

冒頭に述べました通り、現在大田区では73万区民へのワクチン接種について、その体制づくりが進められています。1月下旬には、そのための職員として39名に兼務発令がなされ、さらにその執務スペースを確保するため、産業経済部が産業プラザPioに一時的に移転するなど、緊急事態に対応しながら日常の業務に従事される全職員の方々に感謝するところでございます。

いまだ予断を許さない状況の中ではありますが、区民の生命と財産を守るために行ってきた産業分野への一時的な緊急経済対策から、『産業のまちおおた』の復興を掲げ、逆境をバネに新たな活力を創り出していくための事業展開が大変重要であると考えます。

 

 

問③:そこで伺います。

昨今の経済状況を鑑みると、令和3年度の税収は大きく落ち込むと想定されますが、この度上程されました令和3年度予算案には、コロナ禍を乗り越え区内産業をさらに発展させていくための、区長の強いご決意が込められていることと思います。新年度予算案に込められた、区内産業支援への区長の想いをお聞かせください。

 

答弁:令和3年度は、コロナ禍の影響で非常に厳しい予算編成になりました。そうした中でも、新おおた重点プログラムに位置付けた産業振興に関する施策を中心に、メリハリを意識した予算配分を行っております。

昨年オープンした羽田Pioでの取組みの他、産業のまちおおたを支える区内事業者の皆様を支援するため、工場の立地・操業環境の整備、新製品・新技術開発の支援、取引拡大の支援、商いの活性化、魅力の発信など、“地域に好循環をもたらす大田区ならではの産業の発展”に向けた取り組みを進めてまいります。

それぞれの事業予算等は、予算特別委員会の場で慎重に審議いただく事となりますが、私としましては、現在の困難な状況を乗り越えていくことはもとより、将来に渡り持続可能な区内産業の発展も意識した予算編成を行ったと考えております。

社会状況の変化に敏感に対応する事業者、次なる飛躍に向けて技術を磨く事業者、社会課題の解決に取り組む事業者など、アフターコロナに向け前を向いて頑張る皆様を積極的にサポートしていくため、産業支援に対しては、厳しい財源状況の中でも、最大限の予算配分をしております。

区内企業の98%以上は、中小企業・小規模事業者で構成されています。こうした皆様がコロナ禍を乗り越え、次なるステップに安心して踏み出していけるような支援が不可欠です。

今後も、常に国や東京都の動向を把握し、社会状況の変化があれば新たな支援策も躊躇なく講じるなど、区内産業を全力で支えてまいります。

 

 

昨年9月、新産業創造・発信拠点「羽田イノベーションシティー」が一部開業し、その中に設置されたHANEDA×PiOは、今後の区内産業分野のけん引役としての効果や世界と地域を繋ぐショーケースとしての展開に大きく期待するところであります。

川崎市殿町地区と羽田空港を繋ぐ(仮称)羽田連絡橋の整備はもとより、将来的には国道357号の延伸、そして新空港線の整備により、羽田地区は交通と物流の結束点となります。また、日本の玄関口である羽田空港に隣接するHANEDA×PiOは、日本中・さらには世界中からの注目を集めるだけのポテンシャルがあると思います。

このHANEDA×PiOに集まる“人・もの・情報”を、区内事業者に確実に波及させるためには、区内事業者がこの場所に積極的に関わることも重要で、例えば、Iot仲間回しで中心となっているような優れた提案力や洞察力を持つ次世代の経営者と、オープンイノベーションやテナントゾーンの企業が持つ様々なアイデアや先端技術・ノウハウと連携することによって新たなビジネスチャンスが生まれます。HANEDA×PiOについては、新産業を革新的に生み出す拠点としての機能をいかんなく発揮していけるよう、より戦略的な運営を改めて要望させていただきます。

 

 

問④:そこで伺います。

HANEDA×PiOで生み出される様々なビジネスチャンスを、区内産業、特に若手経営者に掴んでもらうため、どのようなビジョンをお持ちか伺います。

 

答弁:不確実性が増す社会経済においては、今後、支持・発展していくために持続可能な社会づくりに寄与する取り組みに参画することで、自社が持つ強みを発揮できる領域を果敢に開拓する動きが多く見られます。

 羽田Pioは、そうした企業が取り組むオープンイノベーションという新たな取引創出につながる環境への参入機会の場であり、この場に区内事業者に積極的に関わっていただくことを期待しています。

 特に、新たな環境への対応に長け、かつ異業種との連携に意欲的な若手経営者が、この羽田Pioでの取り組みへ積極的に参画し、実績を積み上げていただくことで、さらに多くの区内企業の参画につながり、区内産業の活性化という好循環を生むことになると考えております。

 羽田Pioは、新型コロナウイルス感染状況を踏まえ、今後段階的に、新たな取り組みなどを実施していく予定でありますが、羽田空港に隣接するポテンシャルを最大限に活かすとともに、大田区らしさ、羽田Pioならではの特色を出すことが重要と考えております。

 日頃から連携している東京商工会議所や、大田工業連合会、大田区商店街連合会など、区内産業団体における若手の皆様からも強い期待のお声が届いております。

 こうした多様な声をしっかりと受け止めながら、区内産業のビジネスチャンスを創出できる運営体制を構築に、区は全力で取り組んでまいります。

 

 

ものづくり産業の復興は、大田区の産業経済施策の一丁目一番地であると考えます。今後、HANEDA×PiOと蒲田PiOとの連携により新産業が大いに創出されていくことを期待し次の質問に移ります。

 

 

次に、災害時における要配慮者のための避難所のあり方についてお伺いいたします。

一瞬で人々の命や暮らし、営みが無慈悲に奪われた2011年3月11日の東日本大震災から今年で10年を迎えます。

私たちはこれまで、全国で発災した大規模自然災害を教訓に、様々な防災対策を講じてまいりました。大田区では、一昨年の台風19号上陸の経験から風水害対策の強化が図られ、令和3年度予算案にも、仲六郷や田園調布の水防活動拠点整備やマイ・タイムラインの普及促進が計上されています。こうした整備とともに大変重要な課題と考える、要配慮者に対する避難所運営について伺ってまいります。

 

先日、障がいを持つご家族と暮らしている方から、災害時の避難所について様々意見交換をさせていただきました。

大田区が「福祉避難所へ避難する際のお願い」として高齢者・障がい者へ行っている啓発には、①先ずは、お近くの学校に避難し、どうしても避難生活を送ることが難しい場合には福祉避難所へ移動します。②障がいのある方、介助が必要な高齢の方など配慮を要する方1名につき、介助者1名で避難してください。③避難する方が避難生活を送る上で必要な物は持参してください。との3点が記載されています。障がいは様々ですが、お話しを伺ったご家族が避難する際には、多くの衛生用品や着替え、服薬、身の回りの物など持ち出さなくてはならない必需品が数多くあり移動が困難。避難場所に多くの必需品を置くスペースの確保。非日常的な環境に置かれると自己コントロールが難しい。トイレの利用が制限されるため紙オムツ等のゴミが多く出る等々、衛生面での管理も含めて一般の避難者との共存の難しさを伺い、自然災害発災時に学校で開設する避難所などのあり方について、改めて整理・周知していく必要性を感じました。

 

 

問⑤:そこで伺います。

2011年の東日本大震災では福祉避難所の不足から、学校等の一般避難所に避難を余儀なくされた高齢者や障がい者が、必要なケアが受けられないために亡くなる災害関連死が多く見られたことから、各自治体が作成する防災計画では学校避難所の運用について改善が図れられてきましたが、この学校に開設される避難所の位置付けや要配慮者受け入れのための避難スペースの運営体制について大田区の現状をお示し願います。

 

答弁:区は、震災などの突発的な大規模災害時に、まず91か所の区立小・中学校等に避難所を開設し、その後、準備が整い次第、福祉施設等に福祉避難所を開設するよう計画をしております。この際、学校等での避難所生活の継続が困難な方の避難施設として、福祉避難所を位置付けております。

風水害時に89か所の区立小・中学校等に開設される水害時緊急避難場所は、避難行動要支援者や自ら避難先を確保することが困難な方等を受け入れる避難場所として位置付けております。

あらかじめ準備ができる風水害時においては、福祉避難所を同時開設することとし、要配慮者の災害対応を強化します。

一般避難スペースで避難生活を送ることが困難な方を対象とした各学校等の要配慮者スペースにおいては、段ボールベットやフロアマット等、感染症対策を踏まえた要配慮者向けの備蓄品を配備いたしました。

今年度、新たに要配慮者スペースを担当する職員を配置し、障がい特性に応じた災害情報の提供や見守り等、要配慮者に寄り添った対応を行うよう運体制を構築いたしました。

避難所を運営する地域の皆様と連携しつつ、要配慮者スペースの運営体制の構築に取り組んでまいります。

 

 

大規模地震でも風水害でも、特に障がいをお持ちの方とそのご家族は、区内に設置される福祉避難所への避難を想定されますが、果たして、緊急時に早急に福祉避難所を開設し、受入れを行うための人員や資機材の確保には相当な時間が係ると考えますし、現下の感染症の対策なども鑑みると二次災害、三次災害の発生も危惧されるところです。その観点から察すると、自然災害が発生もしくは発生が迫った場合は、最寄りの学校に開設される避難所への避難が有効的であると考えるのがごく自然だと思います。

学校避難所には、日頃から接している近隣の方々をはじめ、専門的な知識をお持ちの方や、同じような障がいをお持ちの方によるピア・サポートなどの支援も期待が持てる一方で、合理的な配慮を必要とされる方々のエリアと一般の避難者との区分けや相談支援など十分検討していかなくてはならない視点もあります。

平成27年3月改定の大田区「学校防災活動拠点標準マニュアル【実践編】」には、震災発生から時系列で各部門の役割や行動が明記されていますが、避難所班・要援護者支援担当の項目では、先に紹介した「福祉避難所へ避難する際のお願い」に記されている人数制限や持参される必需品などの情報の記載はありませんし、災害時要援護者の分類は記されていますが、例えば避難者受入れの時に、その方が対象なのか対象でないのかを判断するための一助となるヘルプカードやマタニティーマークの情報なども記載する必要があるのではないでしょうか。

避難所を開設・運営する主体は地域力でありますので、大田区自立支援協議会での取組みや福祉部局の施策が、こうしたマニュアルにしっかりと反映されて初めて実効的な避難所運営に繋がると考えます。

 

 

問⑥:大田区では現在、大田区地域防災計画の見直しを進めていると伺っていますが、合理的配慮を必要とされる方々の避難所運営について、より具体的に運営主体である地域の方々への周知・啓発を求めますが区の見解を伺います。

 

答弁:学校防災活動拠点の運営主体となる自治会・町会をはじめとした地域の皆様に、要配慮者のために必要な避難所における支援についてご理解・ご協力いただく事は重要です。

今年度実施した大田区総合防災訓練では、一般避難スペースで過ごすことが困難な要配慮者を受付で把握し、要配慮者スペースに円滑に誘導するための手順を、地域の皆様と検証いたしました。また、避難所で障がい者や高齢者に対応する際に配慮が必要なことなどをまとめたマニュアルを、一部の学校防災活動拠点会議において配布し、地域の皆様への周知を開始いたしました。

引き続き、学校防災活動拠点会議等において、地域の方々に避難所での合理的な配慮が必要な方への理解が浸透するよう、周知・啓発を強化してまいります。

 

 

昨年12月、内閣府は「令和元年台風第19号等を踏まえた高齢者等の避難のあり方についての最終とりまとめ」を公表しました。

中部地方から関東、そして東北の広い範囲で甚大な被害をもたらした令和元年台風19号では、自ら避難が出来なかった多くの高齢者や障がい者の被害状況から、災害時の避難支援等を実効性のあるものとするためには個別計画の策定が有効であるとの方向性を示し、例えば、日頃からケアプラン等の作成を通して要支援者の状況を把握している福祉専門職の参画を得ることや、個別計画を補完する意味でのマイ・タイムラインの推進などが明記されています。

 

 

問⑦:この個別計画につきましては、我が会派の広川議員、岡元議員もこれまで、大田区内の避難行動要支援者数の現状を鑑み、様々な地域資源を活用しながら段階的に作成を進めるべきと訴えてまいりましたが、現時において大田区における取り組み状況をお示し願います。

 

答弁:災害時に自ら避難することが困難な方が適切に避難行動をとっていただくための対策を講じることは重要です。これまでも区は、災害時に優先的に支援が必要である在宅人工呼吸器使用者を対象に、訪問看護ステーションに委託し個別支援計画の作成を進めております。

今年度はさらに、支援の優先度が高いと考えられ、多摩川氾濫時に甚大な被害が想定される区域の低層階にお住まいの避難行動要支援者を対象に、まずは区職員がヒアリングを実施いたしました。このヒアリングにより、公助が必要な方を把握することで個別の支援に繋げていくよう取り組んでおります。

一方、要配慮者本人やご家族に避難行動の計画を作成していただくために、今年度、初めて「要配慮者のためのマイ・タイムライン講習会」を4回開催し、106名の方々にご参加いただきました。

今後さらに、高齢者や障がい者のご意見を反映し、地域において様々な分野で活動している皆様と連携して、避難行動要支援者の避難の実効性を確保していくよう災害対策を推進してまいります。

 

 

実際、ケアマネジャーが高齢者や障がい者のケアプランを策定する際に、災害時の個別支援をセットで計画して、避難計画により実効性を加えた「災害時ケアプラン」の導入を検討している自治体もあるようです。

災害は待ったなしでありますので、高齢者や障がい者を含む合理的配慮が必要な方々の避難所運営についてより実効性のあるものとなるよう要望し次の質問に移ります。

 

 

次に、大田区のニューノーマルに対応したまちづくりについてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症の影響は、まちの風景や人々の活動に大きな変化をもたらし、特に顕著に見られるのがショッピング、移動、ワークスタイル、イベントの4分野と言われています。これまでは店舗で購入するのが日常であったショッピングはオンラインに移行し、お金のやり取りでの非接触という観点からキャッシュレス決済も普及しました。また、リモートワークの推奨や様々なイベントがリアルからオンラインでの開催へと変化したことから、まちを移動する人の数が減少しました。

こうした現状も捉え、これからの大田区のまちづくりを進めていかなくてはなりません。大田区で活動する様々な人にとって、「住みたい」、「出かけたい」、「賑わいを創出する」といった持続可能な都市空間を形成することで、価値が上がり、収益が上がり、新たな賑わいが創出されると言えるのではないでしょうか。

おおた都市づくりビジョンでは将来の都市構造について、東海道軸、京浜臨海軸、新空港線軸を設定し、それらが交差する蒲田・大森・羽田空港周辺・臨海部の4地域を「スクエア」と位置づけており、それらのまちづくりのまさに第一歩と言える新空港線事業の推進は大変重要であると考えます。

この事業の進捗により、建設業・運送業・鉄鋼業・交通インフラなど様々な業態が動き、その動きに連鎖して地域の商店・小売・飲食・物販などに波及し、その賑わいがやがて区へも還元されていくと言った流れが生まれることを考えると、新空港線事業は単なる大規模開発ではなく、大田区の将来に向けた重要な事業であることは明らかであります。

そのためにも、大田区としてしっかりとしたビジョンと事業計画を示していくことが大切です。

 

 

問⑧:そこで伺います。おおた都市づくりビジョンで掲げる大田区の将来像について、松原区長のお考えをお聞かせ下さい。

 

答弁:「おおた都市づくりビジョン」に関するご質問ですが、「おおた都市づくりビジョン」は、平成22年度に改定された大田区都市計画マスタープランの具体化に向けた展開を図るために、東日本大震災や東京2020オリンピック・パラリンピックの開催決定、訪日外客数の増加など、大田区を取り巻く周辺動向の変化を踏まえ、平成28年度に策定しました。

さらに、近年変化する社会動向を受け、都市づくりビジョンの概念を踏襲しながら、現在、区では令和3年度末を目途に都市計画マスタープランの改定に取り組んでいます。

しかし、令和元年度末から、コロナウイルス感染症拡大への対応として、緊急事態宣言が発令されるなどの経過があり、現在も収束の見込みが立たないことから、これまでの生活様式を大きく変えるような状況が発生しております。

そのため、現在改定中の都市計画マスタープランの中で、都市づくりビジョンの将来像である東京圏の一翼を担う広域拠点性の向上はもとより、新空港線整備を契機とした沿線のまちづくりと地域の活性化や、生活を支える拠点の魅力向上等を継続して位置づけ、実現に向けて加速させてまいります。

加えて、コロナ危機への対応の視点として、多様化するライフスタイルへの対応や三密を回避するゆとりあるまちづくりなどを計画に位置付けてまいります。

そして、コロナ禍においても「区民の皆様が安心して住み続けられる持続可能なまちづくりの実現」などを都市づくりの戦略として掲げ、着実に取り組んでまいります。

 

 

国土交通省は昨年8月、新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性についての論点整理を公表しました。いくつかの意見では、「老朽ストックのサテライトオフィス等へのリニューアルや、ゆとり空間や高性能な換気機能を備えた良質なオフィス空間の提供」、「まちづくりと一体となった総合的な交通戦略を推進」、「適切な密度の確保等新しい街路空間の考え方の導入」、「公的避難所以外の公共施設、民間施設、ゆとり空間など多様な避難環境の確保」など、それぞれの分野・環境においてニューノーマルの考え方がインプットされています。

私たち公明党はこれまで、JR蒲田駅東口と西口を繋ぐ自由通路、それに続くペデストリアンデッキで結ばれた公共施設の整備や、JR蒲田駅と一体となった宿泊施設、自転車駐車場を基本とした交通環境の整備、またJR大森駅東西口のまちづくり、京急・東急沿線のまちづくり等々区内で生活・活動される方々の利便性や安全性の向上に資する再生事業の推進を訴えてまいりました。今、未聞のコロナ禍の時代を経験し、こうしたまちの再生事業にもしっかりとニューノーマルを取り入れて進めていく必要があると考えます。しかし、まちづくりは区独自で完成するものではありません。国や東京都との行政連携、民間事業者の高い技術力や提案力を結集して作り上げていくものであります。また、多くの部分で規準や規制等の見直しも必要となるでしょう。

 

 

問⑨:こうした観点から、本区における都市づくり計画にも、このニューノーマルをインプットしていく必要があると考えますが、公民連携の視点等も踏まえて区の見解を伺います。

 

答弁:公民連携の視点を踏まえた都市づくりに関するご質問ですが、現在改定中の都市計画マスタープランでは、拠点整備、防災、産業などの部門別方針と区の地域特性や課題を考慮し、7つに分けた地域別方針を策定していくこととしております。

その中では、蒲田、大森周辺地区などの各地域のまちづくりでも、これまでの安全・安心なまちづくりや地域の魅力の向上は継続したテーマとしております。これに加えて改定作業では、街路などの公共空間を基軸としたゆとりある都市構造への再編など、ポストコロナの視点等を考慮してまいります。

特に、蒲田や大森などで都市の機能更新を図る際は、鉄道駅の駅舎等の改築工事、東西自由通路の整備や交通結節点機能の向上などの課題が山積していることから、国や東京都、鉄道関連事業者はもちろんのこと、地域の皆様の多様なご意見を基に議論を重ねながら、都市づくりを進めていく公民連携の視点が必要不可欠であります。

そのため、鉄道・都市づくり部として新たな組織を立ち上げ、その組織が公民連携のリーダーシップを取りながら、コロナ禍でも多種多彩な活動が展開できる安全・安心で活力あるまちづくりを進めてまいります。

 

 

今後、都市計画マスタープランや令和4年3月を目途に改定が検討されている「蒲田駅周辺地区グランドデザイン」にも反映していくよう要望させていただきます。

令和3年度の予算の中に、「鉄道・都市づくり関連事業の着実な推進」として7億5,767万1千円が計上されました。説明資料には、「激甚化する災害に備えた国土強靭化の取り組みの一環として、新空港線事業と併せた蒲田地域の機能更新、ポストコロナの視点から取り組む大森地域の整備や、下丸子や池上などの鉄道沿線地域の都市づくりを一体的に進めるため、まちづくり推進部から独立して、新たに鉄道・都市づくり部を設置し、事業を強力に推進します」とあります。

私は、昨年3月の予算特別委員会の締めくくり総括質疑において、区長就任4期目をスタートされた松原区長の新空港線事業にかける思いと、私たち大田区議会公明党も同様の価値観を持ち、ともに協議、協力を惜しまず引き続き臨んでいく姿勢をお伝えいたしました。

新年度予算に計上された新部の設置を見て、1年前の区長の思いは、現在に至って何ら変わりはないものと感じることが出来ました。

アフターコロナを踏まえたまちづくりを進めるためには、コロナが収束してからスタートを切るのでは遅すぎます。先ほど申しました通り、今、この時期に行政連携・公民連携の土台をしっかりと構築していかなければならないと考えます。今回の「鉄道・都市づくり部」の新設は、まさにアフターコロナを見据え、ニューノーマルに対応したまちづくりを進めていくために、体制の強化を図っていくもので大変評価するところでございます。

特に、まちづくりを進めるための大きな推進力となる鉄道整備を一体的に進めていくという姿勢は、区の長年の悲願である新空港線の実現と、その沿線のまちづくりが推進されることと期待するところであります。

 

 

問⑩:そこで伺います。

今回、鉄道・都市づくり部の新設などの組織改正をすることで、新空港線事業をどのように進めていくのか区の見解を伺います。

 

答弁:新空港線に関するご質問ですが、新空港線の整備は、区の30年来の悲願であり、何としても実現させる必要がある事業であります。

現在、東京都から提案があった「新空港線及び沿線のまちづくり等の促進に関する協議の場」において都区合意に向けた検討を鋭意進めており、コロナ禍の影響で大幅に遅れましたが、去る1月22日に第2回目を開催したところであります。

鉄道整備と沿線のまちづくりの部署を統合させる今回の組織改正により、「協議の場」での検討事項の一つである、まちづくりの要素を加味した事業の構築について、よりきめ細かく、スピード感を持って進めていきたいと考えております。

今回の組織改正を大きな推進力として、引き続き、新空港線の早期実現と沿線のまちづくりについて、私が先頭に立って全力で取り組んでまいります。

 

 

引き続き、新空港線事業の早期実現に向け、行政と議会が同じベクトルで取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げ、次の質問に移ります。

 

 

次に、本区における観光施策について伺います。

大田区には、全国にその名が広まるような観光名所はそう多くはないながらも、地域に目を向けると数多くの神社仏閣やそれにまつわる伝統行事、23区内でも有数の銭湯、昨年一部開業した羽田イノベーションシティーを含む羽田空港エリア、多様な食の文化もあります。また、水辺や桜並木のような豊かな自然環境、大田ブランドのものづくり産業など、実はそうした観光資源が区内のあちらこちら、しかも身近なところに存在するのが大田区の魅力だと思います。その一つ一つの資源に光を当て、つなぎ、見せ方を工夫して発信することで、国内外からのアクセスを増やすことも出来るのではないでしょうか。

世界的に収束の兆しが見えないコロナ禍において、数年前から伸びてきたインバウンドの取り込みが全く見込めない中、区内の産業を筆頭に、飲食・小売業などの経済復興に必要な人の流れ、物の流れ、お金の流れを誘導していくために、観光施策の充実は大変効果的であると考えます。

現状では、なかなか区内観光に資するイベントや講演などに大きな制約が求められ、非常に厳しい状況であることはご案内の通りですが、そういう時だからこそと、令和2年度の観光・国際都市部の目標に掲げた『職員が一丸となり「ベストを尽くし、「共創」し「発信」していく』という目標に向け、現在、職員のお一人お一人が高い目的意識を持って区内の観光資源の集約に取り組んでいらっしゃると伺いました。

 

 

問⑪:そこで伺います。これまで、区内観光施策・インバウンド施策等に力を入れてこられましたが、改めて、区が観光施策に取り組む意義について松原区長の見解を伺います。

 

答弁:観光に関する三つのご質問に順次お答えいたします。

はじめに、区が観光に取り組む意義についてですが、観光は、関連産業の裾野が広く、かつ経済波及効果が大きい重要な成長戦略の一つです。

本区は、羽田空港をはじめ、活気ある商店街、ものづくり産業の集積など、東京の縮図とも言える様々な地域特性を待つまちです。また、区内には、交通網や宿泊施設等、観光に必要なインフラも十分に整備されており大きな強みです。

区はこうした環境を活かし、区への愛着心醸成、地域の魅力向上、区内経済活性化を図るため、平成20年度に大田区観光振興プランを策定後、観光課を設置し、観光施策への取り組みを強化しました。27年度には、観光情報センター及び区公式観光サイトの開設等により、積極的な情報発信にも努めております。これらの取り組みにより、区の認知度は向上し、区内宿泊者数も着実に増加してまいりました。

平成30年度には観光振興プランを10年ぶりに策定し、新たな視点も加えた観光施策を展開しております。

現在、コロナ禍という厳しい状況にありますが、区は愛着心の醸成、区内経済・地域活性化のため、今こそ観光施策に取り組む意義があると確信しております。

 

 

観光庁が2020年4月に発表した「2019年旅行・観光消費動向調査」によると、国内における旅行消費額27.9兆円のうち、日本人国内宿泊旅行17.2兆円(61.4%)、日本人国内日帰り旅行4.8兆円(17.1%)で全体の78.5%が日本人の国内旅行となっていて、訪日外国人旅行については4.8兆円で全体の17.2%を占めている状況です。国は2020年に4,000万人、2030年に6,000万人の訪日外国人観光客の誘致に取り組んできましたが、現在のコロナ禍においては、日本人の旅行消費額が国内関連の総消費額の78%を超えている点に注目すると、区民・都民、そして国内の多くの方たちが、「行ってみたくなる」まち大田を作り上げていくことも重要と言えるのではないでしょうか。

大田に訪れる方々が短時間でも区内を歩き、そこで発見する地域の小さな魅力を繋ぎ合わせていくことで、旅行者オリジナルの観光マップが完成します。例えばそうして出来上がった、もしくは作成途中の観光情報を、インターネットを介して共有することが出来れば、新たな情報発信にもつながるのではと考えます。

東京都は昨年10月から、「オンラインツアー造成支援補助金」の給付をスタートし、都内事業者への支援を行っています。働き方改革やリモートワークの促進で、益々ネット環境での情報収集・提供、バーチャル体験などの利用が増している昨今、行政が仕掛ける新しい観光施策が求められているのではないでしょうか。

 

 

問⑫:そこで、コロナ禍の影響により、インバウンド復活が当面望めない中、区として現在、どのような観光施策に取り組んでいるのかお伺いいたします。

 

答弁:次に、現在、区としてどのような観光施策に取り組んでいるのかというご質問ですが、日本政府観光局によりますと、訪日外客数は、令和2年4月末、前年比マイナス99.9%と激減し、現在もインバウンド復活の見通しは立っておりません。

しかし、このような状況下にあっても、昨年7月22日から12月14日まで実施したGOTOトラベルの消費押上げ効果は、約1兆4,600億円との推計があり、国内消費意欲は依然健在と思われます。区は、これらを消費行動につなげるべく、区民や区外来訪者を対象としたマイクロツーリズムの推進、および国内のMICE誘致に注力しております。

具体的な取組みとして、マイクロツーリズムについては観光情報センターを推進拠点に、区内回遊を促すイベントを動画配信・展示や内名産品販売など、オンラインと実物を融合させながら実施し、愛着心の醸成及び区内経済・地域活性化に努めてまいりました。

MICEについては、中小規模の学会・団体等への誘致を積極的に働きかけております。今後はこれらの取り組みに加え、情報通信技術の効果的な活用を図り、より多角的な区内回遊策を推進してまいります。

 

 

大田区は一般社団法人大田観光協会が実施する事業を支援し、民間視点での区内経済の活性化・地域活性化を取り入れた観光事業振興を行うことを目的に、令和3年度は4,249万7,000円(前年度比-435万8千円)の補助が予算計上されています。この減額予算についても事務事業の見直しが図られたものと思われますが、昨今の観光動向を具に捉え、是非「大田区へ行ってみたくなる」事業を力強く推進していただきたいと思います。そのためには、大田観光協会の登録会員数の増や、自主事業による収益構造の見直しを図っていくことも重要で、それによって協会の弾力的な運営が可能となり、ひいては大田区の観光施策の充実に繋がっていくものと思います。

昨年11月28日に行われた「おおたオープンファクトリー2020」では、羽田イノベーションシティーと区内ものづくり企業とをオンラインでつなぎ、アバターロボットを用いた次世代型工場見学が試行されましたが、この新しい取り組みは、大田の産業と観光の両面において可能性を大きく開いたと言え、今後の展開を期待するところとなりました。

こうした新しい取り組みを重ねながら、コロナ禍の収束を見据え、今後、大田区としての観光施策をしっかり構築していく必要があるのではないでしょうか。

 

 

問⑬:そこで伺います。今後、大田区が観光協会とともにどのように観光施策をすすめていくのか区長のお考えをお聞かせ下さい。

 

答弁:観光協会は、民間主体で設立され、区は、この民間視点を持つ協会事業への支援を通し、区内経済と地域の活性化を目指しております。

今年度のオープンファクトリーはオンラインで開催したところ、斬新な企画が話題となり、NHKニュースでも報道されました。これも長年、協会が事務局を担ってきたことで実現した新たな取組みです。

一方、協会の会員数増加や自主事業推進は、協会の組織強化にとって必須の取り組みであり、会員募集にあたっては今後は区も応援してまいります。

自主事業推進については、今回初めてオープンファクトリーを観光庁からの事業費を得て実施しました。今後も財源確保に努めていただくとともに、事業委託等への転換を図り、自主事業強化を促してまいります。

観光施策の推進は、区は多角的視点から観光施策を立案し、協会は民間視点から事業を行うという役割を担っています。

両者の強みを活かし、「新たな日常」に的確に対応して取り組みを通じて大田区ファンを増やし、コロナ収束後の区内経済・地域活性化に向け、観光施策を力強く進めてまいります。

 

 

以前、大田区にお住まいだった方々にお話しを伺うと、皆揃って「住んで良かった」と仰るそうです。そうした方々の中には、機会があれば懐かしい大田のあの町この店へ寄ってみたいと思いを馳せ、観光情報やSNSをチェックされている方もいらっしゃいます。

これまでも、観光課・観光協会・観光情報センターのそれぞれのホームページが発信する情報について、その量や内容について幾度か質問をさせていただいてまいりましたが、区内に訪れて下さる方々の目線、ニーズをしっかり把握し、適宜改善を図り内容の充実に努めていただきたいと申し添え次の質問に移ります。

 

 

次に、大田区の教育施策についてお伺いいたします。

昨年12月22日付けで、教育委員会教育長に小黒教育長が再任されました。先に行われた教育行政に関する所信表明を伺い、大田の宝である子どもたちの健やかな学びの環境作りへの強い想いを感じとることができました。

「おおた教育ビジョン」で掲げる~豊かな人間性をはぐくみ、未来を創る力を育てる~とのスローガンに則し、引き続き教育施策の着実な推進をお願い申し上げます。

 

さて、政府は本年2月2日、公立小の全学年で「35人学級」を実現するための義務標準法改正案を閣議決定いたしました。

国政において公明党は、令和2年6月に当時の安倍総理に対し、30人以下の少人数の学級編成を可能とするべきと提案。政府はこうした提案を踏まえ「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の方針」に少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備が明記され、分科会での議論につながっていきました。

一方大田区ではこれまで、少人数学級の利点は理解するものの、現実問題として、教員や教室空間の確保、また既存校舎の施設改修に係る予算措置について等の課題が多く、積極的に取り入れるには困難な状況もありました。

今国会での審議が待たれるところでございますが、今後は35人学級を整備していくための根拠が法的に定められることから、大田区においても計画的かつ着実な推進に期待をするところであります。

少人数学級は、学習理解度の差はもちろん、何らかの障害を抱えてより丁寧なケアが必要なケースや、ギフティッドと呼ばれ、特異な才能を持ちながらも学校で十分に認められないケース。また、いじめや不登校、家庭の貧困問題など様々なケースを持つ児童・生徒への対応などがきめ細かくできるメリットがあると考えます。

 

 

問⑭:そこで伺います。児童・生徒の一人一人に光を当て、個々の特徴を活かす教育のあり方が求められている中、「おおた教育ビジョン」折り返しとなる新年度からの教育方針(ビジョン)について、改めて教育長のお考えをお伺いいたします。

 

答弁:新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、臨時休業の経験を通し、改めて「学校の存在意義」や、「子どもたちが毎日学び成長することの大切さ」を実感したところです。

コロナ禍にあっても、感染防止に努めながら「おおた教育ビジョン」の実現を目指すこと、さらには、コロナ禍を超えた新たな教育を創出することが重要であると認識しております。

「おおた教育ビジョン」には、ビジョン1として「社会の変化に主体的に対応し、未来を創る力を育成する」を掲げており、ここに示した「コミュニケーション能力」「論理的、科学的な思考力」「情報活用能力」「ともに生きる力」「健康増進・体力向上」の5つの力は、これからも重要なことであることには変わりません。むしろ、予測不能な時代に対応し、未来を創る5つの力は、コロナ禍の中にあっては、一層重要であると実感いたしました。これらのことから、新年度は次の2点を大事にしてまいります。

第1は、児童・生徒に一人一台配備されるタブレットを活用し、学校と家庭での学びをつなげ、再び臨時休業せざるを得ない場合においても、学びを進められるICT環境を整備するとともに、ICT機器を活用して自分の考えをまとめ、話し合い、課題解決する「情報活用能力」を育成します。

第2は、子どもたちの孤立やいじめなどが心配される状況にあることから、人と人との絆を高めることが重要です。また、地域とのふれあいを通して人々との絆を深めることにより、社会性を高める「ともに生きる力」を育成します。

私は、これまで以上に、学校における教師や友達との信頼関係、身近な地域の人や文化、さらには世界の人々とのつながり、また、多様で広い社会や未来社会とのつながりなど、様々なつながりを継続して創出し、「おおた教育ビジョン」の実現に向けて取り組んでまいります。

 

 

GIGAスクール構想に基づき、大田区立小では令和2年度中に児童・生徒へのタブレット端末の配備が完了いたします。

収束の兆しが見えないコロナ禍において、自宅療養となる児童・生徒にとって、また保護者にとってもタブレット端末により家庭学習が提供されることは、安心感にもつながるのではないでしょうか。また、日常の授業においてICTを活用していく中でも、調べ学習や疑似体験、アクティブラーニングへの活用などその使途の広がりに期待をするところであります。一方で、ICT機器を安全に運用するために、これまで区議会公明党として、情報リテラシーの重要性やICT機器を活用する教員のスキル向上、また環境整備についても様々提案・要望をさせていただいてまいりました。

小学校学習指導要領の中で、「情報活用能力は、世の中の様々な事象を情報とその結び付きとして捉え、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して、問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な資質・能力」と位置づけられています。

 

 

問⑮:今、大田区では、対話的な学びを通して「子どもたちが自ら考える能力」を引き出す教育を、積極的に進めて下さっておりますが、さらにICT機器を有効活用することによって、さらに効果的な指導が期待されるところであります。この点について、教育委員会としてどのように取組みを進めていくかお伺いいたします。

 

答弁:ICT機器の有効活用による「子どもたちが自ら考える能力」を引き出す学習に関するご質問です。

議員お話しのとおり、「子どもたちが自ら考える能力」に対しては、ICT機器が導入されることによってさらに効果的な指導が可能になるものと考えております。

現在、「子どもたちが自ら考える能力」を引き出す学習の実現にために、子どもたちが課題を発見し、解決を図る中で、タブレット端末を活用して様々な情報を収集し、自分の考えを持ち、友達とその考えを交流、整理分析する中で、まとめて表現するという学習を日々の授業の中で進めております。

今後は、一人一台のタブレット端末を活用して、児童・生徒が自分自身の意見を入力し、それを教室前方の電子黒板に映し出し、意見を集約し、比較、検討しながら共有するという学習形態についても実践を積み重ねてまいります。

 

 

少人数学級について、単に学級の人数が減ることにより総体的に学力の向上に繋がるとは言い切れない部分も否めず、むしろ、学力に影響するのは教員の能力によるところも大きいのではないかという意見もあります。しかし、学級の人数が減ることで、児童・生徒の一人一人に関わる時間が作れることから、子どもたちの得意・不得意を教員が上手く引き出し、総じてモチベーションの向上に繋がることも期待されます。

2月3日、2020年度採用の教員試験で、公立小学校の採用倍率が過去最低の2.7倍となったと報じられました。多忙を極める教員の就労環境を案じ、教員志望が減ってきているとの見方もありますが、今後の教員確保に向けた取り組みも重要となってくるのではないでしょうか。そういった観点から教員数の他、研修・養成の機会確保や多様な補助教員の確保なども都と連携しながら進めていただきたいと思います。

 

 

問⑯:そこで伺います。教員採用の倍率が年々下がっていることから、限られた人員の中で、教員の質の低下について懸念されています。先ほどお話ししました、新たに学校の教育活動においてICT機器を活用していくことも踏まえて、大田区においてはどのようにして教員の資質・能力の向上を図っているのかお伺いいたします。

 

答弁:教員採用の倍率が年々下がっているなか、教育委員会においても、教員の資質・能力の向上は喫緊の課題であると考えております。

区においては、校外、校内における研修を充実させ、教職員の資質・能力の向上につとめております。

校外における集合研修としては、法定の研修以外にも、区独自に行っている授業改善セミナーを中心に、教科などの専門性を高めるための研修を、夏季休業中に集中的に実施し、教員の指導力の向上を図っております。

また、指導主事が各学校の実態や課題を把握するために学校を訪問し、課題解決のための情報提供や指導・助言を行い、教員一人一人の授業力向上を図っております。

新年度からは、新たなICT教育推進の課題を踏まえ、ICT教育推進専門員の設置を考えております。これは、管理職経験をもつ専門員が各校を巡回し、経営的な視点からICT教育の関する助言を行い、新学習指導要領に示された資質・能力の育成を図るものです。こうした取組みにより、ICTを最大限活用しながら、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく育成する「個別最適な学び」と、子どもたちの多様な個性を最大限に生かす「協働的な学び」の充実を図ってまいります。

 

 

35人学級の実現に向けて、現状の校舎容積からの教室数の確保や設備的な課題、また、増改築に伴う新たな設計仕様の見直し、さらには公共施設との複合化など検討課題は多くありますが、良好な教育の環境整備の推進を改めて要望させていただきます。

 

 

ここまで、令和3年度予算、HANEDA×Pioから生み出される新産業、要配慮者のための避難所のあり方、ニューノーマルに対応したまちづくり、区の観光施策、35人学級の導入の6点に渡り質問をさせていただきました。区民満足度向上のため、大田区におかれましては、引き続きの最大限の取組みを要望させていただきます。以上で大田区議会公明党の代表質問を終了いたします。

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