3/2 代表質問から項目ごとに報告します。

次に、外国人に対する排外的な言動と、その対策についてお尋ねいたします。

公明党福岡県議団では、本年1月13日から15日にかけ、外国人問題に関するインターネット調査を実施し、福岡県及び全国の15歳から79歳の男女5,430人から回答を得ました。

近年、外国人観光客や外国人労働者の増加を背景に、生活上の不安や不満が、特定の国籍・民族への否定的言動として顕在化する場面がみられます。差別や排外は、当事者の尊厳を深く傷つけるだけでなく、地域の分断を招き、本県の観光・産業・国際交流にも影響し得る重大な課題です。

本調査は、県民が特定の人々の行動について「個人として判断するのか」、それとも「集団全体として判断するのか」という“人の見方の違い”に着目し、差別的言動の認識、安心安全への不安、社会・政治への関与、情報環境、外国人に関する施策評価との関係を分析しました。分かりやすく言うと、ある国の観光客がやった行為を、その人個人の行為と見るか、その人の国の人全体がやる行為と見るかということです。

調査の結果、福岡県民の多数は「個人として判断すべき」と回答しました。一方、「全体として判断する」と答えた人は約6%で、全国とほぼ同水準でした。県民多数は、属性で一括りにせず個人として見るという冷静な認識を共有していると言えます。
しかし、この約6%は県内人口規模で約30万人に相当し、少数とはいえ看過できません。個別の出来事を「外国人全体の問題だ」と決めつける見方は、偏見や排外的言動につながりやすい土台になり得ます。またこの層は、社会・政治への関心が相対的に高く、行政不信も強めで、テレビよりSNS・動画配信への依存が高いなど、同質的情報に反復接触し思い込みが強まりやすい傾向も調査で明らかになりました。行政としては、声の大きい少数意見に過度に引きずられず、県民多数派の冷静な認識を基盤に、事実に基づく情報発信と、現場を守る体制整備を進める必要があります。

そこで知事に、4点お尋ねいたします。

まず、県の基本姿勢についてです。
調査では県民の多数が「個人として判断すべき」と考え、「全体として判断する」層は約6%と少数ですが看過できません。排外的な感情が高まる可能性もあります。

この調査結果を受けて、外国人の人権に対する知事の考えを伺います。

 

次に、排外的言動が生まれる背景の認識についてです。

排外的言動の背景には、

①一部の出来事から「外国人全体がそうだ」と決めつける見方

②生活不安や不満が身近な不満のはけ口として外国人への非難に向かう状況

③SNS等で刺激的・同質的情報が反復され思い込みが強まる仕組み

④治安や負担など社会課題が短絡的に外国人と結び付けられやすいこと

といった要因が重なっていると考えます。このような排外的言動が生まれる背景について、県としてどう認識しているのか伺います。

あわせて、その認識に基づき、学校・地域において、人権の視点、多文化共生の基本理解を広げるなど啓発にどう取り組んでいるのか伺います。

外国人をよく見かける頻度と、外国人観光客・労働者に不安を感じる人との関係についても調べました。結果は両者に相関関係はないことが分かりました。このことから外国人に対する不安感は、自身の経験よりもマスコミやSNSの情報からイメージとして感じていることが推察されます。

そこで、排外的言動を起こしにくい環境づくりについて伺います。

誤情報や偏った情報が広がった際に、事実関係を分かりやすく示し、県民が確認できる根拠ある情報発信が重要です。県としてどのように情報発信をしていくのか伺います。起きてから注意するだけでは追いつきません。繰り返しになりますが、啓発・教育の施策が大事です。また海外への旅行や仕事、留学などで、外国人と交流した経験について聞いたところ、35.6%の県民が交流は全くないと答えました。男性の15歳から29歳では、37.7%と4割近くに達していました。このことを踏まえ、外国人住民と深く交流できる場づくりの必要性を感じますが、県としてどう取り組んでいくのか、伺います。

 

次に、被害を受けた方が孤立しないための相談・支援体制と、実態把握・連携の仕組みについてです。

SNS上の差別的投稿などの被害を受けた外国人が安心して相談でき、警察・法務局(法務省)等の適切な支援先へ確実につながる体制が不可欠です。相談窓口の周知、関係機関との連携、相談体制の整備について、県としてどのように取り組んでいるのか伺います。

SNS上の差別的投稿やヘイトスピーチによって6%の「全体として判断する」県民が、増えていくことに懸念します。排外的言動をなくすには、背景の分析、誤解を減らす予防、そして相談・支援体制を一体で進めることが重要です。多様な人々が安心して暮らせる福岡を守るため、県として実効性ある取組を進めることを求め、この項の質問を終わります。

 

【知事答弁骨子】

五-①

問 外国人の人権に対する知事の考えについて

〇 日本国憲法で定める基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、日本に在留する外国人に対しても等しく及ぶものであり、当然、外国人の人権は尊重されるべきものと考えている。

〇 在住外国人の急増に伴い、言語や生活習慣などの違いだけでなく、残念ながら、違法行為やマナー違反を行う外国人もいることから、外国人全体に対する偏見が生じていることは憂慮すべきことである。

当然、そのような違法行為を行う外国人の方に対しては、法律に基づき、毅然とした対処をする必要があるが、一方で、多くの外国人の方々は、日本の法律やルールを守り、日本経済や地域社会のために活躍されており、外国人であることを理由に排除するようなことは、あってはならないと考えている。

 

五-②

問 排外的言動が生まれる背景に対する認識と人権啓発について

〇 先ほど申し上げた違法行為やマナー違反を行う外国人もいることから、県民の皆様の中には、外国人の方が同じ地域に住むことに不安を感じる方もおられ、このような不安が排外的言動につながる可能性があると認識している。

〇 県では、「福岡県人権教育・啓発基本指針」において、日本人と外国人が共に暮らしやすい地域社会を形成するためには、県民の方々が異なる言語や文化、慣習に対する認識を深め、多様な価値観を尊重する心を育むことが必要であるという考えのもと、国際理解教育の推進など、行うべき施策の基本方針を定めている。

〇 この指針に基づき、福岡県国際交流センターにおいては、留学生をはじめ在住外国人の方やJICA(ジャイカ)海外協力隊の経験者などが、県内の学校、公民館、企業等に出向き、母国の生活習慣や文化、海外での経験を伝える「国際理解教室」を実施している。

〇 また、多言語ポータルサイト「FUKUOKA IS OPEN」において、本県で活躍している外国人や外国人コミュニティが実施する海外の文化紹介イベントの様子についても情報発信を行っているところである。

 

五-③

問 根拠ある情報発信と外国人住民との交流の場づくりについて

〇 県では、昨年、朝倉市のマンション建設について、SNS上で「県が許可した」などといった事実と異なる情報が拡散され、県への問い合わせが急増した際には、いち早く記者会見を開き、県が把握している事実関係を説明した。

〇 今後も同様の事案が発生した場合には、県民の不安拡大や誹謗中傷を防ぐため、県ホームページにおいて、事実関係に基づく情報発信を行うとともに、記者会見の開催など報道機関への情報提供を行うこととしている。

〇 また、外国人の方々と地域住民の皆様が深く交流するためには、言語を通じたコミュニケーションも重要である。

このため、県では、外国人の方々にとって、日本語を学ぶだけでなく、地域住民の皆様と交流する場にもなっている日本語教室を支援している。具体的には、日本語教育の専門家を市町村に派遣し、教室の開設や運営に関する助言を行うとともに、日本語を教えるボランティアの方々に対するスキルアップ研修を行っている。

そのほか、外国人と接する機会が多い行政区長や行政職員等の方々に対する「やさしい日本語」の研修も行っている。

〇 さらに今後は、県内で働く外国人の配偶者やこどもなど、日本語が全くわからない外国人向け日本語教室の開設も支援してまいる。

 

五-④

問 差別的投稿などの被害を受けた外国人からの相談対応について

〇 県では、一昨年10月、都道府県レベルでは全国初となる、福岡出入国在留管理局や福岡法務局人権擁護部、福岡県行政書士会など国等の専門機関が一体となった「FUKUOKA IS OPENセンター」を開設し、在住外国人の方々の相談に24言語、ワンストップで対応している。

〇 とりわけ、外国人の方の人権に関する相談については、当センターの専門機関である福岡法務局人権擁護部と連携し、相談内容に応じて警察や関係機関につなぐ体制を整備している。

〇 こうした県の取組を外国人の方々や関係機関等に広く周知するため、行政や外国人を雇用する業界団体等で構成される「外国人材受入対策協議会」や外国人コミュニティとの連絡会議において、当センターの活動内容を説明するとともに、多言語ポータルサイト「FUKUOKA IS OPEN」においても発信しているところである。

 

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