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福祉費における元気高齢者施策について伺います。

区内在住の65歳以上の高齢者の人口は、年々、増加の傾向にある事は周知の通りで、統計を見ても、平成28年度は164,513人、平成29年度は165,980人、30年度は166,962人と明らかであります。こうした状況を背景に、本区では「おおた高齢者施策推進プラン(第7期大田区介護保健事業計画)」において、高齢化社会の課題に対し様々な施策に取り組んでこられました。

その一つである「元気シニア・プロジェクト」では、高齢者のフレイルを予防し、健康寿命を延伸するため三つの柱として運動・栄養・社会参画に地域で取り組み、元気な高齢者の増を目指し、区内3ヶ所でモデル実施いたしました。

 

 

問①28年度から30年度に行ったこのモデル実施について、区ではその効果・検証をどのように捉え、現在進行形の元気高齢者施策に反映させているのか区の見解をうかがいます。

 

答弁:元気高齢者担当課長

 「大田区元気シニア・プロジェクト」は、東京都健康長寿医療センター研究所と区が共同で推進した事業でございます。

 このプロジェクトでは、モデル地区として嶺町、田園調布、糀谷の3地区を選定し、コミュニティー会議の定着、ポールウォークなど各地域の特色を生かしたフレイル予防活動に地域の方々に積極的に取り組んでいただきました。

 事業開始の平成28年度と、事業最終年にあたる30年度には、区内高齢者を対象とした「シニアの健康長寿に向けた実態調査」を実施し、モデル地区を中心に「運動・栄養・社会参加」の取組みがフレイル予防に効果があることを確認いたしました。

 令和元年度からは、元気シニア・プロジェクトの活動を継承する「おおたフレイル予防事業」をスタートさせ、モデル実施の取組みを実践例としてまとめた「大田区フレイル予防スタートブック」を作成し、自治会・町会・民生児童委員、地域シニアクラブ等に配布するなど、フレイル予防の普及啓発に努めました。

 これらの取組みが、地域ぐるみのフレイル予防を18地区に展開する基盤となり、現在の地域での様々なフレイル予防の活動につながっているものと捉えております。

 

 

おおた高齢者施策推進プランでは、高齢者のフレイル予防に対する平成31年〜平成32年の目標について、①区内全域でのフレイル予防の普及・啓発、②地域の支え合いの推進、③自主活動の支援を掲げております。

歳入歳出決算概要説明書449㌻に、介護予防普及啓発事業に参加された延べ人数が表記されており、令和元年度は79,802人となっています。これについても統計を見てみると、モデル実施が開始された平成28年度は延べ35,703人、平成29年度は延べ48,235人、平成30年度は延べ83,812人となっており、この事業が着実に区民に周知され、活動が活発に行われてきたことが明らかで、引き続き、介護予防の観点から事業の進捗に期待するところですが、令和元年度で前年比マイナス約4,000人となった要因は、やはりコロナ禍の影響により会場が閉鎖になったことなどによる影響の現われだと伺っております。

 

 

問②そこで伺います。まずは、平成32年度までの目標として、自主活動の支援が掲げられておりますが、活動主体の育成や自主的な通いの場づくりなど、これまでの本区における取り組みをお知らせ願います。

 

答弁:元気高齢者担当課長

 区ではこれまで、「地域デビュー応援講座」を特別出張所、老人いこいの家、シニアステーションを会場に、区内各地区で開催し、「社会参加と健康維持」、「無理なくできる社会参加のコツ」等の講話とともに、地域の社会資源の紹介を行ってきました。

 また、「フレイル予防講座」として、自治会・町会、民生児童委員、老人いこいの家利用者等を対象とした、運動や社会参加に関する講座を開催しております。

 さらに、地域包括支援センターに「地域ささえあい強化推進員」を段階的に配置し、地域におけるネットワークの強化や、区民が主体となる自主的な活動の支援、地域でのフレイル予防や健康維持の活動の普及啓発に取組んでおります。

 これからも、地域で自主的に活動する様々な団体の育成や、通いの場の拡充に積極的に取り組んでまいります。

 

 

 

先日、ある自治会における高齢者見守りの取り組みを伺いました。これまで、定期的に集会所で健康体操や茶話会を開催して、地域に居住の高齢者とのコミュニケーションを図りながら、体調面や生活面の変化を話し合っていたそうですが、現下のコロナ禍でそうした場所が持てなくなってしまったため、自治会独自で電話による連絡対話を実施しているとのことでした。

高齢者特有の持病の重症化リスクの低減や孤立化を抑止するためにも、コロナ禍で見えない方々とどう繋がっていけるか、状況を把握していけるかが大変重要と考えます。

 

 

問③そこで、区が進めてきたフレイル予防の重要な取組みの一つである、社会参加、特に人との交流について、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えたあり方について区の見解をうかがいます。

 

答弁:元気高齢者担当課長

 委員お話しの通り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、外出や運動、人との会話の機会を減少させ、高齢者の生活にも大きな影響を与えております。

 特に、身体を動かす機会や友人、知人との交流が減ることで、フレイルの進行や孤立化が大きな課題となっております。

 区はこれまで、老人いこいの家の運営の他、シニアクラブの活動支援や、様々な介護予防事業への参加を通じて運動機能の維持・向上と合わせて、社会的な活動への参加の機会を提供するなど、高齢者の交流促進に取組んでまいりました。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、これまでの参集型事業を中心に行ってきた区のフレイル予防の取組みには多くの課題も出てきました。

 区といたしましては、高齢者の感染防止対策を図りつつ、国や東京都の動向を注視しながら、生活様式の変化に即した交流事業の在り方について、様々な角度から検討を進めてまいります。

 

 

高齢者にとって、コロナ禍にあっても安心して仲間との交流や健康維持が出来るよう、例えば、情報通信機器を活用した新たな介護予防の取組みなど積極的に検討いただくことを要望し、私の質問を終わります。

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