こんにちは、おおこし勝広です。
5月9日、大阪市の防災力強化マンション認定制度を視察してきました。
【視察の背景・目的】
昨年の東日本大震災では、墨田区でもマンションなどの集合住宅にも大きな被害が発生。
特に高層階の住宅ほど、揺れが激しく、家具などの転倒、ガラスの飛散がありました。
こうしたことから、昨年11月の決算特別委員会で私は墨田区の集合住宅条例について、家具転倒防止などの設置を義務付けるなどの見直しを行うべきと提案。
今年、その提案が実現し、集合住宅条例が改正され、今後新築される集合住宅については、家具転倒防止対策などが義務付けられることについては、一歩前進だと思っています。
しかし、既存の集合住宅は多数存在しており、こうした集合住宅の防災力強化は、残された大きな過大のひとつ。
今回視察した大阪市の防災力強化マンション認定制度は、市で設けた一定の防災基準を有している集合住宅について、「防災力強化マンション」として認定し、融資を受ける場合でも利子など優遇措置が受けられるという制度であり、しかも、ほぼゼロ予算事業!(大阪市からは集合住宅に特別に補助金などは一切出ておりません)。
30年以内に80%の確立で発生すると言われている首都直下型地震に対して、壊れない燃えないまちづくりを進めなければならない本区にとって、極めて参考になる制度だと思い、視察してきました。
【視察内容】
- 制度創設の経緯
- 制度概要
- 実績
- 認定のメリット・効果
- 質問・意見交換
【感想】
「防災力強化マンション認定制度」は、平成21年からスタート。
現在まで25棟・2922戸のマンションが認定されており、毎年認定は増加傾向。
市としては認定されたマンションに補助金は出していないが、りそな銀行の御好意により、認定されたマンションの住宅ローン金利は引き下げられるとのこと。
更に大手マンション建設業者では、今後大阪市で建設するマンションは全てこの認定制度を取得する方向とのこと。
興味深かったのが、大阪市では墨田区同様、一定の基準を満たすマンションについては、「子育て安心マンション」として認定する制度もあるが、こちらは減少傾向とのこと。
時代の流れかと感じています。そもそも「子育て支援マンション認定制度」は墨田区が全国のさきがけとしてスタート。
制度実施のころは視察も多く、類似の制度を多くの自治体でもスタートしました。
しかし、バリアフリー法が改正され、マンションのハード設備について、一定の基準が法的に義務化されることにより、墨田区のように建設補助で拠出し、実施している自治体は少なくなってきているのではないかと推察します。
区が定めた一定の子育て環境を満たしたマンションを「子育て支援マンション」と認定するのは、問題ありませんが、補助金(しかもデベロッパーへの補助金)を出す必要性はなくなってきていると感じます。
逆に水害時の避難マンションや、集合住宅に居住する住民が約6割を占める本区にとって、そうした集合住宅の防災力強化に繋がる支援を検討すべきと思いました。