地方議員のページ/待望の子ども病院が開院/出生率全国一の沖縄県で初めて/母子総合医療の拠点に/公明が後押し 県民の署名運動が実る
出生率が全国一を誇る沖縄県で、今月6日、県民待望の子ども病院(県立南部医療センター・こども医療センター)が南風原町に初めて開院し、小児医療体制の一層の充実が期待されている。25日には、同病院の開設を推進してきた公明党の白保台一前衆院議員と県議会公明党・県民会議の金城勉、前島明男、當山真市、内間清六、上原章の各議員が現地を視察した。
同センターは、周産期医療のほか小児循環器疾患、小児がんなど、胎児から小児までを専門的にケアする母子総合医療の拠点。1年365日、24時間、救急医療を行い、離島の医療支援も担う。小児外来は18科目を数え、県内初の電子カルテも導入した。
屋上庭園や子ども広場(蝶の食草スペース)があり、一般の南部医療センターと合わせ、434床(うち、こども医療センターは120床)。MFICU(母体胎児集中治療室)6床、NICU(新生児集中治療室)30床、PICU(小児集中治療室)6床を備える。
沖縄県は戦後、出生率全国一を保っているが、一方で、10代の出産率が高いこともあって、体重が2500グラム未満で生まれる低体重児の出生率も全国の中で最も高い。また数年前までは、他府県の医療機関で専門的な高度治療を受けるケースもあった。
こうした背景から、1990年代以降、妊婦の安全な出産から、新生児や小児の難病治療を専門とする子ども病院の設立を望む声が高まっていた。2000年9月には、「全国心臓病の子どもを守る会沖縄県支部」など県内11団体でつくる「母子総合医療センター設立推進協議会」が、県民人口の約15%に上る19万3000人余の署名を稲嶺恵一県知事に提出。子ども病院の早期開設が待たれていた。
公明党は00年2月、白保台一・沖縄開発総括政務次官(当時)らが同推進協議会から要請を受け、設立へ向けた取り組みを確約。同県本部として、同協議会と連携しながら、県や政府に子ども病院の早期設置を働き掛けてきた。
白保氏と県議らはこの日、安次嶺馨院長の案内で、小児集中治療室や病室、外来ホールなどを視察し、同病院の機能や体制、課題などについて意見交換した。
同県では72年の復帰以降、新生児や乳児の死亡率が全国最悪レベルにあったが、近年、小児医療関係者の取り組みもあって、死亡率は改善の傾向にある。03年には、新生児死亡率が全国で37番目、乳児死亡率が42番目にまで低下している。
今後、同県は同センターに母子総合医療の集約化を図る考えで、安次嶺院長は「5年を一つの目標に、新生児、乳児ともに死亡率で全国最低をめざしたい」と語っていた。
(公明新聞より)