障がい者総合サポートセンター「さぽーとぴあ」B棟における短期入所事業について伺います。
平成31年2月に招集された大田区議会第1回定例会の初日、松原大田区長はそのご挨拶の中で、平成31年3月に開所する障がい者総合サポートセンター「さぽーとぴあ」B棟を紹介され、「B棟では、これまで障がいのある方、また、ご家族からも多くのご要望をいただいた医療的ケアを含む重症心身障がい児者などを対象とした短期入所事業を、区立施設としては23区で初めて開始いたします。(中略)「さぽーとぴあ」が障害分野を含む今後の地域包括ケアシステムの中核の一つとなっていくことも見据えつつ、地域共生社会の実現に向けたスタートをしていきたいと考えております。」と述べられました。B棟の短期入所事業につきましては、区民の皆さまからも期待する声が多く寄せられている一方で、障害の状態も複雑になっていることから、医療的ケアの必要な方だけでなく、医療的ケアが無い重症心身障がい児者も取り残されることが無いように、この事業の充実を望む声が多いのも現実であります。
23区初として開所から約1年。区と運営事業者との協力のもと、短期入所事業の充実に取り組まれてきたことを高く評価するとともに、今後益々のレベルアップに期待をするところであります。そこで、これまでの利用実績を伺いながら、レベルアップに向けた今後の取り組みをいくつか確認をさせていただきたいと思います。
令和2年度予算から伺います。事項別明細書の151㌻に、障がい者総合サポートセンターの短期入所事業(利用定員10人)に2億7,000万円余が計上されております。前年度の平成31年度予算額との比較では約7.3%、2,146万円余の減額となっております。平成31年度予算では、開所に向けた手探りの中で大分(おおぶん)に想定値での予算であったのではないかと推察されます。
問①:障がい者を取り巻く環境整備が問われている中、必要な事業に必要な予算をかけることは大変重要と考えますが、この令和2年度の予算設定に至る事業内容についてお伺いいたします。
答弁:障がい者総合サポートセンター次長
障害のある方が住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう、環境を整えることは大切です。そのためには障がい者総合サポートセンターの短期入所など、一時的に支援を受けることができる施設の充実が重要であると考えております。
平成31年3月に開始した本事業は、徐々に利用者も増えており、まずは利用者が安心してサービスを受けられるよう、安定的な運営を目指しているところでございます。
委託費の内訳としては、その殆どが医師や看護師などの人件費にあたりますが、令和2年度予算では、今年度の状況を踏まえ委託事業者と検討を重ね、利用者が快適に過ごせる環境づくりというところに重点を置き、入浴回数の増やデイルームの充実などを図りました。また、重症心身障がい児者の方をお預かりする観点から、衛生環境に配慮し、特に消毒液や手袋、マスクなどの感染症対策を充実させました。
有難うございます。私たち大田区議会公明党が毎年夏に行っている各種団体との懇談会では、新たに事業開始となったこのさぽーとぴあB棟の短期入所事業に対する期待と、切れ目のない支援に対するご意見、ご要望をいただいております。是非とも、様々な角度から検証を続け、より多くの皆さまが安心してサービスが受けられる環境を整備していただきたいと思います。
次に利用対象者についてお伺いいたします。
利用対象者は原則、6歳以上の重症心身障がい児者で、またそれに準ずる方として、車いすなどを常に利用し自力での移動が困難な方や医療的ケアの必要な方などが利用可能と定められています。
問②:いわゆる、障害者総合支援法で定める自立支援給付事業の短期入所医療型が主な利用対象となっていると思いますが、概ね大田区内では何名程度の方が対象となっておられるのか、また、その方々が持つ個々の障害の程度に寄り添った丁寧な相談対応が必要と考えますが、その状況についてお伺いいたします。
答弁:障がい者総合サポートセンター次長
利用対象者につきましては、区内において凡そ200名と想定しております。
短期入所事業は昨年の4月から募集を始め、5月から受け入れを開始しました。利用にあたっては医師の診察を受けていただき、診察の結果、短期入所施設の利用が可能と判断されれば登録手続きとなります。
本事業では医療的ケアをはじめ個々の障害の状態を把握し、丁寧な相談対応を行うため、重症心身障がい児対応に精通した常勤の医師による診察を行っているところでございます。
なお、本年2月末の時点で診察を終え、利用登録を済ませた方は78名となっています。
区内にこうした施設があるということで、例えば施設までの移動方法をみても短期入所の利用に対するハードルが下がり、障害をお持ちの方やそのご家族の期待も一層大きくなっていくものと思います。ただ、個々の障害の状態に合わせて事業運営をしていくためには、それに見合った設備や人員配置基準などを見直していく必要もあるのかと思います。
先日、さぽーとぴあB棟を視察させていただきました。短期入所事業を行うのは2階・3階で、2階には多床室(4床)、個室2床、クッションフロア材を施したデイルーム、利用者に負担のかからない機械浴室の他、診察室などが配置されており、3階には個室4床、デイルーム、面談室などがあり、各階にセキュリティーが確保され、真新しく、導線の整った施設状況について縷々ご説明をいただきました。
そこで、この施設の利用状況についてお伺いします。
平成31年3月の開設後、5月の利用登録者数は29名でしたが、翌6月は10名、7月は14名で、令和2年2月までは毎月数人の方が登録されており、先ほどのご答弁において2月末時点で78名との現状を伺ったところです。利用者はこの登録の後に大田区と契約を交わし、その後、ご家族の付き添いのもとでお試しの日帰り利用を体験します。
さて、これまでの短期入所事業の推移は、特定短期、1泊2日、2泊3日、3泊4日の合計で190名を超えていると伺いました。
問③:そこで、短期入所事業について毎月の利用実績が安定的に推移していると感じるところですが、これまでの状況を区はどのように分析をされているかお伺いいたします。
答弁:障がい者総合サポートセンター次長
利用実績についてでございますが、昨年5月、6月の事業開始当初は、利用登録のために必要な医師の診察を受ける方が多い状況でした。
その後、徐々に利用者数が増え、夏頃から1回あたりの宿泊日数が2泊3日や3泊4日と連泊される方が多くなりました。さらに10月頃からは、毎月定期的に利用されるような方も何人かいらっしゃるようになるなど、安定的に利用実績が増加しております。
対象者200名に対して登録者数78名ということで、約4割の方がいつでも利用可能な登録を済ませており、概ね順調に利用が進んでいると考えております。今後も実績を積み重ね、さらに利用し易い施設となるよう努めてまいります。
さぽーとぴあB棟の短期入所事業は、区内のスポーツ施設や集会室のように、単純にその利用率だけを抽出して状況を判断することはできません。利用者が多くなればその分、安全管理へのリスクが高まりますし、受け入れ態勢の拡充も必要となってまいります。しかし、今後の障がい児者ご自身の高齢化、またその保護者の高齢化を第一に、障がい児者の増加・重度化など様々な状況の変化に対し、本区としても障害福祉事業の充実をより一層進めていく必要があると思います。
先日、重度心身障がい児の保護者とお会いした際に、実は、遠方に暮らしているその方の母親が危篤との報を受け、帰郷するために障がいを持つご子息の短期入所先を探さなくてはならなくなり、なんとか、北関東にある施設で一週間受入れいただくことができ、無事、一切を済ますことが出来たとのお話しを伺いました。
問④:そこで伺います。今後、このような親族の事やレスパイトケアなど、緊急対応を要する場面が多くなってくると考えますが、障がい者総合サポートセンターではどのような取組みが必要と考えているか見解をお伺いいたします。
答弁:障がい者総合サポートセンター次長
重症心身障がい児者を日常的に介護しているご家族は、特に、介護を行っていらっしゃる方の急病や、ご親族の冠婚葬祭といった緊急時に短期入所施設がなかなか見つからない状況であると伺っております。
そうした状況を踏まえ、身近な地域にある障がい者総合サポートセンターの短期入所事業では、利用者に寄り添ったきめ細やかな対応が必要であると考えております。
そのため緊急時には前日の午前中までにご連絡をいただければ、受入れ可能な体制を構築したところです。また、通常は最長3泊4日のところ、緊急時は6泊7日まで延長し、柔軟に対応しております。
介護者の高齢化や孤立化が懸念されるなか、今後も家族介護の負担軽減につなげていけるよう、障がい者団体や利用者の方々の意見を伺いながら、短期入所事業を進めてまいります。
有難うございます。益々の短期入所事業の充実を期待いたします。
最後に、今後の機能拡充に際し2点要望をさせていただきます。
1点目はマット敷きの部屋についてです。現在、短期入所施設にある10部屋には全てベッドが設置されていますが、ベッドでは転落による怪我の懸念がある障がい児者のために、マット敷きの部屋の設定を検討していただきたいと要望します。そのためには、ただベッドを部屋の外に出してマットを敷くだけではなく、壁や窓ガラスへの養生も必要となることや、利用者の動きを観察するモニターなどの設備的な改修の他、そのための人員配置も必要になるなど多くの課題があると思いますが、是非、今後の課題としてご検討願います。
2点目は、現在の利用対象者の枠を広げ、より多くの方がさぽーとぴあB棟の短期入所事業を利用できるように、大田区と運営事業者とで検討を進めていただきたいと要望します。最初に確認しました通り、短期入所の利用対象は6歳以上の重症心身障がい児者で、この障害の「姿勢は殆ど寝たままで自力では起き上がれない状態が多い」、「移動は自力では困難、寝返りも困難、座位での移動、車椅子など」とされており、このまま解釈すると、1点目に要望させていただいたマット敷きを希望される方などは対象外となってしまいます。この点につきましても、ご検討の程よろしくお願いします。
障がい者総合サポートセンターB棟における短期入所事業について、質問・要望をさせていただきました。障がい児者、そのご家族が安心して大田区で暮らし続けていただくために、今後益々の大田区福祉施策の充実を願い質問を終わらせていただきます。


