呑川のユスリカ対策~「土木費」質疑
平成28年予算特別委員会 審査第5日の3/15(火)、款別質疑「土木費」におきまして、今まで何度も議会で取り上げてきている呑川のユスリカ大量発生の対策について、今回は冬場における河床清掃の緊急対応や地域との連携、桜の開花と繁殖の関係調査などを確認・提案いたしました。
以下のとおり質疑の内容を掲載いたします。
※写真クリックで、Youtube動画が見れます!(8分06秒)
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大田区議会公明党の玉川英俊でございます。
2月19日の本会議終了後、地元に戻ろうと呑川沿いを上流に向かって原付自転車を走らせているときに、久が原1丁目付近で大量のユスリカの蚊柱に遭遇いたしました。
2月ではありましたが、しばらく暖かい日が続いていたからでしょうか、冬場では考えられないような発生状況でした。
やはり、この冬場の時期はユスリカ対策のための呑川の河床清掃は行われていないのでしょうか。
(質問①)
確か、河床清掃の回数は年43回で週1回のペースで行われているとの認識でしたが、この実施期間に関して再確認させてください。
<回答①:調布まちなみ維持課長>
呑川の河床清掃については、年間43回実施しております。
特にユスリカが多く発生する春から秋にかけては、ほぼ毎週実施しております。
この河床清掃ですが、区役所への登庁で呑川沿いを原付自転車で走らせているときにクレーンで大きな清掃車を川の中に下して作業を開始される光景を目にします。
ほぼ毎週この危険を伴う作業を無事故で実施されていることに大変に感謝いたします。
実施時期は、春から秋にかけてということですが、今回のような冬場においても気温が高くなるときがあり、ユスリカが元気いっぱいに活動開始することもあるかと思います。そこで提案なのですが、
(質問②)
例えば、週間気象情報などにより、河床清掃の出動の判断を行い、緊急対応することなどできないものでしょうか。
<回答②:調布まちなみ維持課長>
一般的にユスリカの蚊柱は冬に発生しないと言われておりましたが、今年は2月の平均気温が例年と比べて高いこともあり、区でもユスリカの蚊柱の発生を確認しております。
今後は、限られた清掃回数をより効果的な配分になるよう、気象情報などを参考にして柔軟な対応を図ってまいります。
ユスリカ対策として、卵や幼虫のうちに駆除する河床清掃に加えて、成虫を捕獲するユスリカ捕虫器が平成24年度に2基、平成25年度には3基と、合計で5基設置され、二段階での対策が行われています。
(質問③)
さらに平成27年には2基の新しい箱型の捕虫器が設置されましたが、その効果はいかがなものでしょうか。
<回答③:調布まちなみ維持課長>
平成27年度に設置したユスリカ捕虫器は既存の捕虫器と比較して、誘虫灯により引き寄せる機能に加え、熱で誘う機能を持っております。
昨年6月に設置し稼働しておりますが、ユスリカの発生は、気象状況の影響もあり、10か月程度で効果を判断するには短いと考えております。
引き続き捕虫量の観測を続けて参ります。
ユスリカの捕虫器はどちらかというと受け身的な対応、ユスリカが捕虫器から発する青い光に寄ってこないと捕獲できないという消極的な対応でありますが、それに対して、河床清掃は、こちらからターゲットを刈り取る積極的な対応であると思います。しかし、これは卵、幼虫のみであり、成虫に対しては行われません。
明らかに発生している成虫に対して、吸引機などで捕獲する方法がないものか、わたしも調査・研究を続けておりますので、また成果が見えた時には提案させていただきますので、よろしくお願いいたします。
このユスリカの問題は、呑川周辺の地域住民の方からいつも話題になるのですが、
(質問④)
地域と連携した取り組みは、どのようなことをされていますでしょうか。
<回答④:調布まちなみ維持課長>
区では、ユスリカに関するご意見を頂いている千束地区ならびに雪谷地区の地区地域力推進会議の中で機会をいただき、ユスリカ対策の取り組みについてご説明させていただいております。
また、地区地域力推進会議の中で個別に質問をいただいた千束地区の町会会議に参加し、区と意見交換をさせていただきました。
その中で、呑川の河床清掃の方法に対して厳しいご意見をいただきました。
区としては、今後も呑川沿いに住まわれている区民からご意見をいただき、対策の強化に取り組んでまいります。
地域との意見交換で、現場の貴重な声を聞くとともに、本区での取り組み状況もご理解いただき、ユスリカの見える化、取り組みの見える化をはかり、対策強化に努めていただきたいと思います。
昨年5月の第1回臨時会連合審査会におきまして、「桜が咲いている時にはユスリカは蚊柱を立てないようです。」といった、呑川周辺にお住まいの方からの興味深い貴重な声を紹介させていただきました。これからちょうど桜の咲く時期が到来するのですが、
(質問⑤)
この桜の開花とユスリカの繁殖活動である蚊柱発生の関係の観測・調査につきまして、どのような取り組みを行いますでしょうか。お聞かせください。
<回答⑤:調布まちなみ維持課長>
今年の桜の予想開花日は、3月21日頃と言われております。
桜の樹木周辺とそれ以外の場所について、開花の前後における成虫の発生状況などを調べてまいりたいと考えております。-
なお、他の市区町村や研究機関との情報交換なども引き続き、行ってまいります。
この桜の開花との関係性については、ぜひ研究機関と情報交換を行って、ユスリカ対策の新たな決め手をつかむ一助となっていただくことを期待いたします。
さらに
(質問⑥)
本区におきましては、ユスリカ対策のために今後どのような調査が行われていきますでしょうか。
お聞かせください。
<回答⑥:調布まちなみ維持課長>
区では河床清掃や捕虫器による対象療法的な対策を行ってまいりましたが、今後はユスリカの生態に着目した対策が必要であると考えております。
このため、平成28年度は、河床の藻に付くユスリカの幼虫などを数えて、発生量の季節変動を把握する調査を実施します。この結果を河床清掃の季節ごとの回数配分に反映して、より効果的なものにしたいと考えております。
ー方、呑川護岸の壁面の排水口などには、恒常的に湿潤な箇所が見られます。
これらの場所についても、合わせて調査を行い清掃の範囲についても検討してまいります。
以前も紹介させていただきましたが、ユスリカの種類は世界で15,000種、日本だけでも1,500種もいるとのことで、まだまだその生態なども専門家によって研究が続けられています。
あらゆる角度から地域の環境問題であるユスリカ対策を考え、その活動を通じて、地域の活性化、地域力の強化につなげていっていただきたいと思います。
以上をもちまして、大田区議会公明党、玉川英俊の質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。