一般質問①新型コロナウイルスに負けない大田区の力について(令和2年第2回定例会)
1.新型コロナウイルスに負けない大田区の力について
平成最後の2年前の夏は、誰もが忘れることのできない激しい暑さ。
また昨年の秋は、台風15号・19号による風水害。
そして、本年令和2年になって、現在も直面している新型コロナウイルスという未知なる脅威の全世界規模による感染拡大と、想像もできなかった猛威に振るわされています。
今回の新型コロナの脅威が続く中、フランスの作家・アルベール・カミュの代表作の一つである「ペスト」がよく読まれ、話題となっています。
フランスの植民地である北アフリカの港湾都市が伝染病ペストに襲われ、感染拡大、都市封鎖といった極限状態に陥ります。
カミュは、人間の置かれた理不尽な状況を「不条理」と呼び、この筋が通らず理解不能な「不条理」とどう向き合い、どう生きていけばよいのか、この「ペスト」の中で医師である主人公の言葉で、わたしたちに教えてくれています。
「毎日の仕事のなかにこそ、確実なものがある。その余のものは、とるに足らぬつながりと衝動に左右されているのであり、そんなものに足をとどめてはいられない。肝要なことは自分の職務をよく果すことだ。」
「病疫が現に目の前にある以上は、それと戦うためになすべきことをなさねばならぬ。」
「ペストと戦う唯一の方法は、誠実さ ということです。」
と。
このように語り、誠実に働く医師である主人公をはじめ、周囲のさまざまな職種・立場の人たちも協力し始め、異を唱えていた人までも手伝いを始め、助け合い、英雄ではない普通の人たちが自分の職務を果たしながら奮闘する姿が記録として描かれたものです。
例年続いている自然災害、今回の新型コロナといった困難な状況が続く中、大田区民の生命・財産・暮らしを守るために、本区は突き進んでいかねばなりませんが、大田区行政だけの力にも限界があり、地域社会や区民と力を合わせ、みなで支え合いながら乗り越えていくことが大事ではないかと思います。
そこでお伺いしますが、
(質問①1-1)
今回の新型コロナウイルス感染拡大やその脅威に立ち向かう中で、国際都市おおたの特徴として力を注いできた、町工場による技術や、商店街、地域力、多文化共生など、この状況を乗り越えていくために、それぞれどのような力が発揮されましたでしょうか。お聞かせください。
<回答①1-1:危機管理室長>
※写真クリックで、Youtube動画の答弁が見られます(20:44あたりから)
新型コロナウイルス感染拡大やその脅威に立ち向かう中で、国際都市おおたの力はどのように発揮されたのかについての質問ですが、新型コロナウイルス感染症による、未だ先の見えない不安の中ではありますが、脅威に立ち向かう様々な取り組みが見られました。
産業分野では、「ものづくりのまち」の強みを生かし、区内のものづくり企業が、飛沫防止パネル、フェイスガード、足踏み式消毒スタンドを製造するなど、新分野進出の可能性を期待させる取り組みが実現しております。
https://www.pio-ota.jp/news/2020/06/post-556.html
商店街については、飲食店の入客数が大幅に減少しましたがテイクアウトやデリバリーなど新たなサービスを開始した店舗が見られ、大田区商店街連合会では、こうしたテイクアウトやデリバリーを展開している店舗を募り、ホームページ等で広く周知する取り組みが見られたところです。
https://otakushoren.com/takeout_delivery/
また、多文化共生の取り組みでは、国際都市おおた大使にご協力いただき、新型コロナウイルスの影響に関する生活調査を行いました。
外国人区民の置かれている状況やニーズを的確に把握した上で、緊急事態宣言の下での多言語による広報や、SNSでの情報発信を行い、外国人区民への情報格差解消に努めました。
また、国際交流団体のみなさまには、区の新型コロナに関する情報を団体に関係する外国人区民のみなさまに広めていただくとともに、日本語を学習するみなさまには、自宅学習用としてオンラインサービスの情報提供を行うなど、新しい日常における日本語学習の環境づくりにもご尽力いただきました。
さらに地域力ですが、自治会・町会で予定されていた会議や事業などについて、自粛や規模を縮小するなど、感染拡大の防止に取り組んでいただいております。活動再開にあたっては、まずは地域の課題となっている地域防災力の向上や高齢者の見守り活動に優先的に取り組んでいただくなど、困難に立ち向かう力強さを感じております。
こうした感染を抑制するための地域の取り組みや区民一人ひとりの行動が結果として、緊急事態宣言の解除につながったものと思います。
区といたしましても、今後も引き続き、地域の力と共にこの状況を乗り越えていく覚悟です。