3/2、福岡県議会で代表質問に立ちました。以下、項目ごとに報告します。
次に、人口減少社会への対応についてお尋ねいたします。
我が国は今、かつて経験したことのない本格的な人口減少社会に突入しています。
厚生労働省が先週2月26日に公表した人口動態統計の速報値によれば、2025年の外国人を含む出生数は70万5,809人で、統計開始以来、速報値ベースで過去最少となりました。前年から1万5,179人、2.1%減で、10年連続の減少です。 国立社会保障・人口問題研究所の中位推計では、出生数が約70万人となるのは2042年と見込まれていましたが、現実は17年早いペースで少子化が進んでいます。
これは単に「子どもの数が減る」という問題にとどまらず、社会経済の基盤そのものに関わる課題であります。
「未来を選択する会議」代表で日本製鉄名誉会長の三村明夫氏は、人口減少は、国内市場の縮小、設備投資の減少、イノベーションの停滞、生産性の低下という負の連鎖、いわゆる「縮小スパイラル」を招きかねないと指摘しています。
また、内閣官房参与で社会保障・人口問題担当の山崎史郎氏は、「2025年問題」すなわち団塊世代が後期高齢者となる局面を見据え、医療・介護へ対策を講じてきたが、その峠を越えると、高齢者数はいずれ減少に向かう一方、生産年齢人口の急減という構造問題が社会の前面に現れるとしています。
具体的には生産年齢人口は2023年現在7,500万人から、2040年までに1,700万人減少し現在の2割規模が失われるとされ、2040年は社会の姿が大きく変わる転換点としています。一方で、2040年までの人口減少を大きく変えることは容易ではないとされていますが、減少のスピードを緩和し、その先の社会をいかに安定につなげられるかどうかは今の政策選択にかかっています。
ここで本県の状況を見ると、総務省の人口移動調査では、40道府県が転出超過の中、福岡県は転入超過となっています。しかし、その実態は福岡市への人口流入によって支えられている側面が大きく、県内の多くの市町村では、若年層の流出と人口減少が進行しており、いわば「県全体では増えて見えるが、地域では減っている」という構造が生じています。
この状況が続けば、地域経済や雇用、生活サービスの維持が困難となり、縮小の連鎖は地方から先行して進行します。
2040年以降も福岡県を持続可能な県として維持できるかどうかは、まさに今、福岡市以外の地域にどのように手を打つかにかかっていると言えます。
知事に質問です。
1.まず、人口減少が進む中で、本県における人口減少対策の重要性について、知事の基本認識をお尋ねいたします。
あわせて、本県の人口動態について、福岡市とその周辺の市町の人口流入と、福岡都市圏以外の人口減少している市町村という構造を、県としてどのように認識しているのか、お示しください。
2. そのうえで、人口減少が、福岡市から離れた市町村から先行して進行する現実を踏まえ、特に福岡市以外の地域において、地域経済と雇用を維持し、県土の均衡ある発展と持続可能性を確保していくため、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
【知事答弁骨子】
二-①
問 本県の人口減少対策の重要性と人口動態について
〇 本県の人口は、社会増を上回る自然減の増加により、令和2年以降、減少が続いている。社会増減については、転入者数が転出者数を上回る「増」となっているものの、東京圏に対しては、20代を中心に転出超過となっている。
〇 人口減少の影響により、中小企業をはじめ、医療・介護・福祉、農業など、あらゆる業種での人手不足に加え、交通空白や空き家問題などの地域課題も顕在化している。人口減少は、地域の疲弊をもたらす最大の要因であり、真正面から取り組むべき重要な課題であると認識している。
〇 また、県内では、福岡市とその周辺の地域では、人口が増加しているものの、その他の地域では減少している。県内における市町村間の人口移動を見ても、福岡市は転入超過となっており、各地域から福岡市への転入者の約半数を20代が占めている。
就職を契機に若者が流出するなど、地域間の格差が拡大していることから、各地域における雇用・就業の場を確保する取組を強化する必要があると考えている。
二-②
問 県内の人口減少地域の発展に向けた取組について
〇 人口が減少している地域の中でも、福岡都市圏へのアクセスが良い地域は、人口減少率がわずかであるが、福岡都市圏から遠い豊築や有明などの県境地域では、県内でも特に大きな人口減少となっている。
その要因としては、働く場所や大学が圧倒的に福岡市に多く、そこへの通勤・通学が可能な所に住もうと考えている方が多いからだと思う。
〇 このため、まずは、県内の各地域に雇用・就業の場を創っていくことが重要となる。
具体的には、県内雇用の約8割を支えている中小企業の振興や、収益性の高い農林水産業の実現、飲食や宿泊など裾野の広い観光産業の振興、産業団地や基幹的道路の戦略的な整備による国内外からの企業誘致などに取り組み、「産業を育て、県経済を強く」してまいる。
あわせて、地域公共交通の維持・確保、文化芸術・スポーツの振興など、生活環境を向上させ、「人を惹きつける元気なまち」をつくってまいる。
〇 また、新たに設置する市町村・地域振興部のもと、市町村と一層の連携を図ることで、県内各地にそれぞれの地域の特性に応じた「極」をつくり、福岡都市圏への一極集中の流れを変え、各地域の振興に取り組んでまいる。
