産業経済費:区産業支援施設の活性化について
大田区議会公明党の末安広明です。
いよいよ街開きが間近に迫りました羽田空港跡地第1ゾーン「羽田イノベーションシティ」における区施策活用スペースについて伺ってまいります。
言うまでもなくこの整備事業は、その規模からも、立地から見ても、これからの本区の将来にとって重要な場所になります。中でも施設全体の入り口に位置する区施策活用スペースはこのエリアの顔でもあり、また区内産業への波及効果を生み出していく拠点となることが求められております。是が非でも成功させなければいけない場所であり、そうした視点からいくつか質問をさせて頂きます。
この区政策活用スペースについては、大きくはテナントゾーンと交流空間ゾーンの2つのゾーンが設置されると認識しております。
始めに、現在、テナントゾーンとして位置付けられた17区画について、申し込みが行われている最中と伺っておりますが、これまでの状況はどのようになっているか、お知らせください。
回答:① 昨年9月から公募を行い、10法人からの申し込みがありました。その後、財務状況などを中心とした書類審査を行い、8法人を入居予定者として選定し、現在は入居予定者に対して、入居条件や入居後の事業活動計画などについてのヒアリングを行っております。
次に、この場所に入ってもらう企業として最も求められる条件は、区内産業との親和性、いわゆる区内産業への波及効果をどれだけ生み出せるのかという点にあると思います。この点について、現在集まっている企業などの傾向性やその期待値についてご見解をお示しください。また昨年の決算特別委員会の総括質疑でも、我が会派の田村議員が触れておりますが、区内産業とのマッチングについて、産業振興協会が参画して実施していく旨の答弁がありましたが、具体的にどの様に進めていくおつもりなのか、お聞きします。
回答:② 入居予定者として選定した8法人は、区内と区外の双方から申し込まれており、その業種についても製造業だけでなく、非製造業の法人もございます。入居予定者の皆様には、区内企業へ部品等の加工案件を発注するだけでなく、共同事業などにより、設計や企画開発など、より付加価値の高い案件にかかわる機会を多くご提供いただくことを期待しております。
また区内企業とのマッチングですが、こちらは産業振興協会の主たる業務であり、多くの実績があります。そのため、現在は産業プラザのみで行っている産業振興協会の業務を区施策活用スペースにおいても機動的に行えるよう、産業振興協会としての窓口を設け、迅速かつ丁寧なマッチングを実現したいと考えております。
今後この場所に集まってくる企業によって、どの様な科学反応が起き、経済的効果をもたらすのか、大きく期待されるところであります。例えばショッピングモールなどでは、定期的に入居店舗の入れ替えを行うことで、常に相乗効果によって施設全体の価値を高め、集客につなげております。今回のこの場所は、あくまで企業支援的な施設ではなく、新たな価値を生み出し、区内産業への波及効果に繋げることが強く求められております。
しかしながら、場合によっては当初のコンセプト通りにいかないケースや、その企業としては順調であっても、区内産業への波及効果を生み出せないケースも起こり得ると思います。結果、この場所の目的から外れてしまうことも懸念されます。
そこで伺います。そうした課題に対しても策を講じておくべきと、以前に質問で触れさせていただきましたが、この場所を活性化させていく上で、今回どの様な契約形態や仕組みを検討したのか、お聞かせ下さい。
回答:③ 本件に関する賃貸借については、定期建物賃貸借契約による、最長で5年の貸し付けを予定しております。契約期間終了後は、通常の賃貸借契約のように更新することにはならず、貸主、借主のどちらかが再度入居を希望する場合は、双方が誠意をもって協議をして新規契約を締結することになります。残念ながら地域への貢献が見られない場合には、こうした機会をとらえて、新たな入居者の方を選定させていただき、入居者の地域貢献度が常に高い状態となるように努めてまいります。
また入居後は、定期的に各法人の地域貢献度の取り組み状況を確認し、必要に応じて区内企業の紹介や区の共同事業支援策などをご案内させていただくなどのサポートを行い、入居者による波及効果が生まれるような仕組みを構築してまいります。
これまでの説明や資料から、羽田空港の真横という立地特性と、大規模な開発で新たな取り組みが実施されようとしている場所であり、多くの企業が集まってくるといったイメージは伝わっておりますが、現在までに申し込みのあった企業の数からしますと、まだまだそのコンセプトがぼやけてしまっているのではないかと感じます。
都内でも渋谷区や品川区が、スタートアップ企業を集める施策に積極的な活動を行なっており、こうしたエリアとも差別化していくことが求められます。もっと話題性を呼ぶ具体的なメリットを仕掛けることや、更には何かに特化した魅力を作ることも必要ではないかと感じます。
この場所のメリットやコンセプトについて、現在の発信手法と、課題があるとすればどの様な点かお聞かせ下さい。
回答:④ 委員のお話の通り、現在、都心を中心にスタートアップ企業を積極的に呼び込む動きがございますが、羽田イノベーションシティにおける区施策活用スペースのメリットは、何といっても世界有数の国際空港に隣接していることと、国内有数のものづくり企業が集積する地に位置していることであるため、この強みを最大限に生かせる環境整備をするべきと考えます。
課題は、このメリットを国内外へ、まだ十分に伝えきれていないことです。海外の公的支援期間や研究機関への積極的な広報に加え、豊富なコンテンツの効果的な発信手法について、専門家の意見なども活用しながら、引き続き戦略的な発信に力を入れて取り組んでまいります。
この場所の魅力をより高めていく上で、専門家の活用があると思います。区と産業振興協会で様々な準備を進めてきたことは理解しておりますが、例えば世界や地方にこの場所の取り組みを発信し、具体的に繋いでいくことや、参加した企業の交流を促し、その中からイノベーションを生み出すための取り組みをいかに仕掛けるか、更にはこの場所の全体のバランスを俯瞰して価値を高めていくことや、投資を呼び込むような仕掛け作りなど、それぞれの場面、場面で専門家の存在が重要になると考えます。
そこで伺います。もっと様々な視点で、積極的に専門家を活用していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
回答:⑤ 委員お話の通り、産業振興協会においてはこれまでの事業を通じて、国内外の様々な機関や大学等とのネットワークを有しておりますが、この場所のメリットを最大限生かしていくためには、さらに多様な人や組織を巻き込むことが重要であると認識しております。
そのため区および協会では、現在、魅力向上が期待できる様々な専門機関や個人に接触し、この場所の特色や区のものづくりの強みなどをご説明して、興味・関心を持っていただくような働きかけを行っています。今後、こうした方々との連携関係を構築すると共に、この場所から話題性の高いプロジェクトが生まれるような仕掛けを行う専門家などの招へいも視野に入れて、準備作業を加速させてまいります。
次に、交流ゾーンについて伺います。
全体の4000m2というスペースの中で、その内の3割が交流ゾーンに充てられるとされております。ここをどの様に活かしていけるかに、区施策活用スペースの成否が掛かっていると言えます。
またテナントゾーンの17の企業だけの交流場所というのでは、あまりに広がりが少ないと感じます。
そこで伺いますが、もっと多くの、様々な分野の企業にこの場所に集まってもらい、交流を生み出していくことこそ、イノベーションが起きる可能性が高まるのではないでしょうか。またスタートアップの企業で、大きなスペースは借りられなくとも、素晴らしいアイデアをカタチにしたいという先も多くあります。こうした小さな規模の企業が集まれる仕掛け作りも、交流スペースを活用して行っていくことが重要ではないかと考えますが、いかがでしょうか?
回答:⑥ 区としてもテナントゾーンの入居者にとどまらず、企業や大学、研究機関などを交流空間ゾーンへ呼び込むことが重要であると認識しております。そのため、交流空間ゾーンには、国内外から多様な企業や研究者が集い、受発注や研究開発を促進させるためのスペースなどを確保することを予定しています。他にもスタートアップ企業に関しては、産業振興協会が実施しているスタートアップ支援事業の実施場所として活用することも検討しています。
それらの取り組みにより交流空間ゾーンでの連携を推進し、連携によって生み出された成果を発信することで、区内企業に波及効果をもたらす企業などを呼び込めるように努めてまいります。
足し算ではなく、掛け算でイノベーションが起きる場所として、その可能性を十分に活かしていただきたいと期待を述べ、質問を終わります。ありがとうございました。
