7月30日、米沢市の上杉鷹山公を冠したまちづくり・人づくりを視察。
墨田区では葛飾北斎の生誕地であり、多数の北斎コレクションを所有していることから、
スカイツリーの開業に合わせて、区内観光の一つの目玉としてすみだ北斎美術館の建設を予定しています。
しかし、建設については現在も区民・地域住民への理解など、様々な課題も有しています。
昨年、区民文教委員会で坂本龍馬の故郷・高知県を訪れた際、地元には県営と市営の
坂本龍馬記念館があり、どちらも大勢の市民と観光客で賑わっていました。
そこに住む方が誇りに思う、だから県営、市営、両方の記念館があっても苦情どころか、
様々な観光ボランティアとしてお手伝いいただくなどの支援ができるのかと感じました。
墨田区は葛飾北斎や勝海舟の誕生の地ですが、米沢の上杉鷹山や高知の龍馬のように、
地域に愛され、その地域のまちづくりや人づくりに活かせていないことが大きな課題だと私達は思っています。
そうした課題に取り組むうえで、市立の博物館を保有し、観光だけでなく、教育においても
鷹山公の思想や考え方を取り組むなど、地域づくり、ひとづくりを進める上で
どのように市民への定着化を図ってきたのか、また観光街づくりとの観点から駅などの玄関口から
市内街歩き観光の動線をどのように造形しているのかについて視察してきました。
博物館運営や観光街づくりについては、事前に博物館運営や観光施策などに関して、30問を超える質問を出していましたので、何点かご紹介することで報告に変えます。
Q1.博物館などで鷹山公の企画展等を実施する時、市の観光振興策として何らかの催しを開催したりしていますか?その際、行政以外の機関で(例えば商店街連合会や商工組合など)何らかのアクションはありますか?
A1.博物館企画と市の観光イベントの連携はしないが、誘客宣伝については博物館の割引など常に連携している。
Q2.子どもや外国人、高齢者等、全ての世代に鷹山公を大きくアピールする上で、「親しみやすさ」という点で何か工夫されている事はありますか?
A2.鷹山公250年祭を記念して、キャラクター「ようざんくん」を作成。また市内全小中学校には肖像画を掲げている。
Q3.観光まちづくりの中で、鷹山公の名を冠した道路・商店街などありますか?
A3.特になし
Q4.地域観光案内人として、鷹山公に詳しい観光ボランティアの活用があれば教えてください。
A4.上杉神社付近の観光案内に無料観光ボランティア「おしょうしなガイド」を配置。また観光客の要望に応じて市内観光の有料ガイドも実施している。
Q5.上杉博物館の管理費、年間来館者数と学芸員を含む職員体制を教えてください。また定期的に行っている企画などありますか?
A5.指定管理者を活用し、年間1億3800万円。来館者数は最近5年間の平均来館者数は大河ドラマの影響もあり、約15万8千人。それを除けば平均年間6万8千人。職員は28人(うち4人が学芸員、11人が非常勤)。年6回の展覧会を実施。またそれ以外に教育普及事業も実施。
鷹山公を冠した観光まちづくりや人づくりについて、街を見たり、Q&Aで回答をいただきましたが、「市民に定着化を図る」施策というより、鷹山公を「宣揚して当たり前であり、どう観光客にそれを伝えるか」の施策が大事という空気が伝わってきました。
博物館などの文化施設(米沢市は教育委員会施設)は、そうした地域風土の醸成が極めて大事だと改めて感じました。