予算特別委員会「総務費」質疑②~東松島市との交流
平成31年予算特別委員会、審査第1日の3/4(月)の款別質疑「総務費」は、20分を超える長い質疑となりした。3回に分けて掲載いたします。
以下のとおり総務費質疑②の内容を掲載いたします。
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(質問③)
東日本大震災後、大田区からの現地支援のボランティアによる市民交流から大きく発展して築かれた東松島市との友好都市関係ですが、この8年を振り返りまして、どのような交流がありましたでしょうか。
また、絆音楽祭などの市民・区民レベルの活動が現在も続いておりますが、このような動きに区はどのようなことを期待していますでしょうか。お聞かせください。
(回答③:文化振興課長)
東松島市とは、被災地支援をきっかけに災害時相互応援協定を締結し、以降、述べ1万2千6百人を超えるボランティアが東松島市で復興支援をいたしました。
平成28年には、復興が一定程度進んできたことからボランティア派遣事業は終了となりましたが、東松島市との絆は、被災地支援から市民交流へと移行し、友好都市となりました。
これまでに、区の災害ボランティア育成を目的に18特別出張所単位で区民が現地へ赴く「防災塾」のほか、「OTAふれあいフェスタ」や蒲田西口駅前広場で実施している「ふれあいひろば」における物産展など毎年盛況に行われ相互の交流が続いております。
被災地支援ボランティアからのアイデアで始まった「絆音楽祭」は、まさに区民・市民レベルの交流として定着し、今後も、これまで築いてきた信頼関係をもとに、相互の交流と友好関係が深まるよう様々な分野での交流に取り組んでまいります。
写真アルバム「東日本&東松島市 復興支援・交流」
被災地支援ボランティアからのアイデアで始まった「絆音楽祭」ですが、2011年11月にボランティアの有志が、宮城県東松島市でいつも手にしていた「スコップ」を「ギター」に持ち替えて現地の人と一緒に歌を歌ったのをきっかけに翌月12月のクリスマス交流会では、ボランティア有志が合唱隊を組んで、現地の民謡である「斉太郎節」やクリスマスソングを合唱しました。
過去のブログ「第10次被災地支援ボランティア②東松島市新東名での“クリスマスランチ交流会”」
さらにこの「合唱隊」から発展し、東松島市の人たちを大田区に招いて音楽イベントを行なおうと、その思いと行動が多くの人を動かして、大震災の翌年、2012年の5月に第1回目の大田区&東松島市「絆」音楽祭が開催されました。
そして、毎年開催され、今年も第8回目の絆音楽祭が6月1日に開催されるとのことです。
実は、この大田区で開催されている絆音楽祭とは別に、東松島市内で開催されている「とっておきの音楽祭in東まつしま」という音楽祭に大田区のボランティア有志が参加をしています。
絆音楽祭が初めて開催された2012年の7月から毎年参加しており、今年の7月で8回目の参加となります。
写真アルバム「とっておきの音楽祭 in 東まつしま」
この「とっておきの音楽祭」<http://totteokino-ongakusai.jp/>は、障がいのある人もない人も一緒に音楽を楽しみ、音楽の力で「心のバリアフリー」を目指すものとして、2001年に仙台市で始まった音楽祭です。「みんなちがって みんないい」を合言葉に、心のバリアだけではなく建物のバリアも取り払うため、ステージは商店街や公園、ビルの前など、ほとんどが屋外で行われています。
東北の盛岡市、山形市、福島市をはじめ、群馬県、大阪府、兵庫県、熊本県、鹿児島県などに広がり、これまで20ケ所で開催され、全国に広がっています。東松島市での開催では、音楽を通じて心のバリアフリーを図るとともに地域の活性化と福祉の向上を目的としており、絆音楽祭を開催しているボランティアの有志は、この「とっておきの音楽祭」の影響も受けているようです。
これまでも東松島市の市民との交流を通じて、多くの方々に大田区へ足を運んでいただき、被災されて落ち込んでいるときに心のやすらぎを得るために着物の生地で「つるし雛」を作りはじめた高齢者の方や、当時小学生だった方に実際に体験されたことを語っていただいたりと、毎年その活動の幅も広がってきております。
写真アルバム「つるし雛」
今後も区民協働、防災の分野だけでなく「心のバリアフリー」といった福祉の分野にも活動の幅が広がっていくことが期待できますので、東松島市との友好関係を深めながら、また新たな分野での交流に積極的に取り組まれていかれることを要望しておきます。
昨年6月、東京2020オリンピックに向け、ブラジル男子ハンドボールチームが大田区で事前合宿を行い、大森スポーツセンターで国際親善試合が行われました。
私もこの国際親善試合を生で観戦させていただきましたが、大変に興奮いたしました。
(質問④)
このブラジルのハンドボールチームの合宿では、大田区内でどのような交流が行われましたでしょうか。
(回答④:東京オリンピック・パラリンピック推進担当課長)
昨年6月にブラジルのハンドボールの男子チームが大森スポーツセンターで合宿を行いました。
まず、区内での取り組みについてですが、期間中にブラジルチームと日本代表との国際親善試合を2試合行い、区民を無料で招待しました。
試合後に、区内の中学・高校のハンドボール部の生徒たちに直接の実技講習を行ってもらいました。
また、区内の4つの小・中学校に選手たちが訪問し、一緒にハンドボールをしたり、ゲームをしたり、クラスの中で給食を食べるなどの交流を行いました。
(質問⑤)
また、その後に東松島市を訪問されていますが、これはどのような経緯で行くことになり、どのような交流が行われましたでしょうか。お聞かせください。
(回答⑤:東京オリンピック・パラリンピック推進担当課長)
東松島市を訪問することになった経緯ですが、ブラジル側からぜひ被災地を訪問したいとの要望を受け、友好都市である東松島市を紹介し訪問が実現しました。
東松島市では、震災復興伝承館を訪れたほか、震災後に建てられた宮野森小学校を訪問し、各クラスに入って給食を一緒に食べ、子どもたちがポルトガル語で挨拶したり、会話にチャレンジしていました。
その後は体育館で遊んだり、ハンドボールの練習やミニゲームなどを行ったほか、子どもたちからも和太鼓の演奏を披露するなど交流を深めました。
大田区でも東松島市でも同じように、子どもたちは、2メートル前後の身長の選手たちに驚きながらも、目を輝かせながら交流を楽しんでいました。このような異文化に触れる体験、世界の一流選手との交流は、オリンピック・ パラリンピックならではの取り組みであり、大田区としても、今後ともそのような機会を提供してまいりたいと思います。
東京2020オリンピック・パラリンピックの聖火は、2020年3月12日に古代五輪発祥の地、ギリシャ・オリンピア遺跡で採火され、ギリシャ国内で8日間、聖火リレーを実施した後、アテネで日本側に引き継がれ、空輸で日本国内に運ばれてきます。
3月20日、この聖火が到着する場所は、東松島市の航空自衛隊「松島基地」に決まりました。
松島基地には、1964年東京五輪の開会式で空に五輪マークを描いた曲技飛行チーム「ブルーインパルス」が所属しており、東松島市の渥美市長はこの決定を受け、
「松島基地らしいお迎えのセレモニーをしてほしい。未来を担う市内の子どもたちに聖火が到着する感動のシーンを体験させたい」、「ブルーインパルスでお迎えし、五輪の輪を描くなど、他の地域ではできない素晴らしい歓迎セレモニーにしてほしい」と語られたとの報道がされております。
東京2020組織委員会が運営されているので、一自治体で決められるものではないかと思いますが、もしも、友好都市である東松島市から、「大田区も一緒に聖火のお迎えをしませんか」とのお誘いを受けた際には、未来を担う大田区の子どもたちに聖火が到着する感動のシーンを体験させてあげられるよう、お願いいたします。要望しておきます。
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「総務費」質疑③ に続く