3月27日(月)、会派行政視察にて奈良県が取組まれている学習支援ボランティア事業を学ばせていただきました。
この事業は、厚生労働省の補助を活用して平成24年度から県のモデル事業として実施されたもので、そのベースとなったのが地域の母子会が行っていた学習支援事業でありました。
大田区では、『大田区 子どもの学習支援事業』として、①就学援助制度をうけている②生活保護を受けている③児童扶養手当を受けている…世帯を対象に、中学生の放課後学習支援を行っており、平成29年度は高校生まで対象を拡充する方針が決まっています。
一方、奈良県では“未就学児童”から高校生と幅広い児童・生徒を対象として、学習支援のみならず心のケアなども積極的に行っている状況であるなか、子どもと一緒に外国人の親も参加して日本語自習のお手伝いも行っているとのことでした。
この学習支援は、公募型プロポーザルによりNPO法人宙塾が現在は県内4か所において事業運営を行っており、基本的に児童・生徒一人当たりボランティアが一人つくマンツーマン方式をとっていることが特徴的でした。
ボランティアは現役の大学生や教員OBで、その募集や担当計画などの調整は全てNPO法人宙塾が行ってます。
各員はそれぞれの児童・生徒の状況を把握するため個別に状況を記したカードを共有し、それを基に教室開催日に短時間の打ち合わせを行っているとのこと。
平成29年度も引き続き母子会の協力を得ながら事業の拡充に取り組んでいくことが決まり、予算規模も平成26年度4,563,000円から平成29年度は約7,300,000円に増額することができ、各ボランティアへ僅かながら謝礼を出せるようになったが、一方で、この事業は「ひとり親家庭」の支援であり、現在全国で課題とされている「生活困窮世帯」いわゆる「こども食堂」のような居場所とは所管が異なるために、食事の提供が出来ないという課題も残されています。
この「こども食堂」について奈良県では、県営の青果市場と連携して県内の「こども食堂」に青果物を無償提供したり、各寺院にお供えされた食材を提供する「お寺おやつクラブ」などといった事業もスタートしているとの事。
県内4つの事業拠点のうち、大和郡山市の社会福祉会館で行われている教室にもお邪魔することができた。
夕方17時から20:30までの時間帯で、18時から19時は休憩時間となり、その時間帯を使って各ボランティアが感じ取った子どもたちの変化を共有。ひとり親家庭になった背景は様々あり子どもたちの心境は様々。その一人ひとりにあった関わり方を通して、例えば閉じてしまった心の扉を開く作業に多くの時間を割くよう心がけているとのことでした。
そのような取り組みのお話しを聞いて、改めて17時の開場に伴って笑顔で集ってきた子供たちの様子を思い浮かべると、各ボランティアと子供たちの信頼関係がしっかり構築されているこに驚くばかりでした。
奈良県としては、今後の事業主体を県⇒各市町への移行を検討しているところですが、それを受け入れて独自に事業展開するだけの必要性・主体性、また経験(ノウハウ)の蓄積に乏しい状況もあり、移行するまでは相当の時間がかかりそうです。
当初の運営母体であった母子会は、戦争で夫を亡くした母親が集いあって結成された慈悲深き団体であることから、現代の課題である不登校やいじめなどの諸問題を抱えている児童・生徒を長い間見守ってきたとのこと。
その想いが強く継承されているからこそ、本事業に関わる方々が真剣に学習支援に取り組んでいるのだと感じました。
今後は、国の補助制度の拡充要請や行政区分の部局間連携を図ることで、より一層の事業拡充と市町へのアプローチを進めていくとのことでした。



