次に、大田区における防災関連についてお伺いさせていただきます。
本年1月10日、私は東京都都市整備局主催の『平成25年度 震災復興シンポジウム』に参加いたしました。このシンポジウムでは、東日本大震災の発生や首都直下型地震の切迫性を踏まえ、東京の弱点でもある木密地域の改善を図るための「木密地域不燃化10年プロジェクト」の取り組みについての報告や、阪神淡路大震災を契機とした防災まちづくりの必要性などについての基調講演が行われました。
東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」では、今後10年間の集中的・重点的な取り組みによって“燃え広がらない・燃えないまち”の整備・構築を進めており、シンポジウムのなかでは、延焼遮断帯として有効な都市計画道路の整備や、不燃化特区制度の拡充、また、都と区の連携による整備事業の促進などについて報告されていました。
大田区では、平成23年10月に大森中地区(西糀谷・東蒲田・大森中)において防災街区整備地区計画を施行し、平成24年4月から地区防災道路沿道建物の不燃化建替え事業を開始。さらに同地区において、平成25年4月に東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」による不燃化推進特定整備地区、いわゆる不燃化特区の指定を受け、平成32年度までのスケジュールで不燃化整備事業を推進しているところであります。
①初めに、大田区が進める「不燃化まちづくり助成事業」(壁面後退・戸建て建替え・専門家派遣支援・不燃化特区支援税制)の進捗状況、さらに事業を加速させるための今後の取り組みについてお伺いいたします。
⇒大田区では、燃えない燃え広がらないまちづくりを目指し、国や東京都の事業を活用しながら、防災都市づくり推進計画で指定された重点整備地区・整備地域を対象に不燃化に向けた取組を優先的に進めているところであります。
不燃化特区の指定を受けた重点整備地域の大森中地区では、昨年6月から不燃化まちづくり助成事業を開始し、これまでの進捗状況は、戸建て建替え助成が9件、壁面後退奨励金が4件となっております。
これまで、自治会・町会のご協力を頂きながら、事業周知に努め、今年度は、東京都主催による地域密着型集会を地区の防災まちづくりの会の方々とも連携しながら実施する予定など、防災まちづくりへの気運も醸成されてきております。
また、今年度は、整備地区の羽田地区と東馬込二丁目の一部を計画区域とする補助29号線沿道地区の2地区について、6月に不燃化特区の指定申請を行いました。現在、都と協議を進めながら整備プログラムの策定を進め、来年度からの事業開始に向けて取り組んでいるところであります。
今後も、自治会・町会、地域の防災まちづくりの会と連携しながら事業の周知・推進に努めてまいります。
大規模な自然災害を想定し、都や区といった大きな括りで様々な視点から防災まちづくりを進めていく必要性もありますが、一方で、個々の世帯においても災害への備えをする必要もあります。
自然災害とは視点が違いますが、個々の世帯の防火・防災の取り組みの一つとして家庭用消火器や住宅用火災警報器の設置があげられます。
この住宅用火災警報器は、まず、新築住宅に対して平成18年6月1日から設置が義務化され、次いで平成22年4月1日からは東京消防庁管内の全ての住宅に対して設置が義務化されました。現在大田区では、家庭用消火器・住宅用火災警報器ともに大田区防災設備協力会並びに大田区商店街連合会を経由してあっせん販売を行っています。こうした取り組みは、まず、住宅火災を未然に防ぐためにも大変重要であると思います。
②そこで、設置義務化となり4年が経過したこの住宅用火災警報器の区内にける普及状況や、設置に対する区民意識の向上を促す広報・PR策について、区の取り組みを伺います。
⇒議員ご指摘のとおり住宅用火災警報器は、出火防止や火災による被害を最小限に抑えることを目的とし、持ち家の方や、借家の家主の方などを対象として、大田区商店街連合会、大田区防災設備協力会の協力により年間を通じて、あっせん販売を実施しております。平成21年度から5年間で熱感知・煙感知併せて約3,700個のあっせん実績があります。
普及率につきましては、東京消防庁の世論調査によりますと、約80%の住宅に1個以上、設置されています。
しかし、必要な箇所は全てに設置しているとする住宅は約60%にとどまっていることから、今後とも区報、ホームページ、自治会・町会への回覧などの機会に展示等を行うことを通して、広く区民の皆様に住宅用火災警報器の重要性を訴えてまいります。
個々の世帯においても、益々、防火・防災の備えの充実、意識向上を図りながら、地域力を活かした災害に強いまちづくりをさらに進めていくことが重要です。
さて、明年は平成7年に発災した『阪神淡路大震災』から20年となります。この大震災を契機に、日本の建築基準や耐震基準などの制度的な問題や、まちづくりの考え方、様々な防火・防災対策、地域力、ボランティア体制、復旧・復興策など、それまでの取り組みが大幅に見直されることとなりました。
その一つに、電気火災に対する対策の必要性が挙げられています。阪神淡路大震災の記録によると、被災地全体での火災285件に対し電気火災が85件発生していて全体の29.8%を占めています。このうち、電気用品、移動可能な電熱器、ストーブやコンロなどが発火源となった火災は56件あったとあります。
この電気火災について、現在懸念されている首都直下型地震に対する中央防災会議が取りまとめた被害想定によると、冬の夕方という非常に厳しい条件では約7,000名が電気火災で犠牲になると想定されています。
こうした被害想定のもと、経済産業省所管の産業構造審議会・保安分科会ではこの電気火災防止対策の重要性を審議・取り纏めをし、四つの指針を打ち出しています。
1、事業者における復電手順の徹底・再確認
2、電力需要家に対する防災意識の高揚と適切な行動についての注意喚起
3、漏電ブレーカーや感震ブレーカー、スマートメーター等の活用の可能性の検討
4、機器面での対応の充実
…とあります。
この指針の中にある『感震ブレーカー』についてお伺いいたします。
③同分科会でも指針が打ち出され、総務省消防庁においても推奨されている感震ブレーカーについて、現在、大田区ではどのように認識をされているか見解をお伺いいたします。
⇒首都直下地震による東京都の被害想定は、大田区における死者数は1,073人とされ、そのうち火災による死者が6割と想定されています。そのため、火災を1件でも減らすことが重要になると考えています。
消防庁の調査によると阪神・淡路大震災では、原因が特定されている火災のうち、電気に起因する火災が6割を占めております。このことから、「大田区地域防災計画(平成25年修正)」の中に、「避難などにより家を空ける場合には、電気のブレーカーを落とすことが重要であり、感震ブレーカーを活用することが効果的である」ことを明記したところでございます。
一方、地震発生時に家庭内の全ての電気を遮断するものについては、人工呼吸器を使っている場合に電源供給がとまってしまうことや、夜間であれば室内の照明が消え、避難の妨げになることなどがしてきされています。
そうしたことから、感震ブレーカーの有効性と電気が遮断された際の影響を広く周知したうえで積極的に設置を促してまいります。
この感震ブレーカーは様々なメディアでも取り上げられており、昨年12月のNHKでは北区上十条の町会での普及を取り上げ報道されていました。また、横浜市では本年7月1日から明年1月31日までの期間限定で『感震ブレーカー等設置推進事業補助金』を創設し、市が地震火災対策を重点的に進める木造住宅密集地域での居住者を対象に、先着200件として支給をスタートしています。
こうした状況を鑑み、大田区における木造家屋密集地域の防火・防災対策として、この感震ブレーカーについて何らかの検討を始めて行く必要があるのではないかと思います。そこには消防はもちろんのこと、製造メーカーや技術者また他自治体の動向なども見据えながら、より、大田区にとって有効的な施策の確立を進めて頂きたいと思います。
④その上で、区民への啓発活動・周知を進めていくとともに、今後、例えば家庭用消火器や住宅用火災警報器と同様にあっせん販売に取り組むべきと思いますが、区の見解をお伺いいたします。
⇒感震ブレーカーの活用は、大田区全体にとって、電気火災を発生させない効果が期待できると考えています。
現在市販されている主な感震ブレーカーは、分電盤タイプ・コンセントタイプ・おもり玉を活用したものなどがあり、設置工事の必要性や価格の多募など種類も様々あります。
区民の皆様がさほど負担感なく設置できるように最適な製品を検討し、あっせん販売に取り入れるよう大田区商店街連合会・大田区防災設備協力会に強く働きかけてまいります。
縷々述べました自助・共助・公助という一連の防災対策の一方で、抜本的な対策を必要とする懸案事項の一つに、区内の『空き家対策』が挙げられると思います。
第一回定例会の閉会挨拶で、区長は空き家対策の必要性に言及され、対策の検討のスピードアップを図る必要があると認識されました。
空き家率は年々増加しているとの新聞報道もあります。
地域に多くの空き家が存在することは、防災の面から見ても好ましいことではありません。空き家は、その管理をする所有者が近くに住んでいない場合や、相続等で権利関係が複雑なため対応に苦慮しているなどの話を聞きます。
適切な管理がなされていない場合は、樹木の繁茂や建物の老朽化を招いたり、懸念されている首都直下地震や火災の発生など、災害に強いまちづくりの視点からも、空き家を減らしていくことが重要だと考えます。
空き家を利活用によって減らすことが出来れば、防災上、安全なまちづくりにつながります。例えば、空き家を高齢者のふれあいサロン、待機児童解消策などへの活用や、各種団体・NPO等が有効的に活用することが可能となれば、地域力を活かしたまちづくりにもつながるものと考えます。
こうした中で、今定例会の補正予算案に「空き家等地域貢献活用事業」が上程され、今年度中に事業に着手される運びになったことは、誠に喜ばしいことと考えております。
⑤今定例会の補正予算案に「空き家等地域貢献活用事業」として681万2千円が計上されていますが、この事業はどのように実施されるのか、その概要についてお伺いいたします。
⇒ご指摘のとおり、空き家の利活用は公益面、地域貢献だけでなく、防災面からも重要だと考えている。
事業の概要では、本庁舎に「空き家活用相談窓口」を設置し、空き家の所有者や不動産業界団体、自治会・町会、事業者やNPOなどに対して周知や働きかけを行います。所有者からの情報があれば住宅を調査し、希望を聞き、どのような目的に使用可能かを検討します。また、事業者あyNPOなどからも使う側の要望を聞きます。区の関係部局とも情報交換をし、公益目的で使用する場合の条件も把握します。
次に、住宅の情報と使用する側の条件が合致する可能性がある場合は、双方で協議する場を設け、合意に結びつけたいと考えています。なおこの事業は、本年12月から業務できるよう準備を進めています。
空き家の活用は、可能性のある中で幅広い用途で対応することが、所有者との合意形成をするうえで重要だと考えます。今回の補正予算では、住宅課が予算を挙げておりますが、福祉事業や子育て事業などに活用する場合などの幅広い用途について対応するため、住宅課だけで事業を行うのではなく、関係部局との連携が非常に重要であると考えます。
⑥区はこの事業を実施するにあたって、庁内の連携体制をどのように進めるのか、見解をお伺いいたします。
⇒この事業を効果的に実施し成果を上げるためには、庁内各部局が連携して事業をすすめる必要があると考えます。
空き家を区が直接活用する場合だけでなく、事業者やNPOなどが公益目的等で活用する場合にも、関係部局の支援が必要と考えています。
このため、住宅課を中心に計画財政課など関係各課との情報共有・連絡・調整を図るための庁内会議を開催し、具体的な活用について検討を進めていきます。
以上、①「区内情報の有効的な集積・発信について」、②「区内の文化資源の活用について」、③「防災関連について」の三つの項目について質問をさせていただきました。大田区基本構想に掲げる『地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市おおた』の将来像を実現してゆくため、あらゆる知恵を集約し、価値的な行政運営に臨まれることをご期待申し上げ、大田区議会公明党 田村英樹の質問を終わります。
以上
