1. 在宅医療の定義と背景在宅医療とは、医療を受ける者の居宅等で提供される医療のことで、外来医療、入院医療に次ぐ第三の医療として位置づけられています(医療法第二次改正、1992年)。訪問診療は定期的な在宅医療、往診は急変時など患者や家族の要望で不定期に行う在宅医療と定義されています。在宅医療の対象者は「自宅療養中で、通院による療養が困難な者」であり、具体的な症状の定義はありません。
2. 将来推計人口と在宅医療の必要性大津市を含む日本の人口は減少局面に入っており、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になると推計されています。高齢者人口の増加、特に在宅での医療・ケアニーズの増大に伴い、在宅医療体制の整備が喫緊の課題となっています。
3. 大津市医師会会員の訪問診療の実施状況(令和5年10月調査)大津市医師会会員の診療所(N=94)を対象とした調査結果は以下の通りです。項目訪問診療のみ往診のみ訪問診療及び往診対応している2,316相談の上、検討する2,474対応していない11,126総計581,917「訪問診療及び往診」の形で対応している診療所は17施設で、全施設の**18.1%**にあたります。「訪問診療のみ」「往診のみ」「訪問診療及び往診」のいずれかの形で「対応している」施設を合わせると、**全94施設のうち65施設(69.1%)**が在宅医療に何らかの形で関わっています。これは、大津市内の多くの診療所が在宅医療に意欲を持っていることを示唆していますが、体制が整っていない施設も存在します。
4. 今後の課題と目指す方向性在宅医療のニーズが拡大する中、大津市では地域全体で患者を支えるための医療連携体制の構築が急務です。具体的には、かかりつけ医が中心となり、医療機関、訪問看護ステーション、薬局、介護事業所、行政などが密接に連携する多職種協働の仕組みを強化していく必要があります。
この度、大津医師会の先生方と大津市議会有志で「在宅療養・ACP(人生会議)」の普及に向けた課題と解決策を意見交換しました。
「在宅を診てくれる医師が地域にいるのか分からない」「説明事項が多く自信がない」「家族関係がぎくしゃくする」「誰もが先送りしがちで、切羽詰まってからの判断になる」――現場と家族の“リアル”な悩みが次々に共有されました。
一方で解決の糸口もはっきり見えてきました。
医師会による地域の“出前講座”をさらに周知し、病院の待合室ポスターや入院時チェック項目への組み込み、介護保険利用者にはケアマネさんが段階に応じて情報提供・促し、家族の面会時に切り出す。
そして、成安造形大学の卒業制作絵本を基に、在宅医療に取り組む「チーム大津京」(医師・看護・介護・薬剤師・歯科・行政等の異職種連携)が作成した地域で使いやすいツール(絵本『サイ五郎さんちの人生会議』・対話カードなど)をを積極活用して、話し合いのハードルを下げる――「今日からできる実装策」を確認できました。
(医師会の皆さまは骨折・転倒予防や口腔機能など地域啓発の教材・出前資料も整備されており、在宅療養の土台づくりに大変心強いです。
今後も、「どこで・どう生きたいか」を早めに話し合える地域づくりを、医療・介護・行政・市民がワンチームで前に進めて参ります。
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