都市整備費:賃貸住宅の事故物件への助成制度について
大田区議会公明党の末安広明でございます。
ライフワークの1つであります住宅政策についてお尋ねいたします。
先日も80歳のご婦人から、これまで元気に働けていたが事情により働けなくなってしまい、現在の家賃では生活が成り立たないため、家賃の安い家を至急探したいとの相談を受けました。こうしたご相談を相変わらず多くいただきます。不動産事業者からも、年齢が75歳を超えると、ただでさえ厳しい高齢者の住宅探しについて、もう一段厳しくなると聞いております。
公営住宅を増やしていくことが出来ない現状の中で、住宅確保要配慮者に対しての民間賃貸住宅への入居支援策をより拡充させていくことが求められていると考えます。本区には今一度、この問題の深刻さについて強く受け止めて頂きたいと思います。
現在、居住支援協議会が立ち上げられ、事業者とも連携して、支援策についての検討が行われていることと思います。
事項別明細書211ページには、居住支援協議会として556万円が計上されております。
そこで伺いますが、来年度どのような新たなサービスを展開していく予定なのか、また各事業において、それぞれどの程度の費用を見込んだのかお聞かせ願います。
回答:① 来年度は、高齢者の入居を支援するため、新たに3種類のサービスを実施する予定です。
1つ目は緊急通報サービスで、具合が悪くなった時に緊急ボタンを押すか、センサーが感知することで警備員が24時間365日駆けつけてくれます。
2つ目の見守りサービスは、AIが電機やガスの使用量の変化を検知し、一定時間経過後にあらかじめ登録した宛先に異常を知らせるメールが送信されます。
3つ目の緊急連絡先代行サービスは、緊急連絡先がない場合にNPO法人が緊急連絡先を代行します。
いずれも本人が支払った額の一部を区が助成いたします。緊急通報サービスは3件で計48,000円、見守りサービスは25件で計275,000円、緊急連絡先代行サービスは12件で計60,000円を来年度予算に計上しております。
私もこれまで提案して来ましたが、新サービスとして緊急通報サービスや見守りサービス、緊急連絡先代行サービスへの補助が実施されることは、高く評価を致します。初年度のため、見込みの件数が少ない点は少々残念ですが、ぜひとも積極的な活用に結び付けてもらいたいと思います。
しかしせっかくのサービスも、それによってどれだけ入居を拒んでいた家主がご理解を頂けるのか、また不動産店がどう評価するのかといった手応えを掴んでいかなれければ、制度が生きて来ないと言えます。
新しいサービスを不動産店や家主がどのように評価をするのか、といった調査を実施していくべきと考えます。いかがでしょうか。
回答:②来年度は、不動産店や家主に対して、高齢者等の入居制限を行っているか、どのようなことで困っているかなどを調査し、相談窓口に来られた方に対して、住宅探しで困っていることは何かなどを調査し、区内の実情を把握する予定です。
来年度導入する緊急通報サービスや見守りサービスなど新しいサービスの評価についても、不動産店や大家さんのご意見を伺いたいと考えております。
なお、調査結果は居住支援協議会で検証し、今後の居住支援施策にいかしていきたいと考えております。
よろしくお願い致します。
新サービスが運用されることは大きな一歩でありますが、それでも尚、不動産店や家主側から見れば、もし死亡事故が起きてしまった場合、その物件は事故物件として説明する義務があり、入居者がいつまでも決まらなかったり、場合によっては家賃を下げる必要も生じます。実は本日もある家主の方から、所有する物件において事故が発生したとの連絡を受けたところです。
そこが入居者を拒む、最大のリスク要因になっております。これは民間賃貸住宅での話ですが、ちなみに本区の区営住宅においても同様の事故が発生するケースはあると思います。
そこで伺いますが、現在の区営住宅の管理戸数と、その中で死亡事故の発生頻度はどの程度あるのかについて、お聞かせ下さい。
回答:③ 区では現在、32団地1,364戸の区営住宅を管理しております。
団地ごとに入居者の中から連絡員を選任し、単身高齢者世帯の見守りもお願いしておりますが、それでも年に2件程度、死亡事故が発生しております。
区営住宅独自の管理形態もありますが、事故発生件数はそんなに大きな数字にはなっていないと言えます。またそうした事故物件については、区では事故住宅として定期的な入居者募集を実施されています。
そこで伺いますが、近年の区営住宅の事故物件の募集数とその希望者数の状況についてお知らせ下さい。
回答:④ 毎年2月に事故住宅の募集を行っております。
平成30年度は、募集戸数4戸に対して99世帯の申し込みがあり、倍率は24.8倍でした。 令和元年度は、募集戸数4戸に対して85世帯の申し込みがあり、倍率は21.3倍でした。なお平成30年度と令和元年度の募集戸数が4戸となったのは、平成29年度末の事故物件が含まれていることや、耐震補強工事が終了するまれ募集を先送りしたためでございます。
事故物件であっても、相当数の応募があることが分かりました。都営住宅にも同様の制度があり、それを含めれば事故物件であっても、家賃が低廉でさえあれば入居希望者はかなりの数いらっしゃることが分かります。しかしながら民間賃貸住宅では、それが最大のリスク要因となっており、その影響で空き家であっても入居を拒むケースが相当数あるとされております。そこが最大のギャップとなっている訳です。
そこで本日はひとつの新たなアイデアを提案したいと思います。
家主側が住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として登録し、区が今回予算化した新たな見守りサービスなどを導入することを条件として、万が一、その上でも死亡事故が起きてしまった場合には、そうした物件に対し、区が家賃助成を行うと共に、入居者の斡旋までも実施するという仕組みです。
そこまでパッケージにして提案すれば、最大のリスク要因を民間賃貸物件でも回避することが可能となる訳です。
当然、家主にとっても大きなメリットとなり、物件も集まりやすくなるものと考えます。また、国がセーフティネット住宅のメニューとして用意している家賃助成制度なども活用することが出来れば、区の財政負担もほぼ無い形で実現できるのではないでしょうか。
伺います。事故物件になってしまう民間賃貸住宅に対する支援メニューを、是非ともご検討頂きたいと要望いたしますが、いかがでしょうか。
回答:⑤ 委員からご提案いただきましたように、見守りサービスなどの新しいサービスを導入した民間賃貸住宅が事故物件になってしまった場合、区が家賃助成を行って入居者を募集すれば、入居者が早く決まり、家賃を減額する必要がありません。家主の負担も減り安心していただけると考えます。
その一方で、国の住宅セーフティネット制度の登録をして家賃補助を行うには耐震基準を満たしていなければならないほか、登録手続きが家主の負担になるなど、支援メニューの導入には課題がございます。今後、どのようなスキームで実施できるか具体的に検討して、居住支援協議会に諮ってまいります。
ぜひとも真剣にご検討いただくことをお願いし、質問を終わります。
