「未来応援給付」年収960万円未満で決着。「公約違反?」「高すぎる?」

「未来応援給付」年収960万円未満で決着。
公明党は、衆院選の公約に「未来応援給付」を掲げ、0歳から高校3年生までの子どもに、一律10万円相当を給付する事を目指してきましたが、11月10日、首相官邸で岸田総理との会談の結果、両親子ども2人の標準的な家庭の場合、夫婦どちらか収入が高い方の年収が960万円未満となる家庭に給付される事となりました。
また、年内に現金5万円を児童手当の仕組みを使って給付する事と、残りを来春の卒業・入学シーズンに間に合うように、原則クーポンなどを活用して給付する事で合意しました。
これに対してさまざまなお声がありますが、速やかな給付が可能である事と、ほぼ9割の子ども達に届ける事が可能である事から、現状では最善を尽くした結果ではないかと考えております。
一律給付出来ないのは「公約違反」なのか?
公約とは、国民とのお約束ですので、実現に向けて最善を尽くす事が望まれますが、公明党が公約に掲げさせて頂いたのは「未来応援給付」だけではなく、「子育て支援を国家戦略的に社会全体で支えていく」という取り組み全体でもありますので、今回対象から外れてしまった方には申し訳ありませんが、今後の取り組みをもってご理解頂きたいと思います。
また、政治とは合議制ですので、粘り強く協議し、合意形成を目指すことが求められます。
もし、さまざまな立場や考え方がある中で、「自らの主張」だけが正義であるとし、他者の批判のみに終始するのであれば、それは独善に陥ってしまいます。
そのような方向性の政党もありますが、公明党はあくまで、建設的な話し合いにより、より良い方向に一歩づつ政治を前に進める事を志向しています。
本来、どちらが勝ったとか、負けたとかの問題ではなく、20年以上続けてきた自公政権によって培われてきた双方の信頼関係によって、早い段階で合意できたという事であり、一部ではありますが一刻も早く給付するための道筋を開いたという事だと思います。
これ以上の合意形成のためには世論の追い風や理解が進まなければ難しいと考えています。
困窮している方は他にもいる。年収960万円は高すぎるのか?
コロナ禍において生活に困窮している方は、派遣労働の方や大学生、飲食・観光事業者の方など、さまざまな方がおられます。
公明党は、こうした方々に対して何処よりも寄り添って支援してきました。
その上で、今後もさまざまな形で全力を尽くしていきます。
具体的には、以前のブログに記載しましたので、是非ご覧いただきたいと思います。
↓
なぜ「未来応援給付」なのか? 生活困窮者の支援は?
https://www.komei.or.jp/km/ootsu-kaida-katsuhiko/?p=4711
なぜ「未来応援給付」なのか? 大学生などへの支援は?
https://www.komei.or.jp/km/ootsu-kaida-katsuhiko/?p=4713
なぜ「未来応援給付」なのか? 飲食店や観光事業者への支援は?
https://www.komei.or.jp/km/ootsu-kaida-katsuhiko/?p=4715
更に、11月8日にも、政府に対し「新たな経済対策」として、生活困窮者や学生への支援を提言しています。
↓
「新たな経済対策」の一部


主な提言内容
●コロナワクチン無料接種の継続
●生活困窮者への支援強化・給付金の支給
●「グリーンライフ・ポイント制度」の創設
●「地方創生臨時交付金」の増額
●「事業再構築補助金」の大幅な拡充
●中小企業の賃上げなどに向けた支援
●「防災・減災5か年加速化対策」前倒し
これらの経済対策や困窮者支援と混同して、「未来応援給付」の効果を論じ、批判するお声も頂いております。
勿論、それらの効果を期待していない訳ではありませんが、そもそもこれは「子育て支援」として掲げている政策であり、コロナ禍が長期化している事によって、子ども達や子育て家庭に大きなしわ寄せを及ぼし、「生活面」や「心理面」に深刻な影響を与えている事を重く捉えての政策です。
例えば、昨年度に自殺した児童や生徒は、前の年度から100人近く増え、初めて415人になりました。
小中学生の不登校は、昨年度から1万5000人近く増えて、19万6127人に達しました。
いずれも過去最多を記録しています。
これは見過ごす事のできない問題ですし、氷山の一角であるならば更に深刻です。
勿論、さまざまな要因があり、丁寧に原因を調査し対策を講じていく事が大切ですが、容易に想像できる事は、子ども達は一見元気そうに見えても、社会全体の閉塞感を敏感に感じ取り、大人が思う以上にストレスを抱え、希望を失っているという事だと思います。
自由に外出し、友達と遊ぶ事を制限されてきた子ども達に、少しでも笑顔になって欲しい。
オンライン授業などの実施に伴い、家庭でPCを用意する事を迫られている家計の助けになって欲しいなど、コロナの感染拡大が深刻化する中にあって、少し後回しにされてきた子ども達に、この国は決して忘れている訳ではないというメッセージを届けるための「未来応援給付」です。
これで良いのか、日本の子育て支援(少子化対策)
また、深刻な人口減少社会が到来している日本において、次世代の人材育成のために、社会全体で子ども達を守り育てていく社会へと、大きく転換する事を目指し、子育て・教育支援を国家戦略として、段階的に充実させていくべきであると考えていますが、そのためのキックオフ的意味合いもあると考えています。
ワイドショーのコメンテーターやネット上で、さまざまな批判を見かけますが、そうした批判を目にするたびに、何処まで詳しく理解した上で、批判されているのだろうかと思います。
日本は、戦後の貧しい中でも、年間270万人の子どもが生まれていました。
しかし、今年は80万人、来年は70万人台になる見込みとなっています。
コロナによって少子化は急激に加速しています。
70万人とは、約1/4になったという事ですが、当然、この子ども達が大人になって子育てをする時期を迎えると、そこから生まれる子供は更に半分になって、1/8になります。
そして、その子ども達が大人になる時には、1/16になるという事です。
この少子化が真に問題なのは、いったん減ってしまった子どもの数は、少し合計特殊出生率が改善したところで元に戻す事は出来ないという事です。(2020年の合計特殊出生率は1.34、昭和50年から2.0を上回った事は一度もない)
私たちは人で支えられ、人に生かされています。
地域社会も、国も同じです。
納税、年金、医療、介護、その全ては人がいて初めて成り立っています。
今は、何処もかしこも人手不足が言われ始めていますが、今後はますます深刻になり、何もかも立ち行かいない時代が訪れることは明白です。
これはコロナ以上に深刻な課題であると考えますので、この問題を真正面から捉え、立ち向かって行かなければならないと考えています。
先進国の中でも少子化対策に成功していると言われているフランスでは、子どもの権利が尊重され、親の所有物ではなく、親がより良く子どもをサポートできるように支えていく事は、社会全体の責任であり、親は国の宝である子ども達を育ててくれているのだという考えがあると言われています。
これに対して、日本では親の子どもに対する権利や責任が強調される傾向にあると思います。
例えば、日本とフランスの家族給付を比較すると、第2子が誕生する2年後には、フランスでは約71万円、日本では12万円と、約59万円の差があります。
そして、フランスの家族給付は30種類もの手当があり、生活困窮者や低所得者支援ではなく、一般世帯全体を対象としており、親の所得によって子どもを区別するべきではないという子ども中心の考えが強いように思われます。
つまり、比較的に裕福な家庭の子どもも、そうでない子どもも、全て等しく国の宝として、子どもたちの未来を優先して考えるフランスと、子育て支援を困窮者支援の範囲でのみと捉え、「未来応援給付」をバラマキだと批判している日本。
日本は、世界一少子化が進んでいるにも関わらず、年間予算の内、家庭・子育てなどに支出されている額は、先進38か国の平均より下回っています。
勿論、フランスと全く同じ事を日本でもするべきだと言ってる訳ではありません。
フランスと同じことを実現するためには、その負担をどうするのかいう議論も必要になりますので、高い消費税率など、全てが正解だとは思いませんが、少子化が急速に加速している日本として、最優先事項の一つとして考えていく必要があるのではないでしょうか。
少なくても「未来応援給付」の支給対象960万円未満を議論する際には、この国の現実を直視した上で、未来を担う子ども達にどのように向き合うのかを考えた上で議論する必要があると考えます。
また、効果予測や検証は重要ですが、間違っても経済効果だけで批判するような浅はかな議論にはなって欲しくないと思います。
まして、一時的な感情を利用し、政争の具として国民感情を煽り、将来を見据えた議論を阻害するような事があってはならないと思います。
最後に、公明党は、結党以来「子どもの幸せを最優先する社会」を目指し、教育・子育てを支援してきましたが、力強い日本の再生と、次世代の人材育成のために、社会全体で子ども達を守り育てていく社会へと、大きく転換する事を目指し、改めて子育て・教育支援を国家戦略として、段階的に充実させて行きたいと考えております。
こうした公明党の考え方に対して、国民の理解と共感が一層深まり、追い風となる事を切に念願しております。








