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― コスト上昇分の「半分程度」まで回復、労務費の反映が課題 ―

物価上昇を上回る賃上げの実現には、労働者の多くが勤める中小企業の“稼ぐ力”の底上げが不可欠です。その鍵となるのが、コスト上昇分を販売価格に反映する「価格転嫁」。経済産業省は毎年春・秋に実施するフォローアップ調査で、主要な発注側企業との価格交渉・転嫁の進捗を把握しています。

調査の概要(2025年春)
実施時期:2025年4~5月
配布:約30万社/回答:6万5,725社

主な結果
価格転嫁率:52.4%(前回から約+3pt)
→ 2021年9月の調査開始以来、初めて50%超。コスト上昇分の**「半分程度」**を価格に反映できる水準に。

転嫁の可否:
「全額」または「一部でも」転嫁できた:83.1%(+約3pt)
「転嫁できなかった/マイナス」:16.9%(−約3pt)
→ 改善傾向の一方、転嫁できる企業とできない企業の二極化が進行。

コスト要素別の転嫁率:
原材料費:54.5%
労務費:48.6%(+約4pt)
エネルギー費:47.8%(+約3pt)
→ 労務費・エネルギー費は原材料費より低水準で、さらなる改善が必要。
多重下請けの課題:
サプライチェーンの階層が深いほど転嫁率が低下。

現場の声
「何度申し入れても交渉に応じてもらえない」
「根拠を示して提示しても、一方的な価格通知で交渉にならない」

官公需(国・自治体発注)の状況
価格転嫁率:52.3%
「予算を理由に応じてもらえない」「原価計算なく一方的な価格」などの声も。

発注側企業・公共機関の評価公表
取引代金の支払い対応で最低評価(4段階)=15社。
※支払い条件も調査項目に追加し、手形現金化費用の受注者負担などを減点。
手形払いは2026年1月1日から法律で禁止に(資金繰りの悪化を防ぐため)。

公共機関では神戸市・福島県郡山市が価格交渉・価格転嫁の両項目で2番目に低い評価「ウ」。
評価が芳しくない企業・機関には、所管大臣名で指導・助言を実施。

公明党の取組(法改正を主導)
国会質疑・政府提言を通じ、適正な価格転嫁と取引環境の改善を一貫して推進。
先の通常国会で、約20年ぶりに下請法を抜本見直しし、通称**「中小受託取引適正化法(取適法)」**へ。
2023年10月には「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」を政府に提出。
同年11月、**「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」**の策定を後押し。
党経産部会・平木大作部会長:「価格転嫁しやすい環境づくりを進め、雇用の約7割を支える中小企業の賃上げにつなげることが最重要。今後も取引環境の改善に全力で取り組む。」

今後に向けて(要点)
労務費・エネルギー費の転嫁率の底上げ
多重下請け構造での不利是正
官公需の価格交渉の実効性向上(原価計算の徹底、予算面の運用見直し)
支払い条件の適正化(現金化コストの負担転嫁防止、手形廃止の円滑実施)

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サイト管理者
もりわき 謙一