令和5年10月議会における渡辺太郎の一般質問(空き地の適正管理の抜粋)です。
3 空き地の適正管理について お聞きします。
適正に管理がされない空き地は、雑草やごみの散乱等により、生活環境への悪影響や火災や犯罪の発生、また、土砂崩落の要因となる場合も指摘されております。私も空き地に対する相談を受けることが多くなりました。国では、令和2年に土地基本法を改正し、令和4年には、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」が公布されております。所有者不明等の空き地に関する様々な法の施行等が行われておりますが、概要についてお伺いします。
(建設水道部長の答弁)
「所有者不明土地」は、土地の所有者の探索に多大な時間と費用を要し、公共事業の円滑な実施や、民間における土地取引・利活用の支障になるほか、適正に管理されないまま放置されることにより、周囲に悪影響を及ぼすなど、さまざまな課題が生じております。
その要因としては、人口減少や高齢化の進行などに伴う、土地利用のニーズの低下や、地方から都市部への人口移動を背景とした、土地の所有意識の希薄化等が挙げられており、今後も増加が見込まれております。
こうした状況を背景に、平成30年に「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が制定され、令和元年6月に施行されたところであります。
同法では「所有者不明土地」を、相続登記がなされないことなどにより、不動産登記簿等を参照しても、所有者が直ちに判明しない土地、また、所有者が判明しても、所有者に連絡がつかない土地と定義しております。
主な規定としましては、所有者不明土地を円滑に利用するため、土地収用法の特例を設けるとともに、公園や広場の整備といった地域のための事業に利用を可能にする「地域福利増進事業制度」が創設されております。
このほか、適正な管理が実施されない場合などは、市町村長による勧告、命令、代執行ができる規定などが設けられております。
このように近年、国において、適正に管理されていない土地や建物が増加していることを踏まえ、関係法律の制定・改正が相次いでおりますが、本市においても、今後、人口減少や高齢化の進行により、所有者不明土地や管理不全の空き地・空き家の増加が見込まれ、さまざまな問題が深刻化する恐れがあるため、その対策の強化は急務と考えております。
地方自治体には、各法律において、必要な施策を実施する責務を有するとされておりますので、今後も、関係団体や地域の皆さんなどと連携しながら、総合的な対策が講じられるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
(2回目の質問)
令和2年の土地基本法の改正では、国及び地方公共団体に対しては、「所有者等による適正な土地の利用及び管理を確保するための必要な措置を講ずるよう努める」とあります。「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」では、「利用の円滑化の促進」「管理の適正化」「対策の推進体制の強化」が示されております。(令和4年)
また、本年5月に国土交通省から、「空き家対策と所有者不明土地等対策の一体的・総合的推進」について業務連絡があったとお聞きしますが、どのような内容なのか、岡谷市の対応についてお伺いします。
(建設水道部長の答弁)
国では、空き家対策と所有者不明土地対策等を一体的・総合的に推進し、空き家と土地の有効活用や、適切な管理を図ることにより、地域経済の活性化などに繋げるよう、地方自治体に対しましては、推進体制を検討する旨の通知がなされたところであります。
具体的な取組みとしまして、空き家・土地の所有者への意識啓発、自治体における空き家・土地に関わる相談窓口の一元化、空き家と空き地のバンクの一体的整備、空き家と空き地の地域一帯での活用などが挙げられております。
本市では、空き家につきましては、空き家等対策計画に基づき、さまざまな施策を展開しておりますが、所有者不明土地や管理不全の空き地などに対する対策についても、充実を図る必要があると認識しております。
今後につきましては、このような国の動向や政策パッケージを踏まえ、個人の資産の活用を促進するためには、宅地建物取引業者などの専門分野の方の協力も必要となりますので、各種団体の皆さんの意見もお聞きしながら、総合的な対策の研究・検討に取り組んでまいりたいと考えております。
(3回目の質問)
人口減少社会が進む中、今後、空き家だけでなく空き地も増加することが見込まれ、社会問題になる可能性が指摘されています。岡谷市では、「岡谷市空き家等の適正管理に関する条例」を平成26年に制定しています。空き地に対しても一体的・総合的に進められるように条例改正、又は、制定が必要になってくると思いますがお考えをお伺いします。
(建設水道部長答弁)
所有者不明土地の特別措置法は、所有者が不明な土地に特化した法律となっており、所有者を確知できる空き地に対しては、具体的な規定がない状況であります。
このため、全国の自治体においては、所有者不明土地のみならず、空き地全般に渡る適正な管理に資するため、空き地条例を制定しております。
条例では、根拠法令がないため、空き家の特別措置法を参考に、指導・助言、勧告、命令、代執行等を規定している条例が多く、空き家と空き地を合わせた総合的な条例の例も承知しております。
条例の制定にあたっては、目的や方針、取り組み内容など、本市が推進すべき姿勢を明確にする必要がありますので、今後、取り組み内容の検討を行いながら、条例の制定についても合せて研究してまいりたいと考えております。
(要望)
国土交通省は、空き地対策の推進について、人口減少や相続の増加などを背景に、世帯が所有する空き地の面積は大幅に増加し、高齢社会を迎えて、今後も増加していくと想定しています。
米子市では昨年「空き地の適切な管理に対する条例」を制定しています。国分寺市では「空き家等及び空き地の適正な管理等に関する条例」を平成28年12月に制定しています。条例では、空き地について、「市内の土地で使用がされていないことが常態であるもの。」特定空き地について、「空き地のうちそのまま放置すれば著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適正な管理が行なわれていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められるもの」と定義しています。
是非、岡谷市でも先進地の例を参考にして頂き、条例制定に向けて検討を要望いたします。