会派を代表して~しめくくり総括質疑
平成28年予算特別委員会 審査第8日の3/22(火)、会派を代表して、しめくくり総括質疑を行いました。
今回は議会改革のICT化調査・研究会の取り組みとして、初めてタブレット端末を使って質問を行いました。
以下のとおり質疑の内容を掲載いたします。
※写真クリックで、Youtube動画が見れます!(19分27秒)
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大田区議会公明党を代表いたしまして、しめくくり総括質疑を行わせていただきます。
甚大な被害をもたらした東日本大震災3.11から早くも5年が過ぎました。
本区におきましては、大田区被災地支援ボランティア調整センターを震災直後、すぐに立ち上げ、この約5年間で4千人を超える現地ボランティアの派遣を行ってきました。
(質問①)
そのボランティア参加者の有志により、音楽祭や防災教室の開催など、独自の活動が展開されておりますが、区民協働の観点でどのように評価されていますでしょうか。
<回答①:地域力推進部長>
おおた未来プランでは、地域力を活かし、人に優しいまちを区民主体で実現するため、5年後の姿としまして、幅広い年齢層の人が、地域の担い手として活躍できることを目指しております。
おおた未来プランでは、地域力を活かし、人に優しいまちを区民主体で実現するため、5年後の姿としまして、幅広い年齢層の人が、地域の担い手として活躍できることを目指しております。
東松島市でのボランティア活動を通して、高校生から高齢者まで幅広い層の新しいボランティア生まれました。
区では、東松島市での宿泊体験による「防災塾」を実施し、被災地支援ボランティアの力を、地域の活動につなげるよう努めております。
「防災教室を行うNPO」は、被災地支援ボランティアが中心となって立ち上げた区民活動団体で、被災地での経験を活かし、避難所体験宿泊防災教室など、地域防災力の向上に取り組んでおります。
また「絆音楽祭」は、大田区ボランティアの発案で、東松島市との絆を一層深めるため、平成24年5月に日本工学院専門学校大ホールで開催され、今年で5回目を迎えます。
こうした活動は、これまでの区ボランティアの被災地への献身的な活動をとおして生まれてきたもので、区民と市民との絆も一層深まり、交流活動も促進されたと理解しています。
また、区民協働の視点から、被災地ボランティアの区民活動への参加は、地域の担い手の拡大につながり、地域カを活かした取り組みを活性化するものと期待しております。
(質問②)
他にもなかなか目に見えていない部分になりますが、避難者の受け入れや職員の派遣など、どのような状況変化が見られていますでしょうか。
<回答②:地域力推進部長>
現在、区内へ避難されている方は、区が把握しているだけで、97世帯196人いらっしゃいますが、約9割は福島県からの避難者でございます。
平成24年2月に訪問聞き取り調査を実施いたしました際は、168世帯300人でございました。
この間、交流会やサロン活動、ケアマネージャーによる避難者宅訪問など、避難者の孤立化防止を図ってまいりました。
被災した3県は、応急仮設住宅の供与期間を1年間延長し、平成29年3月31日までとすることとしております。
職員派遣につきましては、平成24年度から、東松島市に事務職1名と土木職2名の職員を派遣し、復興に向けた支援を継続的に行ってきたところでございます。
震災から5年が経過し、「復興集中期間」から「復興・創生期間」と位置付けられたことも踏まえ、ソフト面を充実するという視点で平成28年4月からは事務職2名、土木職1名の派遣となります。
支援の形は変わっても、大田区が東京都内の自治体として、どこよりも復興のために力を入れてきたとの誇りで、今後も細く長く支援を継続していかれることを願いまして、次の質問に移ります。
大田区こどもSOSの家事業につきまして、
(質問③)
このたび、セブンイレブン・ジャパンが事業協力をするという協定締結式が3月18日に執り行われましたが、その他のコンビニエンスストアや事業所などの協力者獲得に向け、今後はどのように事業を進めていきますでしょうか。
<回答③:地域力推進部長>
今年度、こどもSOSの家事業の推進・拡大に向け、区報でのPRや商店街連合会、自治会連合会、青少年対策地区委員会をはじめ、18地区の地域力推進地区委員会に出向いてのご説明などにより、地域の皆様への働きかけを行ってまいりました。
その結果、商店街の皆様をはじめ、さまざまな事業者の方々、地域の方々のご協力をいただくことができております。
また、ご指摘のセブンイレブン・ジャパンのほか、大手コンビニともさらなる協定を締結する方向で今、協議を進めております。
今後も、日中確実に人がいる区内事業者の方々をはじめ、協力員拡大に向けた地域の皆様へのPRを継続し、事業推進に向け取り組んでいきたいと考えております。
(質問④)
昨年6月の第2回定例会の秋成議員の代表質問にて提案させていただきました、従来からの一時的な避難場所に加え・虐待児の通報・高齢者の見守り・世代間の交流という三つの機能を、どのように付加していきますでしょうか。
お聞かせください。
<回答④:地域力推進部長>
委員がおっしゃる虐待児対応や高齢者の見守り等は、区の喫緊の課題であると認識をしております。
その中で、こどもSOSの家の事業につきましては、協力員募集のPRや地域の皆様へ情報誌を通じて活動事例をお伝えするなど、今年度当該事業推進・拡大に向けた第1歩を踏み出したところでございます。
これらの取り組みを着実に継続することにより、まずは協力員の数を増やし、当該事業の安定的な遂行を目指してまいりたいと考えております。
その上で、児童虐待にかかわる情報提供や高齢者の見守り等につきましては、協力員の方々とよくコミュニケーションを図るとともに、庁内関連部局とも連携し、前向きに検討してまいりたいと考えております。
続きまして、高齢者の見守り、認知症総合支援事業について伺います。
(質問⑤)
認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員の配置を前倒しで行うとのことですが、具体的にどのような体制で、どのような活動をされるのでしょうか。
<回答⑤:福祉部長>
認知症初期集中支援チーム及び認知症地域支援推進員につきましては、昨年国が策定しました新オレンジプランにおきましては、平成30年度までに全ての市区町村で配置することとされております。
しかし、大田区では、平成28年度内の配置に向け、鋭意準備を進めております。
まず、認知症初期集中支援チームですが、認知症の早期診断、早期対応を目的とし、チーム員は原則として3名からなります。
1名は、区内医師会にご協力をいただき、国の所定の研修を受講した認知症サポート医に参加をお願いしております。
残りの2名は、さわやかサポートの職員からになります。チームの活動は、認知症の初期段階でのアセスメント等を実施いたします。
次に、認知症地域支援推進員につきましては、こちらも国の所定の研修の受講等、条件を満たしたさわやかサポート職員1名が担当いたします。
推進員の活動といたしましては、認知症の人が円滑に医療や福祉サービスを受けられるよう、関係機関や医師会、認知症疾患医療センター等との連携体制の構築等を推進するほか、認知症が疑われる人、または認知症の人やその家族への支援、今後側面的支援を進める認知症カフェの実施方法などの検討がございます。
いずれも、全てのさわやかサポートに配置してまいりますが、条件が整ったさわやかサポートから逐次配置してまいります。
(質問⑥)
高齢者見守りアイロンシールを区内全域に配布されるとのことですが、18色の地域ではそれぞれの特色があります。
例えば、坂道、幹線道路、電車の踏切、商店街、大きな公園といった地理的特色や人の気質の違いなど、各地域の実情に合った見守り体制が必要ではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
<回答⑥:福祉部長>
それぞれの地域によって、地理的特色や気質の違いのほか、高齢者を取り巻く社会資源の状況に違いがあり、それらの特色や違いに応じた効果的な見守り体制の構築が必要であると認識しております。
区としましては、特別出張所を基本として、この4月から1か所増設し、21か所となる地域包括支援センター(さわやかサポート)において、高齢者の見守りに特化した大田区独自の「見守りコーディネーター」をそれぞれ1名配置しております。
見守りコーディネーターを中心としながら、さわやかサポートが地域の特色や違いにきめ細かく応じた見守り体制構築のために、社会資源の把握や地域の中での高齢者とかかわりのある人、団体、期間などとのネットワークづくりを積極的に行っております。
今後も、地域特性を踏まえながら、地域力を活用し、重層的に高齢者を見守る体制の構築を推進してまいります。
(質問⑦)
さらにこの見守りアイロンシールの効果を上げる取り組みとして、シールを見た人がどうアクションすべきか。
声かけをせずに、見かけただけでもさわやかサポートへ連絡できる仕組みを作り、積極的な見守り体制をすすめていってはいかがでしょうか。
<回答⑦:福祉部長>
区といたしましては、見守りアイロンシールというツールなどを介して、地域全体で高齢者を見守り、支える体制をつくり上げることが、高齢者が安心して暮らせるまちづくりにつながると認識しております。
お困りの高齢者をお見かけした際は、アイロンシールの有無にかかわらず、一言お声をかけていただくのがよろしいかなと存じますが、中には声をかけるのも苦手といった方もいらっしゃいます。
今後、区報やホームページ、認知症サポーター養成講座等を活用して、認知症の人や認知症が疑われる人を見かけた場合の連絡などの具体的な対応方法について、わかりやすい周知を進めつつ、地域ぐるみで積極的に高齢者を見守る体制づくりを目指してまいりたいと考えております。
今後は、世代に関係なく、あらゆる人を地域のみんなで見守っていく体制作りが必要であると思います。
着実にその方向へ進まれていくことを願いまして次の質問に移ります。
本区の中小製造業は、日本のものづくりの屋台骨を支えてきましたが、今日ではその数も減少し、集積のメリットであったものづくりネットワークの弱体化とともに地域経済への影響が懸念されるところです。
その上、土地などの固定費は大きな負担となり、住工混在による操業への影響や、建物の老朽化による建替えニーズの増加など、工場立地にかかる課題が大きな問題となっています。
そうした中、27年度の第5次補正で、仲間回しによる中小企業の生産性向上プロジェクトとして、IoTを活用した大田区内外の工場ネットワークの構築を目指すことは、生産性向上や産業集積の維持発展において大いに期待するところであります。
人口構成が変化し、グローバル化する社会経済状況の中で、
(質問⑧)
今こそ、大田区の工業集積を守るために、大田区と大田区産業振興協会は、しっかりと区内ものづくり企業のおかれている状況をリサーチし、要望などを把握した上で、そのニーズに沿った事業の見直しが必要だと考えますが、いかがでしようか。
<回答⑧:産業経済部長>
大田区ものづくり産業等実態調査によりますと、区内の立地メリットは、区内の受発注ネットワークが密であることが挙げられております。
大田区の工業集積を守るためには、集積の強みである「仲間回し」ネットワークの維持・強化が重要となります。
「ものづくり工場立地助成」は、より活用しやすく、効果のある制度とするため、今後も区内企業のニーズを踏まえ、助成限度額とその下限額などの条件やスキームにつきまして、必要な見直しを進めてまいります。
さらに、IoTを視野に、既存の「仲間回し」ネットワークの効率化、生産性向上、他地域とのネットワーク形成等を図り、大田区のものづくり機能の強化、発展を図ってまいります。
本区には、工業系の用途地域が広く指定されていますが、 準工業地域や工業地域で住工混在が進み、中小製造業の操業環境に影響が出ているなど、工業系土地利用の住宅転用による ものづくり産業の集積に影響が出ていると思います。
一方、工業専用地域は、住宅は建設できない地域であるとともに工業系以外の業種の立地も可能となっています。
そうした中では、工業系土地利用のエリアにおいては、企業立地促進計画の考え方を踏まえ、島部工リアを含め産業再編と高付加価値化、あるいは、研究開発型産業の誘致促進を行うベきと考えます。
特に京浜島、城南島、昭和島の3島は工業専用地域です。
それぞれ歴史も古く、昭和40年から50年代にかけて、工業団地として造成されました。
もともと内陸部に立地していた ものづくり企業で、住工混在の進展等で操業が難しくなった企業が共同移転して工業集積地域を形成しましたが、時代の変化とともに工場の撤退が増え、跡地に他の業種の事業所が立地するようになりました。
(質問⑨)
本区はこの3島の将来像を検討するための 「大田区臨海部3島全体連絡協議会」および 「各島連絡協議会」を立ち上げました。
現在、そこでは、どのような議論がされているのでしょうか。お伺いいたします。
<回答⑨:産業経済部長>
平成26年3月に、京浜島、城南島、昭和島によります「大田区臨海部3島全体連絡協議会」を設置しまして、連携を図りながら、地域産業の活性化と魅力あるまちづくりの推進に取り組んでいるところでございます。
今年度は、「京浜島連絡協議会」におきまして、京浜島の将来ビジョン策定の検討を始めました。京浜島全体をブランドとして確立し、集積のメリットである域内企業間ネットワークを構築するとともに、受発注機会の拡大や人材の確保等につながるような方針の策定を目指すものでございます。
今後も、「大田区臨海部3島全体連絡協議会」及び各島連絡協議会におきまして、3島の現状を把握し、議論を深めることが重要と考えます。3島全体の将来ビジョン策定を視野に入れつつ、区内産業の活性化につながるよう取り組んでまいります。
3島の中で、特にものづくり企業が多数立地している京浜島では、今でも、全体では約240社、6千人の方が働く産業集積地ですが、移転立地後40年経過している企業も多く、機能更新が必要な時期がきていると思います。
また、内陸部においても施設の老朽化が進み、工場経営者のみなさんは、その機能更新をどう行うかとの悩みもあるのかと思います。
工場移転や廃業後、マンションなどの住宅が建設され、操業されている工場にとっては、騒音や振動などについて逆に苦情を受けるということも出てきておりますので、そうした企業の方が、京浜島などの島部の中に移転し、機能更新をして操業を続けることができれば好ましいと考えますが、
(質問⑩)
本区は、京浜島3丁目の都有地を2億8千百万円で取得されましたが、これをどのように活用していくのかお伺いいたします。
<回答⑩:産業経済部長>
区は、大田区企業立地促進基本計画(第二次)におきまして、京浜島を工業専用地域として製造業の重点立地推進エリアに位置づけております。島内企業のほとんどが島の竣工初期に立地しており、今後多くの建て替え需要の発生が想定をされております。
一方、「自社の敷地内ではスペースがなく、建て替えるには一時操業をストップせざるを得ない」等の課題があり、更新が困難な状況でございます。
土地購入後の活用方法は、建て替え時の移転建て替え用地として、賃貸、交換等、さらにはテンポラリー工場としての活用などを検討してまいります。事業を実施するにあたり、島部のまちづくりの推進等を目的に、3島全体連絡協議会、京浜島連絡協議会におきまして、協議を進め、具体的に取り組んでまいります。
京浜島を含む3島は、本区にとって、さらには日本のものづくりにとって、大変重要な工業集積地であると認識しています。
島の竣工当初と比ベて、立地企業の業種は変化してきていますが、首都圏におけるものづくり機能としては、24時間操業が可能で騒音・振動においても周辺環境の少ない他にはない地域です。 交通の利便性の問題も指摘されますが、ものづくり地域としては大きなメリット、アドバンテージがあるはずです。
そこで、お伺いいたしますが、
(質問⑪)
島部のメリットを積極的に打ち出し、企業誘致や島内ネットワークの活性化、高付加価値化の施策が必要ではないでしようか。
区の考えを伺います。
<回答⑪:産業経済部長>
3島の地域は、立地企業の規模が大きく、機械金属における高精度の加工をはじめ、内陸部では操業が難しいプレス、板金、メッキ等の表面処理の企業が立地をしております。
都内でも他にはない、素形材と言われます鋳造や鍛造分野もあり、機械金属加工にかかわる工程がフルセットにそろっている地域でございます。
空港臨海部に位置し、人、もの、情報の結節点である羽田空港に近接していること、空港跡地に予定している産業交流施設との連携など、ビジネス展開のポテンシャルが高いと考えます。
立地企業の敷地が広いことから、区内製造業への波及効果の高い、研究開発型企業や航空機などの成長分野産業の誘致はものづくり産業の活性化につながるものと考えます。
3島の高い加工技術集積、立地エリアの地政学的なポテンシャルを生かす施策を展開し、この地域の活性化とともに、大田区の工業集積の維持・発展につなげてまいりたいと考えます。
以上で、大田区議会公明党の締めくくり総括質疑を終了させていただきます。
ありがとうございました。