カテゴリー(未分類)

皆さん、こんにちは。

3月2日、米トランプ政権による関税措置が県内企業へ与える影響、飲食料品の消費税減税が本県の歳入に及ぼす影響、人口減少・少子化対策、こどもの権利保障など、県民生活に直結する課題について取り上げ、県、県教育委員会、県警察本部の姿勢をただしました。これに対し、服部知事、寺崎教育長、住友警察本部長がそれぞれ答弁に立ちました。

質問の冒頭では、アメリカとイスラエルによるイランへの大規模攻撃について、武力による現状変更は国際法違反であり、断じて容認できないこと、直ちに攻撃を停止し、外交による平和的解決を図るべきことを申し上げました。

翌日には、新聞各紙にも取り上げていただきました。

また、医療的ケア児等の支援強化については、これまでご相談いただいた皆様に答弁内容をご報告したところ、大変喜んでいただき、私にとっても大きな励みとなりました。さらに、こどもの権利保障についても前向きな答弁をいただくことができました。

今回の代表質問を一つの節目として、これからも現場の声を大切にしながら、県民の暮らしを守り、未来に希望の持てる福岡県づくりに全力で取り組んでまいります。

5.この項の最後に、本県の今後の発展に向けて、来年度、知事が重点的に取り組もうと考えている施策について伺います。

政府は、高市早苗総理の方針のもと、11月11日に「地域未来戦略本部」を設置し、これまでの地方創生の流れを引き継ぎつつ、地方への投資促進や地域における産業クラスター形成、地場産業の付加価値の向上・販路開拓の支援など、より経済に重きを置いた取り組みを進めていくこととしています。

地方創生の基本である、誰もが住み慣れた地域で暮らしていくためには、何より働く場が必要であり、そのためには、本県としてもこうした国の動きを踏まえ、地域経済の発展に向けて強力に取り組んでいくべきと考えます。

そこでお尋ねします。

知事は、来年度、地域における雇用創出、産業振興のため、どのような施策に重点的に取り組んでいこうと考えているのかお伺いします。

 

(答弁5)

問 地域経済の発展に向け、来年度、重点的に取り組む施策について

○ 少子高齢化、人口減少の影響により、地方の疲弊や、あらゆる分野での人手不足が顕在化する中、誰もが住み慣れたところで長く元気に暮らし、こどもを安心して産み育てることができる地域をつくるためには、産業を育成し、県民の皆様の働く場を広げていく必要がある。

○ このため、中小企業が持続的な賃上げを実現し、人材を確保できるよう、新たに設置する「中小企業振興局」のもと、適正な価格転嫁を推進するとともに、中小企業のDXを進めてまいる。

また、世界から投資家や企業を呼び込み、スタートアップの創出・成長につながるエコシステムの形成を推進してまいる。

半導体、自動車、水素のグリーン成長プロジェクトを推進し、環境と経済の好循環を生み出してまいる。

日産自動車の苅田町への生産移管に向け、関係自治体との連携・調整、企業誘致やサプライヤーの技術力強化を進めてまいる。

農林水産業については、若者が夢をもって参入し、将来にわたり持続的に生産を担っていく、収益性の高い農林水産業の実現を目指す。農業の経営規模拡大を後押しするなど、生産性を高めてまいる。

あわせて、道路などの交通インフラや産業用地の整備など、戦略的な社会資本整備を進めていく。

○ こうした県経済全体の発展のための様々な施策を展開し、「誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県」の実現に向け、全身全霊で取り組んでまいる。

 

 

 

4.次に、米の価格高騰への対応についてです。

米の価格高騰が続いており、県民の家計にも大きな影響が出ています。今年は全国的に収穫量が順調に増え、今年の主食用米の収穫量は718万トンと前年比約66万トン増、作況指数も良好であるにもかかわらず、10月の集荷業者が卸売業者に販売する相対(あいたい)取引価格は前年同月比56%上昇し、調査開始以来の最(さい)高値(たかね)となりました。生産増と価格高騰が同時に進む、極めて異例の状況です。

一方、国は令和8年度の全国生産量は約711万トンと、今年度748万トンより減産する検討に入ったとし、コメ不足で増産に舵を切った前政権からの方針を変更し、また前政権では政府備蓄米の放出などを通して市場への介入を積極的に行いましたが、 新大臣は「政府は価格形成にコミットすべきでない」との考えを示し方針が一変しました。こうした中、小売店の米の平均価格は4,000円台と高止まりしており、県民からは「米の価格を下げてほしい」と多くの声が寄せられています。

そこで知事に伺います。

米価の高騰・高止まりの現状をどのように認識されているのか。また、県内の生産者と消費者双方に目を配り、価格安定につながるよう県産米の安定供給についてどのように進めるのか、知事の見解を伺います。

 

(答弁4)

問 米の価格高騰に対する認識と安定供給について

○ 昨年から続く米の価格高騰は、高温の影響による供給不足、インバウンド需要や家計購入量の増加などの要因が重なったものと考えられる。

令和7年産については、生産量が需要量を上回る見込みであるが、仕入価格は高い水準のまま推移していることから、店頭での販売価格も依然として高止まりが続いている状況である。

○ こうした米の価格高騰は、消費者にとっては家計圧迫に、生産者にとっては米離れによる需要の縮小につながることから、需要に応じた米の安定供給を進めていくことが重要であると考えている。

また、生産者からは「米づくりを継続できるよう、生産コストに見合った価格が必要」といった声も伺っており、生産者及び消費者の双方が納得できる価格で取引がなされていく必要があると考えている。

○ 県では、県と農業団体で構成する協議会において、当年の生産量や民間在庫量といった供給量と、人口推計やインバウンド需要を考慮した需要量を踏まえ作付計画を策定しており、令和8年産についても、令和7年産より拡大する方向で農業団体と協議を行っているところである。

併せて、農地の集積・集約化や大区画化による規模拡大を加速するとともに、生産コストの徹底的な低減に向け、スマート農業機械の導入などを支援してまいる。

○ 県としては、こうした取組を通じて、県産米の安定供給に努めてまいる。

3.あわせて医療・介護・障がい福祉分野においては、公定価格で運営されており、報酬の見直しは2,3年に一回の為、物価上昇分を働く方の賃金改定へ迅速な上乗せ対応ができていません。県として、こうした分野で働く方々への賃上げを、報酬改定を待たずにどのように支援していくのか。知事の見解を伺います。

 

(答弁3)

問 医療・介護・障がい福祉分野における賃上げ支援について

○ 公定価格により運営されている医療機関や介護・障がい福祉サービス事業所については、近年の光熱水費及び材料費の高騰や人件費の上昇の影響を価格に転嫁することができず、厳しい経営状況にあり、従業員の賃上げも十分にできていない状況にあると認識している。

○ 今回の国の経済対策では、安心して医療・介護・障がい福祉サービスを受けられる体制を整備するため、他産業の賃上げや物価上昇を踏まえた報酬改定の効果を前倒しする「医療・介護等支援パッケージ」が緊急措置されている。

県としても、これを活用し、医療機関や介護・障がい福祉サービス事業所への支援に速やかに取り組む必要があると考えている。

○ 今後、国の補正予算案の国会審議を注視し、県議会の皆様とも御相談させていただきながら、医療機関や介護・障がい福祉サービス事業所への緊急的な支援が求められるものとして、従業員の処遇改善に対する支援の実施に必要な予算を含めた補正予算案を、12月19日に提案させていただきたいと考えているので、よろしくお願いする。

2.次に、物価上昇を上回る賃上げに向けた取り組みについて伺います。県ではこれまで、エネルギー・原材料の高騰、円安など厳しい経営環境にある事業者に対して、生産性向上や価格転嫁の促進、賃上げ実施企業への支援拡充に取り組んでこられました。

しかし、賃上げを継続し定着させるためには、価格転嫁を更に進めていくことが重要だと考えます。

まず、県が本年6月から8月にかけて実施した「価格転嫁及び賃上げに関するアンケート調査」の結果を踏まえ、価格転嫁の現状をどのように認識しているのかお尋ねします。

 

また、今回の国の新たな経済対策において、価格転嫁対策の徹底・取引適正化の推進が掲げられております。

これを踏まえ、今後価格転嫁の取り組みをどのように強化していくのか、知事の考えをお聞かせ下さい。

 

(答弁2)

問 価格転嫁の現状について

○ 県が実施し、先月公表した「価格転嫁・賃上げに関するアンケート調査」の結果では、県内中小企業のコスト全体の価格転嫁率は前年度と比べ

0.8ポイント増の41.3%にとどまっている。

○ コスト別の価格転嫁率を見ると、原材料費45.2%に対し労務費は

36.6%と依然として低い状況となっている。

○ また、取引先別の価格転嫁率では、企業と企業との取引である「B to B」は44.0%、企業と消費者との取引である「B to C」は35.3%となっている。

さらに、業種別の価格転嫁率では、サービス業が33.1%と最も低くなっており、消費者と直接取引を行う業種の価格転嫁が進んでいない状況が明らかになった。

○ 価格転嫁の実態を詳細に把握するため、今年度、県内企業に対し実施した「官民合同ヒアリング調査」においては、「大手企業の中には、中小企業の価格交渉に応じてくれない企業がある」、「自社のサービス内容が同業他社と差別化できていないと、価格競争になってしまい価格転嫁が難しい」、「消費者の低価格志向が強く、何度も値上げしにくい」などの声をお聞きしている。

○ こうしたことから、中小企業の価格転嫁はまだまだ進んでおらず、その取組の強化を図る必要があると考えている。

 

(答弁2-2)

問 価格転嫁の取組強化について

○ 県では、県内企業の価格転嫁が進んでいない状況を踏まえ、円滑な価格転嫁のさらなる機運醸成と取組の推進を図るため、「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結した官民労13団体で先月、「価格転嫁円滑化推進フォーラム」を開催するとともに、「街頭啓発活動」を実施した。

○ また、このフォーラムでは、

①価格転嫁を阻害し、受注者に負担を押しつける商習慣を一掃することを目的として、来年1月に施行される「中小受託取引適正化法」を踏まえた行動の促進

②持続的な賃上げの実現に不可欠である労務費の価格転嫁を進めるための発注者と受注者の価格交渉に関する指針の遵守

などを新たに共同宣言し、官民労13団体の決意を強く発信した。

○ また、街頭啓発活動では、昨年度に続き、私が13団体の先頭に立ち、「物価高に負けない賃上げで、暮らしを豊かに!そのためには、適切な価格転嫁を!」をスローガンに、消費者である県民の皆様に、価格転嫁の必要性を直接訴え、その理解の促進を図ったところである。

○ 今後も、官民労13団体で連携し、価格転嫁の円滑化に向けた取組をしっかり進めてまいる。

 

12月定例会代表質問で、知事の政治姿勢を問う5つの項目を担当しました。

1.まず、物価高対策と地域経済の成長について伺います。

今、最優先で取り組むべき課題は、持続的な賃上げと地域経済の底上げであり、当面は県民の家計負担を軽減する即効性のある物価高対策が何より重要です。

国は先般、総額21.3兆円規模の経済対策、その裏付けとなる補正予算案を決定。物価高対策として、ガソリン税の暫定税率の廃止や、児童手当へ2万円の上乗せ、来年1月からの3か月間、電気・ガス料金の一般家庭で約7,000円の支援、また、自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」には2兆円、そのうち4千億円を食料品高騰への特別枠として計上しています。

食料品や日用品の価格上昇が続き、生活者の体感物価は依然として高止まりしています。

 

今回の政府の経済対策は一定の効果が期待される一方、子どもがいない世帯や幅広い中低所得者層等、国の支援の行き届かない県民へ、県は重点支援地方交付金を活用して、きめ細かな支援を講じるべきと考えます。

まず、国の経済対策、補正予算を受けて県ではどのような施策を検討されているのか。特に拡充された重点支援地方交付金をどのような支援に活用されるのか、知事の見解を伺います。

 

(答弁1)

問 国の経済対策を受けた県の施策について

○ 政府は、「生活の安全保障・物価高への対応」をはじめ、3つの柱で構成された事業規模約43兆円の「強い経済を実現する総合経済対策」を取りまとめ、その裏付けとなる補正予算案を閣議決定した。

なかでも、地方が地域の実情に応じた施策を実施するための重点支援地

方交付金については、中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備等が支援

対象に追加され、大幅に増額される見込みである。

県としては、県民生活を守り、地域経済の振興を図るため、この拡充された重点支援地方交付金をはじめ、国の経済対策を最大限活用していく。

○ 今後、国の補正予算案の国会審議を注視し、県議会の皆様とも御相談させていただきながら、まずは、

・県民の健康・生活を支える医療・福祉施設等に対する電力・ガス・食材

費の価格高騰対策

・消費者の購買意欲を喚起し、地域の商工業を下支えする高プレミアム率

の地域商品券の発行支援

といった足元の物価高により厳しい状況にある県民・事業者の皆様の負担軽減のための施策、また、

・医療機関や介護事業所等における経営の改善や従業員の処遇改善

・中小企業の賃上げ環境の整備

・農林業者の収益力向上

といった更なる賃上げ・所得向上の実現に向けた施策を盛り込んだ補正予算案を、12月19日に提案させていただきたいと考えているので、よろしくお願いする。

 

昨年の能登半島地震では、災害関連死が直接死を上回り深刻な課題となりました。その背景には、高齢者や障がい者など要配慮者への福祉的支援の不足があります。

本年5月の災害対策基本法改正で、初めて「福祉サービスの提供」が明記され、DWAT(災害派遣福祉チーム)の支援が避難所に加え、在宅・車中泊避難者にも拡大。関連死の防止が期待されます。

公明党が訴えてきた「災害時の福祉充実」が法制度に反映されました。先週の代表質問でも取り上げ、自然災害が激甚化、頻発化する中、防災・減災の強化を訴えました。

 

次に、災害時の福祉サービスの提供について伺います。

東日本大震災以降、避難生活での身体的・精神的負担の増加によって引き起こされる「災害関連死」の防止が大きな課題となっています。能登半島地震では、6月10日時点で災害関連死が379人を超え、直接的な被害による死者228人を上回る深刻な事態となりました。災害関連死の要因の一つに地域の福祉機能の低下があり、高齢者や障がい者など要配慮者が十分なケアを受けられず体調を崩すケースが指摘されています。災害時に迅速な福祉的支援を提供することが極めて重要です。

能登半島地震では、社会福祉士や介護福祉士、保育士などの専門職で構成される「災害派遣福祉チーム(DWAT)」が避難所に派遣され、環境整備や相談支援などで大きな役割を果たしました。本県でも8チーム25名が石川県に派遣されたと聞いています。しかし、在宅や車中泊で避難生活を送る方々の状況把握に時間を要し、高齢者や障がい者に必要な支援が十分に届かない課題も明らかになりました。

こうした中、本年5月に成立した改正災害対策基本法では、災害法制に初めて「福祉サービスの提供」が明記されました。これにより、DWATの支援対象は避難所に加え、在宅や車中泊の避難者へも広がり、災害関連死の防止につながることが期待されています。

そこで知事に伺います。

  • 災害対策基本法や災害救助法に「福祉サービスの提供」が位置付けられたことについて、知事はどのように認識しておられるのか。また、福岡県災害派遣福祉チーム(福岡DWAT)について、円滑な活動のためのこれまでの取り組み状況と、法改正を踏まえ、専門人材の確保等、平時からの体制整備を進めていく必要があると思うがどのように進められるのか、ご見解を伺います。

今回の改正では、新たに「被災者援護協力団体の登録制度」が設けられ、NPO法人や社会福祉法人、医療・福祉団体などが、あらかじめ登録されることで、災害直後から行政と円滑に連携し、迅速に専門家による被災者支援にあたることができる仕組みとなりました。一方で、被災者の生活再建を進めるためには、アウトリーチによって被災状況や課題を把握し、生活再建に向けた計画を作成し、民間団体や福祉、法律の専門家らが連携して継続的な支援を行う「災害ケースマネジメント」の推進が欠かせません。令和6年2月議会の我が会派の代表質問においてその推進を質したところですが、その進捗はどのようになっているのでしょうか。

  • そこでお尋ねいたします。県では令和6年3月に「福岡県地域防災計画」を改定し、災害ケースマネジメントの取組を位置づけ、県及び市町村による災害ケースマネジメントなどの被災者支援の仕組みの整備を明記されました。本県でも自然災害が激甚化、頻発化する中、災害発生時に、災害ケースマネジメントが円滑に実施されるよう、具体的にどのように取り組まれているのかお伺いします。

知事答弁骨子

問1 災害時の福祉サービスの提供について

〇 令和7年7月の改正災害救助法の施行により、救助の種類に「福祉サービスの提供」が追加され、県は、災害救助法が適用された場合、これまでの避難所に加え、自宅や自家用車で生活する高齢者、障がい者などの要配慮者に対しても、相談対応や食事、排せつ、入浴の介助等の日常生活上の支援などの福祉サービスを提供することとされた。

このことは、自宅や自家用車で生活する要配慮者の速やかな状況把握と、食事や睡眠といった生活機能の低下や要介護度の重度化による災害関連死などの二次被害の防止につながるものと考えている。

〇 「福岡DWAT」については、介護福祉士や理学療法士等の団体で構成する福岡県災害福祉ネットワーク協議会を通じて、人員の確保に努めており、今年7月末現在、チーム員数は392名となっている。

また、日頃から災害福祉支援活動に取り組んでいる県社会福祉協議会と連携して、介護福祉士や理学療法士等の様々な専門職が、チームとして円滑な支援活動が実施できるようになるための研修を実施している。

これに加え、実践力を高めるため、県総合防災訓練において、市町村が行う避難所設置・運営訓練と連携したDWAT活動訓練を実施している。

〇 今回の法改正を踏まえ、これまで実施している研修プログラムに、在宅や車中泊避難者等を想定した内容を取り入れることにより、新たな活動場所において適切な支援活動が行えるよう、チーム員の知識習得等を図っていく。

 

 

問2 災害ケースマネジメントについて

〇 災害時には、訪問等により被災者の健康、住まい、就労などの生活課題を把握し、必要に応じ専門的な能力を持つ団体等と連携しながら、きめ細かな支援を継続的に実施する、災害ケースマネジメントの取組が円滑に実施されることが重要である。

〇 このため、県では、昨年度、標準的な実施例や手順等を示した「福岡県災害ケースマネジメントの手引き」を作成し、市町村及び社会福祉協議会等へ配布した。

その上で、災害ケースマネジメントの理解を深めるため、市町村等の職員を対象に研修会を実施し、手引きの解説のほか、ワークショップ形式で具体的被害を想定し、アウトリーチによる被災者の状況把握とそれに対してどのような支援が必要かとの検討を行った。

今年度も12月に同様の研修を行うこととしており、こういった取組を通じ、災害ケースマネジメントに対応できる人材の育成を図ることで、きめ細かな被災者支援が可能となるよう努める。

 

本日(9・16)福岡県議会は代表質問2日目で、公明党から塩出麻里子議員(小倉南区)が質問に立ちました。

その中で、最低賃金引上げについて質問しました。物価高を克服するためには物価上昇を上回る賃上げが必要です。福岡県では8月20日に令和7年度の最低賃金を65円引上げ、1,057円とする答申がありました。
最低賃金の引き上げは、単に最低賃金の引き上げだけでなく、例えば月収20万円の方は22万円、25万円の方は28万円と給与水準全体の引上げにつながり、また年金額の引上げにも連動するなど、物価高の中、働く人の暮らしを下支えする重要な判断です。企業が引き上げに対応するため、特に中小企業の利益率を高める取り組み、生産性向上と価格転嫁への支援が不可欠です。

知事の速やかな取り組みを求めます。

 

最低賃金引上げ並びに企業収益向上について質問します。

8月20日、福岡労働局において福岡地方最低賃金審議会が開かれ、令和7年度の最低賃金を現行の992円から65円引き上げ、1,057円とするよう答申が行われました。引き上げ幅は、中央最低賃金審議会の目安63円を2円上回り、11月16日に発効する見通しです。

物価高を克服するには、物価上昇を上回る賃上げが不可欠です。最低賃金の引き上げは、中間所得層を含む給与水準全体の底上げにつながり、年金額の引き上げにも連動するなど、物価高の中で働く人々の暮らしを下支えする重要な判断です。政府は2020年代に全国平均1,500円を目指す方針を示し、骨太の方針にも明記し、また、中央の目安を上回った都道府県には「政府の補助金による重点的な支援を行う」としています。

また、最低賃金の引上げに企業が対応していくためには、企業の利益率を高めていく必要があり、価格転嫁と同時に生産性向上支援が欠かせないと考えます。中小企業・小規模事業者の生産性向上へ、利益率を高めるために国、県で様々な補助金が計上されています、省力化投資補助金では、使い勝手がいいようにカタログ型支援やオーダーメイド型支援で提供され、利用されています。また事業再構築補助金、モノづくり補助金と十分に準備されています。しかし地域を歩くと必要な中小企業の方がその補助金の存在を知らないことが多く、その対象の方々にしっかりと選択肢を周知すること、例えばSNSや動画等の活用や、支援策を十分に活用できるよう伴走支援を強化すること、特に、人手不足が深刻な運輸・物流や介護・福祉など産業分野に重点的な支援を行うことも重要です。さらに、アメリカとの関税問題などを背景に、製造業を中心に受注減やコスト削減圧力が懸念されています。

併せて、物価高騰が続く中で、企業が自発的かつ持続的に賃上げできるよう環境の整備が不可欠です。しかしながら、価格転嫁が難しい企業も多く、大きな課題となっています。経済産業省が本年4月に行った調査によれば、人件費の増加を含むコスト上昇分を販売価格に全額転嫁できた企業は25.7%、一部でも転嫁できたと答えた企業が83.1%、全体の転嫁率も52.4%と半年前より3ポイント増加も、転嫁ができない企業との二極化が進み、また多重下請け型のサプライチェーンでは、2次、3次と下請階層が深くなるほど転嫁率が低くなる傾向も指摘されており、転嫁が困難な企業への対策は急務です。

そこで知事に伺います。

1.まず、今回の最低賃金引き上げをどのように受け止めておられるのか、ご所見をお伺いします。

2.本県中小企業の生産性向上へ補助金等の利用状況をお示しください。また、中小企業に十分に活用されるよう、どのように周知に取り組んでいるのか、ご所見をお聞かせ下さい。

3.最低賃金の引き上げの対応として、本県企業の価格転嫁を進めていくため、これまでどう取り組んできたのか、また今後どのように取り組んでいくのか。また、中小企業の支援を強化すべきと考えますが、知事のご見解をお伺います。

この項の最後に、県発注の公共工事についてお伺いします。

本県は最低制限価格を事前公表しているため、最低制限価格に入札価格が集中し、結論としてくじ引きで落札者が決定されている事例が多く見受けられます。

そこで知事にお尋ねします。

4.昨年度の県発注工事において、くじ引きにより最低制限価格で落札された件数の割合と総額をお示しください。また、最低制限価格で工事を受注した場合、人件費や様々な原価上昇分について、受注事業者が適正な利益を確保できる水準となっているのか、お伺いします。

5.次に、くじ引きによる決定では、積算を適切に行わずに入札を行うなどの問題があります。そのため、くじ引きを発生させている原因である、最低制限価格の事前公表をやめるなどの、入札制度の見直しを検討する必要があるのではと考えます。知事の見解をお尋ねします。

 

知事答弁骨子

問1 今年度の最低賃金の引上げに対する受止めについて

〇 本県の最低賃金については、福岡地方最低賃金審議会において、公労使の委員により、地域の実情に応じて十分に調査と審議を尽くした結果、65円という過去最大の引上げ額が示され、1,057円に決定された。

今回の引上げにより、かねてより県としても目指していた最低賃金1,000円以上が達成されたところであり、と定の進捗が見られたことは評価しているが、物価上昇を上回る賃上げを実現するためにも最低賃金の継続的な引上げが必要であると考えている。

〇 また、国に対して、首都圏及び近畿圏との地域間格差の是正を図るよう求めてきたところであるが、今回の引上げにより、福岡県の東京都に対する比率は85.3%から86.2%に、大阪府に対する比率は89.0%から89.8%となり、地域間格差が縮小されたことについても評価しているが、本県からの人口流出や人手不足を解消するためにも、引き続き当該格差が縮小される必要があると考えている。

 

問2 中小企業の生産性向上に資する補助金の利用状況と周知について

〇 県では、「中小企業生産性向上支援センター」の支援企業を対象に、「AI画像処理による食品自動選別機」や「パソコン操作の自動化システム」の導入など、令和元年のセンター開設以来、215件の補助を行っている。

〇 また、「中小企業省力化投資補助金」、「事業再構築補助金」、「ものづくり補助金」といった国の補助金については、「産業用ロボット」や「無人搬送システム」など、過去3年間で704件、設備導入やシステム構築等に活用されている。

〇 こうした国や県の補助金を広く周知するため、県では、ホームページ、メルマガ、SNSを通じて情報提供を行っているほか、補助金の概要や申請方法を分かり易く紹介するチラシを作成するとともに、県庁や工業技術センターに相談窓口も設置し、補助金活用の提案から申請まで伴走支援を行うなど、中小企業の皆様に対して補助金の活用を促しているところである。

〇 また、商工会議所・商工会をはじめとした県内経済団体においても、ホームページやメルマガを通じて補助金を周知するとともに、経営指導員が日ごろの支援活動の一環として、補助金活用の提案を行っている。

〇 今後も、このような取組を通じて、関連する補助金の更なる周知、活用促進を図り、県内中小企業の生産性向上を積極的に支援してまいる。

 

問3 価格転嫁の取組について

〇 一昨年2月、県の呼びかけにより、官民労13団体で締結した「価格転嫁の円滑化に関する協定」の下、これまで、

① 発注企業の代表者が、適正取引を宣言し、受注企業の価格交渉しやすい環境づくりに有効な「パートナーシップ構築宣言企業」の登録促進、

② 中小企業の価格交渉を伴走支援する「価格交渉・賃上げ応援専門家派遣」、

③ 「価格交渉支援ツール」や「価格交渉ハンドブック」など、中小企業の価格交渉に役立つツールの周知

などに取り組んできた。

また、価格転嫁の必要性について、消費者の理解が進むよう、直接県民の皆様に訴える「街頭啓発活動」にも取り組んでいる。

こうした取組により、本県の宣言企業数は、協定締結時の662社から、9月4日現在で2,558社まで増加している。

〇 しかしながら、中小企業からは、

・ パートナーシップ構築宣言企業が増え、価格交渉はしやすくなったが、2次請け、3次請けも視野に入れた十分な価格決定ができていない、

・ 下請けまで含めた業界全体の機運醸成が必要、

・ 消費者の適正価格での取引への理解が浸透しておらず、価格が上げづらいなどの声をお聞きしている。

また、福岡商工会議所が今年1月に公表した価格転嫁の状況に関する調査結果によると、増加したコスト全体の価格転嫁が5割以上できた企業の割合は昨年度と比べ0.2ポイント増の47.2%にとどまっている。

こうしたことから、中小企業の価格転嫁は道半ばであると考えている。

〇 このため、今年度は、これまでの取組に加え、業界全体の更なる機運醸成が図れるよう、「価格転嫁円滑化推進フォーラム」や、中小企業の価格交渉力を向上させる「業界ごとの特性を踏まえた講習会」を開催することとしている。

また、消費者の理解も欠かせないことから、今年度も引き続き、「街頭啓発活動」に取り組むこととしている。

〇 今後も引き続き、中小企業が持続的に賃上げできるよう、官民労13団体で連携し、価格転嫁の円滑化に向けた取組を進めてまいる。

 

問4 最低賃金の引き上げに対する中小企業の支援の強化について

〇 先ほど述べた「価格転嫁」の取組を進めるとともに、県内の中小企業が、「生産性向上」や「売上げ向上」に取り組み、収益力を高めていただく必要がある。

〇 まず、中小企業の更なる「生産性向上」のため、来月、「中小企業DX推進センター」を開所し、DX専門アドバイザーが企業現場に出向き、きめ細かく伴走支援を行う。

〇 さらに、「売上げ向上」のため、地域中小企業支援協議会において、新たな事業展開に向けた経営革新計画策定や実行支援に取り組んでいる。

「グローバルコネクト福岡」においては、バイヤーを招へいした商談会の開催など中小企業の海外展開支援にも取り組んでいる。

〇 こうした取組を後押しするため、国の補助金や、県単独の「中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金」等により、設備導入などを支援している。

〇 今後、国の「最低賃金」の引き上げに対応する中小企業・小規模事業者を後押しする支援策」の具体的な内容が明らかになり次第、速やかに国と連携を図り、更なる支援策について検討してまいる。

 

問5 最低制限価格による受注について

〇 昨年度の250万円超の競争入札における県発注工事のうち、最低制限価格でのくじ引きによる落札件数は、全体の入札件数3,371件の45%にあたる1,536件となっている。

また、金額ベースでは、全体の落札金額1,347億円の26%にあたる354億円となる。

〇 最低制限価格は、物価上昇などを反映した最新の労務費や材料費などを用いて積算した直接工事費や諸経費に、工事の品質確保や、受注事業者が企業として継続するために必要な経費を考慮し、国が定めた基準に準拠した率を乗じて算出していることから、適正な利益を確保できる水準と考えている。

 

 

問6 最低制限価格の事前公表の見直し検討について

〇 県では、過去の累次の不祥事に鑑み、最低制限価格を探ろうとする動きを防止するため、段階的に最低制限価格の事前公表を行い、平成18年以降、競争に付す全ての建設工事について事前に公表している。

〇 国の指針では、事前公表により、適切な積算を行わずに入札を行った事業者が受注する事態が生じるなどを理由に、事後公表を求めているが、県では入札の際に事業者から提出される工事費内訳書を用いて、適切な積算となっているかを確認している。

〇 このようなことから、入札に係る不正防止を図るため、事前公表を引き続き実施し、入札制度の適切な運用に努めてまいる。

 

 

福岡県議会2025年6月定例会で代表質問を行いました。私が担当した5つのテーマの質疑をアップします。

子どもアドボカシーについて

次に、子どもアドボカシーについて質問いたします

2023年4月にこども基本法が施行され、こども大綱では「子どもは権利の主体である」とし、その権利の保障がうたわれています。また基本法には、子どもが意見を表明できる機会を確保するとともに、その意見を尊重すると明記されました。子どもアドボカシーとは、すべての子どもに意見を表明する権利があるという人権を基盤に、子どもが自らの意見を形成し、表明できるよう支援する取り組みです。子どもが声を上げることが難しい場合には、代弁者(アドボケイト)がその声を届ける役割を担います。

この考え方は、2019年千葉県野田市での児童虐待死事件を契機に全国的な議論が高まり、2022年の改正児童福祉法により「意見表明等支援事業」として制度化されました。特に社会的養護を受ける子どもたちに対するアドボカシーの取り組みが各地で始まっており、本県においてもこうした流れを受けて取り組みが進められています。

また「福岡県こども計画」では、子どもが権利の主体であることの社会全体での理解促進、子どもの意見を尊重することの必要性を明記し、計画の柱と位置づけ、具体的なこども施策に取り組んでいくとしています。

 

問1.まず、知事にお尋ねします。

本県では社会的養護の子どもたちへの子どもアドボカシーにどのように取り組まれているのか、現状と今後の取り組みについてお聞かせください。

意見表明については、社会的養護の子どもだけでなく、親と一緒に暮らす子どもにも親に話せないこともあります。また、児童相談所が相談を受け、施設に入所する子どもはごく一部であり、多くの子どもは家庭に戻ります。そうした子どもたちの声を聴く環境は、十分に整っているとは言い難い状況です。

 

そうした状況の中、学校での子どもアドボカシーの取り組みが始まっています。

公明党福岡県議団は先日、NPO法人子どもアドボカシーセンター福岡と意見交換を行いました。同法人は、福岡市の委託を受けてアドボケイトを養成し、一時保護所や児童養護施設などで子どもの声を聴く活動を行っています。

さらに、2022年度からは学校へ活動を広げ、小中学校へアドボケイトを派遣、3日間のワークショップを実施し、九州大学と共同開発した双六を通じて子どもたちが互いの声を聴き合い、他者の権利を尊重することを育む活動を展開しています。これには事前の教職員研修を必須として、教育現場での理解促進にもつながっています。ワークの中で深刻な話しをする子どももおり、通告に至る案件は必ず本人の了解を得て通告されます。

2024年度には、4つの小学校、2つの中学校、教育支援センターにて、延べ1,700人の子どもたちがこのプログラムに参加し、延べ130人のアドボケイトが関わりました。福岡市では、2025年度よりこの取組を市事業として位置付け、5カ年計画で今年度は20校で予定しています。

また、久留米市などで活動する「NPO法人にじいろCAP」は暴力から身を守る方法を学ぶ人権ワークショップを学校で実施する中で子どもアドボカシーに取り組まれています。

 

問2.教育長にお尋ねします。まず、学校現場において、児童生徒は「子どもが権利の主体である」ことや「意見を表明する権利」について、どのように学んでいるのか。あわせて、教職員への理解促進にどのように取り組まれているのか、お聞かせください。

問3.次に、子どもアドボカシーの意義について、教育長のお考えをお伺いするとともに、本県で子どもアドボカシーの文化を根づかせるため、ご紹介した県内で活動するNPOの先進的な学校でのアドボカシーの取り組みを県教育委員会として学ぶべきではないかと考えますが、ご所見を伺います。

 

現在、子どもアドボカシーは主に社会的養護の領域で進んでいますが、実際には児童相談所の支援が届いていない家庭の子どもや、教育・医療・司法などあらゆる領域に、声を上げることが難しい子どもがいます。

 

問4.そこで提案を含めて、知事にお伺いします。

すべての子どもが意見を表明できる社会の実現には、子どもアドボカシーの推進が必要です。子ども自身にその必要性を伝えるだけでなく、子どもに関わるすべての大人の意識啓発や理解の促進が不可欠だと考えます。教職員をはじめ、福祉・医療・司法・地域の支援者——たとえば放課後児童クラブや子ども食堂の関係者などに対し、先進的に取り組むNPOと連携して、子どもの権利やアドボカシーに関する研修・普及啓発を進めては如何ですか。知事のご所見をお伺いいたします。

 

――4―①

問  社会的養護を必要とするこどもの意見表明等支援について

〇 県では、一時保護所や児童養護施設等で過ごすこどもの権利擁護の一層の推進を図るため、昨年4月に「福岡県こども意見表明支援センター」を設置した。このセンターで、児童相談所等から独立した第三者である「意見表明等支援員」を養成し、施設等に派遣することにより、こどもの処遇にこども自身の意見が反映されるよう取組を開始したところである。

〇 昨年度末時点で113名の意見表明等支援員を養成しており、入所期間が短い一時保護所で過ごすこどもに対しては週に1回、児童養護施設で生活するこどもに対しては月に1回、意見表明等支援員が、こどもとの遊びでの会話を通じて、また必要に応じ個別面談により、生活における悩みや不安などを聴き取っている。

〇 昨年度は、延べ1,358人のこどもと面談し、150件の意見が表明された。こどもから表明された意見は、こどもの意向に応じて児童相談所と一時保護所、児童養護施設等で共有し、どのように対応するか検討した上で、その結果をこどもや意見表明等支援員に丁寧に説明することとしている。

〇 今年度は、支援の対象を里親家庭に拡大することとしており、引き続き、こどもが意見を表明しやすい環境を整えてまいる。

――4―②

問  子どもの権利に関する理解促進について(教育長答弁)

〇 児童生徒は、社会科の授業で子どもの権利条約や日本国憲法について学習する際、子どもたちの幸福に生きる権利や、自由に自己の意見を表明することができることなどを学んでいる。

〇 教職員に対しては、人権教育研修会において、こども基本法の内容や指導上の留意点について講演を実施している。また、校内研修などでスクールカウンセラー等と連携し、児童生徒が安心して声を出せる環境の重要性や、悩みや困難を抱える児童生徒の早期発見に努めることなどについて、その理解促進を図っている。

――4―③

問  子どもアドボカシーの意義と先進的な学校での取組について(教育長答弁)

〇 貧困や虐待など、子どもを取り巻く状況が深刻な中、子どもの声を社会に届け、その権利が守られるように支援する、子どもアドボカシーの取組は、権利の主体である全ての子どもが、個人として尊重され、権利が保障される上で、大切であると考えている。

〇 県教育委員会としては、子どもアドボカシーに関する先進的な実践事例の成果や課題について、情報収集を図るとともに、引き続き、児童生徒の人権に十分配慮し、一人一人を大切にした教育の推進に努めてまいる。

――4―④

問  こどもの意見を表明する権利の啓発について

〇 県では、今年3月に「福岡県こどもまんなかポータルサイト」を開設し、こどもが権利の主体であること、こどもの意見を尊重すること等をクイズ形式で楽しく学んでいただけるようにしている。

このほか、福岡県だより、県政出前講座などを通じ、広く県民の皆様に対する周知、啓発に取り組んでいる。

〇 また、今年度は、こどもに関わる大人に向けた啓発教材を、こどもを支援するNPOや教職員、保育士、こども食堂に携わる方等で構成するワーキンググループで検討し、作成したいと考えている。

教職員や保育士などが集まる場を活用し、この教材による研修を実施することにより、こどもが生活する様々な場面で自分の意見を言える環境づくりを進めてまいる。

  • 警固界隈における子ども・若者支援について

次に、警固界隈における子ども・若者支援について知事、警察本部長にお尋ねします

先日、私は福岡市中央区・警固公園で、若者の居場所支援に取り組むNPO法人イルタテエを視察しました。同団体は、警固公園内にある安全安心センターを拠点に、毎週月曜日の18時から21時まで、子どもや若者が自由に立ち寄れる「居場所」を提供されています。

視察当日は祝日でしたが、いわゆる「界隈」と呼ばれる、帰る場所のない若者たちが次々と訪れました。支援者が用意したおにぎりなどを手に、多くの若者が出たり入ったりし、約3時間で50名を超える若者が訪れていました。

代表は、こうした若者の多くが、児童相談所の保護を経てなお行き場がない、虐待を受けた子どもたちで、オーバードーズ、裏バイトなど、命や犯罪に巻き込まれる危険と隣り合わせの日々を過ごしているとお聞きしました。

同団体の調査では、警固公園に集う若者のうち、

「誰かから暴力を受けたことがある」……33%

「死にたいと思ったことがある」……50%

「自傷行為をしたことがある」……33%

「家に帰れなかった経験がある」……44%(うち1ヶ月以上帰れなかった者が45%)と、虐待や家庭不和など深刻な背景を抱えながら、支援機関に一度もつながったことがない若者が多数存在する、という社会的孤立の実態が浮かび上がります。

その中で、イルタテエでは、子どもアドボケイトが一人ひとりの話をじっくり聴く場を提供し、「誰かに話を聴いてもらえた」という経験はその人の傷つきを回復しながら、その人の一生を支えると言われていました。弁護士や、社会福祉士、保護司、医師など、様々な専門職が支援に関わり、進学・就職の相談、自立支援など、多岐にわたる課題に寄り添っています。

さらに注目すべきは、かつて虐待を経験した若者が、今は誰かを支える側として相談に応じるようになってから相談が増え、支援が支援を生む好循環が生まれています。

同団体では現在、警固公園に加え、市内2か所に週2回ずつ居場所を開設し、資格取得や学びを望む若者の相談も増え、支援の広がりが、確実に形になっています。

そこで質問です。

令和7年度当初予算では、警固界隈のこども・若者を支援するための事業費が提案されていますが、警固界隈で活動するNPO等との連携を含め、どのような支援を行うのか。知事のご所見をお伺いします。

また、警固公園で5つから6つの支援団体が活動しており、今後の支援については、団体の代表も協議に参画してもらうことが重要です。現場で活動するNPO等との連携をどのように進めていくのか、県警本部長の見解をお伺いします。

 

これまで、家庭に居場所がなく虐待等を受けたこども・若者が、夜間緊急的に安心して避難できる場所が十分整備されていない、という声がありました。

令和7年度予算において、「緊急避難支援」として、こども・若者シェルター設置費が提案されていますが、本事業では18歳未満のこどもも対象となるのか。またどのような支援を実施していくのか、事業の概要について知事の見解をお伺いします。

傷ついた子どもや若者が、誰かとつながることで安心を得て、一歩を踏み出すきっかけとなるよう、行政と民間が力をあわせ、実効性ある支援体制の構築を強く求め、この項の質問を終わります。

――10-①

問  警固界隈のこども・若者を支援するための事業について

〇 この事業は、警察本部や福岡市、児童相談所などの行政機関をはじめ、

  • 心身の状態について、専門的助言を行う小児科医
  • 地域の実情に精通する地元の防犯団体
  • 警固公園で支援に取り組んでいるNPO等

で構成する協議会を設置し、公園に集まるこどもや若者への支援と、そのこども達を利用しようとする悪意ある大人への対策を総合的に実施するものである。

〇 具体的には、

  • 傷害事件などに巻き込まれる危険性を訴える、こどもや若者への啓発動画や、児童買春等の犯罪行為を行う悪意ある大人への警告メッセージを配信
  • 一人ひとりに寄り添い、相談しやすい環境を整えるため、NPO等と連携した夜間相談窓口の設置や、公園内での声掛け
  • 虐待等により帰る居場所のない、こどもや若者のためのシェルター設置といったことに取り組む。

 

――10―②

問  警固界隈のこども・若者を守る事業におけるNPO法人等との連携について(警察本部長答弁)

〇 現在、警固公園では様々なNPO法人等が、多様な悩みを抱えるこども・若者に対して、声掛け、食事の提供、居場所づくりなどの支援活動を行っているものと承知している。

〇 こうした状況を踏まえ、県警察では、協議会を設置して、これらのNPO法人等のそれぞれの知見や活動内容についての情報を共有するとともに、NPO法人等が把握している、こども・若者一人ひとりの背景にある課題を解決するために、より良い支援や対策の在り方を個々の事例ごとに議論し、連携することにより効果的な施策の実施につなげてまいる。

〇 また、虐待等で家庭に居場所がないことで悩んでいたり、非行等の問題を抱えたりしているこども・若者に対しては、NPO法人等と連携し、必要に応じてこども若者シェルターを運営する団体や医療機関等へつなげていくこととしている。

〇 県警察としては、現場で活動するNPO法人を始めとした関係機関・団体と連携しながら、引き続き、警固公園に集まるこども・若者の安全・安心の確保に向けた取組を推進してまいる。

 

――10一③

問  こども若者シェルターについて

〇 県では、虐待や貧困により帰る居場所がないこどもや若者に対し、緊急的に安心して避難できる場所を提供するため、「こども若者シェルター」を女性向け、男性向け、6名定員でそれぞれ1ヶ所設置することとしている。

設置場所は、そういったこどもや若者が集まる警固公園に近い福岡地域と考

えている。

〇 支援対象者は、10代から概ね20代までのこどもや若者としており、18歳未満のこどもについては、児童相談所の一時保護を嫌がるこどもを、このシェルターで保護することとしている。

なお、未成年者がシェルターに入所する場合は、民法の規定に基づき、原則として親権者等の同意を得ることとしている。

〇 シェルターの入所期間は1日から概ね2か月までと考えており、この間、社会福祉士等の支援員による食事の提供や規則的な生活ができるための支援、就労・就学に向けた支援、公認心理士によるカウンセリング等を行う。

加えて、退所時は、児童相談所と連携し、家庭復帰するこどもの場合は身近な場所で見守りを実施する市町村のこども家庭センター、自立を目指す若者の場合は共同生活をしながら生活指導及び就労支援を受ける自立援助ホームなど、長期的な支援ができる機関に繋ぐこととしている。

〇 こうした取組を通じて、帰る居場所がないこどもや若者の安全を迅速に確保し、安定した生活が送れるよう、必要な支援を行ってまいる。