平成27年 第3回定例会で代表質問⑧ユネスコスクール加盟の推進について
9/11(金)、平成27年第3回定例会第1日目にて、代表質問をさせていただきました。
長文になるので、数回に分けて質問内容を掲載いたします。
※写真クリックで、Youtube動画が見れます!
(質問 3分50秒、答弁 3分19秒)
教育について、ユネスコスクールの推進についてお伺いいたします。
昨年の第2回定例会において、大森第六中学校の事例を通じて、ESD、持続可能な発展のための教育の推進を提案させていただきました。
文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの推進拠点と位置づけ、加盟校増加に取り組んでいます。
このESDは、私たちとその子孫たちがこの地球で生きていくことを困難にするような問題について考え、立ち向かい、解決するために、環境的視点、経済的視点、社会・文化的視点から、より質の高い生活を、次世代も含む全ての人々にもたらすことのできる開発や発展を目指した教育であり、持続可能な未来や社会の構築のために行動できる人の育成を目的としたものであります。
本区におきましては、これまでにエコフェスタワンダーランド、ものづくり教育・学習フォーラム、防災教育、わくわくスクール、サイエンススクールなど、
(質問⑧-1)
ユネスコスクールではなくとも様々な形で環境教育や国際理解教育、自然体験活動や職場体験活動など、地域社会にかかわる教育活動を行ってきていますが、その成果をどのように評価されていますでしょうか、お聞かせください。
ユネスコスクールは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理想を実現するため昭和28年に創設され、地球規模の問題に対する国連システムの理解、人権、民主主義の理解と促進、異文化理解、環境教育といったテーマについて質の高い教育を実践する学校です。
平成27年6月の時点で世界181か国の約1万校が加盟、日本国内では939校の幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び教員養成系大学が参加されています。
本区では、大森第六中学校、赤松小学校に続き、生徒会主催のアルミ缶回収活動や環境教育を実施している馬込東中学校が本年4月にユネスコスクールへ加盟しました。
(質問⑧-2)
ユネスコスクールが推進する持続可能な発展のための教育の必要性を本区はどのように考えていますでしょうか。
また、ユネスコスクール加盟に対して、校長会などでの各学校はどのような反応を示していますでしょうか、お聞かせください。
先月、市内の全ての小中学校がユネスコスクールに加盟している福岡県大牟田市の教育委員会にて、その取り組みについて視察を行いました。
また、先月の夏休み期間中、大森第六中学校において、ユネスコスクールとして交流を続けている愛知県豊田市の藤岡南中学校の生徒会と学校関係者が訪問され、交流会が開催されました。
大牟田市教育委員会と藤岡南中学校の校長先生にユネスコスクール加盟のきっかけについてお伺いしたところ、同じ回答をいただきました。
それは、今まで学校が地域のために、子どもたちのために活動してきたことは、全てユネスコスクールの理念に沿っているものであったこと。
ユネスコスクールの視点で見ることで、それまでの活動がさらに意義深いものになること。
特別に新しいことを一から始めるわけではないので、ユネスコスクールに加盟しないのはもったいない。
さらに、少し忙しくなるかもしれないけれど、子どもたちのためなら喜んでやりたいというものでした。
そして、子どもたちの姿から教員やPTAなど大人たちも学ぶところが多いとのことです。
(質問⑧-3)
国際都市おおたとして、区内小中学校全校のユネスコスクール加盟を強く提案いたしますが、いかがでしょうか。
申請の際にパリのユネスコ本部に提出する申請書を全て英語で書くというハードルがあるようですが、既に加盟された学校のアドバイスや情報共有などのサポートをしていただければと思います。
以上、国際都市おおたの輝く未来のために、平和の文化を構築する教育にさらなる力を注がれることを願いまして、全ての質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。
~教育長の答弁~
<回答⑧-1:津村教育長>
私からは、ユネスコスクールに関するご質問にお答えをいたします。
まず、様々な形で行われている地域社会にかかわる教育活動の評価に関するご質問でございますが、これらの活動は、おおた教育振興プラン2014でお示しした「知、徳、体のバランスのとれた生きる力を育成する」という基本的な視点を具体化したものとして、本区の児童生徒がみずから課題を見つけ、学び、考え、主体的に判断・行動し、問題を解決する能力の育成や、みずからを律しつつ、他者と協調し、他者を思いやる心や自己肯定感など豊かな人間性の育成に有効であると考えております。
加えて、こうした地域と連携・協働する教育活動は、本区の地域力の向上にも資するものであり、ESDが目指す持続可能な社会の担い手を育む教育にも通ずるものがあると考えております。
<回答⑧-2:津村教育長>
ESDの必要性に関する区の見解及びユネスコスクール加盟に係る各校の反応についてのお尋ねでございます。
ESDにつきましては、児童生徒が自然や地域社会とかかわり、持続可能な社会づくりに関する課題を見出し、それらの課題を解決していくための能力や態度を養う重要な教育であると認識しております。
教育委員会では、環境教育や国際理解教育、自然体験活動や職場体験活動など、ESDの視点に立った取り組みを推進してまいりました。
また、大森第六中学校におきましては、今年度から2年間、国立教育政策研究所の教育課程研究指定校として調査研究を委嘱され、ESDの一層の推進に努めております。
ユネスコスクールにつきましては、校長会等に対して加盟の呼びかけを行っておりまして、その結果、本年度新たに馬込東中学校が加盟を果たすとともに、他の中学校においても加盟申請をしたり、その準備をする学校が出るなど、高い関心を持っていただいていると認識をしております。
<回答⑧-3:津村教育長>
区内全校のユネスコスクール加盟のご提案をいただきました。ユネスコスクールに加盟をいたしますと、各校は海外を含めた他のユネスコスクールとの児童生徒及び教員相互の交流、ESDのための教材や情報の提供、ワークショップや研修の機会を得ることができます。
また、現在実施している各校の特色ある取り組みをESDの視点から再評価することにもつながります。
一方では、ユネスコスクールにおいてESDを推進することになりますと、各校の取り組みの継続性が問われることになります。
馬込東中学校のアルミ缶回収活動につきましても、生徒会が主体となり、23年間にも及ぶ活動実績があるわけでございます。
そのようなことから、各校の理解と機運の盛り上がり、推進体制の整備が必要であると思っております。
今後も、校長会等で加盟校の取り組みや成果を紹介するなど加盟の呼びかけを継続するとともに、必要な助言や支援を行い、ユネスコスクール加盟校の拡大に努めてまいります。
私からは以上でございます。