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 土木費に関連して、大田区内における街路樹や公園樹木の保全・管理について伺います。

               

 大田区は都内でも誇れる多くの緑を有し、住民に憩いと安らぎを与えるとともに、文化や観光、都市形成・環境など様々な観点において大きく影響を与えています。一方で、自然環境の変化や経年、病気によって腐朽していく樹木については、管理責任者のもとで十分な手入れを施し保全に努めているものも多く存在します。

 その一つに、洗足池公園の桜が挙げられます。この洗足池公園の桜の保全に関してはこれまで多くの議員も関わられ、行政担当と一緒になって取り組まれてこられたことは言うまでもありません。園内には、この桜の保全活動の報告について幾つかの看板が設置されており、「洗足池公園のサクラの保全・更新について」と題した看板の冒頭には、『洗足池公園の桜(主にソメイヨシノ)は、古いもので樹齢90年程度になっています。ソメイヨシノの寿命は一般に60年から80年程度と言われてきました。現実に洗足池公園の桜も20年位前から倒木や幹折れ・枝折れが見られるようになりました。また事前に伐採しなければならない状態が判り、伐採してきたものもあります。』と書かれています。

 続けて腐朽の原因や新たな若木の植え付けなどの状況が記された後、現在、保護・保全については試行錯誤で進めているとの記述で締めくくられておりました。

                     

問①現在も都市基盤整備部の所管で、この洗足池公園の桜の保全について取り組まれていることと存じますが、専門家や地域住民との連携なども含めて現在の活動状況についてお伺いいたします。

                 

答)調布地域基盤整備担当

 日本人は、桜に対して特別な思いを抱いている方々が多くおられます。しかし、洗足池公園の桜は古木となり、腐朽が進行しているものも多くあり、樹木の健全度状況を調査したうえで伐採や強剪定の作業を実施しなければならないと判断し、平成21年度に洗足池公園サクラ樹木診断調査を行いました。

 診断結果に基づき安全対策としての伐採、剪定、控木取付を行い、保全・更新として、土壌改良、害虫対策、施肥、樹勢回復のための剪定作業、更新木の植栽を行ってまいりました。

 さらに、桜の保護に詳しい「公益財団法人 日本花の会」及び公園維持作業受託業者の樹木医の指導、助言を受けながら進めています。

 また、地域の中では、千束地区の地域力推進会議の下部組織として「洗足池公園を保全する分科会」を平成24年3月に設置し、区からの取り組みを報告するとともに意見交換をするなど、現在まで継続課題として進めております。

                      

 本年3月に見直された「大田区緑の基本計画グリーンプランおおた」では、平成11年に策定された「大田区緑の基本計画」から推進している区内の緑化施策の進捗や、総合的な都市基盤の整備との連携が数多く盛り込まれており、その中でも、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据え「みどりあふれる地球にやさしいおもてなしのまちづくり」を目指す取り組みは大いに期待をするところであります。

 この中の「楽しみをつくるみどり」の項でお示しの今後の課題では、“区民の円滑な移動ルートの確保、地域活動を支える公園整備”や、“桜、梅の名所の維持更新、再生整備”が挙げられているように、区民や来訪者の安全確保の観点からも公園樹木や街路樹の保全は大切な取り組みと考えます。

 しかし、定期的に保全に取り組んでいても、高樹齢ゆえの腐朽や昨今の気象状況によって区内でも倒木や枝折れが現実に発生していると認識しております。

 この倒木事故について、例えば国立市では市道富士見台第6号線、通称さくら通りに凡そ180本のソメイヨシノが植樹されており、JR国立駅から延びる大学通りと共に桜の名所として市内・外の方々に親しまれていますが、樹齢50年を超えたソメイヨシノは倒木や傾きが発生するようになり、国立市では2011年以降、桜が原因とされる事故が計3回発生し、約630万円の賠償金を支払っています。このため国立市は、桜の半数程度を伐採して別の種類の桜に植え替える計画をたて、2014年1月、樹木医が不健全と判定した木など15本を伐採しました。現在は、市民団体や市内の小中学校の児童生徒などと継続して保全活動を進めているとのことです。

 また、平成26年3月、広島県三原市の芸術文化センターでの倒木事故は、敷地内にあった樹齢約40年のポプラの木が根元から倒れ、歩行中の女性二人に直撃し、一人が死亡しもう一人は肋骨を折る重傷を負いました。その後の調査によると、このポプラの根元には土が40~80㎝程度盛られていたため「深植え」と呼ばれる酸欠状態にあり、かつ、周辺がコンクリートで覆われていたことで根の深い部分が腐朽していたことが原因であることが判明しました。

 これらは一例ですが、このような各地での事象を鑑み、大田区においても公園樹木や街路樹の保全方法や管理体制についてより深く検討していく必要があるのではないかと考えます。

                

問②そこで、本区において過去5年間で発生した腐朽や気象が原因とみられる倒木・枝折れの件数、さらに、その事象によって人的・物的な損害の発生の有無についてお伺いいたします。 

                  

答)地域基盤整備第二課長

 公園や街路樹の倒木や枝折れは、主に台風等の風雨、大雪によって発生しております。近年では、平成2324年度に台風等の風雨により50本を超える倒木・半倒木が発生し、最近では、平成26年度の大雪により約30本の倒木が発生しましたが、その年の気象条件に大きく左右されています。

 樹木を原因とした人的・物的な損害については、近年では2件の車両損傷が発生しております。

 平成23年度に台風の強風により洗足池公園において、また、平成25年度には萩中公園において、樹木の枝が落下し、車両のボンネット、フロントガラスを損傷しました。

 幸いにも人的被害は発生しませんでしたが、一歩間違えれば、人に当たっていたことも考えられるため、今後も健全な樹木の育成に努めると共に、事故の未然防止に努めてまいります。 

              

 街路樹の健全な育成を促進し、かつ倒木や枝折れなどによる事故を未然に防ぐため、東京都では平成7年より街路樹診断を行っています。

 東京都建設局公園緑地部取りまとめの「平成26年度街路樹診断マニュアル」には、都道における街路樹診断の種類や方法、管理基準、作業工程などが記載されているほか、精密診断を「腐朽診断」と「根株診断」の2本立てにし、これに伴い様々な専門機器による診断方法を取り入れています。

 この精密診断によって得られた結果を健全度A、B1、B2、Cの4段階に分類し、幹内の腐朽率が50%を超える不健全な樹木については伐採・撤去とする基準を設けています。

 この幹内の腐朽率を測定する計測機器について、当該マニュアルには数種類の機器を紹介しています。私は今年5月、このうちの一つの計測機器を開発している企業の研究所を訪問し、担当者から縷々お話しを伺ってまいりました。

 樹木の幹内の腐朽具合を測定する一般的な調査にはレジストグラフという手法が用いられ、これは、約3.0mmのキリを2~4か所貫入させ、その抵抗値によって腐朽率を算出します。この方法では樹皮や木部に傷がつくとともに、後処置が不完全な場合、そこから腐朽が起こってしまうデメリットがあるとのこと。一方で、今回お話しを伺った計測機器は、900Hzの電磁波を照射する測定器を樹木の表面にあてがい、一定の速度で幹を周回することで反射速度から腐朽率を算出する測定方法により、非破壊・短時間での調査が可能との事でした。

 今後、大田区では、東京オリンピック・パラリンピックを契機に多くの観光客集客に資する施策を推進していく中で、例えば先述の洗足池公園や馬込の桜並木・多摩川台公園、そして六郷橋付近の桜など桜の名所の他、おおたの名木選など多くの緑の名所をポイントにした回遊ルートを設定していると思います。 

                  

問③こうした名所にある樹木について、想定外の事故を未然に防止するために定期的に腐朽具合の診断を行い、古木の保全・管理をする取り組みも必要となってくるのではないかと考えますが区の見解をお伺いいたします。

                

答)地域基盤整備第二課長

 区内の公園緑地や街路樹においては、業務委託により日常的に点検を行っております。枝折れ等は早急に対応すると共に、樹勢の良くない樹木については、専門業者による点検を行い、必要な場合は樹木医等による精密診断を行っております。

 今後、区内の名所のうち、特に馬込の桜並木、桜坂など、車や人通りの多いところにおいては、定期点検を実施すると共に、必要な場合は精密診断を実施することも検討してまいります。

 また、区職員の“樹木を見る目”を養うため、今年度「樹木点検員養成研修」を秋に予定しおります。

 職員はもちろん、委託業者や造園協会とも連携して、事故の未然防止に努めると共に、より魅力を感じられる緑づくりに努めてまいります。

                        

 おおた未来プラン10年で掲げる区の将来像である「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた」を具現化していくため、様々な社会構造の変化や技術革新、景気動向をしっかりと捉え区政発展に資する施策の推進をお願いいたします。

                      

以上で質問を終了いたします。

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