3/2 代表質問から項目ごとに報告します。
次に、医療的ケア児等の支援強化と、高齢者施設の質の確保についてお尋ねします。
まず、レスパイトの充実についてです。
医療の進歩により、NICUに長期入院されていたお子さんが、人工呼吸器や胃ろう等を使って地域で暮らすことが可能となり、医療的ケアの必要なお子さんが年々増加しております。
しかしその一方で、保護者の介護負担は極めて重く、自宅でのケアを続けていくためにもご家族へのレスパイト支援が求められております。
中でも、ご家族のレスパイトのみならず、ご家族の急病、緊急の用事ができたとき、母親の出産時などで数日間預けることができる「医療型短期入所」は、家庭生活を支える生命線となっています。
また、自宅外で家族以外の方と過ごすことにより、医療的ケア児ご自身の成長にもつながるという側面からも、「医療型短期入所」は、医療的ケア児とその家族にとって、大変重要なものです。
ところが、この「医療型短期入所」について、県内には現在38か所ありますが、その中には「空床型」として運営され、ベッドに空きがある時しか受け入れられない施設も少なくありません。保護者の方や支援されている方にお話を伺いますと、「空きがない」「遠方で利用できない」といった理由で、必要な時に利用できず、やむなく利用を断念せざるを得ない家庭も少なくないということです。
【医療型短期入所の確保と支援強化】
そこで伺います。
医療型短期入所について、現在の本県の利用実態をどのように認識しているのか。
医療的ケア児の家族が、必要なときに安心して休息を取れるよう、今後どのように受け皿の確保と支援の強化を図っていくのか、知事の見解を求めます。
次に、療養介護体制について伺います。
医療的ケアが必要なお子さんが成人となり、障がい支援区分もかなり高く、重度の方の中には、医療機関に長期間入院されている方もおられます。そのような方に対し、主に昼間に、機能訓練や看護、介護、日常生活の世話を行う「療養介護」という障がい福祉サービスが、病院の中で行われています。
保護者からは、「日中は障がい福祉サービスを利用し、夜間は医療機関で過ごせる体制」、いわゆる「療養介護」を望む声が寄せられています。
しかし、医療的ケア児の数が多く、重度の方も多くおられる福岡市内では、先進的な取組を行っている「虹の家」を含め療養介護事業所の指定を受ける医療機関は2か所しかなく、県内でも全体で
13か所のみで、果たして必要なニーズを満たす十分な量なのだろうかと思ったところです。
【療養介護の量への認識と対応】
そこで伺います。本県における療養介護の提供体制について、十分と考えているのでしょうか。不十分であるとすれば、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を求めます。
次に、高齢者施設の質の確保について伺います。
末期がんや難病等の方々を対象とした、高齢者住宅に訪問看護事業所を併設した施設、いわゆるホスピス住宅において、本人の希望でない、不要な訪問看護を行わせて、指定訪問看護事業者が不当に高額な医療費を請求している事例が報道されています。
このような事例は、国民の信頼を裏切り、国民の財産を不当に取得しようとするものであるとともに、訪問看護制度やホスピスに対する社会的な信頼を損ねる極めて深刻な問題であり、あってはならないことだと考えます。
【ホスピス住宅等における不適切請求への実態把握と監査】
そこでお尋ねします。県では、このような不正な行為が疑われる指定訪問看護事業者に対して、どう対応されているのかお答えください。
【知事答弁骨子】
七-①
問 医療型短期入所の利用実績と支援強化について
○ 県内の医療型短期入所事業所の利用実績は、昨年度、延べ約1万2千人、1日当たり平均92人の方が利用されている。
これに対し、県内の専用病床数は146床で、県全体では不足する状況にないが、「筑紫」「八女・筑後」「飯塚」の3つの圏域に事業所がない状況であり、利用者が希望する地域で、必要な時にサービスを受けることができるよう、受入れ施設を増やすことが望ましいと考えている。
○ このため、県としては、医療型短期入所事業への理解を進めるため、実施を検討している医療機関を個別に訪問し、事業の内容、サービスに係る報酬額、事業所指定の手続き等について説明を行っているところである。
来年度、医療型短期入所事業所を開設する医療機関等に対し、専用病床設置のための介護用ベッド等の導入経費を新たに助成することとしたいと考えている。
また、医療的ケア児・者への対応に不安があるとの声を受け、医療機関等の職員を対象に、医療的ケア児・者とのコミュニケーションの取り方や保護者への支援方法、喀痰吸引・誤嚥ケアの技術等を習得する実践的な研修を行っている。
これらの取組により、実施事業所が増えるよう努めてまいる。
○ 医療的ケア児の学校や保育所等の付添いに看護師派遣を利用できる利用上限144時間の県単独のレスパイト事業については、学校や保育所等で看護師の配置が進んだことから、今年度で終了する。
看護師を医療的ケア児の自宅等に派遣し、家族の負担を軽減するレスパイト事業については、利用上限を48時間として実施していたが、国庫補助を活用することにより、来年度から104時間まで拡大する。併せて、18歳を超えた医療的ケアを必要とする方も対象とする。
この国庫補助事業では、通学・通院の付添いが対象外となっていることから、これを対象とした県単独の事業として、利用上限104時間のレスパイト事業を来年度、新たに実施してまいる。
こうした取組により、医療的ケア児・者のご家族にレスパイトを提供できる環境づくりを進めてまいる。
七-②
問 療養介護の提供体制について
○ 県内では現在、13の医療機関で療養介護事業を実施しており、昨年度の実績では、ひと月当たり1,126人が利用しているところである。
これまで、サービスの支給決定をしている市町村からは、療養介護の提供に支障があると聞いていないが、利用が集中している一部の医療機関からは、「療養介護サービスの利用希望者が多く、待機者も出ている」といった声も聞いている。
○ 来年度は、令和9年度からの障がい者福祉計画の策定に向け、市町村に対し、利用実績や今後の利用見込みについて、ヒアリングを実施することとしている。その際、どこの医療機関を利用したか、希望する医療機関を利用できたかなどについて、調査することにより、まずは利用の実態を把握してまいる。
七-③
問 不正な行為が疑われる指定訪問看護事業者への対応について
○ 指定訪問看護事業者による医療費の不正請求は、訪問看護制度の信頼を著しく損なうとともに、医療費の増加や保険料の上昇など、深刻な影響を及ぼす。
○ このため、県では、保険者等からの情報提供で不適切な請求の疑いがある事業者や、利用者に対する請求額が高額な事業者等を対象として、指定訪問看護事業者の指定取消しの権限を持つ九州厚生局と共同で指導や監査を行っている。
○ 指導や監査の結果、不正な請求が確認された場合には、九州厚生局と連携し、医療費の返還はもとより、指定の取消しも含め、厳正に対処している。
引き続き、指定訪問看護に係る医療費請求の適正化に努めてまいる。
3/2 代表質問から項目ごとに報告します。
次に、外国人に対する排外的な言動と、その対策についてお尋ねいたします。
公明党福岡県議団では、本年1月13日から15日にかけ、外国人問題に関するインターネット調査を実施し、福岡県及び全国の15歳から79歳の男女5,430人から回答を得ました。
近年、外国人観光客や外国人労働者の増加を背景に、生活上の不安や不満が、特定の国籍・民族への否定的言動として顕在化する場面がみられます。差別や排外は、当事者の尊厳を深く傷つけるだけでなく、地域の分断を招き、本県の観光・産業・国際交流にも影響し得る重大な課題です。
本調査は、県民が特定の人々の行動について「個人として判断するのか」、それとも「集団全体として判断するのか」という“人の見方の違い”に着目し、差別的言動の認識、安心安全への不安、社会・政治への関与、情報環境、外国人に関する施策評価との関係を分析しました。分かりやすく言うと、ある国の観光客がやった行為を、その人個人の行為と見るか、その人の国の人全体がやる行為と見るかということです。
調査の結果、福岡県民の多数は「個人として判断すべき」と回答しました。一方、「全体として判断する」と答えた人は約6%で、全国とほぼ同水準でした。県民多数は、属性で一括りにせず個人として見るという冷静な認識を共有していると言えます。
しかし、この約6%は県内人口規模で約30万人に相当し、少数とはいえ看過できません。個別の出来事を「外国人全体の問題だ」と決めつける見方は、偏見や排外的言動につながりやすい土台になり得ます。またこの層は、社会・政治への関心が相対的に高く、行政不信も強めで、テレビよりSNS・動画配信への依存が高いなど、同質的情報に反復接触し思い込みが強まりやすい傾向も調査で明らかになりました。行政としては、声の大きい少数意見に過度に引きずられず、県民多数派の冷静な認識を基盤に、事実に基づく情報発信と、現場を守る体制整備を進める必要があります。
そこで知事に、4点お尋ねいたします。
まず、県の基本姿勢についてです。
調査では県民の多数が「個人として判断すべき」と考え、「全体として判断する」層は約6%と少数ですが看過できません。排外的な感情が高まる可能性もあります。
この調査結果を受けて、外国人の人権に対する知事の考えを伺います。
次に、排外的言動が生まれる背景の認識についてです。
排外的言動の背景には、
①一部の出来事から「外国人全体がそうだ」と決めつける見方
②生活不安や不満が身近な不満のはけ口として外国人への非難に向かう状況
③SNS等で刺激的・同質的情報が反復され思い込みが強まる仕組み
④治安や負担など社会課題が短絡的に外国人と結び付けられやすいこと
といった要因が重なっていると考えます。このような排外的言動が生まれる背景について、県としてどう認識しているのか伺います。
あわせて、その認識に基づき、学校・地域において、人権の視点、多文化共生の基本理解を広げるなど啓発にどう取り組んでいるのか伺います。
外国人をよく見かける頻度と、外国人観光客・労働者に不安を感じる人との関係についても調べました。結果は両者に相関関係はないことが分かりました。このことから外国人に対する不安感は、自身の経験よりもマスコミやSNSの情報からイメージとして感じていることが推察されます。
そこで、排外的言動を起こしにくい環境づくりについて伺います。
誤情報や偏った情報が広がった際に、事実関係を分かりやすく示し、県民が確認できる根拠ある情報発信が重要です。県としてどのように情報発信をしていくのか伺います。起きてから注意するだけでは追いつきません。繰り返しになりますが、啓発・教育の施策が大事です。また海外への旅行や仕事、留学などで、外国人と交流した経験について聞いたところ、35.6%の県民が交流は全くないと答えました。男性の15歳から29歳では、37.7%と4割近くに達していました。このことを踏まえ、外国人住民と深く交流できる場づくりの必要性を感じますが、県としてどう取り組んでいくのか、伺います。
次に、被害を受けた方が孤立しないための相談・支援体制と、実態把握・連携の仕組みについてです。
SNS上の差別的投稿などの被害を受けた外国人が安心して相談でき、警察・法務局(法務省)等の適切な支援先へ確実につながる体制が不可欠です。相談窓口の周知、関係機関との連携、相談体制の整備について、県としてどのように取り組んでいるのか伺います。
SNS上の差別的投稿やヘイトスピーチによって6%の「全体として判断する」県民が、増えていくことに懸念します。排外的言動をなくすには、背景の分析、誤解を減らす予防、そして相談・支援体制を一体で進めることが重要です。多様な人々が安心して暮らせる福岡を守るため、県として実効性ある取組を進めることを求め、この項の質問を終わります。
【知事答弁骨子】
五-①
問 外国人の人権に対する知事の考えについて
〇 日本国憲法で定める基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、日本に在留する外国人に対しても等しく及ぶものであり、当然、外国人の人権は尊重されるべきものと考えている。
〇 在住外国人の急増に伴い、言語や生活習慣などの違いだけでなく、残念ながら、違法行為やマナー違反を行う外国人もいることから、外国人全体に対する偏見が生じていることは憂慮すべきことである。
当然、そのような違法行為を行う外国人の方に対しては、法律に基づき、毅然とした対処をする必要があるが、一方で、多くの外国人の方々は、日本の法律やルールを守り、日本経済や地域社会のために活躍されており、外国人であることを理由に排除するようなことは、あってはならないと考えている。
五-②
問 排外的言動が生まれる背景に対する認識と人権啓発について
〇 先ほど申し上げた違法行為やマナー違反を行う外国人もいることから、県民の皆様の中には、外国人の方が同じ地域に住むことに不安を感じる方もおられ、このような不安が排外的言動につながる可能性があると認識している。
〇 県では、「福岡県人権教育・啓発基本指針」において、日本人と外国人が共に暮らしやすい地域社会を形成するためには、県民の方々が異なる言語や文化、慣習に対する認識を深め、多様な価値観を尊重する心を育むことが必要であるという考えのもと、国際理解教育の推進など、行うべき施策の基本方針を定めている。
〇 この指針に基づき、福岡県国際交流センターにおいては、留学生をはじめ在住外国人の方やJICA(ジャイカ)海外協力隊の経験者などが、県内の学校、公民館、企業等に出向き、母国の生活習慣や文化、海外での経験を伝える「国際理解教室」を実施している。
〇 また、多言語ポータルサイト「FUKUOKA IS OPEN」において、本県で活躍している外国人や外国人コミュニティが実施する海外の文化紹介イベントの様子についても情報発信を行っているところである。
五-③
問 根拠ある情報発信と外国人住民との交流の場づくりについて
〇 県では、昨年、朝倉市のマンション建設について、SNS上で「県が許可した」などといった事実と異なる情報が拡散され、県への問い合わせが急増した際には、いち早く記者会見を開き、県が把握している事実関係を説明した。
〇 今後も同様の事案が発生した場合には、県民の不安拡大や誹謗中傷を防ぐため、県ホームページにおいて、事実関係に基づく情報発信を行うとともに、記者会見の開催など報道機関への情報提供を行うこととしている。
〇 また、外国人の方々と地域住民の皆様が深く交流するためには、言語を通じたコミュニケーションも重要である。
このため、県では、外国人の方々にとって、日本語を学ぶだけでなく、地域住民の皆様と交流する場にもなっている日本語教室を支援している。具体的には、日本語教育の専門家を市町村に派遣し、教室の開設や運営に関する助言を行うとともに、日本語を教えるボランティアの方々に対するスキルアップ研修を行っている。
そのほか、外国人と接する機会が多い行政区長や行政職員等の方々に対する「やさしい日本語」の研修も行っている。
〇 さらに今後は、県内で働く外国人の配偶者やこどもなど、日本語が全くわからない外国人向け日本語教室の開設も支援してまいる。
五-④
問 差別的投稿などの被害を受けた外国人からの相談対応について
〇 県では、一昨年10月、都道府県レベルでは全国初となる、福岡出入国在留管理局や福岡法務局人権擁護部、福岡県行政書士会など国等の専門機関が一体となった「FUKUOKA IS OPENセンター」を開設し、在住外国人の方々の相談に24言語、ワンストップで対応している。
〇 とりわけ、外国人の方の人権に関する相談については、当センターの専門機関である福岡法務局人権擁護部と連携し、相談内容に応じて警察や関係機関につなぐ体制を整備している。
〇 こうした県の取組を外国人の方々や関係機関等に広く周知するため、行政や外国人を雇用する業界団体等で構成される「外国人材受入対策協議会」や外国人コミュニティとの連絡会議において、当センターの活動内容を説明するとともに、多言語ポータルサイト「FUKUOKA IS OPEN」においても発信しているところである。
3/2 代表質問から項目ごとに報告します。
次に、こどもの権利を保障する取り組みについてお尋ねいたします。
2025年、小中高生の自殺者数は532人と過去最多となりました。かけがえのない命が失われた現実を前に、お一人お一人にどのような人生があったのかと思うと、胸が締め付けられる思いです。
近年、貧困、児童虐待、家庭環境、喪失体験など、こども自身が言葉にできない「生きづらさ」を抱えるケースは少なくありません。国、本県においても様々な対策が講じられていますが、依然として事後対応が中心であり、問題を未然に防ぐという観点では、なお十分とは言えないのではないでしょうか。
そのような中、学校や地域でこどもの権利教育に取り組むNPO法人「にじいろCAP」重永侑紀代表の講演を拝聴しました。同NPOは26年間にわたり学校や地域でワークショップを積み重ね、こどもたちが、こどもの権利を学ぶことを通じて、SOSの出し方や自分の身を守る力を育んでいます。2024年度には約17,260人のこどもが参加しています。特に久留米市では、令和3年度より同NPOと連携し、市内すべての小学4年生・中学2年生および教職員を対象とした体系的なプログラムを実施し、市民向け研修や未就学児向けプログラムまで、発達段階に応じた継続的な取り組みを展開しています。そこでは、「こどもには権利がある」「いや、やめてと言ってよい」「困ったときは助けを求めてよい」というメッセージを繰り返し伝えるとともに、大人が受け止める力を高める仕組みづくりが進められています。
その結果、こども自身が声を上げたSOS発信による虐待対応事例は、令和2年度まではゼロ件でしたが、その後毎年確認され、令和6年度には9件となりました。さらに、実施団体からの情報提供による見守り依頼が273件、面談等の確認対応が87件と、悩みが深刻化する前に支援へとつながる実績が示されています。「命を守る予防教育」の実践であり、児童虐待やいじめの重大化を未然に防ぎ、大きく減少させることができる可能性を示すものです。
なお、大刀洗町でも、令和元年から保育所、小学校、中学校、教職員保護者ワークを続けています。
そこで、知事にお尋ねいたします。
こども基本法は、こどもを権利の主体として尊重し、その最善の利益を確保することを行政の責務として明確に位置付けました。
こども自身が権利を学び、安心して声を上げられる環境づくり、さらにこどもに関わる大人の理解と受け止める力の向上を、県としてどのように戦略的に推進していくのか。
例えば、久留米市のように学校現場で体系的・継続的な取り組みを県全体へ広げるため、モデル事業の創設や市町村への財政支援、専門人材の育成などを含め、どのような方針で展開していくのか、知事のご見解を求めます。
次に、教育長にお尋ねいたします。
先日、大阪市立田島南小中一貫校を視察しました。同校ではこどもの権利条約を教育の土台に据え、発達段階に応じた「生きる教育」を体系的に実践していました。
小学1年でプライベートゾーン、小学3年でこどもの権利、その他の学年でもSNSやデートDVなどテーマを決め、中学校では「受援力」すなわちSOSを出す力を育てる教育を行っています。授業は、参加型・ワークショップ型で教員の熱心な授業づくりにより、分かりやすい授業づくりが徹底されています。そこでは、こどもが自分の気持ちを言葉にし、困ったときに「助けて」と言える力を育てることが、いじめや問題行動の予防につながるという明確な理念が貫かれていました。14年前から研究を重ね、現在では国の「生命の安全教育推進事業」のモデルの一つともなっています。
今求められているのは、問題発生後の対応強化ではなく、こどもが日常から声を上げられる学校文化を醸成することであります。
そこで教育長にお尋ねします。
1.まず、久留米市が取り組むこどもの権利に関する教育について、県教育委員会としてどのように認識しているのか。
2.次に、本県における「生命の安全教育」などへのこれまでの取り組みと、教育課程や教員研修へどのように反映させているのか。さらに、久留米市や田島南小中一貫校の取り組みを一部の先進事例にとどめることなく、教職員研修への体系的な位置づけや、NPO・外部専門家との連携を含めた取り組みの推進など、県全体へ広げていく必要があると考えますが、教育長のご所見をお聞かせください。
こどもが追い詰められてから支援するのではなく、追い詰められる前に「助けて」と言える環境を整えることこそ、行政の責務であります。
本県が、こどもの命と尊厳を守る教育の先進県となることを強く期待し、この項の質問を終わります。
【知事、教育長 答弁骨子】
四-①
問 こどもの権利を保障する取組について
○ こどもの権利が保障されるためには、
・こどもが権利の主体であること
・こどもは意見を表明できること
などについて、こどもと大人の双方の理解を深めることが重要である。
○ このため、県では、こども自身がこどもの権利について理解できるよう、昨年設置した「福岡県こどもまんなかポータルサイト」において、クイズ形式で楽しく学べるようにしているほか、放課後児童クラブなどへの県政出前講座ではイラストを活用し、わかりやすく伝えている。
また、大人については、先ほど申し上げたこどもまんなかポータルサイトや福岡県だより、SNSなどでこどもの権利について広く周知している。
○ また、今年度は、こどもに関わる大人に向けた研修教材を、こどもを支援するNPOや教職員、保育士、こども食堂に携わる方等で構成するワーキンググループで検討し、作成する。
この教材では、
・こどもが話しやすい環境のつくり方
・こどもの意見を聴く手順
・年齢や発達の程度に応じた聴き方の工夫
などの内容を盛り込むこととしている。
来年度は、この教材を活用し、教職員や保育士等が集まる場において研修を実施していく。
○ この研修は、受講した教職員や保育士等が、
・それぞれの現場で、こどもに対し、こどもは権利の主体であり、意見が尊重されることを伝えていくこと
・表明された意見をしっかりと受け止め、こどもとの日々の関わりの中で活かしていくこと
を目指している。
こうした取組を進めることにより、こどもの権利の保障を図っていく。
四-②
問 久留米市が取り組む子どもの権利に関する教育への認識について(教育長答弁)
○ 児童虐待やいじめに関する状況が深刻化する中、子どもが安心して声をあげられる環境づくりとともに、それを受け止める大人の認識を深めることが大切であると考えている。
学校と行政、関係団体が連携し、子どもの安心・安全を守り育んでいくことは、子どもの権利について教職員や保護者、地域住民、そして子ども自身が学んでいく方法として重要なものであると考えている。
四-③
問 生命の安全教育などの取組と、教育課程や教員研修への反映について(教育長答弁)
○ 本県では、特別活動や保健体育等の授業において、自分や他者の命を大切にすることや、困った時に相談しようとする態度を、児童生徒の発達段階に応じて育成している。加えて、スクールカウンセラーを活用した特設授業を行っている。
○ また、教職員に対しては、県教育委員会主催の人権教育研修会において、子どもの声に耳を傾けることや子どもが自己の意見を表明できる力を育むことの重要性について、学ぶ機会を設けている。さらに、SOSのサインをキャッチするための観察の視点や具体的な対応方法を示したリーフレットを配布し、悩みや困難を抱える児童生徒の早期発見に努めている。
四-④
問 先進事例の県全体への普及について(教育長答弁)
○ 今後、先進的な実践事例について広く情報収集を行い、県教育委員会が作成している児童生徒向けの「SOSの出し方リーフレット」や教職員向けの啓発リーフレットの内容の改善充実を図り、その普及に努めてまいる。
○ また、校内研修を通した先進的な取組の普及を図るため、市町村教育委員会に対して、効果的な研修内容や実績のある講師等の情報提供を行い、教職員が児童生徒のSOSのサインを確実に受け止めることができるよう支援してまいる。
3/2 代表質問から項目ごとに報告します。
次に、人口減少問題に関連して少子化対策について伺います。
まず、少子化の基本認識についてです。
内閣官房参与の山崎史郎氏は、我が国の少子化は「若者の価値観」や「未婚化」といった意識の問題ではなく、出産・子育ての中心世代である25歳から35歳が仕事と家庭を両立できる社会構造を整えられなかったことに起因する、極めて構造的な問題であると指摘しています。
スウェーデンやフランスでは、出産年齢の上昇を前提としながら、働きながら子育てできる環境を整備することで出生率を回復、いわゆる「キャッチアップ」を実現してきました。一方、日本では出産年齢の上昇とともに出生率が低下し、回復軌道に乗れていないのが現状です。
国は2024年異次元の少子化対策として3.6兆円を投じ、本県でも子育て応援基金120億円を活用し取組を進めてきました。そこで知事に伺います。1.本県の少子化の現状をどのように認識しているのか。また、少子化の主な要因をどのように捉えているのか。これまでの取組とその成果はどのようになっているのか、知事の見解を求めます。
次に、仕事と子育ての両立についてです。
共働き世帯が約8割を占める現在、仕事と子育ての両立は現代社会において非常に重要です。
しかし、出産を機に正規雇用を離れるいわゆる「L字カーブ」は依然として解消されておらず、出生率低下や女性のキャリア断絶、労働力の減少や質の低下を同時に招く状況となっています。
京都大学の柴田悠(しばた・はるか)教授によると、正規雇用の男性の労働時間を1日2時間短くすることで、出生率が0.35上昇すると試算されており、男性の長時間労働と低出生率の相関も指摘されています。
また、令和6年度に県が実施した「育児中の柔軟な働き方制度に関する実態調査」によると30代以下の男性労働者の約7割が育児休業を利用したいと回答しているものの、「職場に迷惑がかかる」などを理由に男性の育児休業取得率は54.6%に留まっている現状があります。
そこで伺います。
男性、女性ともに、仕事と子育てを両立しながら働き続けられる社会にするため、どのように取り組むのか、知事の見解を求めます。
3.少子化対策は単なる子育て支援ではなく、働き方や社会構造そのものを変える人材戦略であります。
そこで最後に伺います。
来年度予算の少子化対策において、新たに取り組む施策は何か。
また、本県の将来を左右する最重要課題として少子化対策にどのような覚悟で取り組むのか、知事の決意をお示しください。
【知事答弁骨子】
三-①
問 本県の少子化の現状について
○ 人口動態統計によると、令和6年の本県の出生数は、3万2,280人と9年連続で減少となっており、少子化は待ったなしの状況にあると認識している。
○ 直近の「子育て等に関する県民意識・ニーズ調査」では、少子化の要因として、
・こどもの生活費や教育費に対する負担感
・結婚しなくてもいいと考える人の増加
・家庭と仕事の両立の難しさ
などをはじめ、複数の回答が挙げられており、それらの要因が複雑に絡み合っていると考えている。
○ 県では、出会い・結婚、出産、育児など、それぞれのライフステージに合わせた施策に取り組んでいる。
具体的には、
・出会い・結婚応援の取組では、AIを活用した出会いイベントを開催し、直近1年間のカップル成立率は46.0%と、従来のイベントの40.4%に比べ5.6ポイント上回っている。
・また、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、第3子以降の保育料の無償化を行う市町村に対し県独自の補助を行い、現在、57市町村が無償化を実施している。
・さらに、子育て世帯の家庭と仕事の両立を支援するため、県内全域で病児保育の無償化を行い、昨年度の利用者数は延べ92,515人と、実施前と比べて2倍を超えている
などの成果を上げているところだが、少子化に歯止めがかかっていない状況である。
三-②
問 仕事と子育ての両立について
○ 県では、企業のトップ自らが仕事と子育ての両立を応援する取組を宣言し、実行する「子育て応援宣言企業」の登録制度を実施しており、これらの企業等の先進的な取組を県内企業に広めるため、ポータルサイトやテレビ番組により紹介している。
○ また、働く方それぞれの事情に応じて多様な働き方が選択できるよう、中小企業を対象に、始業・終業時刻の変更やテレワーク、短時間勤務などの育児中の柔軟な働き方制度導入に関するセミナーを開催している。併せて、社会保険労務士を無料で派遣し、就業規則の改訂等に関する助言を行っており、これまでに、セミナーには延べ954社に参加いただき、社会保険労務士の派遣を延べ114回実施しているところである。
○ さらに、男性の家事・育児時間を増やし、共働き・共育てを定着させていくため、今年度からは、従業員100人以下の企業を対象に、男性の育休取得率100%を目標に掲げた行動計画の策定費用を助成する「よかパパ育休助成金」を創設し、これまでに、322社から申請をいただいている。
来年度からは、育児休業を取得予定の男性を対象とした「よかパパ料理・育児セミナー」を県内15会場で開催し、男性の積極的な家事・育児を応援してまいる。
○ 加えて、子育てをしながら就業を希望する女性の就職を支援するため、「ママと女性の就業支援センター」では、ご本人の経歴やスキルを丁寧に聞き取り、希望にあった就職のあっせんを行っており、昨年度は、827人の方が就職決定している。
同センターでは来年度から、より多くの子育て中の女性等に正規就職を目指していただくため、在宅勤務やフレックスタイム制、短時間勤務正社員等の多様な働き方について学ぶ就職支援セミナーを開催することとしている。
○ 今後も、こうした取組を通じて、男女がともに望むキャリアを形成し、働く意欲のある誰もが仕事と子育てを両立しながら働くことができる社会の実現に向けて取り組んでまいる。
三-③
問 来年度の少子化対策について
○ 少子化に歯止めをかけるためには、まず若者が将来結婚したい、こどもを産み育てたいという将来のライフデザインを描けるような取組を進めていくことが重要である。
このため、将来の「結婚・妊娠・出産」、「仕事・子育て」に関する知識を学んでいただくショート動画を、高校生、大学生、社会人といった年代に応じて制作・配信し、若者のライフプラン作りを応援してまいる。
○ また、仕事と子育ての両立を進めるため、先ほど申し上げた「よかパパ料理・育児セミナー」を開催するとともに、子育て世帯等の負担を軽減するため、冠婚葬祭、通院等で一時的に保育を必要とする生後6か月未満の乳児のベビーシッター利用料や産婦健診・不妊治療などで遠距離通院が必要な方に対する交通費の助成に取り組んでまいる。
○ 子育て世帯は食費や教育費といった消費支出が大きく、物価高の影響を強く受けている。このため、県独自の「物価高対応福岡県子育て応援金」として、18歳以下のこども一人につき1万円を給付する。
○ 来年度の組織再編では、人口減少の影響を乗り越え、次代の社会を担うこども政策に力を入れるため、「福祉こども政策部」を新設する。
新しい組織の下で、少子化を反転させるため、医療、保健、福祉、教育、療育等の多分野にまたがる少子化対策に全庁一丸となって取り組んでまいる。
3/2、福岡県議会で代表質問に立ちました。以下、項目ごとに報告します。
次に、人口減少社会への対応についてお尋ねいたします。
我が国は今、かつて経験したことのない本格的な人口減少社会に突入しています。
厚生労働省が先週2月26日に公表した人口動態統計の速報値によれば、2025年の外国人を含む出生数は70万5,809人で、統計開始以来、速報値ベースで過去最少となりました。前年から1万5,179人、2.1%減で、10年連続の減少です。 国立社会保障・人口問題研究所の中位推計では、出生数が約70万人となるのは2042年と見込まれていましたが、現実は17年早いペースで少子化が進んでいます。
これは単に「子どもの数が減る」という問題にとどまらず、社会経済の基盤そのものに関わる課題であります。
「未来を選択する会議」代表で日本製鉄名誉会長の三村明夫氏は、人口減少は、国内市場の縮小、設備投資の減少、イノベーションの停滞、生産性の低下という負の連鎖、いわゆる「縮小スパイラル」を招きかねないと指摘しています。
また、内閣官房参与で社会保障・人口問題担当の山崎史郎氏は、「2025年問題」すなわち団塊世代が後期高齢者となる局面を見据え、医療・介護へ対策を講じてきたが、その峠を越えると、高齢者数はいずれ減少に向かう一方、生産年齢人口の急減という構造問題が社会の前面に現れるとしています。
具体的には生産年齢人口は2023年現在7,500万人から、2040年までに1,700万人減少し現在の2割規模が失われるとされ、2040年は社会の姿が大きく変わる転換点としています。一方で、2040年までの人口減少を大きく変えることは容易ではないとされていますが、減少のスピードを緩和し、その先の社会をいかに安定につなげられるかどうかは今の政策選択にかかっています。
ここで本県の状況を見ると、総務省の人口移動調査では、40道府県が転出超過の中、福岡県は転入超過となっています。しかし、その実態は福岡市への人口流入によって支えられている側面が大きく、県内の多くの市町村では、若年層の流出と人口減少が進行しており、いわば「県全体では増えて見えるが、地域では減っている」という構造が生じています。
この状況が続けば、地域経済や雇用、生活サービスの維持が困難となり、縮小の連鎖は地方から先行して進行します。
2040年以降も福岡県を持続可能な県として維持できるかどうかは、まさに今、福岡市以外の地域にどのように手を打つかにかかっていると言えます。
知事に質問です。
1.まず、人口減少が進む中で、本県における人口減少対策の重要性について、知事の基本認識をお尋ねいたします。
あわせて、本県の人口動態について、福岡市とその周辺の市町の人口流入と、福岡都市圏以外の人口減少している市町村という構造を、県としてどのように認識しているのか、お示しください。
2. そのうえで、人口減少が、福岡市から離れた市町村から先行して進行する現実を踏まえ、特に福岡市以外の地域において、地域経済と雇用を維持し、県土の均衡ある発展と持続可能性を確保していくため、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
【知事答弁骨子】
二-①
問 本県の人口減少対策の重要性と人口動態について
〇 本県の人口は、社会増を上回る自然減の増加により、令和2年以降、減少が続いている。社会増減については、転入者数が転出者数を上回る「増」となっているものの、東京圏に対しては、20代を中心に転出超過となっている。
〇 人口減少の影響により、中小企業をはじめ、医療・介護・福祉、農業など、あらゆる業種での人手不足に加え、交通空白や空き家問題などの地域課題も顕在化している。人口減少は、地域の疲弊をもたらす最大の要因であり、真正面から取り組むべき重要な課題であると認識している。
〇 また、県内では、福岡市とその周辺の地域では、人口が増加しているものの、その他の地域では減少している。県内における市町村間の人口移動を見ても、福岡市は転入超過となっており、各地域から福岡市への転入者の約半数を20代が占めている。
就職を契機に若者が流出するなど、地域間の格差が拡大していることから、各地域における雇用・就業の場を確保する取組を強化する必要があると考えている。
二-②
問 県内の人口減少地域の発展に向けた取組について
〇 人口が減少している地域の中でも、福岡都市圏へのアクセスが良い地域は、人口減少率がわずかであるが、福岡都市圏から遠い豊築や有明などの県境地域では、県内でも特に大きな人口減少となっている。
その要因としては、働く場所や大学が圧倒的に福岡市に多く、そこへの通勤・通学が可能な所に住もうと考えている方が多いからだと思う。
〇 このため、まずは、県内の各地域に雇用・就業の場を創っていくことが重要となる。
具体的には、県内雇用の約8割を支えている中小企業の振興や、収益性の高い農林水産業の実現、飲食や宿泊など裾野の広い観光産業の振興、産業団地や基幹的道路の戦略的な整備による国内外からの企業誘致などに取り組み、「産業を育て、県経済を強く」してまいる。
あわせて、地域公共交通の維持・確保、文化芸術・スポーツの振興など、生活環境を向上させ、「人を惹きつける元気なまち」をつくってまいる。
〇 また、新たに設置する市町村・地域振興部のもと、市町村と一層の連携を図ることで、県内各地にそれぞれの地域の特性に応じた「極」をつくり、福岡都市圏への一極集中の流れを変え、各地域の振興に取り組んでまいる。
3/2、福岡県議会で代表質問に立ちました。
以下、項目ごとに報告します。
次に、福岡都市圏における渇水対策と、持続可能な水資源戦略についてお尋ねいたします。
筑後川流域では少雨が続き、筑後川水系ダムの貯水率は大きく低下し、福岡都市圏では取水制限が55%へ引き上げられました。県内では複数の市町で減圧給水が実施され、今後の降雨状況によっては、時間断水等も懸念されます。
県は渇水対策本部を設置し対応に当たっていますが、今回の渇水は、気候変動も視野に入れた新たな水リスクとして捉える必要があると考えます。そこで、2点伺います。
1. 断水回避に向けた危機対応についてです。
知事は、現下の渇水状況をどのように認識し、今後の見通しと断水リスクをどのように見ているのか。
また、少雨が長期化した場合、時間断水等を判断する基準と手順、医療施設など重要施設への影響を最小化するため、どのような取り組みが検討されているのか伺います。
2. 中長期の水資源戦略についてです。
今後、極端な少雨が起こり得ることを踏まえ、水資源の持続可能性をどう担保していくのか、知事の見解を求めます。
【以下知事答弁骨子】
問 渇水の今後の見通しと対応について
○ 県内各地に水を供給する主要21ダムの貯水率は、昨年秋以降、少雨傾向が続いているため、先月27日時点で36.6%と過去20年の平均を30ポイント以上下回っており、そのうち、筑後川水系の5つのダムの貯水率は22.0%と、特に低くなっている。
○ 県では、ダム貯留水をできるだけ長く確保しつつ、県民生活や経済活動への影響を抑えるため、筑後川の管理者である国に対し、昨年12月以降、渇水対策の実施を継続的に求めてきた。
○ その結果、筑後川からの取水制限が段階的に強化されたことにより、水道用水の約3分の1を筑後川に頼っている福岡都市圏では、現在、14の市町が減圧給水を実施している。
これに加え、小石原川ダムで、異常渇水時用の貯留水が、初めて使用されることになった。
○ こうしたことにより、今月下旬までの間、断水を回避できる見通しが国から示されているところである。
○ 断水の実施については、水道事業者である各市町が、保有する水源の状況や実際の使用量のバランスを見て判断することになる。
仮に、時間断水を実施することになった場合には、「医療機関に時間断水時の事業継続が可能であるかを個別に確認する」、「各世帯に水事情を説明の上で時間断水の予告を行う」などの対応が事前に行われると聞いている。
○ このような筑後川水系における状況に加え、他の水系においてもダム貯水率が低下していることを踏まえ、県では、全庁が一体となって渇水対策を総合的に推進するため、先月10日に渇水対策本部を設置した。
○ 県としては、今後とも、県民の皆様や関係団体に対して、節水のお願いを行うとともに、水道事業者との情報共有や連絡調整を的確に行い、県民生活や経済活動への影響が最小限となるよう努めてまいる。
問 水資源の持続可能性について
○ 県では、昭和49年に「福岡県水資源総合利用計画」を策定して以降、
3回にわたり計画を改定し、水資源の安定的な確保と豊かな水環境の創出を目指し、施策を展開してきた。
○ 具体的には、異常渇水時用の貯留水を持つ五ケ山ダムや小石原川ダム、天候に左右されない水源としての海水淡水化施設などが整備されてきたところである。
こうした取組の結果、平成6年の大渇水を最後に、断水を伴うような大規模な渇水は発生していない。
○ 一方、近年の気候変動に伴い、記録的な豪雨や深刻な少雨といった極端な状況が年によってみられる現象が問題となっている。
これを踏まえ、国では、これまで別々に行われてきた流域治水、水利用、流域環境の各分野の施策を一体的に取り組むことで、全体的に最適な水管理を行う「流域総合水管理」の仕組みづくりを目指している。
○ この実現に向け、国は、筑後川水系を対象に、水循環の課題や総合的な水管理のあり方等に関する意見交換の場として、昨年3月に、学識経験者、流域の市町村長や農林水産業者の代表者などで構成する「筑後川流域水懇談会」を、福岡県など流域の県とともに設置した。
○ 県としては、まずは、この懇談会において、関係者間で水利用データを共有した上で、既存ダムを連携させて水を有効利用するなど、将来にわたり持続可能な水資源を確保する方策について、議論を行っているところである。
3/2、福岡県議会で代表質問に立ちました。
以下、項目ごとに報告します。
次に、飲食料品の消費税減税についてです。
物価高が長期化する中、国は、2年限定で飲食料品の消費税率をゼロにする案についての検討を、超党派の枠組みで取りまとめ、法案提出を急ぐとしています。
家計支援として期待の声がある一方、消費税は国の基幹税であり、税率変更は地方消費税の配分減を通じて、さらに県内事業者の実務負担や取引の影響も避けられません。
そこで、質問です。
まず、飲食料品の消費税率を2年間ゼロとする案について知事の認識と、本制度が実施された場合、本県及び県内市町村の財政への影響について、あわせて、国に対し、どのような財源手当を求めるのか、知事の見解を伺います。
次に、臨時交付金残余分の活用についてです。
福岡県議会は、昨年12月定例会最終日に、総額309億5800万円余の補正予算を可決し、県は、国の総合経済対策に基づく物価高対策に取り組んでいるところです。
しかし、依然として円安・物価高の影響は県民生活の隅々に及び、家計も事業者も「一日も早く支援を」「新たな支援策を」との声が強まっています。
そこで伺います。
国の総合経済対策に基づき、昨年12月に追加交付された「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の県への配分額358億円のうち、残余の約199億円について、県はどのような事業を優先的に活用する考えなのか。
また、支援が必要な層に速やかに届くよう、どのように取り組むのか、併せてお答えください。
問 飲食料品の消費税率減税について
○ 飲食料品に係る消費税減税が行われた場合、全国で約5兆円の減収が見込まれており、そのうち地方分は、交付税の原資分を含めると、その約4割、
約1.9兆円で、子ども・子育て支援給付費や介護給付費など、社会保障施策に要する経費等に充てられる地方にとって極めて重要な財源となっている。
○ 消費税減税は、物価高が続く中で、家計負担の軽減が期待される一方、飲食料品の消費税率をゼロとした場合、福岡県では年間約444億円の減収が見込まれ、その半分が市町村への交付金となることから、県内市町村の減収額が222億円、県の実質的な減収額が222億円となり、財政運営に甚大な影響が生じる。
○ また、販売事業者においては、価格表示の変更やシステム改修、買い控えへの対応などが必要となるほか、農業者や外食産業への影響などが考えられる。
○ 「国民会議」において、2年間の飲食料品に限った消費税減税は、給付付き税額控除と同時に検討を進めることとされ、実現に向けた課題の検討を行い、令和8年夏前を目途に中間とりまとめを行う方針が示されている。
○ 県としては、減収分の代替財源や給付付き税額控除のあり方を含む総合的で丁寧な議論が必要だと考えており、引き続き国の動きを注視してまいる。
【以下知事答弁骨子】
問 重点支援地方交付金の活用について
○ 本県においては、県民生活を守り、地域経済の振興を図るため、国の重点支援地方交付金を最大限活用し、令和8年度当初予算及び令和7年度2月補正予算として、今議会に提案しており、残余はすべて使い切る見込みである。
○ 具体的には、物価高によって厳しい状況におかれている県民・事業者の皆様を支援するため、
・18歳以下のこども一人につき一万円の「物価高対応福岡県子育て応援金」の給付に87億円
・県立学校、私立学校・保育所等への給食の食材費上昇分支援による保護者負担の軽減のために18億円
・介護事業者や地域交通事業者の設備投資に対する助成に19億円
また、更なる賃上げ・所得向上の実現に向け、
・中小企業への新製品開発、販路開拓支援等による持続的な賃上げ環境の整備に22億円
・農業機械や施設の導入支援等による農林水産業の生産力強化、収益性向上のために10億円
などを計上している。
○ 今後、一刻も早く影響を受ける方々に支援を届けるため、令和7年度2月補正予算については、早期の御議決をお願いしているところである。
御議決いただいた暁には、早期執行できるよう、申請回数の縮減やマイナンバーカードの活用など手続きの簡素化・迅速化に取り組むとともに、県民・事業者の皆様に広く周知を図ってまいる。
3/2、福岡県議会で代表質問に立ちました。
以下、項目ごとに報告します。
(大塚勝利)
冒頭、まず、アメリカ及びイスラエルによるイランヘの大規模攻撃について一言申し上げます。
武力による現状変更は、国際法に違反し、国際秩序の根幹を揺るがすものであり、断じて容認できません。加えて、民間人に犠牲が及んでいることも、極めて重大です。
関係国には、直ちに攻撃を中止し、外交努力を通じた平和的解決に早急に立ち返るよう、強く求めるものであります。
それでは、質問に入ります。
まず、米国の関税措置についてです。
米国トランプ政権は、関税措置の法的根拠が司法判断により否定される一方で、別の法的根拠に基づく新たな関税措置を2/24に打ち出すなど、通商政策の不確実性が一段と高まっております。
とりわけ今後、税率が10%から15%へ引き上げられる可能性が示されているうえ、150日間の暫定措置とされており、県内企業にとっては、税率の高低だけでなく、先行きの見通しを立てにくく、経営に大きな支障となります。県としても、「米国関税措置の影響に関するアンケート調査」を3回実施し、2/19に結果を公表されたばかりであります。
そこで、まず、こうした米国の関税措置による、現時点における県内企業への影響について、知事の認識を伺います。
また、影響は米国向け輸出にとどまらず、県内中小企業へ間接的に波及することも強く懸念されます。
こうした不確実性の高い状況にあって、県内企業、特に中小企業が機動的に対応できるよう、県としてこれまでどのような支援策を講じ、今後どのように支援していくのか、併せて伺います。
以下知事答弁骨子
問 新たな米国関税措置の本県企業への影響について
○ 先月20日、米国連邦最高裁判所が、国際緊急経済権限法を根拠とした米国の「相互関税」を違法とする判決を下した。同日、トランプ政権は、通商法に基づく10%の代替措置を導入すると発表し、24日には、全ての国の輸入品を対象とした関税が発動された。
また、トランプ大統領は、代替関税の税率を15%に引き上げる方針を打ち出しており、今後の状況は不透明である。
○ 本県にとって、米国は、基幹産業である自動車をはじめ、様々な分野で主要な貿易相手国であり、関税措置は、自動車産業のみならず、半導体産業、食品産業など幅広い分野の事業者への影響が懸念される。
○ この度の米国関税措置による県内企業への影響について、主要な商工団体へヒアリング調査を行ったところ、「新たな関税措置は、これまでの相互関税の法的根拠が変わっただけのことであり、今のところ相談はない」、「県内中小企業の関心は、円安による原材料・燃料費高騰、人材不足に移行している」とのことであった。
また、県の金融相談窓口にも相談は寄せられておらず、大きな混乱は起きていない。
これは、
・ 米国の関税措置自体は発動から時間が経過し、企業も「価格転嫁」や「生産調整」など、関税措置に対する対応を講じてきたことや、
・ 代替関税の税率が、概ねこれまでの相互関税の税率を超えるものはなく、影響の見通しを立てることができること
によるもの、と考える。
県としては、新たな関税措置の先行きが不透明なこともあることから、その動向を注視してまいる。
問 米国関税措置を踏まえた県内中小企業への支援策について
○ 昨年4月2日の米国の相互関税等の決定を受け、直ちに、県内中小企業の業績低迷による資金繰り不安を解消するため、4月3日に「金融相談窓口」を設置した。
また、4月8日には、県内中小企業の現況把握や効果的な対策の実施に向け、全国の自治体に先駆けて、江口副知事をトップとし、県の関係部局、国の機関、商工団体で構成する「福岡県米国関税措置に関する総合対策協議会」を立ち上げ、これまでに6回の会議を開催した。
○ 5月1日には、協議会で寄せられた声を踏まえ、県内中小企業の資金ニーズに速やかに対応できるよう、汎用資金である長期経営安定資金に比べ、貸付金利が0.2%低い県独自の「米国関税対策特別融資」を創設し、今年
1月末現在で、製造業や卸売業など184の事業者に対し、
25億7,000万円の融資を行っている。
○ これらに加え、今議会では
・中小企業の生産性向上からDX導入までを国と連携してワンストップで支援する、「福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センター」の設置や、
・半導体、宇宙などの先端成長分野をはじめ、中小企業の新製品開発や販路開拓などの「挑戦」を後押しする、賃上げを要件とした補助率の嵩上げ、
など、企業の「稼ぐ力」を高めるための予算を提案している。
○ こうした取組を通じて、米国関税措置のような不測の事態が発生した場合においても、県内中小企業が持続的に成長していくよう、しっかり後押ししてまいる。


