3/2 代表質問から項目ごとに報告します。

次に、人口減少問題に関連して少子化対策について伺います。

まず、少子化の基本認識についてです。

内閣官房参与の山崎史郎氏は、我が国の少子化は「若者の価値観」や「未婚化」といった意識の問題ではなく、出産・子育ての中心世代である25歳から35歳が仕事と家庭を両立できる社会構造を整えられなかったことに起因する、極めて構造的な問題であると指摘しています。

スウェーデンやフランスでは、出産年齢の上昇を前提としながら、働きながら子育てできる環境を整備することで出生率を回復、いわゆる「キャッチアップ」を実現してきました。一方、日本では出産年齢の上昇とともに出生率が低下し、回復軌道に乗れていないのが現状です。

国は2024年異次元の少子化対策として3.6兆円を投じ、本県でも子育て応援基金120億円を活用し取組を進めてきました。そこで知事に伺います。1.本県の少子化の現状をどのように認識しているのか。また、少子化の主な要因をどのように捉えているのか。これまでの取組とその成果はどのようになっているのか、知事の見解を求めます。

次に、仕事と子育ての両立についてです。

共働き世帯が約8割を占める現在、仕事と子育ての両立は現代社会において非常に重要です。
しかし、出産を機に正規雇用を離れるいわゆる「L字カーブ」は依然として解消されておらず、出生率低下や女性のキャリア断絶、労働力の減少や質の低下を同時に招く状況となっています。

京都大学の柴田悠(しばた・はるか)教授によると、正規雇用の男性の労働時間を1日2時間短くすることで、出生率が0.35上昇すると試算されており、男性の長時間労働と低出生率の相関も指摘されています。

また、令和6年度に県が実施した「育児中の柔軟な働き方制度に関する実態調査」によると30代以下の男性労働者の約7割が育児休業を利用したいと回答しているものの、「職場に迷惑がかかる」などを理由に男性の育児休業取得率は54.6%に留まっている現状があります。

 

そこで伺います。
男性、女性ともに、仕事と子育てを両立しながら働き続けられる社会にするため、どのように取り組むのか、知事の見解を求めます。

3.少子化対策は単なる子育て支援ではなく、働き方や社会構造そのものを変える人材戦略であります。

そこで最後に伺います。
来年度予算の少子化対策において、新たに取り組む施策は何か。
また、本県の将来を左右する最重要課題として少子化対策にどのような覚悟で取り組むのか、知事の決意をお示しください。

 

【知事答弁骨子】

三-①

問 本県の少子化の現状について

○ 人口動態統計によると、令和6年の本県の出生数は、3万2,280人と9年連続で減少となっており、少子化は待ったなしの状況にあると認識している。

○ 直近の「子育て等に関する県民意識・ニーズ調査」では、少子化の要因として、

・こどもの生活費や教育費に対する負担感

・結婚しなくてもいいと考える人の増加

・家庭と仕事の両立の難しさ

などをはじめ、複数の回答が挙げられており、それらの要因が複雑に絡み合っていると考えている。

○ 県では、出会い・結婚、出産、育児など、それぞれのライフステージに合わせた施策に取り組んでいる。

具体的には、

・出会い・結婚応援の取組では、AIを活用した出会いイベントを開催し、直近1年間のカップル成立率は46.0%と、従来のイベントの40.4%に比べ5.6ポイント上回っている。

・また、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、第3子以降の保育料の無償化を行う市町村に対し県独自の補助を行い、現在、57市町村が無償化を実施している。

・さらに、子育て世帯の家庭と仕事の両立を支援するため、県内全域で病児保育の無償化を行い、昨年度の利用者数は延べ92,515人と、実施前と比べて2倍を超えている

などの成果を上げているところだが、少子化に歯止めがかかっていない状況である。

三-②

問 仕事と子育ての両立について

○ 県では、企業のトップ自らが仕事と子育ての両立を応援する取組を宣言し、実行する「子育て応援宣言企業」の登録制度を実施しており、これらの企業等の先進的な取組を県内企業に広めるため、ポータルサイトやテレビ番組により紹介している。

○ また、働く方それぞれの事情に応じて多様な働き方が選択できるよう、中小企業を対象に、始業・終業時刻の変更やテレワーク、短時間勤務などの育児中の柔軟な働き方制度導入に関するセミナーを開催している。併せて、社会保険労務士を無料で派遣し、就業規則の改訂等に関する助言を行っており、これまでに、セミナーには延べ954社に参加いただき、社会保険労務士の派遣を延べ114回実施しているところである。

○ さらに、男性の家事・育児時間を増やし、共働き・共育てを定着させていくため、今年度からは、従業員100人以下の企業を対象に、男性の育休取得率100%を目標に掲げた行動計画の策定費用を助成する「よかパパ育休助成金」を創設し、これまでに、322社から申請をいただいている。

来年度からは、育児休業を取得予定の男性を対象とした「よかパパ料理・育児セミナー」を県内15会場で開催し、男性の積極的な家事・育児を応援してまいる。

○ 加えて、子育てをしながら就業を希望する女性の就職を支援するため、「ママと女性の就業支援センター」では、ご本人の経歴やスキルを丁寧に聞き取り、希望にあった就職のあっせんを行っており、昨年度は、827人の方が就職決定している。

同センターでは来年度から、より多くの子育て中の女性等に正規就職を目指していただくため、在宅勤務やフレックスタイム制、短時間勤務正社員等の多様な働き方について学ぶ就職支援セミナーを開催することとしている。

○ 今後も、こうした取組を通じて、男女がともに望むキャリアを形成し、働く意欲のある誰もが仕事と子育てを両立しながら働くことができる社会の実現に向けて取り組んでまいる。

 

三-③

問 来年度の少子化対策について

○ 少子化に歯止めをかけるためには、まず若者が将来結婚したい、こどもを産み育てたいという将来のライフデザインを描けるような取組を進めていくことが重要である。

このため、将来の「結婚・妊娠・出産」、「仕事・子育て」に関する知識を学んでいただくショート動画を、高校生、大学生、社会人といった年代に応じて制作・配信し、若者のライフプラン作りを応援してまいる。

○ また、仕事と子育ての両立を進めるため、先ほど申し上げた「よかパパ料理・育児セミナー」を開催するとともに、子育て世帯等の負担を軽減するため、冠婚葬祭、通院等で一時的に保育を必要とする生後6か月未満の乳児のベビーシッター利用料や産婦健診・不妊治療などで遠距離通院が必要な方に対する交通費の助成に取り組んでまいる。

○ 子育て世帯は食費や教育費といった消費支出が大きく、物価高の影響を強く受けている。このため、県独自の「物価高対応福岡県子育て応援金」として、18歳以下のこども一人につき1万円を給付する。

○ 来年度の組織再編では、人口減少の影響を乗り越え、次代の社会を担うこども政策に力を入れるため、「福祉こども政策部」を新設する。

新しい組織の下で、少子化を反転させるため、医療、保健、福祉、教育、療育等の多分野にまたがる少子化対策に全庁一丸となって取り組んでまいる。

 

コメントは受付けていません。