ICT教育の推進~「教育費」質疑
平成28年予算特別委員会 審査第6日の3/16(水)、款別質疑「教育費」におきまして、平成27年度のICT活用推進モデル校の設備の整備状況や活用例、さらに28年度の本格実施についての目標や取り組み計画など質問いたしました。
以下のとおり質疑の内容を掲載いたします。
※写真クリックで、Youtube動画が見れます!(10分22秒)
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大田区議会公明党の玉川英俊でございます。
本日3月16日、わたしの長男の高校の卒業式でございました。
(拍手)
区内の清水窪小学校、石川台中学校において、のびのびと恵まれた教育環境で育ち、私の母校でもある第一志望の高校に進み、早くも卒業となりました。
今から29年前の同じく3月16日、私自身の卒業式の日のことを思い出します。当時、卒業式の式典で私の右隣に座っていたのは、出席番号順で並んでいた田村英樹さんでした。
同僚議員である田村英樹議員です。
当時、隣同士並んでいた2人が、まさか将来大田区の区議会議員になるなど、夢にも思っていませんでした。
このように子どもたちの未来には、未知なる可能性が秘められているわけであります。
私たちの「未来の宝」である、子どもたちの限りない可能性を大きく拓いていく教育にはおおいに力を注いでいただきたいところであります。
それでは、ICT教育の推進計画につきまして、2年前の平成26年度予算特別委員会においてもお伺いいたしましたが、改めて質問いたします。
26年度の環境整備により、パソコン教室で使用するパソコンがデスクトップ端末からタブレット端末に更新されましたが、無線LAN環境はパソコン教室でしか使用ができず、パソコンの画面がデスクトップのディスプレイからタブレットの小さい画面に変わってしまい、見づらくなっただけという現場の先生から声をいただいておりました。
あれから1年以上経過していますが、教育委員会としてもICT機器の導入に力を入れていくと聞いておりますが、
(質問①)
今年度、平成27年度から実施している、「ICT活用推進モデル校」では、どのようなICT設備の整備を行ったのかお聞かせください。
<回答①:教育委員会 学務課長>
平成27年度にICT活用推進モデル校に指定されました、北糀谷小学校と蒲田中学校では、ICTを活用した授業の検証を行うため、全普通教室にスライドレール式電子黒板、実物投影機、無線LANアクセスポイントを設置いたしました。
このほか、教員用のタブレットPCを各校20台及び児童・生徒用タブレットPCを各校40台を配備しました。
これにより、全普通教室におきましてタブレットPCを用いた授業・学習ができ、教員・ 児童・生徒ともにインターネットに接続できる環境を整えたところでございます。
(質問②)
それでは、そのモデル校の授業では、どのような活用例や可能性が見られたのかお聞かせください。
<回答②:教育委員会 指導課長>
モデル校の授業では、国語の学習で模範となる話し方や話し合い方の録画ビデオやデジタル教科書をプロジェクターを使って大きく映し出すことで、話し方、聞き方を身に付けさせる学習が行われました。
書画カメラで児童の作品を提示したり、教科書のページを示したりと、大きく映し出すことによって、児童が学習の内容を理解し、興味をもって学習に取り組むために有効であることもわかりました。
さらに、タブレットで水泳フォームを撮影し、自分の泳ぎを振り返ったり、漢字の書き順を確認したりと、子どもたち自身がICTを活用して学習に進んで取り組む姿が見られるようになりました。
今後は、タブレットでグループの意見をまとめ、それを瞬時に電子黒板に投影し共有したりする授業により、思考力や表現力をさらに高める可能性が広がっております。
今回プレス発表されている平成28年度大田区予算(案)概要には、「ICT授業の本格実施に向け~」とありますが、
(質問③)
この「本格実施」とは、具体的にどのようなものなのか、目標やそれに向けた取組みをお聞かせください。
<回答③:教育委員会 学務課長>
ICT活用推進の目標は、ICT機器やデジタルコンテンツを活用した授業による、児童生徒の確かな学力の定着と情報活用能力の向上にあります。
その目標達成のため、昨年5月に定めました「大田区立小中学校におけるICT活用推進の当面の方針」に基づきまして、ICT環境の基盤整備と、授業におけるICT活用の推進を主な内容として、取り組んでいるところでございます。
ICT環境の基盤整備では、全普通教室に電子黒板を整備するとともに、タブレット端末を利用した授業ができるよう、校内LAN環境を整備してまいります。
一方、授業におけるICT活用の推進という面では、「わかる授業」「興味・関心・意欲を引き出す授業」を目標とした授業改善に取り組み、授業の質の向上を図ってまいります。
このように電子黒板やタブレットPCなどのICTを積極的に授業に活用することで、児童生徒の学力の定着と学ぶ意欲を育む環境が整っている状態をICT授業の「本格実施」と考えているところでございます。
各学校で実施するにあたり、教員のスキル向上も図らなければならないと考えますが、
(質問④)
どのような取り組みを考えているのでしようか。
<回答④:教育委員会 指導課長>
教員のICT活用スキルの向上については、毎年夏にICT活用研修を小中学校の教員を対象として行っています。
この研修では、小学校教員に対して、主に書画カメラの使用法やプロジェクターの効果的な活用法、電子黒板を使って子どもたちが主体的に発表する学習方法のスキルを、中学校教員に対しては、主に生徒がタブレットを使用して考えを交流する方法などのICT活用スキルの向上を図っています。
さらに、中学校においては、ICT活用推進リーダーを各学校が指名し、そのリーダーに対して研修会を行っています。
研修の内容は、文部科学省から提供された資料集を活用し、研修を実施するとともに、各学校では、そのリーダーが講師となり、その資料集を基にして研修を行っております。
今後も各教員のICT活用スキルを向上させ、児童・生徒に効果的な学習活動が行えるよう努めてまいります。
各学校で独創的な活用が考えられますが、
(質問⑤)
是非、この活用事例の情報共有を行って、区内全体でI CT活用のスキルアップを図っていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
<回答⑤:教育委員会 指導課長>
大田区教育委員会 ICT活用推進モデル校として北糀谷小学校は、昨年10月30日に 研究発表会を実施し、ICTの効果的な使用法について、広く、その成果の普及、啓発を 行ったところです。さらに同校は「ICT活用実践事例集」を作成いたしました。
この実践事例集は、およそ80の実践事例を掲載したもので、指導者が様々な学習でICT機器を活用できるようにすることを意図して作成しました。
この「ICT活用実践事例集」を区内全小・中学校に配布して情報共有し、ICT活用のスキルアップを図ってまいりました。
今後は、中学校のモデル校である蒲田中学校の活用事例の情報共有等も行い各校のスキルアップをさらに図ってまいります。
ICT授業の本格実施には、慣れない環境から来る操作ミスや、機器の初期不良などの不具合も考えられます。
(質問⑥-1)
せっかくのICT機器が効果的に授業で活用できるよう、現場の先生方のサポート体制が必要だと考えますがいかがでしょうか。
システムの不具合や操作方法などについて、情報の共有化や「頻繁に尋ねられる質問とその回答とを集めた」FAQが作成できれば、わざわざサポート業者を呼ぶまでもなく初期対応できる可能性があります。
(質問⑥-2)
ICT設備を効率的に運用するためにも、システムの不具合や操作方法に関する情報の共有化やFAQの作成を行うことも検討してはいかがでしょうか。
(回答⑥-1:教育委員会 学務課長>
ICT機器の故障、不具合に対しては、ICT機器を整備した事業者がへルブデスクを設けて、修理等の対応を行っているところでございます。
また、月に2回、事業者のICT支援員が小中学校を訪問し、ICT機器の使い方、授業でのICTの活用の仕方などをフォローする他、学校長が指名したICT推進リーダーが校内における情報化推進のサポート役を担っております。
今後、さらなるICT活用の推進に伴い、学校・教員のニーズに合わせたサポート体制を構築してまいります。
(回答⑥-2:教育委員会 学務課長>
また毎年、年度初めには、主に新任教員を対象としたICT機器講習会を実施しております。
モデル校で蓄積された経験や、今後展開されるICT環境で発生した不具合等についてFAQにまとめ、ICT機器講習会で周知するなど、区内小中学校でICT機器の不具合や操作に関する情報共有を図ってまいります。
ICTの世界は日々技術の進歩があり、子どもたちの好奇心や未知なる発想もぐんぐんと伸びていくものではないかと思います。
わたしたちの未来の宝である、子どもたちの将来の夢や希望がさらに広がっていく教育環境づくり、教育体制にさらに力を注がれることを期待いたしまして、
大田区議会公明党、玉川英俊の質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。