バックナンバー 2012年 2月
 2月23日、平成24年第1回定例議会が開かれ、公明党を代表して本会議質問を行いました。
今回取り上げたテーマは5題。
  1. 平成24年度予算案と財政規律について
  2. 区役所組織の再編成について
  3. 木造住宅密集地域の安全対策について
  4. 振り込め詐欺対策の強化について
  5. 学校給食の食育について

 中でも墨田区として緊急の課題である区北部の木造密集地域の安全対策については、

①木造家屋の防耐化助成、②空き家・廃屋対策の視点から質問させていただきました。

 政府中央防災会議の発表によると、墨田区は首都直下型地震が発生した場合、

最も家屋が倒壊・延焼する地域と指摘されています。

 更には過日、東京大学地震研究所が発表したマグニチュード7クラスの地震の発生率が、

4年以内に70%との試算は、東日本大震災後の余震が計算されていないとはいえ、

社会に大きな衝撃を与えました。

 最近では首都圏でも地震が頻繁に発生していることから、区民の不安は広がっています。

「防災上、大いに問題あり」と指摘されている区北部の木造密集地域の不燃化対策は、

今まで鉄筋コンクリートなどの非木造建築への建て替えしか助成が出ないため、

まったく進みませんでした。

 こうした問題に対し、私は議会の度に木造住宅でも防火機能の優れた素材を使用した場合には

助成すべきと提案してきました。

 今回、23区で初めてとなる木造住宅への防耐化素材を使用した場合の新たな不燃化助成が予算化されたことは、大変評価するとともに、都と連携して助成対象となる助成地域の拡大を新たに提案しました。区長からは「来年度は難しいが、北部地域総体の不燃化率向上は必要なので、将来的に検討する」との答弁がありました。

 また空き家・廃屋対策については、現在増えつつある空き家・廃屋について、

基礎的自治体が区民の窓口となって対応を進めるべきとした上で、私有地に絡む権利関係など、様々な諸問題があることから、条例制定を提案。

 区長は「来年度に制定を目指す」と明言しました。

 安全・安心の住環境整備に向けて、更に力を入れてまいります。

代表質問を行うおおこし勝広区議

 おおこし勝広です。

 2月6日、議会改革で全国から注目を浴びている栗山町議会に行ってきました。

「議会が日頃、何をしているのかわからない」-こうした声は昨年の区議選の折にもたくさんお聞きしました。

議会でいったい何が行われているのか、議員はどのような仕事をしているのか、事実上の雇い主である区民(納税者)に見えるようにしていくことは、極めて大事であると考えています。

今回の視察は全国の地方議会で一番初めに議会基本条例を定め、様々な改革を推進してきた議会改革・先進地方議会である栗山町議会に伺い、同じ議会人として、様々意見交換を行ってきました。

これから墨田区議会の議会改革を進める上で、貴重なご意見を頂戴しました。

長時間にわたり意見交換にお付き合いいただいた、栗山町議会の鵜川和彦議長、小寺進監査委員をはじめ、各議員の皆様、衣川議会事務局長に心より感謝申し上げます。

以下、報告します。


 

挨拶する鵜川栗山町議会議長

【視察日】平成24年2月6日

【参加者】千野、加納、高橋、とも、おおこし

【主な内容】1.栗山町議会における議会改革の背景について

         1)法的背景・・・地方分権一括法の制定(2000.4)

         2)夕張市の財政破綻 ⇒ 議会のチェック機能の役割を果たしているのか ⇒

           議会の透明性が要求

         3)監視型議会からの脱却 ⇒ 執行機関提出の案件の修正、提案

         4)住民と積極的に意見交換し、住民に近い議会形成への要望  

       2.栗山町議会基本条例の主な特徴

         1)町民や団体との意見交換を目的とした議会主催の一般会議の設置

         2)請願・陳情を町民からの政策提案として位置付ける

         3)年1回の議会報告会の義務化

         5)議員の質問に関する町長や町職員の反問権の付与

         6)議員相互間の自由討議の推進

         7)政務調査費に関する透明性の確保

         8)町民から議会運営に関し提言を聴取する議会モニターの設置 等

       3.意見交換の主なテーマ

         1)通年議会や予算・決算委員会の常任委員会化について

         2)議員同士の自由討議について

         3)執行機関側の反問権について

         4)政策形成・予算編成過程の資料提示及び執行機関側の協力体制について

         4)住民との意見交換会について

         5)今後の課題について

       4.議事堂見学

【所感】

住民に開かれた議会改革

 単に2元代表制における対立機関としての議会改革という視点より、「住民に開かれた」、「住民の側に立つ」議会を目指しての議会改革であると感じました。

今、議会改革が全国どこでも叫ばれるようになり、多くの地方議会で議会基本条例などを制定し、議会改革に取り組んでいますが、その多くが基本条例を制定後に各種取組みがスタートしているものがあります。

 ところが栗山町議会では、議会基本条例が制定される前に、議会のネット中継や本会議質問の一問一答方式の導入、町民への議会報告会の開催など、実態の上での議会改革が進んでいました。

 こうした背景には、夕張市の財政破たんで議会の財政監視能力、行政監査能力に疑問がもたれるようになり、議会自体がそうした力をつけ、住民の疑問や要望に応えられる議会を目指した所から出発したのだと感じました。

住民の意識にも変化が

 平成17年から実施されている住民への議会報告会では、毎回12会場で約300人の住民が参加するとのこと。

 意見交換の内容としては、議会に対する苦情・不満は今でも一定程度はあるにせよ、開催当初は陳情・要望などが多かったそうですが、今では議会としての意思決定などについて、各種意見が出るようになってきたとのことでした。議会改革により、少しづつではありますが住民意識が変わりつつあることが伺えました。

 まだ住民に開かれた議会になったかどうかについて、アンケートなどは行っていないそうですが、議会モニターなども実施していることもあり、「議会に対するアンケートをやってみてはをどうか」との提案を、「おもしろい。検討してみましょう」と受けてくれました。

議員研修会を活発に

 また栗山町議会でも地方議会改革に詳しい法政大学の廣瀬教授等、多彩な有識者に「議会サポーター」としてご協力をいただき、各種研修会を常に開催しているとのこと。

 先日墨田区でも東京大学の小出先生にご協力いただき、「東日本大震災と墨田区の防災」とのテーマで研修会を実施しましたが、こうした機会をもっと増やすべきと考えます。

 栗山町議会では、廣瀬先生などは謝礼なしで、ボランティアで来ていただいているとのこと。工夫すれば様々出来ると感じました。

大都市における議会改革

 栗山町議会では会派は存在しないとのこと。常に話し合い、議会としての合意形成に努めているとのこと。都市部だと中央政治が色濃く反映し、各会派ごとの意見対立などが顕在化し、議会としてなかなかまとまりにくい実態があります。

 執行機関に対峙し、議会総体が監視役、または立法機関の役割を果たしていくためにも議員同士の自由討議、会派をこえた合意形成を作ることが大事だと改めて感じました。

 墨田区の議会改革もこれからというのが実情。会派、世代を超え、どこまでいっても「区民に開かれた議会」を目指すために、しっかり改革を前に進めていきます。

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