3月28日(火)は、京都市が取組まれている無電柱化事業について学ばせていただきました。

            

 CIMG7895

この事業は、昭和61年~平成2年にかけての第1期電線類地中化計画から始まり、平成20年までの第5期計画までの期間で総整備距離93.1㎞(京都市53.1㎞/国土交通省40.0㎞)の整備を進め、続く平成21年度からは単年度にて幹線系路線と景観系路線の2種の環境整備に取り組まれてきました。

景観系路線とは、歴史的まちなみの保全が必要な区域として主に伝統的建造物群保全地区や世界文化遺産周辺の路線をいい、幹線系路線とは緊急輸送道路などの幹線道路を指します。

こうした整備事業には国庫補助が適用されますが、残念ながら年々減少傾向にあるとともに、景観系から幹線系の整備に重きを置き、特に防災関連の視点からの事業が進捗してきているとのこと。

また、景観系路線では工事期間・時間・施工方法に大きく制約がかかるため、一般的な工事予算1㎞/5億では到底追いつかず、京都市では景観系路線で1km/9億、幹線系路線で1km/7億の経費(片側のため両側では倍になる)が掛かるそうです。

            

概要説明の後、平成28年度から計画を進めている「先斗町通」(※立誠緯1号線~四条通)の無電柱化事業についてお話しを伺いました。

IMG_9531

この事業は道路延長490mのうち対象電柱18本、地上機器数30基を整備するもので、特徴的なことはこれまでの行政主導の整備計画から近隣住民主導という形での整備で、無電柱化事業で必ず問題となる「地上機器」を“無償”で民地に設置するという合意形成ができたということです。

京都市内の電力需要のうち、一番多くの電力を消費しているのがこの先斗町通で、このことから地上機器の数も30基と一番多くなっています。

また、施工主体である関西電力の研究で、地中に埋設する『電力桝』を小型化することによって、民地の掘削に伴う負担を極力軽減することが出来たとのこと。

              

京都市建設局道路建設部の方々にご案内いただき先斗町通へ現地視察に伺いました。

机上でご説明を受けた場所で、実際に「地上機器」がどのような形で設置されるのかを確認。

IMG_9513

~先斗町お茶屋営業組合(所有道路)~

          

IMG_9516

~歌舞練場の案内看板下部~

              

IMG_9541

~先斗町さゝき~

この他、数か所において民地を利用した「地上機器」の設置場所を確認し、近隣住民主導型の整備計画の重要性を改めて認識をしました。

金沢市における無電柱化事業ではこの地上機器を“有償”で民地に設置をしていましたが、“無償で設置を進める”先斗町通整備計画は、本区の今後の無電柱化事業において検証すべき取り組みであると思います。

コメント投稿

ブログバックナンバー
モバイルサイトQRコード
QRコード対応の携帯電話をお持ちの方は画像を読み込んでいただくことでモバイルサイトにアクセスできます。
サイト管理者