視察報告(2) 国民健康保険加入者のレセプトのデータ化による医療費削減対策について②
12月24日に報告で呉市の国保レセプトのデータ化による医療費削減対策として、ジェネリック医薬品使用促進通知サービスの状況を報告しましたが、今日は重複受診や頻回受診者、重複処方対策について引き続き報告します。
重複受診や重複処方などへの受診指導は、単に医療費の無駄を無くすという点だけではなく、過剰な検査や医薬品の処方は患者にとって薬どころか毒になる場合もあります。こうした状態の方をレセプトから見つけ出すことは、各自治体とも大変稼動がかかり、データ化していない自治体では、実際、的確な保健指導が出来ていないのが実情です。呉市では国保レセプトをデータ化することで、対象者を容易に見つけられるようになり、医療費削減に繋がっているとのこと。
具体的には年齢や地域などを限定し、その中から対象者を抽出。その対象者の方を2名の非常勤看護士が訪問指導。訪問活動は10日間/1ヶ月。年間300件ほどを訪問指導しているとの事。
- 2009年度における訪問指導実施前後1ヶ月間の比較
- 重複受診者
- 重複受診対策・・・51件
- 診療費削減額・・・432,229円
- 頻回受診
- 受診日数削減・・・80人
- 診療費削減額・・・1,906,642円
- 最大実績・・・受診回数30日/1ヶ月 → 15日/1ヶ月
- 重複受診者
- 国保レセプトを活用して、重複処方対策を実施している自治体は2010年4月時点では、1つもなく、呉市が初めて取組んでいるとの事。
【視察所感】
今回の視察は大変参考になりました。最も驚いた事はその費用対効果です。初期投資でサーバーを設置(250万円)した以外は、年間予算は4500万円。そのほとんどが委託費。委託内容は①1件あたり40円の国保レセプトのデータ化経費、②ジェネリック医薬品使用促進通知サービス、③重複受診者等の抽出経費とのこと。その結果、約9000万円の医療費削減効果があったことは特筆すべき内容だと思います。
今後は特定検診とレセプトデータの突合せにより、特定健診の受診勧奨や重症化防止に向けた保健指導を検討しているとの事。
今後、取り組みや検証が進む中で、もっと様々な効果が現れてくると感じました。
墨田区は23区一体型の国保運用ですが、23区の中や国保連合会の中で、国保レセプトのデータ化とそれを活用した取組みを、是非とも実施すべきと強く感じました。
