バックナンバー 2026年 1月

5.この項の最後に、本県の今後の発展に向けて、来年度、知事が重点的に取り組もうと考えている施策について伺います。

政府は、高市早苗総理の方針のもと、11月11日に「地域未来戦略本部」を設置し、これまでの地方創生の流れを引き継ぎつつ、地方への投資促進や地域における産業クラスター形成、地場産業の付加価値の向上・販路開拓の支援など、より経済に重きを置いた取り組みを進めていくこととしています。

地方創生の基本である、誰もが住み慣れた地域で暮らしていくためには、何より働く場が必要であり、そのためには、本県としてもこうした国の動きを踏まえ、地域経済の発展に向けて強力に取り組んでいくべきと考えます。

そこでお尋ねします。

知事は、来年度、地域における雇用創出、産業振興のため、どのような施策に重点的に取り組んでいこうと考えているのかお伺いします。

 

(答弁5)

問 地域経済の発展に向け、来年度、重点的に取り組む施策について

○ 少子高齢化、人口減少の影響により、地方の疲弊や、あらゆる分野での人手不足が顕在化する中、誰もが住み慣れたところで長く元気に暮らし、こどもを安心して産み育てることができる地域をつくるためには、産業を育成し、県民の皆様の働く場を広げていく必要がある。

○ このため、中小企業が持続的な賃上げを実現し、人材を確保できるよう、新たに設置する「中小企業振興局」のもと、適正な価格転嫁を推進するとともに、中小企業のDXを進めてまいる。

また、世界から投資家や企業を呼び込み、スタートアップの創出・成長につながるエコシステムの形成を推進してまいる。

半導体、自動車、水素のグリーン成長プロジェクトを推進し、環境と経済の好循環を生み出してまいる。

日産自動車の苅田町への生産移管に向け、関係自治体との連携・調整、企業誘致やサプライヤーの技術力強化を進めてまいる。

農林水産業については、若者が夢をもって参入し、将来にわたり持続的に生産を担っていく、収益性の高い農林水産業の実現を目指す。農業の経営規模拡大を後押しするなど、生産性を高めてまいる。

あわせて、道路などの交通インフラや産業用地の整備など、戦略的な社会資本整備を進めていく。

○ こうした県経済全体の発展のための様々な施策を展開し、「誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県」の実現に向け、全身全霊で取り組んでまいる。

 

 

 

4.次に、米の価格高騰への対応についてです。

米の価格高騰が続いており、県民の家計にも大きな影響が出ています。今年は全国的に収穫量が順調に増え、今年の主食用米の収穫量は718万トンと前年比約66万トン増、作況指数も良好であるにもかかわらず、10月の集荷業者が卸売業者に販売する相対(あいたい)取引価格は前年同月比56%上昇し、調査開始以来の最(さい)高値(たかね)となりました。生産増と価格高騰が同時に進む、極めて異例の状況です。

一方、国は令和8年度の全国生産量は約711万トンと、今年度748万トンより減産する検討に入ったとし、コメ不足で増産に舵を切った前政権からの方針を変更し、また前政権では政府備蓄米の放出などを通して市場への介入を積極的に行いましたが、 新大臣は「政府は価格形成にコミットすべきでない」との考えを示し方針が一変しました。こうした中、小売店の米の平均価格は4,000円台と高止まりしており、県民からは「米の価格を下げてほしい」と多くの声が寄せられています。

そこで知事に伺います。

米価の高騰・高止まりの現状をどのように認識されているのか。また、県内の生産者と消費者双方に目を配り、価格安定につながるよう県産米の安定供給についてどのように進めるのか、知事の見解を伺います。

 

(答弁4)

問 米の価格高騰に対する認識と安定供給について

○ 昨年から続く米の価格高騰は、高温の影響による供給不足、インバウンド需要や家計購入量の増加などの要因が重なったものと考えられる。

令和7年産については、生産量が需要量を上回る見込みであるが、仕入価格は高い水準のまま推移していることから、店頭での販売価格も依然として高止まりが続いている状況である。

○ こうした米の価格高騰は、消費者にとっては家計圧迫に、生産者にとっては米離れによる需要の縮小につながることから、需要に応じた米の安定供給を進めていくことが重要であると考えている。

また、生産者からは「米づくりを継続できるよう、生産コストに見合った価格が必要」といった声も伺っており、生産者及び消費者の双方が納得できる価格で取引がなされていく必要があると考えている。

○ 県では、県と農業団体で構成する協議会において、当年の生産量や民間在庫量といった供給量と、人口推計やインバウンド需要を考慮した需要量を踏まえ作付計画を策定しており、令和8年産についても、令和7年産より拡大する方向で農業団体と協議を行っているところである。

併せて、農地の集積・集約化や大区画化による規模拡大を加速するとともに、生産コストの徹底的な低減に向け、スマート農業機械の導入などを支援してまいる。

○ 県としては、こうした取組を通じて、県産米の安定供給に努めてまいる。

3.あわせて医療・介護・障がい福祉分野においては、公定価格で運営されており、報酬の見直しは2,3年に一回の為、物価上昇分を働く方の賃金改定へ迅速な上乗せ対応ができていません。県として、こうした分野で働く方々への賃上げを、報酬改定を待たずにどのように支援していくのか。知事の見解を伺います。

 

(答弁3)

問 医療・介護・障がい福祉分野における賃上げ支援について

○ 公定価格により運営されている医療機関や介護・障がい福祉サービス事業所については、近年の光熱水費及び材料費の高騰や人件費の上昇の影響を価格に転嫁することができず、厳しい経営状況にあり、従業員の賃上げも十分にできていない状況にあると認識している。

○ 今回の国の経済対策では、安心して医療・介護・障がい福祉サービスを受けられる体制を整備するため、他産業の賃上げや物価上昇を踏まえた報酬改定の効果を前倒しする「医療・介護等支援パッケージ」が緊急措置されている。

県としても、これを活用し、医療機関や介護・障がい福祉サービス事業所への支援に速やかに取り組む必要があると考えている。

○ 今後、国の補正予算案の国会審議を注視し、県議会の皆様とも御相談させていただきながら、医療機関や介護・障がい福祉サービス事業所への緊急的な支援が求められるものとして、従業員の処遇改善に対する支援の実施に必要な予算を含めた補正予算案を、12月19日に提案させていただきたいと考えているので、よろしくお願いする。

2.次に、物価上昇を上回る賃上げに向けた取り組みについて伺います。県ではこれまで、エネルギー・原材料の高騰、円安など厳しい経営環境にある事業者に対して、生産性向上や価格転嫁の促進、賃上げ実施企業への支援拡充に取り組んでこられました。

しかし、賃上げを継続し定着させるためには、価格転嫁を更に進めていくことが重要だと考えます。

まず、県が本年6月から8月にかけて実施した「価格転嫁及び賃上げに関するアンケート調査」の結果を踏まえ、価格転嫁の現状をどのように認識しているのかお尋ねします。

 

また、今回の国の新たな経済対策において、価格転嫁対策の徹底・取引適正化の推進が掲げられております。

これを踏まえ、今後価格転嫁の取り組みをどのように強化していくのか、知事の考えをお聞かせ下さい。

 

(答弁2)

問 価格転嫁の現状について

○ 県が実施し、先月公表した「価格転嫁・賃上げに関するアンケート調査」の結果では、県内中小企業のコスト全体の価格転嫁率は前年度と比べ

0.8ポイント増の41.3%にとどまっている。

○ コスト別の価格転嫁率を見ると、原材料費45.2%に対し労務費は

36.6%と依然として低い状況となっている。

○ また、取引先別の価格転嫁率では、企業と企業との取引である「B to B」は44.0%、企業と消費者との取引である「B to C」は35.3%となっている。

さらに、業種別の価格転嫁率では、サービス業が33.1%と最も低くなっており、消費者と直接取引を行う業種の価格転嫁が進んでいない状況が明らかになった。

○ 価格転嫁の実態を詳細に把握するため、今年度、県内企業に対し実施した「官民合同ヒアリング調査」においては、「大手企業の中には、中小企業の価格交渉に応じてくれない企業がある」、「自社のサービス内容が同業他社と差別化できていないと、価格競争になってしまい価格転嫁が難しい」、「消費者の低価格志向が強く、何度も値上げしにくい」などの声をお聞きしている。

○ こうしたことから、中小企業の価格転嫁はまだまだ進んでおらず、その取組の強化を図る必要があると考えている。

 

(答弁2-2)

問 価格転嫁の取組強化について

○ 県では、県内企業の価格転嫁が進んでいない状況を踏まえ、円滑な価格転嫁のさらなる機運醸成と取組の推進を図るため、「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結した官民労13団体で先月、「価格転嫁円滑化推進フォーラム」を開催するとともに、「街頭啓発活動」を実施した。

○ また、このフォーラムでは、

①価格転嫁を阻害し、受注者に負担を押しつける商習慣を一掃することを目的として、来年1月に施行される「中小受託取引適正化法」を踏まえた行動の促進

②持続的な賃上げの実現に不可欠である労務費の価格転嫁を進めるための発注者と受注者の価格交渉に関する指針の遵守

などを新たに共同宣言し、官民労13団体の決意を強く発信した。

○ また、街頭啓発活動では、昨年度に続き、私が13団体の先頭に立ち、「物価高に負けない賃上げで、暮らしを豊かに!そのためには、適切な価格転嫁を!」をスローガンに、消費者である県民の皆様に、価格転嫁の必要性を直接訴え、その理解の促進を図ったところである。

○ 今後も、官民労13団体で連携し、価格転嫁の円滑化に向けた取組をしっかり進めてまいる。

 

12月定例会代表質問で、知事の政治姿勢を問う5つの項目を担当しました。

1.まず、物価高対策と地域経済の成長について伺います。

今、最優先で取り組むべき課題は、持続的な賃上げと地域経済の底上げであり、当面は県民の家計負担を軽減する即効性のある物価高対策が何より重要です。

国は先般、総額21.3兆円規模の経済対策、その裏付けとなる補正予算案を決定。物価高対策として、ガソリン税の暫定税率の廃止や、児童手当へ2万円の上乗せ、来年1月からの3か月間、電気・ガス料金の一般家庭で約7,000円の支援、また、自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」には2兆円、そのうち4千億円を食料品高騰への特別枠として計上しています。

食料品や日用品の価格上昇が続き、生活者の体感物価は依然として高止まりしています。

 

今回の政府の経済対策は一定の効果が期待される一方、子どもがいない世帯や幅広い中低所得者層等、国の支援の行き届かない県民へ、県は重点支援地方交付金を活用して、きめ細かな支援を講じるべきと考えます。

まず、国の経済対策、補正予算を受けて県ではどのような施策を検討されているのか。特に拡充された重点支援地方交付金をどのような支援に活用されるのか、知事の見解を伺います。

 

(答弁1)

問 国の経済対策を受けた県の施策について

○ 政府は、「生活の安全保障・物価高への対応」をはじめ、3つの柱で構成された事業規模約43兆円の「強い経済を実現する総合経済対策」を取りまとめ、その裏付けとなる補正予算案を閣議決定した。

なかでも、地方が地域の実情に応じた施策を実施するための重点支援地

方交付金については、中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備等が支援

対象に追加され、大幅に増額される見込みである。

県としては、県民生活を守り、地域経済の振興を図るため、この拡充された重点支援地方交付金をはじめ、国の経済対策を最大限活用していく。

○ 今後、国の補正予算案の国会審議を注視し、県議会の皆様とも御相談させていただきながら、まずは、

・県民の健康・生活を支える医療・福祉施設等に対する電力・ガス・食材

費の価格高騰対策

・消費者の購買意欲を喚起し、地域の商工業を下支えする高プレミアム率

の地域商品券の発行支援

といった足元の物価高により厳しい状況にある県民・事業者の皆様の負担軽減のための施策、また、

・医療機関や介護事業所等における経営の改善や従業員の処遇改善

・中小企業の賃上げ環境の整備

・農林業者の収益力向上

といった更なる賃上げ・所得向上の実現に向けた施策を盛り込んだ補正予算案を、12月19日に提案させていただきたいと考えているので、よろしくお願いする。