平成29年度 大田区予算特別委員会 款別質疑【土木費】
大田区が推進している臨海部海辺の散策路事業に関連し、多摩川のたまリバー50キロとの一体整備についてなどお伺いいたします。
おおた未来プラン10年(後期)において、潤いと安らぎのあるまちづくりの現状と課題として、誰もが水と緑に親しめる環境を整えるため、区の特色である水辺を活かし、多摩川・呑川・内(うち)川・空港臨海部が連なる骨太なみどりづくりを推進する必要があり、大田区への来訪者に対するおもてなしにも繋がる施策ととらえ、「国際都市おおた」の実現に向けた取り組みの重要性が記されています。
海老取川から平和島運河周辺などにかけての臨海部散策路の整備において、平成28年度予算では公共溝渠の整備などで3億7,000万円余、平成29年度予算では2億900万円余が計上されており、本区が推進する海辺の散策路整備が、東京都との連携で着実に進捗している様子を伺うことができます。
①初めに、この事業の進捗状況及び、今後の事業計画についてお伺いいたします。
答弁:都市基盤計画調整担当課長
海辺の散策路整備は、大森ふるさとの浜辺公園から羽田朝日町までの約4㎞を優先的な区間として整備を進めているところでございます。
これまで、大森東地区で約200ⅿ、大森南四丁目で約380ⅿ、羽田旭町で約200ⅿ、そして大森南五丁目にて約600ⅿを整備しました。すでに完成していた大森ふるさとの浜辺公園から大森東避難橋の区間約1㎞を加えますと、合計で約2.5㎞となり、約6割が完成しているところでございます。
平成28年度は、東京都港湾局が行う防潮堤整備と併せて、貴船掘においては係留施設や埋め立て等整備を進め、南前堀では旭橋付近までの約3,000㎡の埋め立て整備を行っております。
臨海部における水とみどりの拠点を結ぶネットワークの形成に向けて、東京都等との協議を進めながら早期完成を目指して今後も引き続き整備を進めてまいります。
新年度以降も是非、東京都と連携をしながら積極的に進めていただきたいと思います。
大田区を流れる多摩川は、私の住まいからすぐに位置することもあり子供のころからよく遊びに出かけた場所であり、現在でも時間を見つけてはウォーキングをしてみたり、少年野球で汗を流す選手たちの応援をしてみたりと非常に身近な場所であります。
今後の臨海部の散策路整備が進む先に、平和島運河周辺から空港跡地を経由して、多摩川下流域から調布地域のある上流域、更には羽村市までを結ぶたまリバー50キロの一体的な導線の構築を強く願うものであります。
しかし、以前、自民党の高山議員や渡司議員も議会でご質問されているように、舗装路の幅の関係で人と自転車との交錯が危惧される箇所が多々あることも課題の一つであると思います。
これは、たまリバー50キロにおける自転車走行のコースマナーの一つに、「自転車が係わる接触事故が多発していますので、十分にご注意ください」とあることでも明らかです。大田区においても、例えば仲六郷四丁目ゴルフ練習場周辺のように急激に狭くなる場所など、検討・構造変更が必要と思われる場所も少なくありません。
また、たまリバー50キロのコース図を見ると下流域の最終は大師橋で、そこから産業道路を経由して大鳥居駅で終了となっております。幾つかの課題はあるにせよ、臨海部の散策路整備の延長線上に、大師橋から五十間鼻、そして「新産業創造・発信拠点」と位置付ける空港跡地への誘導も検討していく必要があると思います。
②そこで、この臨海部の散策路整備事業の関連で、たまリバー50キロ整備についての本区の考えをお伺いいたします。
答弁:都市基盤管理課長
区といたしましては、多摩川沿いのたまリバーから臨海部の海辺の散策路を結ぶ親水性のある散策路を一体的に結び、多くの区民にご利用いただけるよう整備を進めているところです。
特に、多摩川では、西六郷や南六郷、本羽田付近の完成路線におきましては、ランニングやウォーキング、サイクリングなどの区民の健康や体力維持に有効な空間となっているだけでなく、都市の貴重な潤い空間ともなっています。
しかし、現状の未整備区間につきましては、部分的に散策路が狭隘なことなど、様々な課題があることから河川管理者である京浜河川事務所による堤防の耐震化工事に併せて散策路を整備するなど、河川管理者と連携して進めてまいりたいと考えております。
この区間にある羽田レンガ堤(づつみ)は大田区の文化財であり、この度観光課で作成された「羽田空港周辺で楽しむ3時間」でも紹介されていることから、区民のみならず多くの方々に楽しんでいただけるよう検討願います。
次に多摩川堤防の護岸工事についてお伺いいたします。
多摩川の源は関東山地南部に位置する2,000m級の山々にあり、そこから一気に総延長138kmを流れ下る急勾配の川で、洪水時の流れが強く、その強い流れとともに多くの砂利が混ざって流れてくるために河岸が削られやすく、古くから「あばれ川」との別名が付けられるほど水域は洪水被害にさらされてきた地域でありました。
半面、運ばれてくる土砂によって構築された肥沃な堆積層は様々な作物を育て、明治・大正時代の大田区や川崎区内には梨畑が広がり、俳人・正岡子規はその風景を見て『多摩川を 汽車で通るや 梨の花』と詠んだと記録されています。
こうした背景を持つ大田区では、洪水対策・高潮対策のための堤防改修工事を重ねてきた歴史があり、近年では平成23年の東日本大震災以降に大師橋から六郷橋までの堤防の護岸工事が進められてきました。また、昨年12月の都市整備委員会で報告のあった通り、本年1月からは多摩川田園調布南上(かみ)の護岸工事が着工となっています。
さて、大田区の最南端に位置する仲六郷四丁目地域は、既に大規模改修工事が完了していた西六郷地域と、昨今工事が完了した東六郷地域の間にあり、かつ京浜急行とJRの鉄橋に挟まれた地域で、未だ護岸工事の計画が明らかにされていない状況と聞きます。
③そこで、この地域の護岸工事について、現時における京浜河川事務所との協議の状況をお伺いいたします。
答弁:都市基盤課長
国土交通省京浜河川事務所による護岸工事につきましては、大師橋から東六郷3丁目にかけて整備が完了し、引き続き、今年度は田園調布南地域の整備に着手したところです。また、上流側の西六郷地域におきましても整備が完了しております。
委員お話しの仲六郷四丁目地域につきましては、JR線や京浜急行線の橋桁が堤防上を通っており、工事にあたっては鉄道を通しながら整備していくこととなります。このため、整備にあたっては、鉄道の運行に支障がないよう鉄道事業者と協議を行っていく必要があります。
このようなことから、京浜河川事務所より、今後、鉄道事業者と協議を行い、事業を計画的に進めていきたいとの説明を受けているところです。大田区といたしましては、引き続き耐震護岸整備の必要性を強く河川管理者である京浜河川事務所に伝えてまいります。
さらに、この工事内容について、
④連合町会や地元住民への情報共有をどのように行っているかお知らせ願います。
答弁:都市基盤管理課長
連合町会や地元住民への情報共有については、平成27年9月に起きました関東・東北豪雨災害を受け、地域住民を含めて共同で現地を確認する共同点検を平成27年10月に実施しております。その後、京浜河川事務所より地域関係町会長に対し、護岸工事に関する事項について説明いたしました。
また、この間の新規に堤防の工事を実施する場合におきましては、関係地域において大田区も出席の上、事業者である京浜河川事務所が関係町会長会議での工事説明会を行い、その上で住民説明会を開催し、必要な情報共有を行っています。区といたしましても、京浜河川事務所に対し、地域に影響の大きい堤防工事の際には地域への情報共有について丁寧に行っていくよう要請してまいります。
堤防に関連して、河川敷へ不法に投棄された大量のゴミについて一言申し述べます。
私は平成24年第4回定例会の一般質問で、六郷地域における不法投棄ゴミの問題を取り上げ、大田区が日常的に行っている地域内パトロールをはじめ、警察や都道、国道の管理所管と連携をとり不法投棄対策を進めて下さっている状況もありますが、不法投棄は法で定めた犯罪であるとの観点から、防犯カメラ設置など一歩進んだ取り組みを検討するべきと主張させていただきました。
所管が異なるため質問は致しませんが、更なる対策の強化を要望させていただきます。
次に、この堤防にかかる階段の手摺りについてお伺いいたします。
これまで、六郷地域にお住まいの方々から種々お話しをいただいている中で、「多摩川堤防にかかる階段に、何故手摺りが付いているところと付いていないところがあるのか?」「河川敷を歩きたいが、階段を下りる時に手摺りが無いため怖い」など幾つかありました。
また、昨年末には、日中、階段に腰を下ろし一休みした後に立ち上がろうとした高齢者がよろめき、転倒して軽いけがをした事例をお聞きしました。
特に、毎年8月に行われる「花火の祭典」の会場となっている西六郷の多摩川緑地では、堤防を境に内陸部は手摺りが整備されているにも関わらず、河川敷側には未設置となっている場所も幾つか存在します。区内外から大勢の来場者を受け入れる場所でありますので、花火の祭典開催の時は仮設対応されていますが、多くの区民が健康増進のために利用されている日常を鑑みると、堤防の手摺りの整備は重要であると考えます。
⑤まず、多摩川はこれまで様々な洪水被害にさらされてきた地域であることは先ほど述べましたが、実際に近年、2001年及び2002年の大型台風による大規模増水によって被った多摩川河川敷の被害状況、及び区の対応などについてお伺いいたします。
答弁:都市基盤管理課長
2001年では、多摩川河川敷の完遂被害は『台風15号』により1回ございます。この台風により多摩川の水位が上昇し「多摩川洪水警報」が発令されております。区の水防態勢といたしましては、「水防一次態勢」となり区職員125名を動員して水防対応しております。
多摩川河川敷の被害状況としましては、「サッカー場3面」、「野球場13面」、「テニスコート19面」、「広場等」が冠水被害を受けております。
2002年では、『台風21号』により1回ございます。この台風により多摩川の水位が上昇し、「多摩川洪水警報」が発令されました。区の水防態勢といたしましては「水防一次態勢」となり、区職員147名を動員して水防対応しております。
多摩川河川敷の被害状況としましては、「硬式野球場2面」、「軟式野球場2面」、「サッカー場3面」、「野球場15面」、「テニスコート10面」、「広場2か所」が冠水被害を受けております。
以上のように、多摩川河川敷の運動場施設に多くの被害がございました。
堤防や河川敷への構造物の設置は、ただ今ご答弁いただいた集中豪雨などによる河川増水時に、漂流物が構造物に纏わりつく事により二次的被害が発生することが想定されるため、その設置許可については大変厳しいとお聞きしています。
河川法第26条には、「河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。」と定められており、 ガードレールや手摺りの設置(既設工作物への添加を含む)や撤去についてはこの工作物の新築等に該当するため河川管理者との協議が必要となります。
現状、護岸工事が完了している堤防にかかる階段やスロープには、強固な造りの2段手摺りが設置されておりますが、こうした構造物は、河川増水時における二次的被害を最小限に抑える構造になっていることと思われます。
⑥こうした状況を踏まえ、今後、河川敷や多摩川緑地の安全環境の整備、特にこうした階段手摺りの整備等について、大田区としての見解をお伺いいたします。
答弁:都市基盤管理課長
多摩川河川敷は、日常から多くの利用者がいるだけでなく、災害時には広域避難場所として指定されているなど、区民だれもが利用しやすい施設にしていくことが求められています。
現状におきましては、全てのスロープや階段に手摺りが設置されていない状況となっています。特に、川表側は手摺りが設置されていない箇所が多く存在します。これは委員お話しのように、河川管理者の判断により河川の流水阻害が懸念されることから設置が控えられていたものです。
現 在は、高さ1ⅿ程度の手摺りなどの施設については、出水時に撤去できる構造とし、治水上の影響が少ないとの判断ができる場合については、設置が可能となっています。このような状況から、区といたしましては区が管理している未設置個所について京浜河川事務所の判断のもと、手摺りの設置が可能かどうか相談し進めてまいります。
これから整備が進む臨海部の散策路から多摩川上流域までの良好な環境づくりに、今後も鋭意取り組んでいただけますようお願いいたします。
次に、京浜急行連続立体交差事業に関連して、交通環境の改善に資する取り組みについて確認させていただきます。
この事業は、鉄道の高架化によって、慢性的な交通渋滞等の要因となっていた28か所の踏切を取り払うと共に、高架下空間を自転車駐車場などの施設用地としての有効活用や各駅のバリアフリー化の促進、また沿線地域の住環境整備を促進するもので、平成28年度をもって、自転車駐車場や防災設備の設置など一部の付帯工事を除き事業が完了いたします。
この連続立体交差事業の進捗に合わせ関連側道の整備も進み、新たな交通ネットワークの構築に伴い周辺住民の生活導線も変化していきました。しかし、快適性が押し出された反面、自動車・自転車・歩行者の交錯が各地の交差道路で見られるようになり、不安の声が少なからず寄せられている状況であります。
平成28年度都市基盤整備部事業概要には、大田区内における自転車事故の推移が示されており、これによると平成23年の事故件数1,120件、平成24年928件、平成25年759件、平成26年649件、平成27年は503件となっており、区内の自転車事故件数は減少しているように読み取れますが、一方で、こうした報告に上がらない事故や、ヒヤリハットの事例などを考慮すると、まだまだ事故対策を促進していく必要があると考えます。
先日も地域の方から、「大田区立仲六郷小学校横の交差道路の横断時に危険を感じる」とのご意見をいただき、早速、地域基盤整備課につないだところ早々に安全対策を施していただきました。有難うございました。
このような、自動車や自転車などの錯そうが日常的に見受けられる場所では、例えば、南蒲田地域では小学校の登下校の時間帯に合わせて、地元町会の方々が自主的に安全誘導を行って下さっている場所もございます。
⑦このような現状について、地域からはどのような声が挙げられているか。また、その声に対する区の対応や警察との協議の状況についてお伺いいたします。
答弁:地域基盤整備第二課長
京浜急行電鉄の連続立体化事業に際し、新たに開通した関連側道は、多くの自転車や歩行者が利用する一方、在来の区道と交差する箇所において、新たに交通が交錯する箇所が発生しているところがあります。
仲六郷地域においえは、特に地域から信号機の設置等の具体的なご要望はいただいておりません。
関連側道の整備にあたっては、計画時より交通管理者である警察と十分に協議を行い、各交差点において横断歩道の新設やカラー舗装による交差点の明示、さらには自発光式の交差点中心鋲(びょう)を設置するなどの対策を行ってまいりました。
さらに今年度は、関連側道に自転車ナビマーク、ナビサインを設置しました。
委員お話しの仲六郷小学校そばの交差点につきましては、信号機の設置を地域の声として所轄警察署に伝えてまいります。
今後も、地域の道路環境を整備するため地域の皆さまのお声をお聞きしながら、関係機関と連携・協力し、更なる交通安全対策を実施してまいります。
昨年10月7日、私たち大田区議会公明党は「平成29年度予算要望書」を松原大田区長あてに提出させていただきました。その中でも、都市基盤整備部所管の項目において、1、多摩川の土手沿い、本羽田3丁目公園から五十間鼻の間にトイレを設置すること。1、多摩川土手のサイクリング道路整備。1、多摩川河川敷手摺り未設置階段に手摺りの設置をすること。など区民の声を要望させていただいております。
大田区におかれましては、是非ご検討のうえ積極的にお取組みいただくことを要望し、質問を終わらせていただきます。

